2006年03月12日

治験の本質・目的(治験依頼者にとって、そして創薬ボランティアにとって)

*下記の発言は全てホーライによるフィクションであり、登場する人物には何の責任も有りません


デーモン部長「シャチョーのジョークじゃないけが、治験の本質って何だろう?」

チビ姫「難しいわね。」

パチョレック池上「治験の目的ってこと?」

デーモン部長「そうかもしれない。」

モニ太郎「じゃ、治験にしかできないことを考えればいいのよね?」

デーモン部長「うむ。そうだな。」

りんご姫「それは新薬の卵の評価でしょ?」

デーモン部長「うん。確かに。新薬の安全性と有効性を評価するのが治験の大きな目的だ。」

捨て猫「そして、評価した結果、これは新薬として世に出せる、世の中に出す価値がある、と企業が(あるいは医師が)判断したら、製造販売承認申請をする・・・これが治験の目的だと思うけれど。」

デーモン部長「そうだな。それが目的だ。だが、それはあくまでも治験依頼者の目的だな。」

べのした「そうね。」

デーモン部長「じゃ、創薬ボランティアにとって治験に参加する目的、意義、本質はなんじゃろうな?」

有馬街道「Phase−Iの健康成人にとって治験に参加することは、金銭的なメリットしかないわね。」

バカボン「そこにボランティア精神が有るかどうかは別としてね。」

デーモン部長「では、Phase−IIでプラセボや効果がそう期待できない低用量の治験薬を含む治験で、創薬ボランティアが治験に参加するメリットは?」

小桑院「メリットはないわね。」

さくら「でも、参加した創薬ボランティアの方の大半は、もし、また治験に参加する機会が有ったら、参加しますか?という問いに参加すると答えているわ。」

博多小町「治験の意義を分かってもらった場合ね。」

デーモン部長「そうだ。で、その治験の意義を創薬ボランティアに伝えるのは誰だろう?」

カルシファー「治験責任医師や治験分担医師、CRCの方だわ。」

デーモン部長「その場合の治験の意義は?」

かぐや姫「新薬を世の中に出すため。」

百年の孤独「たとえ、それが自分の今の病気に効かないにしても。」

デーモン部長「と言うことは、治験依頼者にしろ、治験責任医師にしろ、創薬ボランティアにしろ、彼らにとっての治験の意義は『新薬を世の中に出すため』ということだな?」

Atsu-4「そうね。そうなるわね。」

デーモン部長「本当にそこがわしらは分かっておるのじゃろうか?」

まきろん「どういうこと?」

デーモン部長「創薬ボランティアが参加してくれる予定の治験を速やかに始めているだろうか?」

フラワー「始めていると思うけれど。」

デーモン部長「なんだか、無意味なところで、時間を取りすぎていないか?」

ヨ−イチ「治験は開始する前に、十分に検討すべきだ。」

デーモン部長「本当に、必要なことで時間を取っているならいいのじゃが。。。くだらないことで時間を無駄にしていないか?」

まひな「無いとは言えないわね。」

トトロ「でも、なにがくだらないかという判断はあいまいだ。」

デーモン部長「患者は一刻も早く、新薬が出ることを心待ちしている。」

ゆーり「もちろん、そうだと思う。」

デーモン部長「その貴重な時間を社内や社外との駆け引きに使っていないかな?」

みかん「有るかもしれない。無いかもしれない。分からない。それは、どんな世界でも同じじゃないかしら。」

デーモン部長「そういうことだ。企業や役所という組織には必ず巣くっている人間の欲望の駆け引きに治験が使われていないとも言えない。」

港野陽子「じゃ、どうしろと?」

デーモン部長「まずは自分から変革することだ。」

パピヨン750「どう変革するの?」

デーモン部長「治験の第一の目的は安全に速やかに新薬を世の中に出すのが努め。そのために創薬ボランティアも参加してくれる。」

ぼつ「初心を忘れないって、ことですね。」

デーモン部長「他人を変えることより、自分を変えるほうが100倍は簡単だ。」

◆架空の製薬会社『ホーライ製薬』

◆医薬品ができるまで

posted by ホーライ at 20:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月26日

何故、SOPは有るんですか?(その2)

その他にも有るのですか?

「もちろん、あります!ここから先はラディッツ赤木君が説明します。」

「う”う”う”! ゴゴゴゴ、ゴックン、ゴックン。(みんな何飲んでるんだ?byホーライ)。では、SOPの次の働きです。ここまではいいですか?」

まだ、何も聞いてませんが。

「そうでした。SOPの次の意義はデータ、記録の信頼性を維持するためです。たとえば、僕が売っている、このグァバ・アマゾン・桔梗ジュースの成分が表示されている通りに入っているかどうか、これまた記録に残しておかないと、あなたに胸をはって、表示通り入っているぞ!言えません。」

なるほど。

「治験の場合も同様です。薬が効いたかどうか、副作用はどんなものが有ったかをきちんと記録し、保存する方法をSOPで決めておかないと、みんながかってにてんでんバラバラの方法でやっていては、あとが大変です。」

でしょうね

「そういうカオス状態にならないためにもSOPが必要なのです。」
(僕のサイトにもSOPが必要だと思う。by ホーライ)

posted by ホーライ at 17:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

何故、SOPは有るんですか?(その1)

何故、SOPは有るんですか?

「分かりやすく言いますとSOPと言うのは、作業を行う時のマニュアルですね。」

それはどの部署にも有るものなのですか?

「はい、大体の部署で呼び名は異なりますが、有ります。ただし、法律で義務付けられている部門とそうでなく、自主的に作っている部門が有ります。」


どうしてですか? どうして、法律でSOPを作るように、そしてそれに従って作業をするように義務付けられているのですか?

「う〜〜ん、いい質問ですね。きみ、無試験でいいから、我が社に来ませんか?」

そ、そ、それは、まだ、ちょっと。。。。

「何故、SOPが必要なのか、デーモン部長が説明します。」

「え!ゴホッ ゴゴゴゴゴ・・・ゴックン。。。。 はい。SOPの必要性ですね。たとえば、美味しいコーヒーを作るレシピがあります。それはまだ私の頭の中にしかありません。ここまではいいですか?」

は、は〜

「で、その美味しいコーヒーを作るために、口頭でBさんにあの豆とこの豆をそれぞれ5.022gと8.645g混ぜて、1秒に3回の割合でミルを回して、と伝えたとします。ここまではいいですか?」

え、まぁ。

「以上のことを、毎回、口頭だけで伝えて、同じ様に美味しいコーヒーができると思いますか?」

多分、間違えると思います。紙に書いてもらわないと、細かい数字はすぐに忘れますから。

「そういうことです。 ある作業を誰がやっても毎回、同じレベルで、できるように書いたのがSOPです。これがSOPの働きの一つです。」

posted by ホーライ at 17:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月20日

心の麻痺

コスト削減のために耐震構造のはずのマンションの設計図を偽造した事件があった。

もし、医療機器でそんなことが有ったら、即、命に関わる。
もちろん、マンションだって同じだが。

さらに、その偽造がスルーだった、というとこが痛い。

製薬会社では製造部門において品質管理部門が、臨床部門では監査がそれぞれ独立して品質をチェックしている。

心が麻痺しないように注意が必要だ。

posted by ホーライ at 17:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年11月13日

人手不足の製薬業界

せっかく新薬のいい種が出てきても、それを治験で証明しないといけない。
それなのに人手が無い。

せっかく何年もかかって治験をしてきても、それを審査してもらわないといけない。
それなのに審査する人手が無い。

どこに行っても人手不足だ。

一体、どこに行けば人手が余っているのだろう?

製薬業界では合併が進んでいる。当然、合併の効果を出すために早期希望退職制度が発令される。
では、そこで退職された方々が、また別の会社で同様な仕事をしているかというと、そうでもない。(統計資料は無いが。)

どこのCROもモニター不足だ。
どこの病院もCRC不足だ。

製薬業界に若い人材が集まることを待つしかない。
しかし、それだけの魅力の有る業界だろうか?

posted by ホーライ at 08:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする