2011年07月21日

新薬開発のプロジェクトミーティング・・・ベンチャー買収について

翡翠「当社(ホーライ製薬)に限らず、バイオベンチャーに興味を示す大手製薬会社も増えたね。」

やなか爺「2007年のエーザイによる米MGファーマの買収(買収金額39億ドル=約3400億円)、2008年の武田薬品による米ミレニアム・ファーマシューティカルズの買収(同88億ドル)、2010年に入ってのアステラス製薬による米OSIファーマシューティカルズの買収(同40億ドル)が代表的なものである。」

翡翠「これらの買収には共通するキーワードがある。それは「2010年問題」、「パイプライン」「抗体医薬」の三つである。」
   ↓
http://jp.wsj.com/Business-Companies/node_83625

やなか爺「製薬会社にとってのリスクとベネフィットを考えて、低分子化合物と高分子化合物の開発をバランスよくやっていきたいけれど、低分子化合物はもう研究しつくされた感がある。」

翡翠「でも、「創薬」には欠かせないよね。低分子化合物も。」



◆◆◆◆◆◆(ウィキペデイアより)◆◆◆◆◆◆◆◆◆

創薬(そうやく、drug discovery)とは医学、生物工学および薬学において薬剤を発見したり設計したりするプロセスのことである。

以前は、大半の薬剤が伝統治療薬(生薬)の有効性成分の同定や宝探しのようにして発見されたものであった。今日における創薬アプローチは疾病や感作が分子生物学や生理学の見地で解明された制御機序や、その見地において見出された創薬対象の特性を理解することで薬剤を発見する手法である。


創薬のプロセスは、候補化合物の同定、合成、特徴付け、薬効のスクリーニングおよびアッセイの順に進展する。これらの試験で有用性を有する化合物を見出すと、前臨床試験の医薬品開発プロセスに進む。テクノロジーや生物システムの解明が進んでいるのにもかかわらず、創薬はまだ長期間を要す上に新薬発見の成功率は低い。

創薬に予想もしない恩恵をもたらす可能性を秘めた暗号であるヒトゲノム情報は治療標的のボトルネックを計算機上で排除すると信じられている。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




やなか爺「うん。今後も新薬候補の「スクリーニングとデザイン」がますます重要になってくる。」





◆◆◆◆◆◆(ウィキペデイアより)◆◆◆◆◆◆◆◆◆

早期のスクリーニングで完璧な候補化合物が出現することはほとんど起こりそうもないことである。

たいていは、ある程度の薬理活性をもったいくつかの化合物が発見される。

そしてそれらが共通の化学構造を持つ場合は、単一かあるいは複数のファーマコフォア(w:en:pharmacophore)が見出されることがある。

この時点で、医薬品化学者は構造活性相関( w:en:structure-activity relationshipSAR)を試みて幾つかの性質を改善してリード化合物を仕立てるのである。

その改善とは次のようなものである:

▼選択された標的に対する活性を増大する。

▼無関係の標的に対する活性の低減させる。

▼分子特性が薬に適した性質やADMEの改良を行う。

このプロセスは幾つかの試行錯誤的なスクリーニングの実施が必要となることがある。

その過程において、望ましくは、新しい分子の性質が改良され、In vitro試験や In vivo試験を実施する上で採用された病理モデルの活性の点で好ましい化合物になっていることである。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



翡翠「ねぇ、こう見てくると今後の創薬はIT抜きでは考えられないわね。」

やなか爺「もちろん、そうなんだけれど、実はヒューマンスキルも見逃せない。」

翡翠「どういうこと?」

やなか爺「素晴らしいアイデアはITの中からではなく、今でも「科学者の頭の中」から生まれてくる。」

翡翠「そりゃそうだ。」

やなか爺「製薬企業の研究所が研究者の「直感」に頼らずにシステマチックに新薬の開発を行うとすればするほど、企業間の差異が無くなり、逆説的に「科学者の直感」だけが、差別化の要因になるわけだ。」

翡翠「直感を鍛える方法ってあるの?」

やなか爺「あるね、と断言したい。」
   ↓
http://www.happylifestyle.com/article/62

翡翠「経験を積めば積むほど直感が冴える。たとえ「失敗」という経験だったとしても。」

やなか爺「あとは飽くなき好奇心と情熱が必要だ。」


やなか爺「ペニシリンの再発見という事実からも、今もまだ見逃している科学があるはずだ。」
  ↓
http://blog.goo.ne.jp/cool-susan/e/6361a62c185ffcad9893a8cd5fafbffa



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


フレミングの鋭い観察力がペニシリンの発見を生むことになった。

しかし熟練した化学者の協力を得ることができずペニシリンを精製することができなかった.

ペニシリンは化学的に不安定で精製するのが困難だったのである.

臨床的な動物実験には至らず,研究は約10年もの間放置されることになった.

彼の研究は英国実験病理学雑誌に掲載されたままとなった.
 
昭和15年になって,イギリスオックスフォード大学の病理学者フローリーと生化学者チェーンがこのペニシリンの作用に着目した.

彼らはともにフレミングが発見したリゾチームの研究を行っていたが,フレミングの論文を読みペニシリンの実用化へと方向を変えたのである.

2人はペニシリンの酸性溶液が低温エーテルで抽出できること,さらにそれを濃縮乾燥させても安定していることを見いだした.

このようにしてペニシリンを分離精製し,化学的に安定な粉末状にすることに成功した.

さらに連鎖球菌,ブドウ球菌,ガス壊疽菌などをマウスに感染させペニシリンを投与すると,死ぬべきマウスが死なないで生存することがわかった.

このように感染症に効果があることが証明された.

この成果は「化学療法剤としてのペニシリン」の論文名で雑誌「ランセット」1940年8月24日号に掲載された。

彼らは分離精製の技術に引き続き,クスリとして大量に生産する方法も開発した.


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


翡翠「今日も飽くなき好奇心と情熱と言う武器を携えた科学者が新薬の種を探究しているわけさ。」




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2011年07月20日

新薬開発のプロジェクトミーティング・・・・・ジェネリックに追われないようにする工夫。複雑な構造式の新薬を作る。

くも「ジェネリック市場って、今、どれくらいなの?」

ひで「日本で4000億円くらい。これに詳しい。」
  ↓
http://www.dbj.jp/ja/topics/report/2009/files/0000004033_file2.pdf


くも「ジェネリックが出てくると、急速に薬価が下がるから、各社ともジェネリック対策を考えているよね。」

ひで「2010年問題を教訓にしているんだろうね。」

くも「そこで、矛盾していそうだけど、新薬メーカーはジェネリック市場にも参入し始めた。」

ひで「それと、ジェネリックが出にくくするために、合成が難しい高分子の新薬開発を目指している。」

くも「天然物で抽出が難しく、あるいは微量しか天然にないもの。それで複雑な構造をしていてい合成が難しかったら、ジェネリックの参入を防げるね。」

ひで「たとえば、エーザイの「ハラベン」という製品がある。」

くも「うん。最近、承認された乳がんの薬だね。」

ひで「これは複雑な化合物として最たるものだ。」

くも「もともと、この化合物は四半世紀前に三浦海岸(神奈川県)で採取されたクロイソカイメンに行き着く。」

ひで「カイメン?」


くも「軟体動物のカイメン(海綿)だ。」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


●上村大輔慶応大教授は1985年、平田義正名古屋大名誉教授(故人)らとともに、この海綿から抽出した「ハリコンドリンB」という物質の複雑な構造を特定した。

92年には米ハーバード大の岸義人名誉教授が人工的に合成することに成功して、欧米の競争相手たちをあっと言わせた。
 
エーザイはこの成果を元に薬の開発に着手。

62工程という難度の高い合成ルートを確立し、コスト面などから敬遠されがちだった複雑な化合物も産業化できることを示した。

  ↓
http://www.nagahama-i-bio.ac.jp/news/news/2011/05/post_129.html


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



ひで「当社でも今後の戦略として天然由来で合成が難しい新薬の開発に進みます。」

くも「でも、そんなにリソース(人材・資金)がないわよ。」

ひで「そこで、アカデミア(大学関係)やベンチャーとの提携を進めます。」

くも「それでも、その資金は?」

ひで「新薬開発のパイプラインを絞り、リソースの投入を選択と集中させます。」

くも「そもそも、先日お話したデーモン製薬の戦略はインドのキャサリン大学の研究成果を市場に出す、というもの。」(フィクションです。)



ひで「最近、そういう戦略のベンチャーが増えてきたわね。」

くも「たとえば、オンコセラピーサイエンス社では東京大学医科学研究所のLMM技術を基盤として研究をスタートしている。」
   ↓
http://www.oncotherapy.co.jp/vaccinediv/technology.html


くも「ほかにも大阪大学発ベンチャーのABsize(エービーサイズ)もある。」
   ↓
http://www.absize.com/japanese/for_investors/index.html

ひで「トランスレーショナル リサーチ(Translational Research)という概念も生まれてきて、これを事業にしている会社もあるよね。」
   ↓
http://www.snbl.co.jp/biz05.html



くも「なるほど。」

ひで「科学が発展してきたおかげで、様々な手法が製薬企業の前に提示されてきたわけだ。」

くも「でも、それだけ選択肢が増えたということは「迷う」ことにもなるよね。」

ひで「だから、選択と集中を間違えると、大きく出遅れる。」

くも「だね。」




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2011年07月19日

新薬開発のプロジェクトミーティング・・・途中経過「有意差が出なかった!」でも、詳しい解析で一部の患者には有効だということが分かった。

(フィクションです。)

ドンドン「次のアジェンダに移ります。次は、HORAI-Z999です。では説明を。」

ピクミン「はい。HORAI-Z999は、昨年7月から片頭痛に対してフェーズ3を実施していましたが、結果的には対照薬に対して非劣性が証明できませんでした。」

ドンドン「残念だったね。」

ピクミン「当初の予定では今年の3月には製造販売承認申請(NDA)の予定でしたが、先日の結果を受けて断念しました。」

ドンドン「水の泡になった費用はどれくらいなの?」

ピクミン「非臨床のシーズの探索から考えると10億円程度です。開発に関わった人の累計は200人でした。」




ドンドン「それで、今日の発表は?」

ピクミン「はい。さきほども言ったようにフェーズ3で対照薬との非劣性が証明できなかったのですが、その時の解析では片頭痛のタイプを規定していませんでした。」

ドンドン「片頭痛のタイプって?」

ピクミン「片頭痛には前兆を伴うAタイプと前兆を伴わないBタイプがあります。」

ドンドン「うんうん。」

ピクミン「これまでの片頭痛はこの二つのタイプを区別せずに開発されてきました。」(フィクションです。)

ドンドン「そうなの?」

ピクミン「そこで、先のHORAI-Z999のフェーズ3の結果をAタイプとBタイプに分けて層別解析をした結果、Aタイプには効果的だという傾向がみられました。」

ドンドン「傾向が見られた、ということは、「ハッキリとは言えないけれど」という枕詞つき?」

ピクミン「ええ、そうです。先のフェーズ3ではタイプを区別せずに症例を集めていましたので、確定的には言えません。」




ドンドン「すると、今回の提案というのは?」

ピクミン「はい。もう一度、HORAI-Z999のフェーズ3をやり直す、ということです。」(結構、こういうことはある。)

ドンドン「つまり片頭痛のタイプAの患者さんだけを登録してやり直す、ということ?」

ピクミン「そういうことです。」

ドンドン「成功の確率は?」

ピクミン「まぁ、五分五分ですね。」

ドンドン「必要な経費は?」

ピクミン「試算したところ2億円程度です。」

ドンドン「フェーズ3だけでいいの?」

ピクミン「ええ。プラセボ対象のフェーズ2の結果は先の結果を利用できます。」

ドンドン「で、このHORAI-Z999の売り上げ予想は?」

ピクミン「国内で患者数840万人とも言われる片頭痛市場に対して、初年度で10億円(投与患者数は4万人)、ピーク時で180億円(60万人)の売り上げを見込んでいます。」

ドンドン「了解。では、このHORAI-Z999の開発を再開することに賛成の方は?・・・・はい。では満場一致で開発の再開を了承します。」

ピクミン「ありがとうございました。」




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2011年07月17日

新薬開発のプロジェクトミーティング・・・・・今後の新薬開発の優先順位

(フィクションです。)

メタルナイト「今度開発することになったHORAI001について説明します。」

秘密研究員「このHORAI001は神経毒と言われているグルタミン酸から神経を守るとされています。」

メタルナイト「それで?」

秘密研究員「適応疾患として考えられているのがALS(amyotrophic lateral sclerosis:筋萎縮性側索硬化症)と「てんかん」を想定しています。」(フィクションです。)

メタルナイト「今回はオーファンドラッグ指定を受けるためにまずはALSの治療薬として開発を進め、その効能が取れたら、次に「てんかん」に適応させていく予定です。」





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

●オーファンドラッグ(Orphan Drug)

医療上の必要性は高いが、 薬を必要とする患者数が少ない病気に使う医薬品のこと。

訳して「希少疾病用医薬品」と言います。

法的には(薬事法では) 対象患者が5万人以下の、稀な疾患に用いる医薬品のことを言います。



●オーファンドラッグ指定を受ける基準

▼日本において対象患者数5万人未満の疾患に用いる医薬品

▼ 医療上、特にその必要性が高い医薬品(代替医薬品や治療方法がない、既存の医薬品と比べ、著しく有効性・安全性が高い)

▼開発の可能性が高い医薬品(使用する理論的根拠および開発計画の妥当性がある)


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



秘密研究員「オーファンドラッグ指定を受けると、どんなメリットが製薬会社にはあるの?」



【支援措置】

▼助成金の支給(開発費の2分の1まで)

▼医薬品医療機器総合機構による指導・助言

▼税制上の優遇(開発の経費負担軽減に、法人税額の14%を限度として、助成金を除く試験研究費の15%の税額を控除)

▼優先審査

▼再審査期間の延長(最長10年まで)




メタルナイト「でも、功罪があり、罪のほうはこんなことが言われている。」
     ↓
http://www.nikkei-science.com/page/magazine/0309/drug.html




秘密研究員「アメリカでは1983年に「オーファンドラッグ法」が制定され、アメリカ食品医薬品局は対象患者が20万人以下の医薬品をオーファンドラッグとし、税制上の優遇にくわえ7年間の市場独占権を認めているが、他の一般的な病気にも有効で製薬企業やバイオテクノロジー企業が大きな利益を得るケースが相次ぎ、過剰保護との指摘もある。」

メタルナイト「当社も同じ批判を受けるかもしれません。つまり、ALSでオーファン指定を受けて、早期に市場に出し優遇措置を受け、、その後、ゆっくりと「てんかん」に対する効能を取るのではないのか、と。」

秘密研究員「そういう面も否めない。」

メタルナイト「でも、やはり治療薬が少ない疾患に対して早く治療薬を提供したい、というのが製薬会社の使命だと思う。」

秘密研究員「ALSと「てんかん」を同時開発すればいいんじゃないの?」

メタルナイト「そりゃそうだ。」



秘密研究員「次はデーモン製薬会社と共同開発する「HODE001です。対象疾患は大腸がんです。」

メタルナイト「製薬業界って、他の業種に比べて他社との『共同開発』が多いよね。」

秘密研究員「そうね。研究費が膨大だし、ベンチャー企業が出やすい業種ということもある。」

メタルナイト「この論文が面白いよ。」
   ↓
http://www.tku.ac.jp/kiyou/contents/economics/262/262_nakamura.pdf



秘密研究員「日本の製薬業界を眺めてみると、『顔ぶれ』が変わらないというのが特徴だよね。」

メタルナイト「そうだね。上記の論文によると(よらなくてもすぐに分かるが)、1990年の製薬会社売上トップ10と1998年代のトップ10に入っている製薬会社は8社が重なっている。」

秘密研究員「アメリカでは10社中6社が入れ替わった。」

メタルナイト「上位の製薬会社への集中度もそんなに高くない、というのも日本の製薬産業の特徴だ。」



秘密研究員「ところで、デーモン製薬会社との提携は今後も強く持っていき、場合によってはM&A(mergers and acquisitions(合併と買収))も視野に入れることにしました。」

メタルナイト「どうしてデーモン製薬なの?」

秘密研究員「デーモン製薬は「がん」領域に強く、開発パイプラインも充実しています。いっぽう、当社の今後5年の企業戦略としてアンメット・メディカル・ニーズを補うとして、「がん」を最重点領域と定めました。」

メタルナイト「そうだね。自社だけではいけない?」

秘密研究員「当社の「がん」領域の現在のパイプラインとしては非臨床試験にあるものも含めても5プロダクツしかありません。」

メタルナイト「しかも抗体薬品が無い。その点、デーモン製薬は抗体薬品が8プロダクツあります。他の作用機序も含めると抗がん剤としてのパイプラインは20です。これは非常に魅力的です。」

秘密研究員「今後もプロダクツの成否を精密に分析していき、デーモン製薬をM&Aする費用を考えても、効果が大と判断されたらM&Aしていきたいと思います。」




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2011年06月23日

戦略的モニタリング・・・花粉症対策を!いっきに登録だ。

さら「どう?」

フロリス「アレルギー性鼻炎だから、花粉が飛ぶ季節にいっきに登録してもらうしかないね。」

さら「じゃ、花粉が飛ぶ季節を狙う、と。」


●●●【方策1】●●●

* 花粉が飛ぶ季節(2月〜4月)にいっきに登録する

* 南の方から花粉が飛び始めるので、できたら静岡以南の施設で3月末までにほぼ(8割以上)登録数を満たすようにする(100例。1施設=20例)




フロリス「他には?」

さら「CRFの回収がきつくない?」

フロリス「そうだね。」

さら「じゃ、CRFの回収を促進する方策を考えないとね。」



●●●【方策2】●●●

* CRFの回収が厳しくなりそうなので、そこを検討する

* CRF作成マニュアルを事前に充実させておく

* SDVマニュアルも同様




フロリス「治験そのものの促進は?」

さら「クリニックレベル等でCRCがいない施設にはCRC(SMO)を紹介する」

フロリス「N社、T社対策は?」

さら「N社、T社の治験薬との差別化(1日あたりの用量・副作用が少ない)を徹底的に行う。」

フロリス「N社とT社が治験を行っていない病院を集中的にプッシュする」

さら「治験が動き始め、クリニックと大学病院クラスで差が出始めたら、登録数の多いクラスに注力する。」

フロリス「絶対にクリニックレベルだと思う。」

さら「だよね。でも、治験を外してもらっては困る、という営業の要望もあるので、大病院クラスにも治験に参加してもらっているんだ。」

フロリス「やれやれ。じゃ、しょうがない。そういう要望が絶対に外せないところだけは残しておこう。」

さら「はい。今週の検討は終りだね。」

フロリス「お疲れ様でした。」




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