2014年06月20日

用量―反応情報を得るための試験を計画する上で基本的に考慮すべき点は何か。

今週も引き続き下記の指針を読みます。


「新医薬品の承認に必要な用量―反応関係の検討のための指針」について

薬審第494号 平成6年7月25日 厚生省薬務局審査課長
   ↓
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e4_94_7_25.htm


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Q10.用量―反応情報を得るための試験を計画する上で基本的に考慮すべき点は何か。



A.  

いろいろな治験デザインからそのデザインに応じた用量―反応情報が得られるが,もっとも有用な用量―反応情報は,数種の用量を無作為割付けして比較する前向き比較対照試験から得られることが多い。

薬効評価の偏りを避けるためには,(盲検化が困難もしくは不可能でない限り)二重盲検法を用い,設定した目的に対応した結論が得られる十分な検出力をもった比較対照試験とすべきである。
 
また,用量―反応試験のデザインを具体的に考えるときに考慮すべき事柄としては,疾患の性質,指標とする反応の性質,患者(母集団)の特性,標準的な治療の有無,治験薬の特性などがある。


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Q11.用量―反応試験の用量はどのように選んだらよいのか。


A.  

用量―反応試験を失敗しないためには,比較する用量の選び方が重要である。

選択した用量が結果的にいずれも高すぎたり,低すぎたりしたために,明瞭な用量―反応関係が認められない事例が多く存在する。

そのためには,類薬や非臨床試験の結果を参考とするとともに,探索段階で幅広く多様な情報を集めることが基本である。

さらに,本指針では用量の選択にあたって,次のような考え方が示唆されている。


(1)広い用量を選択する。
   
実施可能性及び被験者の安全性の確保が両立する範囲内で,できるだけ広く用量を選択する。

探索段階で幅広く多様な情報を集めることが基本である。


(2)薬物動態学的情報を利用する。
   
薬物の血中濃度―反応関係が示されれば,目的とする反応を得るために必要となる用量を推定することができる。


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Q12.並行群間比較による用量―反応試験で,実薬対照を含めた試験の意義はどこにあるのか。



A.  

適切な試験に基づき薬効の評価が定まっている実薬を用量―反応試験に含めると,さらに有用な情報が得られることもある。

指針の中では,「群間に差が認められなかった場合に医薬品が効果をもたない場合と検出力がない(価値のない)試験であった場合との区別が可能になる」とある。

その実対照薬の用量が1つであっても,望ましい効果の程度が治験薬の用量―反応曲線のどの位置にあるかを検討することにより,目的を達成することが可能となる。
 
さらに,複数用量の実薬対照群を含め,用量―反応曲線を別々に求め比較することも可能であろう。

このような治験デザインは,非臨床試験ではよく用いられるが,臨床試験ではいまだ一般的ではなく,経験は限られている。

しかし,このような試験から得られる情報は大変に有用である。


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Q13.用量反応試験結果の解析に際し,用量群間の対比較は必要であるのか。


A.  

用量―反応試験の目的によって,統計的に検証すべき仮説が変わる点に注意が必要である。

傾向性の検定のみで十分な場合もあるし,プラセボと実薬群の比較と実薬群間の用量依存性の検討の2つが目的となる場合もある。

薬効分野や薬剤の性格に応じた仮説を検討すべきであり,やみくもに対比較を行うべきではない。

また,多重性の調整も異なる推論の領域では不必要であり,検定の構造に応じた多重性の調整を行うべきである。
 
ここで,プラセボ,低用量,中用量,高用量の有効率の比較から用量―反応関係を議論する場合を例として挙げる(図3)。

対比較の場合を図3Aに示した。対比較を用いて用量―反応関係を議論するには,プラセボと低用量,プラセボと中用量,プラセボと高用量の比較を適切な多重性の調整を前提として実施することが多い。

ここで,いずれかの対比較において有意差が認められれば,その用量はプラセボと有効率が異なると結論することができる。
 
傾向性検定の場合を図3Bに示した。

ここでは各用量ごとの有効率に直線をあてはめ,その傾きが正であるか否かを検定する。

その結果が有意であるなら,有効率は用量依存的に上昇すると結論することができる。

ここで,傾向性の検討にあたってプラセボ群を含めて検定するか否かは注意を要し,治験の目的との関連の上で決定すべきである。

傾向性検定が有意となった場合,これは薬効の存在を証明する結果となる。

図3 (略)



以上


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2014年06月19日

「データベース」という用語はどのような概念ですか?

今週も引き続き下記の指針を読みます。


「新医薬品の承認に必要な用量―反応関係の検討のための指針」について

薬審第494号 平成6年7月25日 厚生省薬務局審査課長
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http://www.pmda.go.jp/ich/e/e4_94_7_25.htm


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Q6.本ガイドラインの中の「データベース」という用語はどのような概念であるのか,説明していただきたい。


A.  

データベースとは情報処理の用語で,一定の目的のもとに集められた多くの試験のデータ又は特定の試験のデータを指す。

本ガイドラインにおけるデータベースは,1つの試験のデータということではなく,当該治験薬の試験に関連する全てのデータの集りを指している。

臨床推奨用量は,用量―反応試験の結果のみから定めるのではなく,全ての試験の結果を併せて吟味して定める必要があり,このような考察の対象となるデータの集りを意味する。
 
さらに,「データベースの不備」という表現もあるが,これは集積されたデータの質や量に不備があるということではなく,データベースからは用量依存性が示されなかったことを意味している。


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Q7.用量―反応の検討と血中濃度―反応の検討との関係はどのように考えたらよいのか。


A.  

本指針にもあるように,全ての医薬品について血中濃度―反応関係を求める必要はない。

しかし,血中濃度―反応関係が用量―反応関係の検討に役立つ場合がある。
 
用量と反応の関係は,用量と体内動態の関係及び体内動態と反応の関係に分解しうる。

同一の用量を用いた場合でも,吸収,分布,代謝,排泄などの各過程の相違により薬物動態学的な変動を生じる。

また,動態が類似したものであっても,反応性の相違により薬力学的な変動が生じる。

従って,血中濃度―反応関係の分析も重要である。
 
また,薬物動態に関する情報,血中濃度―反応関係の情報を十分に整えておけば,TDM(Thetapeutic Drug Monitoring)などに利用することも可能である。

この際,薬物動態スクリーニングを用いれば,各対象からは少数回の採血を行うだけで十分な情報が得られる。


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Q8.用量―反応関係の検討における試験期間の設定の考え方を教えていただきたい。


A.  

薬剤の作用の程度(強度)は,吸収された薬剤の作用発現部位における組織内濃度に依存することが多いが,作用の発現時期は組織内濃度に加えて,ある一定以上の濃度が維持されている時間にも依存したり,遅延反応であったりということもある。

対象となる疾患,薬剤の特性などによって異なるが,作用によってはそれが最大となるまでに,かなりの時間が必要な場合もある。

また,望ましい作用と望ましくない作用の発現時間が異なる場合も考えられる。

本指針の「所定の用量における試験期間は,最大の効果が発現するのに十分な長さ」という記述は,血中濃度が平衡に達した状態だけでは短い場合もあることを考慮して理解していただきたい。

図2 (略)


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Q9.用量―反応関係の検討は開発のどの段階で実施すべきか。


A.  

従来は,前期第U相試験で用量の瀬踏みをして,後期第U相試験で「用量設定試験」を実施するという画一的な方法が採られていた。

本指針ではそのような考え方を改め,開発の初期から後期までいずれの段階,相においても,各段階,相それぞれに適した方法で,用量―反応情報を収集すべきことが強調されている。

偏りのない用量―反応試験の結果は最終的には医薬品開発の失敗を防ぐ(正しい判断を導く)ものである。

どのような情報をどの時点で把握して,その結果を次の段階,相にどのように反映させて行くのかが重要である。
 
一般的には,初期では広い用量を設定し,用量間の幅も比較的大きくした上で,大まかな用量範囲探索試験(dose-ranging study)を行い,比較的低用量から高用量までの用量―反応曲線(可能ならばこれ以上の効果の増強が期待できない用量近辺まで含め)を求める。

この求められた結果から,さらに詳細な情報を得るための用量―反応試験の実施を考える。

このように,望ましい作用と望ましくない作用のバランスを考える上で,よりよい用量が求められるような範囲を設定し,臨床試験をデザインすることが必要である。


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2014年06月18日

「新医薬品の承認に必要な用量―反応関係の検討のための指針」Q&A

今週も『新医薬品の承認に必要な用量―反応関係の検討のための指針』だぞ!

今週も引き続き下記の指針を読みます。


「新医薬品の承認に必要な用量―反応関係の検討のための指針」について

薬審第494号 平成6年7月25日 厚生省薬務局審査課長
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「新医薬品の承認に必要な用量―反応関係の検討のための指針」Q&A


Q1.本指針の位置づけを明らかにしていただきたい。



A.  

通知前文でも述べたように,本指針は,平成4年6月に公表された「新医薬品の臨床評価に関する一般指針」における用量反応試験に関する記述内容を補完するものである。

しかしながら,本指針では,従来行われている「至適用量幅の決定のための用量設定試験」という考え方に留まらず,医薬品の開発期間全般にわたり必要な用量反応情報を収集し,その後の治験,及び市販後の当該医薬品の使用に対して有益な情報を提供するために考慮すべき方法論について指針を示すものである。
 
本指針では,個々の患者において医薬品を安全かつ有効に使用するために役立つ情報を提供するとの考え方に基づき,下記の情報が必要であるとしている。

(1) 適切な開始用量

(2) 特定の患者の必要性に合わせて用量を調整するための情報(集団として,又は個体ごとの用量変更のための情報)

(3) それ以上の増量をあきらめて,他の治療に切り替えるための情報



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Q2.全ての医薬品について用量―反応情報の収集が必要であるのか。




A.  

基本的には全ての医薬品について用量―反応情報を収集し,当該医薬品の用量―反応関係について検討すべきである。

有意な用量―反応関係が示されれば,その治験薬が実際に薬効を有することの証明になるとともに,治療を行う上での有益な情報が得られるからである。
 

しかし,疾患により作用の用量依存性を求めることが困難な場合がある。

このような場合には,仮に用量依存性があるならば,実施した治験において十分な例数を使用しているからそれが見出されるはずである旨を説明し,さらにどのような根拠から臨床推奨用量を設定したかを説明する必要があろう。



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Q3.推奨用量を決定する際には一般的にどのようなことを考慮すべきか。



A.  

推奨用量は,望ましい作用と望ましくない作用の用量―反応関係を推定した上で,治療上の必要性を考慮し,両者のバランスを考えて許容できる用量範囲を選ぶべきである。

従って,望ましくない作用における用量―反応情報も重要なものとなる。

これら二者の関係は薬剤のもつ性質により異なる。典型的な関係を図1A及びBに示した。
 
図1Aは望ましい作用と望ましくない作用の用量―反応曲線が大きく離れており,高用量を推奨用量とすることが可能で,個体差も考慮すると広い用量幅を選ぶことができる。

また,あえて低い用量の検討の必要はない。

図1Bにおいては安全域が狭く,推奨用量の幅は狭くなる。

このような薬剤は重篤な疾患に用いるのであれば,安全性が許容できる範囲内で,できるだけ高用量を推奨することになる。

図1 (略)


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Q4.用量―反応関係を求めることが困難な場合には,どのように考えたらよいのか。


A.  

用量―反応関係を示すことが困難な状況は種々想定される。

例えば,用量―反応曲線の傾きが極めて急又は緩徐な場合,安全への配慮のために高用量が投与できない場合,有効性上の理由で低用量が用いられない場合,長期大規模試験により真のエンドポイントで有効性,安全性を評価する場合などである。
 
このような場合には,用量―反応関係を検討する上で,治験デザインが十分であったか否かを吟味する必要がある。
 
用量―反応関係が示されない場合,薬効分野によっては当該医薬品の有効性の有無が明らかでない場合がある。

そのような薬剤の有効性を証明するには,プラセボとの比較が必要であろう。

一方で,用量―反応関係が明瞭でなくても,治療上の必要性によっては新薬の存在意義があるとみなせる分野もある。


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Q5.指針中で述べられている「母集団の平均的用量―反応関係」と「個々の患者の用量―反応関係」の区別と,それらの間の関係について説明していただきたい。


A.  

用量―反応関係に関しては,各個体別(個々の患者ごと)に求められる用量―反応関係,各個体の要因別サブグループでの平均的用量―反応関係,そして母集団としての平均的用量―反応関係などがある。
 
通常,個体内の用量―反応曲線,サブグループの用量―反応曲線,母集団の平均的用量―反応曲線は同じではない。

すなわち,母集団の用量―反応情報は個体の用量―反応情報を推測する際の参考とはなるが,その情報を各個体の用量―反応情報として直接的に利用することは適切ではない。

本指針においては,今まであまり考えられていなかった個体内の用量―反応情報を得るための各種デザインについて,その利点・欠点が詳細に議論されており,それが本指針の特徴の一つと言えよう。


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2014年06月17日

用量―反応関係の検討「並行群間比較する無作為化用量―反応試験」

今週も『新医薬品の承認に必要な用量―反応関係の検討のための指針』だぞ!

今週も引き続き下記の指針を読みます。


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4)広く使われ,成功を収め,かつ一般に受け入れられているデザインは,3用量あるいはそれ以上の用量を並行群間比較する無作為化用量―反応試験である。

そのうちの1つは用量ゼロ(プラセボ)である場合もある。しかし,このような試験が母集団の平均的用量―反応データを得るための唯一の試験デザインというわけではない。

もし,用量が適切に選択されていれば,このような試験から医薬品の用量または血中薬物濃度と,臨床的に有益な効果または望ましくない効果との間の関係を明らかにすることができる。
 

用量は数用量必要であり,プラセボに加えて少なくとも2用量は必要である。

しかし,一般に2用量よりも多くの用量を用いた試験が望ましい。

試験薬の単一の用量とプラセボとの比較では,試験薬とプラセボの間に差がないという帰無仮説の検定が可能であるが,用量―反応関係を明らかにすることはできない。

同様に,実薬の2用量(プラセボなし)に対する反応から直線関係を導いたとしても,通常はこのような近似からは十分な情報は得られない。

通常は,試験デザインは用量―反応の関数関係の解明を強調すべきであり,個々の対比較を強調すべきではない。

もしも,ある特定の低い用量が有用かどうかというような曲線上の特定の一点が問題であるならば,それについては別途試験すべきである。
 


5)有益な効果および望ましくない効果の双方に関する用量―反応データに含まれる情報によって,適切なベネフィットとリスクの比を考慮した上での用量範囲の承認が可能になる。

十分な比較対照をおいた用量―反応試験は,有効性の主要な証拠の提示にも役立つことになる。
 


6)各国の規制当局および医薬品の開発に従事する者は,用量―反応データの研究において,既存のあるいは将来のデータベースに対する合理的かつ文書で十分に証明された探索的データ解析のような新しい方法および概念を受け入れるべきである。

各国の当局は,ベイズ法,ポピュレーション法,モデルを用いた方法,および薬物動態―薬力学的方法のような多様な統計学的および計量薬物学的手法の使用を受け入れるべきである。

しかしながら,このような方法があるとしても,前向きの無作為化した複数の用量水準を用いた臨床試験から用量―反応データを得る必要性が無にされるものではない。

他の目的に適合するように作られたデータベースから用量―反応情報を探索して事後的な探索的データ解析を行うと,しばしば新しい仮説が生まれるであろう。

しかし,用量―反応関係について決定的な評価ができることはごくまれである。


 
回顧的なポピュレーション型の分析の利用が増加しているが,それを含む多様なデータ分析手法,および新しいデザイン(例えば逐次デザイン)は,用量―反応関係を明らかにするために役立つと思われる。

例えば用量を体重あたりの用量に計算し直したり,腎機能,除脂肪体重などによって用量を補正したりすると,固定用量デザインを連続した用量水準として再分析することができる。

同様に,用量―反応試験中に血中濃度を測定していれば,血中濃度―反応関係の推定が可能になるであろう。

服薬規定の遵守に関する信頼できる情報に基づいて,医薬品の投与量が補正されることもある。

これらの場合のいずれにおいても,交絡が存在すること,すなわち再計算した用量および反応の双方を変化させる因子,あるいは血中濃度および反応,服薬規定の遵守および反応などの双方を変化させる因子が存在することは常に意識しておくべきである。
 


7)用量―反応データに,年齢,性別,または人種のような人口統計学的な特性に基づいた部分集合による差異があるかどうかを探索すべきである。

そのためには,これらの群の間に薬物動態学的差異,例えば,代謝の違いに起因する差異,体型または体質の差異などが存在するかどうかを知ることが重要である。



8)承認の可否は医薬品についての情報全体の考察に基づいてなされる。

用量―反応情報は利用可能であるべきだが,示された有効性の種類や程度によっては承認後に引き続き試験を実施するとの条件のもとにデータベースの不備が容認されることもある。

例えば特殊な母集団における反応の情報,長期使用における情報,薬剤間あるいは薬物―疾患相互作用の可能性に関する情報のような有益な情報を与える用量―反応データが期待される。

しかし,非常に優れた治療上の有益性がある場合,緊急に必要な場合,あるいは観察された副作用が極めて低レベルである場合には,それらを考慮して用量―反応データの要求は後に満たされればよいこともありうる。


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2014年06月14日

今週も『新医薬品の承認に必要な用量―反応関係の検討のための指針』だぞ!

今週も『新医薬品の承認に必要な用量―反応関係の検討のための指針』だぞ!

今週も引き続き下記の指針を読みます。


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4.まとめ

1)用量―反応に関するデータは,市場に導入しようとするほとんど全ての新医薬品に関して収集されることが望ましい。

これらのデータは,信頼できかつ科学的な根拠のある試験デザインから導き出されるべきであり,各種のデザインによって妥当な情報を得ることができる。

試験は,偏りを最小限にするために一般に認められている方法によるよく管理された比較対照試験とすべきである。

本格的な用量―反応試験の実施に加え,データベース全体について用量―反応情報の存在する可能性を吟味するべきである。



 
2)特別に計画された試験およびデータベース全体の分析から得られた情報は下記の目的に使用されるべきである。


1 薬物動態学的および薬力学的な変動についての総合的な情報を考慮して,適切な開始用量を見いだすこと。

理想的には,患者の体の大きさ,性別,年齢,合併症,および併用療法に合わせて開始用量を調整する方法(さもなければ,調整が必要ないと判断した確固たる根拠)も併せて見いだすのがよい。

状況(疾患,当該医薬品のもつ副作用)により,開始用量は,有用な効果が多少は見られる低用量から効果が最大に達する用量またはその付近の用量までの範囲内のいずれかになる。


2 患者の特性に応じて用量を適切に調整し,反応を指標にして適正に用量を漸増する方法,および用量調整の間隔を見いだすこと。

漸増の方法は,個々の患者の用量―反応データが利用できるならば典型的な個体の用量―効果曲線(望ましい効果および望ましくない効果の双方)の形状に基づき,また,個々の患者のデータが利用できないならば母集団の(群としての)平均的な用量―反応の形状やこれらの効果における変化を検出するために必要な時間に基づくものとなろう。


母集団の(群としての)平均的な用量―反応関係を探索するための方法論は,現時点では個々の患者の用量―反応関係を探索する方法論よりも確立されていることに注目すべきである。


3 それを超えて増量してもそれ以上有益性が見られないか,あるいは望ましくない効果が忍容できないほど増加するので,通常は漸増を試みるべきでない用量または反応(望ましい反応あるいは望ましくない反応)を見いだすこと。



3)慎重な開発のためには,開発の初期段階においても後期段階と同様に用量探索試験あるいは血中濃度―反応試験を実施するとよい。

そうすれば,第V相試験が失敗したり,あるいは蓄積されたデータベースの大部分が効果のない用量または過剰用量によるデータになることを避けられる。

医薬品の開発段階により試験のエンドポイントも違ってくると思われ,例えば心不全の医薬品の試験においては,初期には薬力学的なエンドポイント(例えば心拍出量,楔入圧)が,その後は中間的なエンドポイント(例えば運動耐容能,諸症状)が,最終評価としては死亡率または不可逆的な疾患の発現率がエンドポイント(生存,新たな梗塞)として使われることになると思われる。

これらのエンドポイントに対する用量―反応関係がそれぞれ異なるかもしれないことを予期すべきである。

もちろん,承認のために何をエンドポイントとして試験すべきかは,具体的な状況を考慮して決定される。
 
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