2014年04月04日

iPS細胞の治験

今週は「ヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針」を見ます。
 
「ヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針」について
   ↓
http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/guideline/biologics/120907-4.pdf

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最終製品については何に注意したらいいのでしょうか?
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2 最終製品の品質管理法

最終製品について、以下に示す一般的な品質管理項目及び試験を参考として、必要で適切な規格及び試験方法を設定し、その根拠を明らかにすること。

ロットを構成しない製品を製造する場合は個別製品ごとに、ロットを構成する製品を製造する場合には、通常、各個別製品ではなく各ロットが品質管理の対象となるので、これを踏まえてそれぞれ適切な規格、試験方法を設定すること。


(1) 細胞数並びに生存率

得られた細胞の数と生存率は、最終製品又は必要に応じて適切な製造工程の製品で測定すること。なお、治験開始時においては、少数の試験的検体での実測値を踏まえた暫定的な規格を設定することでも良い。



(2) 確認試験

目的とする細胞・組織の形態学的特徴、生化学的指標、免疫学的指標、特徴的産生物質その他適切な遺伝型あるいは表現型のうち、重要細胞特性指標を選択して、目的とする細胞であることを確認すること。



(3) 細胞の純度試験

目的細胞以外の未分化細胞、異常増殖細胞、形質転換細胞の有無や混入細胞の有無等の細胞の純度について、目的とする細胞・組織の由来、培養条件等の製造工程、中間製品の品質管理等を勘案し、必要に応じて試験項目、試験方法及び判定基準を示すこと。

なお、治験開始においては、少数の試験的検体での実測値を踏まえた暫定的な規格を設定することでも良い。



(4) 細胞由来の目的外生理活性物質に関する試験

細胞由来の各種目的外生理活性物質のうち、製品中での存在量如何で患者に安全性上の重大な影響を及ぼす可能性が明らかに想定される場合には、適切な許容量限度試験を設定すること。

なお、治験開始においては、少数の試験的検体での実測値を踏まえた暫定的な規格を設定することでも良い。



(5) 製造工程由来不純物試験

原材料に存在するか又は製造過程で非細胞成分、培地成分(フィーダー細胞を含む)、資材、試薬等に由来し、製品中に混入物、残留物、又は新たな生成物、分解物等として存在する可能性があるもので、かつ、品質及び安全性の面からみて望ましくない物質等(例えば、ウシ胎児血清由来のアルブミン、抗生物質等)については、当該物質の除去に関するプロセス評価や当該物質に対する工程内管理試験の結果を考慮してその存在を否定するか、又は適切な試験を設定して存在許容量を規定すること。

試験対象物質の選定及び規格値の設定に当たっては、設定の妥当性について明らかにすること。

なお、治験開始時においては、少数の試験的検体での実測値を踏まえた暫定的な規格を設定することでも良い。

・・・・・など等

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以下、生物由来の製品特有の試験・規格が続きます。

たとえば、

(7) エンドトキシン試験

(8) ウイルス試験

(9) 効能試験

(10) 力価試験

(11) 力学的適合性試験

・・・・・・・・というように。




さて、話はいっきに飛びます!^^;
    ↓
第7章 臨床試験 です。
    ↓
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第7章 臨床試験

ヒトiPS(様)細胞加工医薬品等の臨床試験を開始するに当たって支障となる品質及び安全性上の問題が存在するか否かの段階における安全性については、臨床上の有用性を勘案して評価されるものであり、ヒトiPS(様)細胞加工医薬品等について予定されている国内の臨床試験計画について以下の項目を踏まえて評価すること。


その際、明らかに想定される製品のリスクを現在の学問・技術を駆使して排除し、その科学的妥当性を明らかにした上で、なお残る「未知のリスク」と、重篤で生命を脅かす疾患、身体の機能を著しく損なう疾患、身体の機能や形態を一定程度損なうことによりQOL を著しく損なう疾患などに罹患し、従来の治療法では限界があり、克服できない患者が「新たな治療機会を失うことにより被るかもしれないリスク」とのリスクの大小を勘案し、かつ、これらすべての情報を開示した上で患者の自己決定権に委ねるという視点を持つこと、すなわち、リスク・期待されるベネフィットの情報を開示した上で臨床試験に入るかどうかの意思決定は患者が行うという視点を入れて評価することが望まれる。


1 対象疾患

2 対象とする被験者及び除外すべき被験者の考え方

3 ヒトiPS(様)細胞加工医薬品等及び併用薬の適用を含めた被験者に対して行われる治療内容(注:投与・移植した細胞の機能を維持・向上・発揮させるために併用する薬剤が想定される場合、当該薬剤の作用をin vitro あるいはin vivo で検証すること)。

4 既存の治療法との比較を踏まえた臨床試験実施の妥当性

5 現在得られている情報から想定される製品並びに患者のリスク及びベネフィットを含め、被験者への説明事項の案


なお、臨床試験は、適切な試験デザイン及びエンドポイントを設定して実施する必要があり、目的とする細胞・組織の由来、対象疾患及び適用方法等を踏まえて適切に計画すること。

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さて、今週はiPS細胞を利用した「医薬品」の品質及び安全性の確保に関する指針をざっくりと(思いっきり、ざっくりと)見てきました。

出てくる単語が分からないとか、一体、何を言っているのか、想像すらできない、ということもあると思います。

でも、それで、とりあえずは、いいのです。

大事なことは、ここから学んでいくということ。

誰だって、最初は素人です。

今回の指針に興味を持って、ひとりでも多くのiPS細胞の治験のエキスパートが出てくること願っています。(他力本願だけどさ。)

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2014年04月03日

ね、「ウイロイド」って何?

今週は「ヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針」を見ます。
 
「ヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針」について
   ↓
http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/guideline/biologics/120907-4.pdf

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「非細胞成分と組み合わせる場合」の注意点もあります。
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@ 細胞以外の原材料の品質及び安全性について

細胞とともに最終製品の一部を構成する非細胞の原材料(マトリックス、医療材料、スキャフォールド、支持膜、ファイバー及びビーズ等)がある場合には、その品質及び安全性に関する知見について明らかにすること。

当該原材料の種類と特性、最終製品における形態・機能及び想定される臨床適応の観点から見た品質、安全性及び有効性評価との関連を勘案して、適切な情報を提供すること。

生体吸収性材料を用いる場合には、分解生成物に関して必要な試験を実施すること。

なお、必要な試験等については、平成15 年2 月13 日付け医薬審発第0213001号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知「医療用具の製造(輸入)承認申請に必要な生物学的試験の基本的考え方について」等を参照し、試験結果及び当該原材料を用することの妥当性を示すこと。

文献からの知見、情報を合理的に活用すること。

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「細胞に遺伝子工学的改変を加える場合」の注意点です。
  ↓
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細胞に遺伝子を導入する場合は、次に掲げる事項に関する詳細を示すこと。

@ 目的遺伝子の構造、由来、入手方法、クローニング方法並びにセル・バンクの調製方法、管理方法及び更新方法等に関する情報

A 導入遺伝子の性質

B 目的遺伝子産物の構造、生物活性及び性質

C 遺伝子導入構成体を作製するために必要なすべての原材料、性質及び手順(遺伝子導入法並びに遺伝子導入用ベクターの由来、性質及び入手方法等)

D 遺伝子導入構成体の構造や特性

E ベクターや遺伝子導入構成体を作製するための細胞やウイルスのバンク化及びバンクの管理方法

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「クローニング」とは生物学用語で、クローン(同じ遺伝子型をもつ生物の集団)を作製すること。

これから転じて分子生物学的文脈においては、ある特定の遺伝子を増やす、つまり遺伝子を単離することを意味する。



「セル・バンク」とは、均一な組成の内容物をそれぞれに含む相当数の容器を集めた状態で、一定の条件下で保存しているものである。個々の容器には、単一の細胞プールから分注された細胞が含まれている。
  ↓
http://www.pmda.go.jp/ich/q/q5d_00_7_14.pdf


「ベクター」とはラテン語の運び屋 (vehere) に由来し、遺伝子組換え技術に用いられる、組換えDNAを増幅・維持・導入させる核酸分子。 挿入するDNA断片の大きさや挿入の目的によって、それを挿入するために様々な特徴を付加された媒体がベクターとして使い分けられる。また、単なるライブラリーをつくるためのベクターや、ひとまずクローニングするためのベクター、挿入したDNA断片からタンパク質を翻訳させる発現ベクターなどがある。



さらに、指針の中に次のような文言があります。
  ↓
「ウイルス」及び「ウイロイド」に対して遺伝子工学的改変を加える場合には、別途手続きが必要となるので留意すること。


ね、「ウイロイド」って何? という感じです。

「ウイロイド」とは塩基数が200〜400程度と短い環状の一本鎖RNAのみで構成され、維管束植物に対して感染性を持つもの。

分子内で塩基対を形成し、多くは生体内で棒状の構造をとると考えられる。

ウイルスは蛋白質でできた殻で覆われているがウイロイドにはそれがなく、またプラスミドのようにそのゲノム上にタンパク質をコードすることもない。

複製はローリングサークルと呼ばれる様式で行われ、核内あるいは葉緑体内で複製される。

この過程では、それぞれの単位がタンデムに連なった状態に複製されるが、これを切断する過程がリボザイムによって触媒されるウイロイドも知られる。

このようなことから、ウイロイドをRNA生物の生きた化石と見なし、ウイロイド様のものから生物が進化したとする説がある (reviewed in Symons 1997; Pelchat et al. 2003)。

あるいはまた、RNAの切れ端が自己複製機能を有するようになったものがウイロイドであるとする説もある。

世界で最初に発見されたウイロイドは、セオドール・ディーナーによって1971年に記述されたジャガイモやせいもウイロイド (Potato spindle tuber viroid) である。



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2014年04月02日

iPS細胞の培地で注意すること

今週は「ヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針」を見ます。
 
「ヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針」について
   ↓
http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/guideline/biologics/120907-4.pdf

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さて、いよいよ、詳細に入ります。
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2 目的とする細胞・組織以外の原材料及び製造関連物質並びに製造関連事項目的とする細胞・組織以外の原材料及び製造関連物質並びに製造関連事項を明らかにし、その適格性を示すとともに、必要に応じて規格を設定し、適切な品質管理を行うことが必要である。

生物由来製品又は特定生物由来製品を原材料として使用する場合は、その使用量を必要最小限とし、「生物由来原料基準」(平成15 年厚生労働省告示第210 号)をはじめとする関連法令及び通知を遵守すること。特に、ウイルス不活化及び除去に関する情報を十分に評価する必要があるほか、遡及調査等を確保する方策についても明らかにすること。

なお、この項に記載された技術要件は、iPS(様)細胞作製の原材料となるヒト体細胞からiPS(様)細胞への初期化や脱分化及びiPS(様)細胞から最終製品に至る分化誘導過程において該当する場合に留意されるべき事項である。

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細胞を培養するので、培地が必要になってきますよね。

で、その培地に加えるものは全て明らかにしておきます。

また、それらの規格も必要に応じて設定します。
  ↓
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(1) 細胞の培養を行う場合

@ 培地、添加成分(血清、成長因子及び抗生物質等)及び細胞の処理に用いる試薬等のすべての成分等についてその適格性を明らかにし、必要に応じて規格を設定すること。

各成分等の適格性の判定及び規格の設定に当たっては、最終製品の適用経路等を考慮すること。


A 培地成分については、以下の点に留意すること。

ア 培地に使用する成分及び水は、可能な範囲で医薬品又は医薬品原料に相当する基準で品質管理されている生物学的純度の高い品質のものを使用すること。

イ 培地に使用する成分は主成分のみでなく使用するすべての成分について明らかにし、選択理由及び必要に応じて品質管理法等を明確にすること。

ただし、培地の構成成分が周知のもので、市販品等が一般的に使用されているDMEM、MCDB、HAM、RPMI のような培地は1 つのものと考えてよい。

ウ すべての成分を含有した培地の最終品については、無菌性及び目的とした培養に適していることを判定するための性能試験を実施する必要がある。

その他、工程管理上必要と思われる試験項目を規格として設定し、適切な品質管理を行う必要がある。

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培地に使う「水」も医薬品原料に相当する基準ということですから、たとえば日局(日本薬局方)の「精製水」を滅菌したもの等が該当するんでしょうね。

そして、「すべての成分を含有した培地の最終品について」は「無菌性及び目的とした培養に適していることを判定するための性能試験を実施する必要がある」です。



「血清」はいろいろと問題(特に感染症の可能性)があるため、できるだけ培地に使わないように言われています。
  ↓
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B 異種血清及び異種もしくは同種の血清に由来する成分については、細胞活性化又は増殖等の加工に必須でなければ使用しないこと。

特に繰り返して使用する可能性のある製品では可能な限り使用を避けるよう検討すること。

血清等の使用が避けられない場合には、以下の点を考慮し、血清等からの細菌、真菌、ウイルス及び異常プリオン等の混入・伝播を防止するとともに、最終製品から可能な限り除去するよう処理方法等を検討すること。


ア 血清等の由来を明確にすること。

イ 牛海綿状脳症発生地域からの血清を極力避ける等感染症リスクの低減に努めること。

ウ 由来動物種に特異的なウイルスやマイコプラズマに関する適切な否定試験を行い、ウイルス等に汚染されていないことを確認した上で使用すること。

エ 細胞の活性化、増殖に影響を与えない範囲で細菌、真菌及びウイルス等に対する適切な不活化処理及び除去処理を行う。

例えば、潜在的なウイルス混入の危険性を避けるために、必要に応じて加熱処理、フィルター処理、放射線処理又は紫外線処理等を組み合わせて行うこと。

オ 培養細胞でのウイルス感染のモニター、患者レベルでのウイルス性疾患の発症に対するモニター及び異種血清成分に対する抗体産生等の調査のために、使用した血清の一部を保管すること。

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こんなものもあります。
  ↓
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G フィーダー細胞として異種動物由来の細胞を用いる場合には、異種動物由来の感染症のリスクの観点から安全性を確保すること。

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「フィーダー細胞」って、何でしょう?

気になる方はたとえば、こちら。
   ↓
https://www.yodosha.co.jp/jikkenigaku/keyword/22.html


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2014年04月01日

iPS細胞の加工、製造、原材料

今週は「ヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針」を見ます。
 
「ヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針」について
   ↓
http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/guideline/biologics/120907-4.pdf

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次に「加工」の定義を見てみましょう。

普通の医薬品の場合、加工というと、「製剤化」を連想しますが・・・・・・・。
  ↓
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3 「細胞・組織の加工」とは、疾患の治療や組織の修復又は再建を目的として、細胞・組織の人為的な増殖・分化、細胞の株化、細胞の活性化等を目的とした薬剤処理、生物学的特性改変、非細胞成分との組み合わせ又は遺伝子工学的改変等を施すことをいう。

組織の分離、組織の細切、細胞の分離、特定細胞の単離、抗生物質による処理、洗浄、ガンマ線等による滅菌、冷凍、解凍等は加工とみなさない。

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なるほど、「組織の分離」や「組織の細切」等は「加工とみなさない」ですね。


ちなみに「組織の分離」や「組織の細切」は「製造」の一部と見なされます。
  ↓
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4 「製造」とは、加工に加え、組織の分離、組織の細切、細胞の分離、特定細胞の単離、抗生物質による処理、洗浄、ガンマ線等による滅菌、冷凍、解凍等、当該細胞・組織の本来の性質を改変しない操作を含む行為で、最終製品であるヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等を出荷するまでに行う行為をいう。

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次に「製造工程の確立」の重要性が次のように記載されています。
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第2章 製造方法

製造方法について、下記の事項に留意し、必要な情報を明らかにすること。

これらの情報等は、最終製品の品質や安全性等の確保に資するとともに、品質の恒常性を製造方法面から保証するために重要なものである。

しかし、品質・安全性等の確保や品質恒常性保証は、製造方法全体で相互補完的方策により達成され、その方策が合理的で合目的性に叶うことが最も肝要である。

したがって、最終製品や中間製品における品質試験や管理あるいは製造過程における管理において、品質・安全性等の確保や品質恒常性保証という目的が達成されるのであれば、その科学的妥当性を明示した上で下記の措置や情報の一部を省略しても差し支えない。

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iPS細胞のような「化学物質でない」ものは「製造方法」が全て!という気がします。


で、「原材料」については次の記載があります。
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第1 原材料及び製造関連物質

1 iPS(様)細胞作製の原材料となるヒト体細胞

(1) 生物学的構造・機能の特徴と選択理

原材料として用いられる体細胞について、その生物学的構造・機能の特徴を、例えば、形態学的特徴、増殖特性、生化学的指標、免疫学的指標、特徴的産生物質、その他適切な遺伝型又は表現型の指標から適宜選択して示し、当該体細胞を原材料として選択した理由を説明すること。

なお、治験開始前には、試験的検体を用いた検討によっても良い。

これらの検討結果から患者の細胞に適用する際に選択すべき重要細胞特性指標を明らかにしておくこと。

検討に際しては、検体の量的制限や技術的限界もあり、可能な範囲で考慮すれば良い。

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原材料とする「体細胞」の特定が大事みたいですね。

「当該体細胞を原材料として選択した理由を説明すること」とあります。

ちなみに下記のような資料もネット上にはあります。

「他家由来iPS細胞ストックの開発について」
  ↓
http://www.pmda.go.jp/operations/shonin/info/report/yakujisenryaku_forum2013/file/shiryo04.pdf





その他に注意すべき点としては「生体由来」ですので、原材料からの感染が無いようにします。
  ↓
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患者、製造従事者及び医療従事者の安全性を確保する観点等から、採取した体細胞を介して感染する可能性がある各種感染症を考慮して感染症に関する検査項目を定め、その妥当性を明らかにすること。

特にB型肝炎(HBV)、C型肝炎(HCV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症、成人T細胞白血病(HTLV)に留意すること。

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細胞や組織を取り扱う医療機関も、どこだっていいというわけにはいきません。
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(4) 細胞・組織の採取・保存・運搬

@ 採取者及び採取医療機関等の適格性

細胞・組織の採取者及び採取医療機関等に求めるべき技術的要件について、明らかにすること。


F 運搬方法

採取した細胞・組織やiPS(様)細胞作製原料となる体細胞を運搬する必要がある場合には、運搬容器、運搬手順(温度管理等を含む。)を定め、その妥当性について明らかにすること。

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2014年03月29日

ヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針

今週は「ヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針」を見ます。
 
「ヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保に関する指針」について
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http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/guideline/biologics/120907-4.pdf

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え〜〜!!? iPS細胞なんて、私、関係な〜〜い!!なんて思わないでおきましょう。

僕も関係ありません(今のところ、直接的には)。

ただ、昔、ある微生物に人間のタンパクを作らせる所謂、「組換えタンパク」製造プラントの立ち上げの仕事をしたことがあります。

その時は、工程内品質管理(In-process QC)という立場で、組換えタンパクが予定どおり製造されているかどうかを定量分析するような仕事をしていました。

その分析手法の確立とバリデーションですね。

でも、僕だって、そんなもんです。

iPS細胞なんて見たことも触ったこともありません。(聞いたことはありますが。)

でも、ですね。

人間って知らず、知らずのうちに自分の守備範囲を限定してしまう傾向があるんですよね。

(それも齢をとればとるほど。)

それを回避する方法として、僕は出張の帰りに、必ず週刊誌(週刊朝日とか週刊文春とか週刊新潮とか)を1冊、買いました。

普段は、この手の週刊誌は全く、読みません。

でも、出張の帰りに1冊、週刊誌を買うと、興味があろうとなかろうと、最初から最後まで読むようにしました。

すると、政治の話から、芸能界のゴシップ、怪しげな健康法、面白い小説の紹介などを読むことになります。

普段とは違う世界を否が応でも知ってみる、という行為は大事です。

その時は「なんだ、この話は、よくわからんぞ」と思っても、まつ数日して、同じことがテレビで出てくると、あれ?となって、それがやがて知識になります。

(時には、どうでもいい知識になることもありますが、それを人は、幅が出たとか視野が広がったといって喜ぶ。)


ですので、ここは「食わず嫌い」はやめて、僕と一緒にiPS細胞を使って医薬品を製造するときの注意点を見ていきましょうよ。ね!

特に「若いもん」はなりふり構わず、目の前にあることにガムシャラに向かったほうがいいです。

僕もGMPをやったことや植物の組織培養をやったこと、医薬品の製造販売承認申請の仕事をやったことが、その後の人生に大いに役立ちました。

よく「人生に無駄は無い」という言葉がありますが、これは正しくもあり、間違いでもあります。

要は、自分の勘が絵しだいなのです。

まぁ、そんなものんです。


では、そういうことで(強引ですが)iPS細胞の品質確保について見ていきましょう。
   ↓



ヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保について


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はじめに

1. 本指針は、ヒト由来の人工多能性幹細胞(iPS 細又は人工多能性幹細胞様細胞(iPS 様細胞)のうち、自己由来iPS 細胞又はiPS 様細胞を加工した医薬品又は医療機器(以下「ヒト(自己) iPS(様)細胞加工医薬品等」という)の品質及び安全性の確保のための基本的な技術要件について定めるものである。

しかしながら、ヒトiPS(様)細胞加工医薬品等は、ヒト体細胞より人為的に作成された各種iPS(様)細胞を人為的に分化誘導し、得られた特定の細胞をそのまま利用、あるいはさらに加工することにより製造されるため、その製造方法、中間製品や目的細胞の種類及び特性、臨床上の適用法は多種多様であり、また、本分野における科学的進歩や経験の蓄積は日進月歩である。

本指針を一律に適用したり、本指針の内容が必要事項すべてを包含しているとみなしたりすることが必ずしも適切でない場合もある。

したがって、個々の医薬品等についての試験の実施や評価に際しては本指針の目的を踏まえ、その時点の学問の進歩を反映した合理的根拠に基づき、ケース・バイ・ケースで柔軟に対応することが必要であること。

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う〜〜んと、そもそもiPS細胞又はそれを加工したものは「医薬品」なのでしょうか?という、素朴な疑問があります。

「免疫アルブミン製剤」のように血液製剤のような生物由来医薬品という考えもありますが、「臓器移植」という手技の一種じゃないかという考えもあろうかと思います。

科学の分野は日進月歩ですので、従来の規制やガイドラインを飛び越えたものが出てくる可能性はこれからもありますよね。

ほんと、私たちも大変です。

上記の「はじめに」もあるとおり、このような最先端のモノ(技術や物)については、指針を一律に適用するのは、時には無理がありますよね。

だから、「ケース・バイ・ケース」が基本です。

とりあえず、当局に相談することになろうかと思いますが、でも、だいたいのことはこの指針を見ておきましょうね、と。




次の文章は「治験」という最先端の(あるいは未知のと言い換えても可)医療に患者を参加させる場合には、全てを被験者に説明し、そのうえで同意できる人だけが参加してくださいね、というとっても基本的なことが、実にシビアに書かれています。

私たちは、時に、最先端ではない、ある程度、リスクが予想される治験を実施することもあるので、このような大前提を忘れてしまうこともあります。

でも、iPS細胞なんていう「未知の塊」を体内に入れるのですから、そのことを被験者に十分に認識してもらう必要がありますね。

そのことが下記の文章中の「未知のリスク」という言葉に現れています。
   ↓
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明らかに想定される製品のリスクを現在の学問・技術を駆使して排除し、その科学的妥当性を明らかにした上で、なお残る「未知のリスク」と、重篤で生命を脅かす疾患、身体の機能を著しく損なう疾患、身体の機能や形態を一定程度損なうことによりQOL を著しく損なう疾患などに罹患し、従来の治療法では限界があり、克服できない患者が「新たな治療機会を失うことにより被るかもしれないリスク」とのリスクの大小を勘案し、かつ、これらすべての情報を開示した上で患者の自己決定権に委ねるという視点を持つこと、すなわち、リスク・期待されるベネフィットの情報を開示した上で、治験に入るかどうかの意思決定は患者が行うという視点を入れて評価することも重要である。

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ちなみに、下記の文章の意味が分かりますか?

私にはさっぱり分かりませんでした。
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2. 薬事戦略相談あるいは治験相談におけるヒトiPS(様)細胞加工医薬品等の治験を開始するに当たっての基本的留意点は、当該製品にヒトへの適用により支障となる品質及び安全性上の明らかな問題が存在するか否か、臨床で得られた知見との関係性を照合できる程度に品質特性が把握され、その一定範囲の恒常性が確保されているか否かを確認することにある。

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これ(↑)って、「ヒトiPS(様)細胞加工医薬品等の治験を開始するに当たって」その製品が副作用等を生じるかもしれない場合、そのことがきっちりと製品に由来するかどうかが分かる程度に、その製品のことを調べておいてくださいね、ということかな?

あるいは、逆に言うと、製品を作るたびに(ロットが変わるたびに)品質がコロコロ変わり、そのために、被験者に発生した有害事象が製品のせいかどうかも分からない、というのはやめてくださいね、ということ?

よく分からないので、先に進みます。(^^;)



この指針の目的は次です。
  ↓
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第1 目的

本指針は、ヒト(自己)iPS(様)細胞加工医薬品等の品質及び安全性の確保のための基本的な技術要件について定めるものである。

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この指針がカバーする範囲は「品質及び安全性の確保のための基本的な技術要件」です。



さて、ここで定義です。
  ↓
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●1「ヒト人工多能性幹細胞(iPS 細胞)」とは、ヒト体細胞を遺伝子導入・タンパク質導入・薬剤処理等により人為的に初期化して得られる細胞又は当該細胞の分裂により生ずる細胞であって、内胚葉、中胚葉及び外胚葉の細胞に分化する性質を有し、かつ、自己複製能力を維持しているもの又はそれに類する能力を有することが推定されるものをいう。


●2 「ヒト人工多能性幹細胞様細胞(iPS 様細胞)」とは、ヒト体細胞を遺伝子導入・タンパク質導入・薬剤処理等により人為的に脱分化して得られる細胞又は当該細胞の分裂により生ずる細胞であって、少なくとも内胚葉、中胚葉又は外胚葉の一部の細胞に分化する性質を有し、自己複製能を維持しているもの又はそれに類する能力を有することが推定されるものを指す。

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上記の2つの違いは「様」があるかないかの違いですね。

とにかく、どんな手法であれ、「ヒト体細胞」(普通の細胞)を初期化(あるいは脱分化)して標的の目指す細胞(組織)に変えられるもの、というとこですかね。

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