2014年09月19日

組織としての管理責任に対する研究機関への措置

先週と今週は「文部科学省」が出した次のガイドラインを見ます。


研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン
   ↓
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/26/08/__icsFiles/afieldfile/2014/08/26/1351568_02_1.pdf


平成26年8月26日

文部科学大臣決定


研究活動における不正行為への対応等に関するガイドラインを次のとおり決定し、これを公表する。

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2 組織としての管理責任に対する研究機関への措置

研究活動における不正行為を事前に防止するとともに、不正行為の疑いのある事案が発覚した場合に適切に対応することにより、公正な研究活動を推進することが重要である。

本ガイドラインでは、研究機関が責任を持って不正行為の防止に関わることで、不正行為が起こりにくい環境がつくられるよう対応の強化を図ることを基本としており、組織としての責任体制を明確化して研究活動における不正行為に適切に対応するための規程や体制の整備を求めている。


これを踏まえ、文部科学省及び配分機関は、組織として研究機関の管理責任が果たされるよう、以下の措置を講じる。

なお、措置の実施に当たっては、あらかじめ研究機関からの弁明の機会を設けるものとする。



(1)組織としての責任体制の確保

@ 管理条件の付与

文部科学省は、以下に掲げる場合において、研究機関に対し、体制整備等の不備について改善事項及びその履行期限を示した管理条件を付す。

また、文部科学省は、管理条件の履行状況について毎年度確認を行う。

(ア)「第5節 2 履行状況調査の実施」で掲げた研究機関に対する履行状況調査の結果、体制整備等に不備があることが確認された場合

(イ)研究活動における特定不正行為が確認された研究機関において、体制整備等に改善を求める必要があることが確認された場合



A 間接経費の削減

文部科学省が管理条件の履行状況について行う確認の結果において、管理条件の履行が認められないと文部科学省が判断した場合、競争的資金の配分機関は、その研究機関に対する競争的資金における翌年度以降の間接経費措置額を一定割合削減する。

間接経費措置額の削減割合については、文部科学省による確認の結果に応じて、段階的に引き上げ、その上限を間接経費措置額の15%とする。

間接経費措置額の削減割合の基準については、文部科学省が別に定めることとする。



B 配分の停止

間接経費を上限まで削減する措置を講ずることを決定した後も、文部科学省が管理条件の履行が認められないと判断した場合は、競争的資金の配分機関は、その研究機関に対する翌年度以降の競争的資金の配分を停止する。



なお、上記@からBまでの措置の解除は、以下によるものとする。

・@の措置は、研究機関において管理条件を着実に履行していると文部科学省が判断した時点で、文部科学省が解除する。

・Aの措置は、研究機関において管理条件を着実に履行している、又は管理条件の履行に進展があると文部科学省が判断した場合、配分機関がその翌年度に解除する。

・Bの措置は、研究機関において管理条件を着実に履行している、又は管理条件の履行に進展があると文部科学省が判断した時点で、配分機関が解除する。


(2)迅速な調査の確保

競争的資金の配分機関は、当該競争的資金の配分により行われた研究活動において特定不正行為の疑いがある事案が発覚したにもかかわらず、正当な理由なく研究機関による調査が遅れた場合は、当該競争的資金における翌年度以降の1か年度の間接経費措置額を一定割合削減する。

間接経費措置額の削減割合については、上限を間接経費措置額の10%とし、配分機関が個別に定めるものとする。



<<配分機関が実施する事項>>

○組織としての管理責任に対する研究機関への措置を講じることができるよう、配分機関の規程等を整備すること、及び配分機関が講じる措置の内容について、競争的資金の公募要領や委託契約書(付属資料を含む。)等に記載し、研究機関がそれをあらかじめ承知して応募又は契約するように取り計らうこと



3 措置内容の公表

文部科学省及び配分機関等は、上記1及び2に掲げる措置を決定したときは、これを速やかに公表する。






第5節 文部科学省による調査と支援


1 研究活動における不正行為への継続的な対応

文部科学省は、有識者による検討の場を設け、本ガイドラインの実施等に関してフォローアップするとともに、必要に応じて本ガイドラインの見直し等を行う。



2 履行状況調査の実施

文部科学省は、各研究機関における本ガイドラインを踏まえた体制整備の状況等を適切に把握するため、研究機関に対し定期的に履行状況調査を実施し、その結果を公表する。

履行状況調査は、書面、面接若しくは現地調査又はその組合せにより行う。

履行状況調査の結果、体制整備等に不備があることが確認された場合、当該研究機関に対し管理条件を付すなどにより指導・助言を行う。



3 研究倫理教育に関するプログラムの開発推進

文部科学省は、日本学術会議や配分機関と連携し、研究倫理教育に関する標準的なプログラムや教材の作成を推進する。

研究現場の実情や研究活動の多様性、研究分野の特性等も踏まえつつ、実効性の高い研究倫理教育に関するプログラムとするために支援を行い内容の改善を図る。




4 研究機関における調査体制への支援

特定不正行為の疑いが生じた場合には、まず研究機関において調査を行うことになるが、当該研究機関だけでは十分な対応が困難な場合も考えられる。

このため、文部科学省は、研究機関において十分な調査を行える体制にないと判断する場合は、研究機関に対し適時助言を行うとともに、日本学術会議や配分機関と連携し、専門家の選定・派遣を行うなど調査を適切かつ円滑に進めるために必要な支援を行う。



以上


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2014年09月18日

調査結果の公表

先週と今週は「文部科学省」が出した次のガイドラインを見ます。


研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン
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平成26年8月26日

文部科学大臣決定


研究活動における不正行為への対応等に関するガイドラインを次のとおり決定し、これを公表する。

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(6)調査結果の公表

@ 調査機関は、特定不正行為が行われたとの認定があった場合は、速やかに調査結果を公表する。


A 調査機関は、特定不正行為が行われなかったとの認定があった場合は、原則として調査結果を公表しない。

ただし、調査事案が外部に漏えいしていた場合及び論文等に故意によるものでない誤りがあった場合は、調査結果を公表する。悪意に基づく告発の認定があったときは、調査結果を公表する。


B 上記@、Aの公表する調査結果の内容(項目等)は、調査機関の定めるところによる。



(7)告発者及び被告発者に対する措置

@ 特定不正行為が行われたとの認定があった場合、特定不正行為への関与が認定された者及び関与したとまでは認定されないが、特定不正行為が認定された論文等の内容について責任を負う者として認定された著者(以下「被認定者」という。)の所属する機関は、被認定者に対し、内部規程に基づき適切な処置をとるとともに、特定不正行為と認定された論文等の取下げを勧告するものとする。

A 告発が悪意に基づくものと認定された場合、告発者の所属する機関は、当該者に対し、内部規程に基づき適切な処置を行う。







第4節 特定不正行為及び管理責任に対する措置

1 特定不正行為に対する研究者、研究機関への措置

前節の特定不正行為について、配分機関等は、調査機関から本調査の実施の決定その他の報告を受けた場合は、以下のとおり、その事案に係る配分機関等が、当該調査機関に対して当該事案の速やかな全容解明を要請し、当該調査機関から提出される調査結果等を踏まえ、関係機関に対して必要な改善を求める。

配分機関等は、前節の対象とする研究活動における特定不正行為を確認した場合は、研究者及び研究機関に以下の措置を講じる。



@ 配分機関等は、調査機関から本調査の実施の決定その他の報告を受けた場合は、当該調査機関における調査が適切に実施されるよう、必要に応じて指示を行うとともに、速やかにその事案の全容を解明し、調査を完了させるよう要請する。


A 配分機関等は、調査の過程であっても、調査機関から特定不正行為の一部が認定された旨の報告があった場合は、必要に応じ、被認定者が関わる競争的資金等について、採択又は交付決定の保留、交付停止、関係機関に対する執行停止の指示等を行う。


B 配分機関等は、調査機関から特定不正行為を認定した調査結果が提出され、それを確認した場合は、当該調査結果の内容を踏まえ、以下の措置を講じるものとする。



(ア)措置の対象となる研究者

・特定不正行為があったと認定された研究に係る論文等において、特定不正行為に関与したと認定された著者(共著者を含む。以下同じ。)

・特定不正行為があったと認定された研究に係る論文等の著者ではないが、当該特定不正行為に関与したと認定された者

・特定不正行為に関与したとは認定されないものの、特定不正行為があったと認定された研究に係る論文等の内容について責任を負う者として認定された著者



(イ)特定不正行為に係る競争的資金等の返還等

特定不正行為が確認された研究活動に係る競争的資金等において、配分機関は、上記(ア)の措置の対象となる研究者及び研究機関に対し、事案に応じて、交付決定の取消し等を行い、また、当該競争的資金等の配分の一部又は全部の返還を求める。

なお、運営費交付金や私学助成等の基盤的経費は、特定の研究活動又は研究者ではなく、研究機関を対象に措置されるものであり、その管理は研究機関に委ねられている。

このため、基盤的経費の措置により行われた研究活動における特定不正行為に関し、研究費の返還に関する取扱いは、本ガイドラインでは一律に対応を定めておらず、研究機関において適切な対応が求められる。



(ウ)競争的資金等への申請及び参加資格の制限

配分機関等は、上記(ア)の措置の対象となる研究者に対し、事案に応じて、競争的資金等への申請及び参加資格を制限する。

競争的資金の配分により行われた研究活動における特定不正行為については、「競争的資金の適正な執行に関する指針」(平成17 年9月9日競争的資金に関する関係府省連絡会申し合わせ。以下「指針」という。)に基づき措置を講じるとともにその他の競争的資金等への申請及び参加資格も指針に準じて制限する。

また、その他の研究活動における特定不正行為(競争的資金の配分により行われた研究活動に係るものを除く。)についても、同様に、競争的資金等への申請及び参加資格を指針に準じて制限する。



<<配分機関等が実施する事項>>

○調査機関から本調査の実施の決定その他の報告を受けた場合は、関係機関に対して必要な指示等を行うこと

○特定不正行為に対する研究者、研究機関への措置を講じることができるよう、配分機関等の規程等を整備すること、及び配分機関等が講じる措置の内容や措置の対象となる研究者の範囲について、競争的資金等の公募要領や委託契約書(付属資料を含む。)等に記載し、研究者及び研究機関がそれをあらかじめ承知して応募又は契約するように取り計らうこと


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2014年09月17日

特定不正行為の疑惑への説明責任

先週と今週は「文部科学省」が出した次のガイドラインを見ます。


研究活動における不正行為への対応等に関するガイドライン
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平成26年8月26日

文部科学大臣決定


研究活動における不正行為への対応等に関するガイドラインを次のとおり決定し、これを公表する。

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4−3 認定

(1)認定

@ 調査機関は、本調査の開始後、調査委員会が調査した内容をまとめるまでの期間の目安(例えば、目安として150日以内)を当該調査機関の規程にあらかじめ定めておく。


A 調査委員会は、上記@の期間を目安として調査した内容をまとめ、特定不正行為が行われたか否か、特定不正行為と認定された場合はその内容、特定不正行為に関与した者とその関与の度合い、特定不正行為と認定された研究活動に係る論文等の各著者の当該論文等及び当該研究活動における役割を認定する。


B 特定不正行為が行われなかったと認定される場合であって、調査を通じて告発が悪意に基づくものであることが判明したときは、調査委員会は、併せてその旨の認定を行うものとする。

この認定を行うに当たっては、告発者に弁明の機会を与えなければならない。


C 上記A又はBについて認定を終了したときは、調査委員会は直ちにその設置者たる調査機関に報告する。





(2)特定不正行為の疑惑への説明責任

調査委員会の調査において、被告発者が告発された事案に係る研究活動に関する疑惑を晴らそうとする場合には、自己の責任において、当該研究活動が科学的に適正な方法と手続にのっとって行われたこと、論文等もそれに基づいて適切な表現で書かれたものであることを、科学的根拠を示して説明しなければならない。




(3)特定不正行為か否かの認定

@ 調査委員会は、上記(2)により被告発者が行う説明を受けるとともに、調査によって得られた、物的・科学的証拠、証言、被告発者の自認等の諸証拠を総合的に判断して、特定不正行為か否かの認定を行う。証拠の証明力は、調査委員会の判断に委ねられるが、被告発者の研究体制、データチェックのなされ方など様々な点から客観的不正行為事実及び故意性等を判断することが重要である。なお、被告発者の自認を唯一の証拠として特定不正行為と認定することはできない。


A 特定不正行為に関する証拠が提出された場合には、被告発者の説明及びその他の証拠によって、特定不正行為であるとの疑いが覆されないときは、特定不正行為と認定される。

また、被告発者が生データや実験・観察ノート、実験試料・試薬等の不存在など、本来存在するべき基本的な要素の不足により、特定不正行為であるとの疑いを覆すに足る証拠を示せないときも同様とする。

ただし、被告発者が善良な管理者の注意義務を履行していたにもかかわらず、その責によらない理由(例えば災害など)により、上記の基本的な要素を十分に示すことができなくなった場合等正当な理由があると認められる場合はこの限りではない。

また、生データや実験・観察ノート、実験試料・試薬等の不存在などが、各研究分野の特性に応じた合理的な保存期間や被告発者が所属する、又は告発に係る研究活動を行っていたときに所属していた研究機関が定める保存期間を超えることによるものである場合についても同様とする。


B 上記(2)の説明責任の程度及び上記Aの本来存在するべき基本的要素については、研究分野の特性に応じ、調査委員会の判断に委ねられる。



(4)調査結果の通知及び報告

@ 調査機関は、調査結果(認定を含む。以下同じ。)を速やかに告発者及び被告発者(被告発者以外で特定不正行為に関与したと認定された者を含む。以下同じ。)に通知する。

被告発者が調査機関以外の機関に所属している場合は、その所属機関にも当該調査結果を通知する。

A 上記@に加えて、調査機関は、その事案に係る配分機関等及び文部科学省に当該調査結果を報告する※ 7。


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※ 7調査結果を配分機関等及び文部科学省に報告する際、その報告書に盛り込むべき事項を「参考資料2」に示す。

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B 悪意に基づく告発との認定があった場合、調査機関は告発者の所属機関にも通知する。





(5)不服申立て

@ 特定不正行為と認定された被告発者は、あらかじめ調査機関が定めた期間内に、調査機関に不服申立てをすることができる。

ただし、その期間内であっても、同一理由による不服申立てを繰り返すことはできない。


A 告発が悪意に基づくものと認定された告発者(被告発者の不服申立ての審査の段階で悪意に基づく告発と認定された者を含む。

この場合の認定については、上記(1)Bを準用する。)は、その認定について、上記@の例により不服申立てをすることができる。



B 不服申立ての審査は調査委員会が行う。

その際、不服申立ての趣旨が新たに専門性を要する判断が必要となるものである場合には、調査機関は、調査委員の交代若しくは追加、又は調査委員会に代えて他の者に審査をさせる。

ただし、調査機関が当該不服申立てについて調査委員会の構成の変更等を必要とする相当の理由がないと認めるときは、この限りでない。



C 特定不正行為があったと認定された場合に係る被告発者による不服申立てについて、調査委員会(上記Bの調査委員会に代わる者を含む。以下「(5)不服申立て」において同じ。)は、不服申立ての趣旨、理由等を勘案し、その事案の再調査を行うか否かを速やかに決定する。

当該事案の再調査を行うまでもなく、不服申立てを却下すべきものと決定した場合には、直ちに調査機関に報告し、調査機関は被告発者に当該決定を通知する。

このとき、当該不服申立てが当該事案の引き延ばしや認定に伴う各措置の先送りを主な目的とすると調査委員会が判断するときは、調査機関は以後の不服申立てを受け付けないことができる。


上記@の不服申立てについて、再調査を行う決定を行った場合には、調査委員会は被告発者に対し、先の調査結果を覆すに足る資料の提出等、当該事案の速やかな解決に向けて、再調査に協力することを求める。

その協力が得られない場合には、再調査を行わず、審査を打ち切ることができる。

その場合には直ちに調査機関に報告し、調査機関は被告発者に当該決定を通知する。



D 調査機関は、被告発者から特定不正行為の認定に係る不服申立てがあったときは、告発者に通知する。

加えて、調査機関は、その事案に係る配分機関等及び文部科学省に報告する。

不服申立ての却下及び再調査開始の決定をしたときも同様とする。



E 調査委員会が再調査を開始した場合は、当該調査委員会を置く調査機関の規程にあらかじめ定める期間(例えば、目安として50日)内に、先の調査結果を覆すか否かを決定し、その結果を直ちに調査機関に報告し、調査機関は当該結果を被告発者、被告発者が所属する機関及び告発者に通知する。

加えて、調査機関は、その事案に係る配分機関等及び文部科学省に報告する。



F 上記Aの悪意に基づく告発と認定された告発者から不服申立てがあった場合、調査機関は、告発者が所属する機関及び被告発者に通知する。

加えて、調査機関は、その事案に係る配分機関等及び文部科学省に報告する。



G 上記Aの不服申立てについては、調査委員会は当該調査委員会を置く調査機関の規程にあらかじめ定める期間(例えば、目安として30日)内に再調査を行い、その結果を直ちに調査機関に報告するものとする。

調査機関は、当該結果を告発者、告発者が所属する機関及び被告発者に通知する。加えて、調査機関は、その事案に係る配分機関等及び文部科学省に報告する。



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2014年09月16日

告発に対する調査体制・方法

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文部科学大臣決定


研究活動における不正行為への対応等に関するガイドラインを次のとおり決定し、これを公表する。

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4−2 告発に対する調査体制・方法

(1)予備調査

@ 「4−1 調査を行う機関」により調査を行う機関(以下「調査機関」という。)は、告発を受け付けた後速やかに、告発された特定不正行為が行われた可能性、告発の際示された科学的な合理性のある理由の論理性、告発された事案に係る研究活動の公表から告発までの期間が、生データ、実験・観察ノート、実験試料・試薬など研究成果の事後の検証を可能とするものについての各研究分野の特性に応じた合理的な保存期間、又は被告発者が所属する研究機関が定める保存期間を超えるか否かなど告発内容の合理性、調査可能性等について予備調査を行う。

調査機関は、下記(2)Aの調査委員会を設置して予備調査に当たらせることができる。


A 告発がなされる前に取り下げられた論文等に対する告発に係る予備調査を行う場合は、取下げに至った経緯・事情を含め、特定不正行為の問題として調査すべきものか否か調査し、判断するものとする。



B 調査機関は、予備調査の結果、告発がなされた事案が本格的な調査をすべきものと判断した場合、本調査を行う。

調査機関は、告発を受け付けた後、本調査を行うか否か決定するまでの期間の目安(例えば、目安として30日以内)を当該調査機関の規程にあらかじめ定めておく。


C 本調査を行わないことを決定した場合、その旨を理由とともに告発者に通知するものとする。この場合、調査機関は予備調査に係る資料等を保存し、その事案に係る配分機関等及び告発者の求めに応じ開示するものとする。





(2)本調査

@ 通知・報告

(ア)本調査を行うことを決定した場合、調査機関は、告発者及び被告発者に対し、本調査を行うことを通知し、調査への協力を求める。

被告発者が調査機関以外の機関に所属している場合は、その所属機関にも通知する。

告発された事案の調査に当たっては、告発者が了承したときを除き、調査関係者以外の者や被告発者に告発者が特定されないよう周到に配慮する。


(イ)調査機関は、当該事案に係る配分機関等及び文部科学省に本調査を行う旨報告する。


(ウ)調査機関は、本調査の実施の決定後、実際に本調査が開始されるまでの期間の目安(例えば、目安として30日以内)を当該調査機関の規程にあらかじめ定めておく。




A 調査体制

(ア)調査機関は、本調査に当たっては、当該調査機関に属さない外部有識者を含む調査委員会を設置する。

この調査委員会は、調査委員の半数以上が外部有識者で構成され、全ての調査委員は、告発者及び被告発者と直接の利害関係(例えば、特定不正行為を指摘された研究活動が論文のとおりの成果を得ることにより特許や技術移転等に利害があるなど)を有しない者でなければならない。



(イ)調査機関は、調査委員会を設置したときは、調査委員の氏名や所属を告発者及び被告発者に示すものとする。

これに対し、告発者及び被告発者は、あらかじめ調査機関が定めた期間内に異議申立てをすることができる。

異議申立てがあった場合、調査機関は内容を審査し、その内容が妥当であると判断したときは、当該異議申立てに係る調査委員を交代させるとともに、その旨を告発者及び被告発者に通知する。



(ウ)調査委員会の調査機関内における位置付けについては、調査機関において定める。






B 調査方法・権限

(ア)本調査は、告発された事案に係る研究活動に関する論文や実験・観察ノート、生データ等の各種資料の精査や、関係者のヒアリング、再実験の要請などにより行われる。この際、被告発者の弁明の聴取が行われなければならない。


(イ)告発された特定不正行為が行われた可能性を調査するために、調査委員会が再実験などにより再現性を示すことを被告発者に求める場合、又は被告発者自らの意思によりそれを申し出て調査委員会がその必要性を認める場合は、それに要する期間及び機会(機器、経費等を含む。)に関し調査機関により合理的に必要と判断される範囲内において、これを行う。その際、調査委員会の指導・監督の下に行うこととする。


(ウ)上記(ア)、(イ)に関して、調査機関は調査委員会の調査権限について定め、関係者に周知する。この調査権限に基づく調査委員会の調査に対し、告発者及び被告発者などの関係者は誠実に協力しなければならない。

また、調査機関以外の機関において調査がなされる場合、調査機関は当該機関に協力を要請する。協力を要請された当該機関は誠実に協力しなければならない。





C 調査の対象となる研究活動

調査の対象には、告発された事案に係る研究活動のほか、調査委員会の判断により調査に関連した被告発者の他の研究活動も含めることができる。



D 証拠の保全措置

調査機関は本調査に当たって、告発された事案に係る研究活動に関して、証拠となるような資料等を保全する措置をとる。

この場合、告発された事案に係る研究活動が行われた研究機関が調査機関となっていないときは、当該研究機関は調査機関の要請に応じ、告発された事案に係る研究活動に関して、証拠となるような資料等を保全する措置をとる。

これらの措置に影響しない範囲内であれば、被告発者の研究活動を制限しない。



E 調査の中間報告

調査機関が研究機関であるときは、告発された事案に係る研究活動の予算の配分又は措置をした配分機関等の求めに応じ、調査の終了前であっても、調査の中間報告を当該配分機関等に提出するものとする。



F 調査における研究又は技術上の情報の保護

調査に当たっては、調査対象における公表前のデータ、論文等の研究又は技術上秘密とすべき情報が、調査の遂行上必要な範囲外に漏えいすることのないよう十分配慮する。


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2014年09月15日

特定不正行為の告発に係る事案の調査

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文部科学大臣決定


研究活動における不正行為への対応等に関するガイドラインを次のとおり決定し、これを公表する。

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4 特定不正行為の告発に係る事案の調査

4−1 調査を行う機関

@ 研究機関に所属する(どの研究機関にも所属していないが専ら特定の研究機関の施設・設備を使用して研究する場合を含む。以下同じ。)研究者に係る特定不正行為の告発があった場合、原則として、当該研究機関が告発された事案の調査を行う。



A 被告発者が複数の研究機関に所属する場合、原則として被告発者が告発された事案に係る研究活動を主に行っていた研究機関を中心に、所属する複数の研究機関が合同で調査を行うものとする。

ただし、中心となる研究機関や調査に参加する研究機関については、関係研究機関間において、事案の内容等を考慮して別の定めをすることができる。



B 被告発者が現に所属する研究機関と異なる研究機関で行った研究活動に係る告発があった場合、現に所属する研究機関と当該研究活動が行われた研究機関とが合同で、告発された事案の調査を行う。



C 被告発者が、告発された事案に係る研究活動を行っていた際に所属していた研究機関を既に離職している場合、現に所属する研究機関が、離職した研究機関と合同で、告発された事案の調査を行う。

被告発者が離職後、どの研究機関にも所属していないときは、告発された事案に係る研究活動を行っていた際に所属していた研究機関が、告発された事案の調査を行う。



D 上記@からCまでによって、告発された事案の調査を行うこととなった研究機関は、被告発者が当該研究機関に現に所属しているかどうかにかかわらず、誠実に調査を行わなければならない。



E 被告発者が、調査開始のとき及び告発された事案に係る研究活動を行っていたときの双方の時点でいかなる研究機関にも所属していなかった場合や、調査を行うべき研究機関による調査の実施が極めて困難であると、告発された事案に係る研究活動の予算を配分した配分機関が特に認めた場合は、当該配分機関が調査を行う。

この場合、本来調査を行うべき研究機関は当該配分機関から協力を求められたときは、誠実に協力しなければならない。



F 研究機関は他の機関や学協会等の科学コミュニティに、また、配分機関は告発された事案に係る研究活動の分野に関連がある機関や学協会等の科学コミュニティに、調査を委託すること又は調査を実施する上での協力を求めることができる。

このとき、「3−3 告発者・被告発者の取扱い」@からBまで及び「4 特定不正行為の告発に係る事案の調査」は委託された機関等又は調査に協力する機関等に準用されるものとする。



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