2012年11月09日

(5)自分で考える。自立する。自分の判断に基づいて行動する(釜石の奇蹟)

自分で考え、自立しているモニター、CRCを目指そう。

不則な事態が発生しても、冷静に判断できるようになろう。

上司が言うから、治験依頼者が言うから、当局が言うから、ではない。

自分で考えて、これが正しいと思ったことを実行に移すのだ。



2011年3月11日の大震災で「釜石の奇蹟」と呼ばれているものがある。

地震が来た時(その時はもう学校も終わり、児童は市内のいろんな所にいた)、津波が来ると放送される前から、釜石小学校の全児童は自主的に高台に走った。

教師の指示がなくても。

なにしろ、もう放課後なので、児童は市内のいたる所で遊んでいたのだから、教師の指示なんて期待できないし、指示しようにもしようがない、という状況だった。

そういう状況にも関わらず、低学年の児童の手を引いたり、年寄りの手をひいて「自主的に」走った。

中には「逃げない大人」に「逃げよう」と言って、大人に忠告する児童もいたらしい。

「いい大人」は「油断と経験」が邪魔をした。


これは普段から釜石小学校では「自分の命は自分で守る。そのためには自分で考えて、実行に移す」という教育が普段から徹底的に行われていたからだ、ということが今では分かっている。


釜石小学校の校歌がある。


***************

釜石小学校校歌

【作詞】井上 ひさし
【作曲】宇野 誠一郎

いきいき生きる いきいき生きる
ひとりで立って まっすぐ生きる
困ったときは 目をあげて
星を目あてに まっすぐ生きる
息あるうちは いきいき生きる

はっきり話す はっきり話す
びくびくせずに はっきり話す
困ったときは あわてずに
人間について よく考える
考えたなら はっきり話す

しっかりつかむ しっかりつかむ
まことの知恵を しっかりつかむ
困ったときは 手を出して
ともだちの手を しっかりつかむ
手と手をつないで しっかり生きる

****************



「いきいき生きる。ひとりで立ってまっすぐ生きる。息あるうちはいきいき生きる」。

作家・井上ひさしが作詞した釜石小学校の校歌だ。

自分自身で考え行動し、力強く生きる教育理念が込められている。

この教育が徹底していたからこそ、震災の時に子どもは自分で判断し、釜石小学校の全員が津波から逃げることができたのだ。


小学生に出来て、僕らに出来ない理由はある?

あるとすれば、それはただの「言い訳」だ。




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2012年11月06日

(2)研修の限界と経験の重要性

研修で、こんなことをケーススタディでやった。

******************

ある重篤な有害事象が発生した。

当初、治験責任医師はこれを「副作用」として判断した。

しかし、モニターが、あるデータを根拠に「因果関係は否定できるのではないでしょか?」と説明したら、「たしかに」ということで因果関係が否定され「有害事象」になった。

ところが、数日たって、その医療機関から「因果関係は否定できない」となり「重篤な副作用」と報告書が送られてきた。

「あら?話が違うじゃないの」と電話で、その治験責任医師に連絡したら、その病院では副作用報告等の報告書は必ず診療部長の了承が必要で、その診療部長が「これは副作用だ」と判断し、その病院としては「因果関係が否定できる」という見解は出せないと言われた。

こんな時、あなたならどうする?

そもそも、これはどこが問題?

*****************


・・・・というような事例検討をやった。

これをまず新人モニターの答えさせると「病院のSOPを確認する。」とか「SOPが問題」という答えになった。

しょうがないよね。

つい2、3か月前までGCPやSOPの重要性をさんざん教えられてきたからね。

次に、ベテランモニターに答えさせると「因果関係がひっくり返ったことが問題」とまっすぐに問題の本質にたどり着く。

製薬会社としては1つでも副作用が少ない薬を開発しているので、ただの有害事象だったのが、副作用となると痛い。

もちろん、副作用が正しい判断で、それを無理矢理、有害事象にする、という話ではない。

一旦は、医師も因果関係を否定したのに、その上司の所でひっくり返ったという所が問題なのだ。(その上司の判断が正しいかどうかはまた、その次の問題。)


ここで言いたいのは、「研修」というのは特に事例検討というのは「経験不足」を補うためにやるのだが、ベテランモニターが問題の本質に、ズバッとまっすぐたどり着けるのは、それまでの「経験」がものを言う場合が多い。

もちろん、想定される範囲内の出来事だけではなく、全く未知の事故に遭遇した時も、正しい判断ができるように研修を組み立てるのだけれど、それでもそれを上回る想定外の事例が起こり、「現実」は常に「研修の想定」を大きく上回る。

これが「研修」の限界だ。

そして、研修でカバーできないことはOJTや日常業務の経験を通じて学ぶしかない。

ただし、どんなに経験があっても、考える習慣が無いモニターは、経験から何も学ばない。





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2012年11月02日

モニターがやるべきこと(疾患の勉強会をやる)

新しい治験プロジェクトに配属されたら、その疾患の勉強会をやろう!(自分が企画するのだ!!)

今まで、その疾患にはどのような治療薬があるのか、その治療薬にはどんなデメリット、副作用があるのか。

また、その疾患には「治療ガイドライン」があるのか。

たとえば、高血圧治療ガイドライン。
    ↓
http://www.jhf.or.jp/a&s_info/guideline/kouketuatu.html



あるいは(こっちが先か)「臨床評価ガイドライン」があるのか。

たとえば、抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン
    ↓
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/171101-b.pdf

これらに対して、担当する治験薬はどのようなことを提供できるのか。



競合他社の開発状況は?

競合他社のライバルとなる治験薬の情報はなかなか得られないが、たとえば、ここも活用する。
 ↓
http://www.jpma.or.jp/medicine/shinyaku/development/index.html

(上記のサイトはあまり更新されてないので、ちょっと使えないのが現実ですが。)

そのライバルとなる治験薬の特徴などは、信頼できる治験責任医師等から(こっそり)得られる場合もある。



話しは戻りますが、対象疾患の勉強会では、そもそも、何故、そのような疾患が発生してしまうのか、Wikipedia、ネット、論文、成書と、ありとあらゆるツールを駆使して勉強する。

結構、使えるのが「メルクマニュアル」。
  ↓
http://www.msd.co.jp/merckmanual/Pages/home.aspx


さらに、最近ではYouTubeも使える。

たとえば「胃潰瘍」について。
  ↓
http://www.youtube.com/watch?v=PlW6ZWTtxx8


モニターは対象疾患について治験責任医師等と「同等以上」に会話ができないといけない。

そのためには疾患や医学一般の知識が必要だ。

モニターは書類を運ぶだけの「伝書鳩」ではない。

そこを忘れないようにしようね。


こうして、治験の対象疾患の知識を増やしつつ、あらゆる疾患領域を渡る歩く、というのもモニターとしての生き方だし、ある特定の分野(例えば、がん領域とか中枢神経系とか)に特化したモニターとして生き残るという戦略もある。

ちなみに、製薬会社では得意とする領域があるので、あらゆる疾患とはいきにくいが、CROのほうが幅広く疾患を担当する確率が高いかもしれない。


今週の内容をまとめると以下のようになります。

初めて治験を担当するモニターの勉強方法。

●プロトコルを熟読する(逸脱しやすい個所を特定し、プロトコル逸脱の予防策を考える)

●治験薬概要書で治験薬の存在意義を確認する

●CRFのデータはどこから集めるのか全ての欄について検討する

●同意説明文書もしっかり読む

●担当する疾患領域を勉強する


ついでに「モニターへの道」というサイトを僕が作ってありますので、新人モニターの方は、そちらも参考にしてください。
  ↓
http://monitorhenomichi.web.fc2.com/index.html




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2012年11月01日

モニターがやるべきこと(同意説明文書を読む)

モニターの中には「同意説明文書」を読まない人がいるが、それはいけません。

自分が担当する治験について、患者に、どのように説明されるかを知っておくことはモニターの基本だ。

で、同意説明文書を読むときは患者の気持ちになんって読もう。

本当に、この説明文書で患者は治験を理解できるのか、あるいは、自分の父母や祖父母が読んでも理解できるだろうか、という視点で読む。

もし、難しい言葉や説明があったら、改善できないかも考える。

こんな本も出版されているので、参考にしよう。
    ↓
臨床試験・治験用語・用例集―わかりやすい説明文書作成のために
    ↓
「臨床試験・治験用語・用例集―わかりやすい説明文書作成のために」


あるいは、こんな提言もある。
   ↓
「病院の言葉」を分かりやすくする提案
   ↓
http://www.ninjal.ac.jp/byoin/teian/byoin_tyukan_hokoku.pdf


さらに、治験を実施する医療機関にも同意説明文書の規定がある場合もあるので、その場合は、その規定に従う。

(言うまでも無く、GCP上、最終的に同意説明文書を作成するのは治験責任医師の責務。)


緊急の場合や患者が治験について相談したい場合、どこに連絡・相談することになっているのか。

患者に守ってもらいたい事項として、どんなことが記載されているのか、等も確認しておこう。

それをCRC等を通じて、患者に確実に伝えてもらうようにお願いする。


説明箇所を読んだら、「同意」を署名するページも確認する。

CRCが説明の補助を行った場合に、CRCの署名欄があるかどうか、代諾者が多そうな治験(例えば「にきび」の治験なんかは中学生等が多いことが想定されるよね。そんな場合)では、代諾者の署名欄があるかどうか、など。

「公正な立会人」の署名欄があるのかないのか。

そもそも、治験責任医師等が同意書に記載する日付は「説明した日付」を書くのか、患者から同意書を受け取り、患者の同意を確認した日付を記載するのか、念のために確認しよう。


ついでに、「スクリーニング名簿」って、あるよね?

ここに載せるのは、どのような場合に記載するのかも確認しておこう。

「登録名簿」と「スクリーニング名簿」の関係は? とかね。

同意を取得して、血液検査などのスクリーニングに入った患者を「スクリーニング名簿」に記載するのか、登録名簿は同意を取得し、スクリーニングも終わり、治験薬の投与まで進んだ患者を記載するのか、このあたりは治験依頼者によって、考え方に差があるので、確認しておこう。


さらに、ついでのついでに、医療機関との契約で「症例数」は「同意を取得した患者」なのか「治験薬の投与まで進んだ患者」なのかも確認しておく。

それによって、治験費用の金額が変わるからね。

(ちなみに、今年度内に予定されているGCPの改訂で、「契約書」には「症例数」を記載しないことになりそうだ。)



さて、治験のツールを全て確認したら、「対象疾患の勉強会」をやろう!




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2012年10月31日

モニターがやるべきこと(CRFを確認する)

自分が担当する治験のCRFはどのようなデータを集めるのか、まず、確認する。

被験者の基本データ(年齢、性別、体重、身長等)、既往歴、合併症、そして、当該疾患。

既往歴はどれくらい遡って調べるのか、あるいはどの程度の既往歴をCRFに記載するのかをチーム内で確認しておこう。

次にvisitごとに集めるデータはどのようなものがあるのか。

それらのデータは、どの原資料から集めるのか、場合によっては「患者日誌」から集める、なんていうのもあるから要注意。

「患者日誌」に記載されている情報をそのままCRFに記載するのか、それとも、その情報をもとに治験責任医師等が取捨選択して、なおかつ「医学用語」に書き直してCRFに記載するのか、再確認しよう。

もし、そういうことが決まってないなら、決めるように上司に進言すること。

ついでに、その「患者日誌」は治験依頼者が最終的に回収するのか、それとも医療機関で保存してもらうのかも確認しておく。


さて、visitごとに有効性のデータと安全性のデータを集めるのが一般的だけど、CRFの記載欄ごとに、この記載欄に書いてもらうデータは、どの原資料のどの原データを記載するのかも確認しておく。

「有害事象」のコメント欄には「因果関係が無い」時に医師からコメント記載してもらうのか、逆に「因果関係を否定できない」場合にコメントをもらうのか、そもそも、そういうコメントはもらわないのかにも注意しよう。

もし、有害事象が発生した場合、いつまで追跡するのかもチーム内で決めておく。

有害事象の程度もCRFに記載することが普通だ。

たとえば「軽度」「中等度」「高度」のように。

どういう場合が中等度なのか、等は通常、CRFに書かれているので、そこもしっかり確認しておく。


併用薬については、一般的に「市販名」で記載されると思うが、「規格」(20mg錠とか)まで記載するのか、有害事象に使われた薬は、併用薬欄に書かないで有害事象欄に記載するのかも確認しておく。

モニターは、これらのことを全て分かっていないとCRCの聞かれた時に困る。


まれにあるのだが、プロトコルで規定していないデータを記載する欄があることがある。

これは、DM等がCRFを作成する際に、他の治験で使ったモジュールをそのままコピペで使ってしまった場合に起こりうる。

そんなことがないように、CRFの全ての記載欄を逐一、確認しておこう。


・・・・・・ということで、モニターはCRFの全て、隅から隅まで目を通すように。

さらに、治験が開始されたら、データが記載済みのCRFを確認する時の「CRFのチェックリスト」というものが作成されるはずなので、それもしっかりと暗記しておこう。

このチェックリストは治験が進むに従って、改訂、追記がなされることが多いので、それもフォローしよう。


以上が終わったら、次は「同意説明文書」を確認する。




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