2012年09月12日

国際共同治験に関する一般的な留意事項

●今週は「国際共同治験に関する基本的考え方(参考事例)」について」(事務連絡:平成24年9月5日)についてです。


●「国際共同治験に関する基本的考え方(参考事例)」について」(事務連絡:平成24年9月5日)が出ました。
    ↓
「国際共同治験に関する基本的考え方(参考事例)」について」


なお、参考になる資料としては以下の通知もあります。
    ↓
●「国際共同治験に関する基本的考え方について」(薬食審査発第0928010号:平成19年9月28日)
    ↓
「国際共同治験に関する基本的考え方について」



さらにICHのE5の「外国で実施された医薬品の臨床試験データの取扱いについて」等もご一緒にお読みください。
    ↓
「外国で実施された医薬品の臨床試験データの取扱いについて」

「外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族的要因についての指針」に関するQ&Aについて

「外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族的要因についての指針」に関するQ&Aについて(その2)」




★★★ 以下引用 ★★★

●2.国際共同治験に関する一般的な留意事項

★5) 医薬品開発の国際化が進む中で、日本における臨床開発戦略及び臨床試験計画を立案する上で留意すべき点は何か。
     ↓
     ↓
医薬品の臨床開発計画を立案する上で重要なことは、長期的かつ全体的な開発計画を立案するとともに、開発期間中においても、適宜、その時点までに得られているデータを適切かつ十分に評価し、臨床開発の進め方や次相以降の臨床試験計画の効率化や最適化を図ることであり、早期から継続的に臨床開発計画等についてPMDAと相談することが推奨される。

医薬品開発の国際化が進展する中では、国際共同開発の可能性を考慮することが多いと思われるが、開発戦略の如何に関わらず、常に関係する海外担当部署と必要な連携や協力を保ちながら、医薬品開発を進めることが望ましい。

海外担当部署との連携あるいは協力とは、海外との共同治験の実施だけを指すものではなく、国内又は海外で単独で実施する臨床試験であっても、その試験計画立案への関与、試験計画・有効性あるいは安全性情報等の適時共有、定期的な薬事連絡等あらゆる連携や協力を含むものである。


すなわち、医薬品開発の早期から常に海外関連部署との連携を保ちながら、関係者がある医薬品に関する最新のデータや情報を正確に理解し共有した上で開発計画を検討し立案するが、開発計画の効率化や最適化につながるものと考えられる。

日本での承認に向けたより適切な開発計画を立案するためにも、開発早期の探索的な段階から日本人患者でのデータを集積していくことが望ましい。


現時点において日本で又は日本を含めて実施されている主な臨床開発戦略としては、国内単独で臨床試験を実施する開発、海外臨床試験結果を外挿するブリッジングによる開発、検証試験を含めた臨床試験を海外と共同で実施する国際共同開発の3つがあり、国際共同開発には欧米等と連携して実施する世界規模の国際共同開発及び日中韓等の東アジア地域を中心として実施する東アジア国際共同開発があると考えられる。

これらの開発方法の特徴を十分に考慮し、開発中の医薬品の性質やその時点で得られているデータ等から、次相として最も適している臨床試験計画を策定することが重要である。

★★★★★★★★★★★★





●「開発戦略の如何に関わらず、常に関係する海外担当部署と必要な連携や協力を保ちながら、医薬品開発を進めることが望ましい。」

う〜〜ん、総合機構の方から、社内の関連部署との連携についてのご提案まであるとは思いませんでした。

サービスがいいですね。

と言うか、こんなことを当局から言われてしまうことを恥ずかく思いましょう。





★★★ 以下引用 ★★★

★6) 国際共同治験の結果を評価する際に留意すべき点は何か。
     ↓
     ↓
日本人を対象に国内で実施される臨床試験の結果の評価と同様の手順で、患者背景の確認、有効性評価、安全性評価を行うことが原則である。

評価の際には、全集団の評価に加えて日本人集団のみの評価を行った上で、全集団との間の一貫性について検討することが必要となるが、日本人集団が試験における部分集団であり必ずしも試験目的を達成するのに十分な症例数が組み入れられていない可能性、組み入れられた集団間に結果として差異が生じている可能性等に留意することが重要である。

したがって、日本人集団の結果の評価に際しては、日本人症例数を踏まえ、点推定値のみならずその精度(標準偏差等)にも着目する必要がある。

また、日本人集団における主要評価項目の評価だけではなく、副次評価項目についても、主要評価項目の結果や全集団の結果と同様の結果が示されているか確認すべきである。

また、安全性についても同様に、全集団と日本人集団との間で著しく異なった傾向が認められていないか確認すべきである。

全集団と日本人集団との間で結果に差異が認められた場合には、要因毎の部分集団解析結果等も参考に差異が生じた原因について十分に考察し、当該国際共同治験の結果を日本人の有効性及び安全性の根拠とすることが可能であるのか慎重に評価する必要がある。

なお、これらの評価結果及び考察については、申請時にCTDに適切に記載すべきである。




★7) 海外在住日本人を対象として、海外で実施された試験結果を評価する上で、留意すべき点は何か。
     ↓
     ↓
海外で実施された試験結果を適切に評価するためには、まずは、ICH E5ガイドラインで述べられているような民族的要因(内因性及び外因性)について考慮することが重要である。

その上で、開発初期に日本人での薬物動態を評価する試験は、通常健康成人で実施されることが多く、医療環境よりも、遺伝的要因等の内因性民族的要因が結果を評価する上で重要であり、食事等の生活環境等の外因性民族的要因の違いによる影響を考慮する必要があるものの、多くの場合、海外在住日本人を対象として海外の治験施設で実施された結果から日本人の薬物動態を評価することは可能である。

一方で、有効性及び安全性を評価する試験では、内因性民族的要因のみならず、診断方法や標準治療等の医療環境、教育、文化等の社会的要因等の外因性民族的要因を考慮する必要がある。

したがって、日本人における有効性及び安全性については、日本の医療環境下で確認すべきであり、日本在住の日本人が適切に組み入れられた臨床試験(国際共同治験又は国内単独での臨床試験)の結果に基づき評価することが適切である。


★★★★★★★★★★★★

上の「海外在住日本人を対象として、海外で実施された試験結果を日本人のデータとして使う」という戦略は考えがちですね。

何故、そんなことをやるのか?

日本人のデータなんだから、日本でやれば? と思いますよね、普通は。

でも、日本で治験をやると色々とうるさいので、アメリカに住んでいる日本人(人種的に)を治験に組み込んだほうが速く治験が進む、という悲しい現実があるわけです。

そのあたりも釘が刺されています。
   ↓
「日本人における有効性及び安全性については、日本の医療環境下で確認すべき」

ホントかね?

日本から治験が逃げるので、言っているのでは? なんて勘繰りたくなりますよね。

まぁ、「事務連絡」のほうが正論を述べているだけですけれど。




★★★ 以下引用 ★★★

★8) 異なった民族での薬物動態を比較する上で一般的に留意すべき点は何か。
     ↓
     ↓
一般に、異なった民族間での薬物動態を比較する際には、内因性民族的要因以外の要因による変動を低減するため、測定方法等も含め同一プロトコル(別試験での実施も含む。)で収集した薬物動態結果に基づき比較することが望ましい。

また、代謝酵素やトランスポーターにおける遺伝的変異が、開発中の医薬品の薬物動態に影響を及ぼすと考えられる場合には、その遺伝的変異の各民族における発現率等も考慮し、治験において遺伝子検査を実施し、各遺伝型での集計なども行った上で、評価することが重要である。

独立して実施された複数の薬物動態試験結果を比較して、各民族での薬物動態の類似性や差異を考察する場合には、内因性民族的要因のみならず、外因性民族的要因についても考慮に入れないと、結果の解釈を誤るおそれがある事例が最近明らかとなっており(平成22年度厚生労働科学研究費補助金・行政政策研究分野 地球規模保健課題推進研究(日中韓大臣声明に基づく医薬品の民族差に関する国際共同臨床研究)川合班報告書)、試験方法、対象被験者、定量法(バリデーションの有無、定量限界等を含む)、測定時点、投与条件、投与薬物の用量や製剤、試験結果の標準偏差の大きさ(はずれ値の存在の有無等を含む)、実施時期等における各測定方法間の差異を精査し、差異がある場合には、その差異が評価に影響を及ぼす可能性及び程度について、十分な検討を行った上で試験間の比較を行う必要がある(製剤が異なる場合には製剤間での生物学的同等性の有無等も含む)。

同一プロトコルで収集した日本人と他の民族での薬物動態試験結果が存在しない場合には、その後に実施する治験計画を工夫することなどにより、遅くとも検証的な国際共同治験を実施する前までには、少なくとも投与後の数点において、同一プロトコルによる薬物動態特性から適切と考えられる指標(例:Cmax、トラフ値等)のデータを、検証試験に組み入れることを予定している主要な民族で入手できるよう計画することが望ましい。

★★★★★★★★★★★★


上記に平成22年度厚生労働科学研究費補助金・行政政策研究分野 地球規模保健課題推進研究(日中韓大臣声明に基づく医薬品の民族差に関する国際共同臨床研究)川合班報告書というのがありますね。

で、それって、どこにあるの?

グーグルで検索しろ、ってこと?

相変わらず「殿様商売」だな。

顧客満足度調査をしたらどうだろう?

リンクを貼っておいて欲しいな。




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2012年09月11日

東アジア国際共同治験を考える

●今週は「国際共同治験に関する基本的考え方(参考事例)について」(事務連絡:平成24年9月5日)についてです。


●「国際共同治験に関する基本的考え方(参考事例)」について」(事務連絡:平成24年9月5日)が出ました。
    ↓
「国際共同治験に関する基本的考え方(参考事例)」について」


なお、参考になる資料としては以下の通知もあります。
    ↓
●「国際共同治験に関する基本的考え方について」(薬食審査発第0928010号:平成19年9月28日)
    ↓
「国際共同治験に関する基本的考え方について」



さらにICHのE5の「外国で実施された医薬品の臨床試験データの取扱いについて」等もご一緒にお読みください。
    ↓
「外国で実施された医薬品の臨床試験データの取扱いについて」

「外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族的要因についての指針」に関するQ&Aについて

「外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族的要因についての指針」に関するQ&Aについて(その2)」




★★★ 以下引用 ★★★


●2) 東アジア地域での国際共同治験を計画することが推奨される疾患領域はあるか。
     ↓
     ↓
★どのような疾患領域であっても東アジア地域での国際共同治験を実施することは可能と考えられるが、東アジア地域で特に必要性が高い医薬品、例えば、欧米に比べて東アジア地域で罹患率が高い疾患領域(例:胃癌、肝炎等)で、かつ日本単独では検証試験の実施が困難な疾患領域では、東アジア地域での臨床開発を積極的に計画することが、臨床開発全体の効率化や質の向上に寄与する可能性がある。

なお、計画時には、上記1)を参照するとともに、東アジア地域だけでなく欧米等も含めた全世界的な開発を目指す場合には、世界全体での臨床開発計画における東アジア地域での国際共同治験の位置付けを、予め明確化した上で開発を進めることが適切であり、欧米等での開発と連携を保ちつつ東アジア地域での開発を進めることが必要である。



●3) 民族間における薬物動態プロファイルの比較から、どのような国際共同開発戦略を構築することが、一般的には可能であるか。
     ↓
     ↓
★開発戦略は、様々な要因を考慮して決定されるものであり、一般的に確立された考え方はないが、日本における医薬品の承認を目的として開発を進める場合で、薬物動態プロファイルの差異に着目すると、日本人と欧米人又は日本以外の他の東アジア民族との比較等を行うことが考えられる。

日本人と欧米人との間で、薬物動態に大きな差異がないと考えられる場合には、早期の探索的な試験から日本人と欧米人での国際共同治験の実施が可能と考えられ、欧米諸国と継続的に連携しながら国際共同開発を行うという選択肢について検討することが有用である。

一方、日本人と欧米人との間で薬物動態に大きな差異が認められるものの、日本人と他の東アジア民族との間で大きな差異がないと考えられる場合には、日本人と他の東アジア民族を主とする探索的な国際共同治験の実施が考えられ、東アジア地域を主体として開発するという選択肢について検討することが有用である。

日本人と外国人(欧米人あるいは他の東アジア民族)との間で薬物動態に大きな差異が認められる場合には、その差異が生じる理由並びにそれが有効性及び安全性に及ぼす影響について詳細に検討した上で開発計画を立案すべきであり、日本人における単独での探索的試験の実施についても検討が必要である 。


検証的な試験を国際共同治験として実施するか否かについては、探索的な試験等の結果に基づき判断する必要があるが、薬物動態プロファイルでの差異のみならず、どのような民族的要因が医薬品の有効性及び安全性に影響を及ぼしているのかについて、層別解析等の結果に基づき十分に検討することが必要であり、検証的な試験を開始する前に、組み入れる全集団での結果を主要評価項目として設定し、評価することの適切性を説明する必要がある。

なお、得られた試験結果の評価に関しては、本文書の項目「6)国際共同治験の結果を評価する際に留意すべき点は何か。」を参考にしていただきたい。




●4) ブリッジング試験を国内臨床試験ではなく東アジア国際共同治験として実施し、欧米で実施された臨床試験結果を外挿することは可能か?また、その際に留意すべき点は何か。
     ↓
     ↓
通常、ブリッジング試験は、海外で実施された臨床試験結果を日本人に外挿することを目的としており、日本人を対象として実施される。

したがって、東アジア国際共同治験をブリッジング試験と位置付け、欧米の試験結果を外挿しようとする場合には、予め十分なデータや情報を収集した上で、日本人と他の東アジア民族との間で民族的要因の影響が評価を行う上で問題にはならないという科学的根拠を説明する必要があり、得られた結果においても日本人と他の東アジア民族との間で一貫した結果が確認できていることがブリッジングコンセプトに基づく評価を行う上での前提となる。

個別のケースについては、予めPMDAの対面助言で相談することが推奨される。

なお、ブリッジング試験を国際共同治験として実施する上での留意点等については、既にICH E5ガイドライン質問11に対する回答(『「外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族的要因についての指針」に関するQ&Aについて(その2)』, 平成18年10月5日付事務連絡)で述べられているので、参考にしていただきたい。

★★★★★★★★★★★★


なんと言うか、「予め十分なデータや情報を収集した上で、日本人と他の東アジア民族との間で民族的要因の影響が評価を行う上で問題にはならないという科学的根拠を説明する必要があり」とありますが、これを説明するだけのデータを集めるだけでも大変そう。

そんなことを言うなら、さっさと「国」別に治験をやって、その「国」に申請したほうが速かったりして・・・・・・。

探索試験から東アジアでやるのか、検証試験から東アジアでやるのか、戦略を練っておきましょう。

できるだけ、治験の数が少なくなるように知恵を絞りましょうね。



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2012年09月07日

国際共同治験に関する基本的考え方(参考事例)について

●今週は「国際共同治験に関する基本的考え方(参考事例)について」(事務連絡:平成24年9月5日)についてです。


●「国際共同治験に関する基本的考え方(参考事例)」について」(事務連絡:平成24年9月5日)が出ました。
    ↓
「国際共同治験に関する基本的考え方(参考事例)」について」


なお、参考になる資料としては以下の通知もあります。
    ↓
●「国際共同治験に関する基本的考え方について」(薬食審査発第0928010号:平成19年9月28日)
    ↓
「国際共同治験に関する基本的考え方について」



さらにICHのE5の「外国で実施された医薬品の臨床試験データの取扱いについて」等もご一緒にお読みください。
    ↓
「外国で実施された医薬品の臨床試験データの取扱いについて」

「外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族的要因についての指針」に関するQ&Aについて

「外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族的要因についての指針」に関するQ&Aについて(その2)」





では、早速、「国際共同治験に関する基本的考え方(参考事例)」について」の「はじめに」を見てみましょう。

★★★ 以下引用 ★★★

我が国が参加する国際共同治験の経験は、平成19年に「国際共同治験に関する基本的考え方について」(平成19年9月28日付薬食審査発第0928010号、厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)が通知されてから着実に増加しており、近年では、欧米との国際共同治験だけでなく、日中韓等の東アジア地域での国際共同治験も増加している。

また、我が国と海外との連携内容も、開発の初期段階からの国際共同治験の実施や数千例を超える大規模国際共同治験への参加等多様化しつつある。

医薬品の国際開発が進む中で、国際共同治験、特に東アジア地域における国際共同治験が円滑かつ適切に実施されることは、得られた結果の評価を行う規制当局にとっても重要な課題である。

★★★★★★★★★★★★


う〜〜ん、日中韓等の東アジア地域での治験が増えつつあるんですね。

そりゃそうですよね、人種が近いから。

できたら、東アジアで実施した治験のデータを日本でもそのまま「日本人のデータの代わりに」使いたいという思いもありますからね。

それに、中国は巨大な医薬品市場ですから。

中国ですぐに申請するためにも、中国人のデータは必須ですぜ。

過去の海外治験は主として欧米でしたが、昨今は、東アジア地域での治験が増えているのが特徴。


その他にも数千例を超える大規模国際共同治験を行っている企業もあるようです。

焦りますね、国内治験だけでも「フーフー」言っている製薬会社は。


★★★ 以下引用 ★★★

●1.東アジア地域での国際共同治験に関する留意事項

★1) 東アジア地域で国際共同治験を実施するにあたって特に留意する事項はあるか。
     ↓
     ↓
日中韓等の東アジア地域の民族間では、代謝酵素における遺伝子多型の種類と頻度あるいは遺伝子プロファイルが類似していると考えられ、近年では、東アジア地域での国際共同治験を主たる臨床試験結果として承認された医薬品もある。

したがって、十分な検討に基づき計画され、実施された東アジア地域での国際共同治験の結果を、本邦での承認申請資料として受け入れることは可能である。

しかしながら、東アジア民族間においても民族的要因(内因性民族的要因のみならず、医療習慣や社会経済的要因等の外因性民族的要因も重要)の差異が、医薬品の有効性及び安全性(データそのものだけではなく、評価に及ぼす影響も含む。以下同様)に影響を及ぼす可能性はあるため、東アジア地域で実施する治験であっても、欧米諸国と実施する国際共同治験の場合と同様に、民族的要因の差異が医薬品の有効性及び安全性に及ぼす影響について予め十分に検討した上で、国際共同治験を計画し実施する必要がある。


特に、東アジア民族を一つの集団と捉えて検証的な治験を実施しようとする場合には、予め十分なデータや情報を収集した上で日本人と他の東アジア民族間における民族的要因の影響について検討し、その結果を踏まえて適切な仮説に基づく試験計画を策定することが適切であり、臨床薬理学的試験を別途実施することで有用なデータが得られる場合もある。

具体的な試験デザイン、評価方法等については、事前にPMDAの対面助言で相談することが推奨される。

今後、東アジア地域における科学的データや情報をより集積し検討することで、民族的要因の差異に関する理解が深まり、東アジア地域における国際共同治験をより円滑かつ適切に実施することにつながると考えられる。

このような検討を積み重ねることによって、東アジア地域を含む臨床開発の効率化と質の向上が期待され、最終的には、本邦の承認申請に東アジア地域で実施された国際共同治験の結果をさらに利用しやすくなるものと考えられる。

したがって、開発計画の中に東アジア地域における国際共同治験を含めることも検討し、東アジア地域での情報を集積することが望まれる。


★★★★★★★★★★★★

うむ。

つまり、単純に東アジアで治験を実施したからと言って、そのデータをそのまま日本の申請に使われるとは限りませんからね、とまず釘が刺されています。

ところで、こういう通知類は日本語的に分かりにくくなっています。

何故なら、単文ではなく複文になっているからですね。

何故、こんなに分かりにくくなっているかというと、簡単に分かってしまうとお役人さんが困ってしまうからです(冗談だよ!)

そういう場合(文章が分かりににくい場合)は、できるだけ節ごとに区切って、箇条書きにすると分かりやすくなります。

上記の引用部分を箇条書きにしてみましょう。(途中で、僕が茶々を入れています。)


●近年では、東アジア地域での国際共同治験を主たる臨床試験結果として承認された医薬品もある。(←あるんですね!)

●十分な検討に基づき計画され、実施された東アジア地域での国際共同治験の結果を、本邦での承認申請資料として受け入れることは可能。

⇒あのね、この「十分な検討」が意味不明。

●東アジア民族間においても民族的要因(内因性民族的要因のみならず、医療習慣や社会経済的要因等の外因性民族的要因も重要)の差異が、医薬品の有効性及び安全性(データそのものだけではなく、評価に及ぼす影響も含む。以下同様)に影響を及ぼす可能性はある。

●内因性民族的要因のみならず、外因性民族的要因も重要。

⇒ここに出てきた「外因性民族的要因」とは何か?

これは、ICHのE5の「外国で実施された医薬品の臨床試験データの取扱いについて」を見ないと分かりません。
    ↓
「外国で実施された医薬品の臨床試験データの取扱いについて」


上記のPDFのページ数で言うと14ページにあります。
    ↓
★★★★★★★★★★★★

・外因性民族的要因(Extrinsic Ethnic Factors):

外因性民族的要因とは、個人が住んでいる環境や文化に関連した要因である。

外因性要因は遺伝よりも文化及び行動様式によってより強く決定される傾向がある。

外因性要因には、地域の社会的及び文化的な側面に関係するものが含まれる。

例えば医療習慣、食事、喫煙、飲酒、環境汚染や日光への暴露、社会経済的地位、処方された薬の服用遵守、並びに異なる地域の臨床試験の信頼性にとって特に重要なものとして、臨床試験の計画及び実施方法が挙げられる。

★★★★★★★★★★★★


なんて言うか、当局は通知や事務連絡を出す時は、参考すべき通知を必ず書いてあるので、それはそれで便利だし嬉しいのですが、今後は通知類のタイトルを書くだけではなく、ちゃんとリンクを張っておいて欲しいよね。


話は戻ります。


●東アジア地域で実施する治験であっても、欧米諸国と実施する国際共同治験の場合と同様に、民族的要因の差異が医薬品の有効性及び安全性に及ぼす影響について予め十分に検討した上で、国際共同治験を計画し実施する必要がある。

⇒はい、ここにも出てきました「予め十分に検討」。


●特に、東アジア民族を一つの集団と捉えて検証的な治験を実施しようとする場合には、予め十分なデータや情報を収集した上で日本人と他の東アジア民族間における民族的要因の影響について検討し、その結果を踏まえて適切な仮説に基づく試験計画を策定することが適切。

●臨床薬理学的試験を別途実施することで有用なデータが得られる場合もある。

●具体的な試験デザイン、評価方法等については、事前にPMDAの対面助言で相談することが推奨される。


⇒ということで、「予め、十分に何を検討すればいいのか?」は総合機構に相談してください。

ただ、この通知のここ以降のQ&Aを読んでいくと、ある程度、どのようなことを事前に検討すればよいかが(多少ですが)分かります。


あとね、思うのですが、もし東アジア地区で国際共同治験を行った場合、懸念されるのがCRFを作成する医師の意識。

特に「有害事象」とか「副作用」をどう捉えるのかが、随分、違うと言う話を聞いたことがあります。

その結果、「有害事象」の発生率が日本だけ突出するとかね。

このあたりも難しそう。



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2012年03月15日

製薬業界の今日のトピックス(4)英語できると「得をする」というよりは、英語ができないと「損をする」のだ。

英語能力は臨床開発だけに要求されているわけではない。
   ↓
ファイザー がん領域MRの英語力向上 海外文献の内容をより早く・正確に情報提供


国際共同治験、世界同時開発が進む、内資系の製薬会社もどんどん国際化が進んでいる。

モニターやCRCも英語のCRFに対応しないといけない場面がこれからも増えるだろう。

僕は何度もこのブログで「英語力」の必要性を訴えてきたけれど、最終的には自己の意識しだいなのだ。

そりゃ、会社が英語の勉強にお金の補助をしてくれればうれしいけれど、会社のお金の補助が英語力の向上には繋がらない。

何故なら、勉強をするかしないのかは、補助金の有無ではなくて、自分の気持ちしだいだからだ。

これからは、どこでどんな職業をやっていこうと、英語力はつけておかないと損です。



*************************

今年も悲惨な除隊が続いている。
   ↓
14年連続の3万人超 平成23年の自殺者


うつ病から自殺する人も多い。

財政面や生活困難や病気を苦にしてとか、人間関係などいろんな理由がある。

僕の親友も3人が自殺している。

いろいろあるけれどさ、自殺はしないほうがいい。

どうせ人間はいつか死ぬ。

それを早めていいことなんてない。

周囲も気をつけていよう。

うつ病はしっかりと治療しよう。

「いのちの電話」というのもある。
  ↓
http://www.find-j.jp/


さ、未練を抱えながらも生きていこうよ。







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   ↓
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   ↓
ホーライ製薬・・・架空の製薬会社の日常


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    ↓
「臨床開発モニター、治験モニターへの道」(優秀なモニターになる方法、モニターの教育方法)


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   ↓
最新の医療ニュース、最新の製薬業界のニュース


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       ↓
『ハードボイルド・ワンダーランド日記』(半径5mから100億光年のできごと)


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       ↓
『ホーライの独り言』(50代サラリーマンの独り言)


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       ↓
『ホーライの3行日記』(僕の1日なんて3行で十分さ)


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             ↓
成功する方法、成功するコツ、成功する秘訣、成功する法則を紹介するサイト


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          ↓
「仕事の基本、仕事の成功方法 自己啓発の方法 才能を伸ばす方法」の紹介サイト。






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2011年03月24日

国際共同治験から学ぶこと●学習する組織を作る

十条「これからは、とにかく、業務の効率化を徹底的にはかるのが大事よ。」

オチケン「社内稟議書なんてさっさと廃止して、各リーダーに権限移譲しよう。」



るみ子の酒「今回の経験を活かして、各種マニュアルやフローリストを作成したので、活用してね。これもイントラネットに載っている。」

社長秘書「各種ツールを作ったら、それをメンテナンスする部署も必要だ。」

大黒「せっかく作ってもらったマニュアル類が放置されて陳腐なものになってしまう、というのも、いろんな会社で見てきた。」

くりこ「ドキュメント管理部門とか臨床情報担当部署というように、その手の情報やマニュアルの維持・管理を担う部署を作ることも検討する。」




スナフキン「組織が経験を活かして学習する組織になるためにも、貴重な経験を暗黙知から形式知に変える仕組みも作っておこう。」

こさめ「たとえば、どんな?」

ルパン三世「今回のように、国際共同治験に限らず、貴重な体験をしたチームを中心に座談会をすればいい。」

ルーシー「そのようね。」




デーさん「業務の方法や進捗状況を『見える化』していく。ナレッジマネジメントを回せばいい。」

しまうま「うん。『SECI(せき)モデル』を回すのね。」

プリンセス・オーロラ「どういうこと?」

kaizer11「まずね、貴重な体験をした人たちって、いろんなノウハウをその経験を通して学んでいるよね。」

震電「そうだね。」

ふじおねえ「だけど、それはまだ『個人の貴重な体験』というだけで、マニュアル化されていない。この状態のノウハウを『暗黙知』と呼んでいる。」

ブライアン成田「うんうん。」

よっきゅん「その個人の貴重な体験を今回のように個人が体験したことをほかのひとたちと共有化するのが最初のステップで、これを『共同化 Socialization』という。今回の座談会がこれにあたるわね。」



メタルナイト「日本では昔から、子弟制度という形で師匠の技を言語化することなく、師匠の暗黙知を弟子と師匠が共有化して盗んでいく、よね。」

秘密研究員「その供給化された知識をマニュアルやSOPなどの言語に落とし込む作業を『表出化 Externalization』と呼ぶ。」

ドンドン「なるほど。」

ピクミン「次に、そのようの『表出化された知識』を組み合わせていき、新しい知識を作るのが『連結化 Combination』と呼びます。」

くも「たとえば、今回の国際共同治験で得られたノウハウをマニュアル化したけれど、これをさらに国内の治験にもあてはめて、よりいっそうブラッシュアップさせる、ということ。」



ひで「こうして、貴重な体験やノウハウをマニュアル化して、どんどんみんなに使ってもらい、そうすることで、それらがさらにみんながノウハウとして使えるようになると、新しいノウハウが生まれるよね。これが『内面化 Internalization』だ。この新しい暗黙知をまた共同化する、というサイクルを回していくのがナレッジマネジメントの一種だ。」



翡翠「今、説明した4つのステップの頭をとってSECI(せき)モデルと呼んでいる。詳細はこの本を読んでね。」
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ステップ1:『共同化 Socialization』

ステップ2:『表出化 Externalization』

ステップ3:『連結化 Combination』

ステップ4:『内面化 Internalization』



やなか爺「こうして、貴重な個人の体験、ノウハウを組織の力にしていく学習する組織が21世紀で生き残る組織というわけだ。」





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ラベル:学習する組織
posted by ホーライ at 18:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 国際共同治験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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