2014年04月29日

オールジャパンでの医療機器開発

今週は『日本版NIH(その4)』です。

久々ですね、日本版NIH(とは呼ばないそうですが。)

詳細は下記のサイトをご覧ください。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/



上記のページの平成26年 3月31日 「第6回 健康・医療戦略参与会合」を見ます。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/sanyokaigou/dai6/gijisidai.html

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今週も、資料のコピペだけですので、上記にある資料を自分で読む! という方はスキップしてくださいね。

さて、いきますか。


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2.オールジャパンでの医療機器開発 平成26年度新独法対象経費 112億円

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文科省、厚労省、経産省の連携体制による、世界最先端で医療ニーズに応える医療機器開発とその支援体制の整備

がん、認知症等の克服に必要な我が国発の優れた医療機器について、医療ニーズを確実に踏まえて、日本の強みとなるものづくり技術も活かしながら、開発・実用化を推進し、研究開発から実用化につなげる体制整備を進める。

これにより、世界最先端の医療が受けられる社会を目指す。


【2015年度までの達成目標】

○医療機器開発・実用化促進のためのガイドラインを新たに10本策定

○国内医療機器市場規模の拡大 2.7兆円



【2020年頃までの達成目標】

○医療機器の輸出額を倍増(平成23年約5千億円→約1兆円)

○5種類以上の革新的医療機器の実用化

○国内医療機器市場規模の拡大 3.2兆円






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3.革新的医療技術創出拠点プロジェクト 平成26年度 新独法対象経費 121億円

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●文部科学省と厚生労働省の連携(期待したい!!!)

・文科省及び厚労省が一体となって新たな事業を創設することにより、両省の強みを生かしながら、アカデミア等における画期的な基礎研究成果を一気通貫に実用化に繋ぐ体制を構築するとともに、各開発段階のシーズについて国際水準の質の高い臨床研究・治験を実施・支援する体制の整備もおこなう。

・拠点組織や研究費を大幅に拡充・強化し、革新的な医薬品・医療機器が持続的にかつより多く創出される体制を構築する。


【2015年度までの達成目標】

・医師主導治験届出数 20件(年間)

・FIH試験※(企業治験含む)25件(年間)


【2020年頃までの達成目標】

・医師主導治験届出数 40件(年間)

・FIH試験※ (企業治験含む)40件(年間)


※ FIH(First in Human)試験:ヒトに初めて新規薬物・機器等を投与・使用する臨床試験


【関連指標】

・臨床研究・医師主導治験の増加(期待したい!!!!)

・我が国発の革新的な医薬品・医療機器の増加


●文部科学省

・基礎段階から実用化までシーズを育成

橋渡し研究加速ネットワークプログラム(H26: 65億円)
   ↓
http://www.tr.mext.go.jp/


●厚生労働省

・国際水準の臨床研究・治験の実施環境の整備

臨床研究中核病院整備事業等※ (H26: 56億円)(H25補正:14億円)

※ 臨床研究中核病院/早期・探索的臨床試験拠点/日本主導型グローバル臨床研究拠点の整備


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 <臨床研究中核病院>

●東北大学病院

●群馬大学医学部附属病院

●国立成育医療研究センター

●国立病院機構 名古屋医療センター

●岡山大学病院

●北海道大学病院

●千葉大学医学部附属病院

●名古屋大学医学部附属病院

●京都大学医学部附属病院

●九州大学病院


 <早期・探索的臨床試験拠点>

●国立がん研究センター東病院 (医薬品/がん分野)

●大阪大学医学部附属病院 (医薬品/脳・心血管分野)

●国立循環器病研究センター (医療機器/脳・心血管分野)

●東京大学医学部附属病院 (医薬品/精神・神経分野)

●慶應義塾大学病院 (医薬品/免疫難病分野)



 <日本主導型グローバル臨床研究拠点>

●学校法人北里研究所 北里大学病院

●公益財団法人 先端医療振興財団


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●上記の文部科学省と厚生労働省の事業の一体化
   ↓
革新的医療技術創出拠点

シーズを育成し、国際水準の臨床研究・治験を実施

○PD、PO、サポート機関等の推進体制及び事業運営委員会、拠点調査等の運営を一元化

○人件費、設備維持費等の拠点経費及び研究費を統合し、拠点の組織・機能を一元化

○一気通貫に実用化に繋ぐ体制を整備するとともに、国際水準の質の高い臨床研究・治験を実施・支援する体制も整備

○基礎段階から実用化させるまでに必要な専門人材を大幅拡充し、シーズ育成能力を大幅拡充




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4.再生医療の実現化ハイウェイ構想 平成26年度 新独法対象経費 151億円(平成25年度補正 4億円)

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●文部科学省、厚生労働省、経済産業省の連携による、いち早い再生医療・創薬の実現


『文部科学省、厚生労働省、経済産業省の連携』←これが一番大事ですよね。


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2014年04月26日

今週は『日本版NIH(その4)』です。

●今週は『日本版NIH(その4)』です。

●医学研究の新しい展開について

今週は『日本版NIH(その4)』です。

久々ですね、日本版NIH(とは呼ばないそうですが。)

詳細は下記のサイトをご覧ください。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/



上記のページの平成26年 3月31日 「第6回 健康・医療戦略参与会合」を見ます。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/sanyokaigou/dai6/gijisidai.html

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今週も、資料のコピペだけですので、上記にある資料を自分で読む! という方はスキップしてくださいね。

さて、いきますか。


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●平成26年度 医療分野の研究開発関連予算のポイント

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/sanyokaigou/dai6/siryou2.pdf

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新独法対象経費(26年度決定):1,215億円(文570、厚476、経169)[ 調整費 ] 175億円(科学技術イノベーション創造推進費(500億円)のうち35%(175億円)を医療分野の研究開発関連の調整費として充当。)


予算が約1200億円ですね。


アメリカのNIHはどうでしょうか?

その歴史も含めて見てみましょう。
   ↓
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1870年代、移民増加により様々な伝染病がもたらされていた。

1887年、ニューヨーク州スターテン島の病院に作られた衛生研究室で、コレラ菌を分離したのが始まりである。

以後、ありふれた風邪から、稀な遺伝病など、様々な病気・障害の原因・診断法・治療法・予防法を研究する。

また、その知識を普及させることで、人類の健康状態を改善させる。ノーベル賞受賞者は100人を超える。

自前で研究するだけでなく、世界中の研究機関に対する助成もする。

年間の予算額は250億米ドルから300億米ドルで、その8割以上が2,800余りの大学と研究機関、5万人以上の研究者に、助成金や奨学金として配分されている。

ヒトゲノム計画の解読結果にもとづいて癌やパーキンソン病、アルツハイマー病の診断や治療法の確立をすすめるほか、2001年に合衆国が炭疽菌攻撃を受けてからはバイオテロの予防も行う。

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米国のNIHの予算は2,500,000,000,000円(1ドル=100円として)〜3,000,000,000,000円ですから2.5兆円〜3兆円ですね。

繰り返しますが、日本のNIH(とは言わないらしいですが)の予算は約1200億円ですから10分の1ぐらいです。



さて、日本版NIHを引き続きみていきましょう。

●主な取組

*健康・医療戦略推進本部の下で各省が連携し、医療分野の研究開発を政府一体で推進

・医薬品・医療機器開発への取組

  ・医薬品創出の基盤強化 254億円<新独法198億円、インハウス55億円>

  ・オールジャパンでの医療機器開発 112億円<新独法>


・臨床研究・治験への取組

  ・革新的医療技術創出拠点プロジェクト 121億円<新独法>


・世界最先端の医療の実現に向けた取組

  ・再生医療の実現化ハイウェイ構想 151億円<新独法>

  ・疾病克服に向けたゲノム医療実現化プロジェクト 70億円<新独法55億円、インハウス16億円>


・疾病領域ごとの取組

  ・ジャパン・キャンサーリサーチ・プロジェクト 172億円<新独法>

  ・脳とこころの健康大国実現プロジェクト 71億円<新独法>

  ・新興・再興感染症制御プロジェクト 53億円<新独法36億円、インハウス17億円>

  ・難病克服プロジェクト 93億円<新独法>



●(参考)25補正予算における主な取組

*医療分野の研究開発の推進

○【厚労省】 革新的な医薬品等の研究開発等の一部 28億円<新独法18億円、インハウス10億円>
 
・臨床研究中核病院等で実施している研究をより加速するため、研究の実施に必要な設備整備等




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1.医薬品創出の基盤強化に向けて

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平成26年度新独法対象経費 198億円

●文科省、厚労省、経産省が連携して推進

【2015年度までの達成目標】(2015年度って、来年ですけど・・・・・・)

○相談・シーズ評価 400件

○有望シーズへの創薬支援 40件

○企業への導出(ライセンスアウト) 1件


【2020年頃までの達成目標】

○相談・シーズ評価 1500件

○有望シーズへの創薬支援 200件

○企業への導出(ライセンスアウト) 5件



こういう目標を立てると、僕なんか、「とりあえず、数字だ!」とか言っちゃって、たいしたモノでもないのに、無理やり企業へ導出して、「やった!1件、ライセンスアウト!無事に目標達成!!」なんてやるんですよね。(あくまでも、僕の場合は、ということで。)



■■■ <創薬支援ネットワーク等の支援基盤> ■■■

創薬支援ネットワーク : 創薬支援ネットワーク協議会・実務担当者会議による強固な連携・協力体制を形成

【理化学研究所の取組】(今、話題の、、、ですね。)

【医薬基盤研究所の取組】

【産業技術総合研究所の取組】

・・・・・ということで、上記の3つの組織が連携するみたいですよ。


●【理化学研究所の取組】
    ↓
http://www.riken.jp/


●【医薬基盤研究所の取組】
    ↓
http://www.nibio.go.jp/index.html


●【産業技術総合研究所の取組】
    ↓
http://www.aist.go.jp/



●創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業【創薬連携研究機関】平成26年度予算:38.9億円

我が国の大学等の優れた基礎研究の成果を医薬品等としての実用化につなげるために、創薬等のライフサイエンス研究に資する高度な技術や施設等を共用する創薬・医療技術支援基盤を構築して、大学・研究機関等による創薬等の研究を支援する。

●創薬等ライフサイエンス研究支援基盤事業
    ↓
http://pford.jp/




■■■ <創薬基盤技術開発>平成26年度予算 58.8億円 ■■■

●先端的基盤開発研究(創薬基盤推進事業)

●臨床応用基盤研究(医療技術実用化総合研究事業(臨床研究・治験推進研究))

我が国の大学等の優れた基礎研究の成果を医薬品等としての実用化につなげるために、医師主導治験を始め、大学等によるコンパニオン診断薬及び既存薬と難病・希少疾病等を関連付けるためのエビデンス構築(ドラッグ・リポジショニング)に係る研究等を支援。


・創薬基盤推進研究経費
    ↓
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hokabunya/kenkyujigyou/hojokin-koubo-h24/gaiyo/05-01.html




■■■ <希少疾患治療薬等開発支援>平成26年度予算 28.5億円 ■■■

●先駆的医薬品・医療機器研究発掘支援事業

難病・希少疾患など企業の主体的な研究開発が進みにくい領域や革新的な技術・手法を用いる先駆的な研究を支援


・先駆的医薬品・医療機器研究発掘支援事業
    ↓
http://www.nibio.go.jp/part/promote/fundamental/doc/index.html



■■■ 革新的バイオ医薬品創出基盤技術開発 平成26年度予算 11.0億円 ■■■

我が国のバイオ医薬品の国際競争力を強化するため、以下のような「次世代バイオ医薬品技術開発」を実施し、5年以内に世界初の次世代バイオ医薬品のシーズ設計・創出技術を企業等へ移転

・細胞内標的を創薬ターゲットとする技術、低分子化、特定の組織、細胞への送達技術、エピジェネティクス制御技術、核酸医薬の高活性化及び安定性向上等、糖鎖構造の制御技術等


・革新的バイオ医薬品創出基盤技術開発
    ↓
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2013/12/05/1342054_4.pdf



■■■ 次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業 平成26年度予算 52.7億円 ■■■ 

●高品質なバイオ医薬品製造技術

●高効率医薬品シーズ探索技術

●低侵襲サンプリング診断技術



・次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業
    ↓
http://www.meti.go.jp/information/publicoffer/kobo/k140124001.html


■■■ 審査の迅速化、質の向上と安全対策の強化 平成26年度予算 8.6億円 ■■■ 

最先端技術を用いた革新的医薬品について、その適切な評価方法を開発し、実用化への道筋を明確化すること等に資する研究を推進


これ(↑)は、強く、強く、目標が達成されることを希望します。

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2013年12月27日

グローバル思考のできる人材の育成

今週は『日本版NIH(その3)』です。

詳細は下記のサイトをご覧ください。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/

「平成25年12月5日第5回 健康・医療戦略参与会合 が開催されました。」を見ます。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/sanyokaigou/dai5/gijisidai.html


医療分野の研究開発に関する総合戦略(たたき台)
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/sanyokaigou/dai5/siryou4.pdf
   ↓
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6.国際的視点に基づく取組

(1)国際的視野でのテーマ設定

実用化に向けた研究開発テーマの設定や取組の検討に当たっては、国内のみならず、国際的な研究開発の現状や産業界における競争力等の国際動向や国際的な標準化の現状について正確な把握を行うことが必須である。

このため、テーマの設定に当たっては、国際的な視点も検討すべきであり、分野別専門家、課題解決型専門家に加え、グローバル思考のできる人材の育成と活用が必要である。

また課題の選考にあたっては、当該専門領域の科学者の意見を十分に聴取する。

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「グローバル思考のできる人材の育成」ですね。

これに尽きると思います。
   ↓
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7.人材育成

医療分野の研究開発ポテンシャルの向上には、あらゆる観点から人材の育成、確保が重要であることは議論をまたない。

人材育成に関しては、臨床研究の観点からも大学の果たすべき役割が鍵である。

特に、卒前教育から臨床研究方法論、臨床疫学、生物統計学を組み込み、学生でも臨床研究に関する教育を実施することや、臨床試験については正当な評価をすることが期待される。

また、若手研究者を持続的に支援することで、基礎から臨床研究治験まで精通し、世界をリードする学術的な実績があり、かつ、強力なリーダーシップを発揮できる人材を育成することが可能となる。

また、リーダーとなる研究者の育成のみならず、研究支援者、具体的には、生物統計家、CRC(治験コーディネーター)、データマネージャー、知財、有効性・安全性の評価、規制、倫理、広報などの専門人材を育成・確保するとともに、キャリアトラックを確立する必要がある。

こうして育成された人材を橋渡し研究支援拠点や臨床研究中核拠点、早期・探索的臨床試験拠点に複数配置するよう配慮する必要がある。

さらに、革新的な医療技術等をより早く医療現場に届けるため分野横断的な研究を推進し、イノベーションの創出を行いうる人材の育成が重要である。

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「出る杭は打たれる」という社会を変える必要があります。

せっかくの若者が潰される可能性が、今のままならあります。

あなたは若者の成長を邪魔していませんか?


ところで、このブログの下書きは12月10日頃に書いていたのですが、12月16日に下記のように「たたき台」が「案」に格上げされました。

●医療分野の研究開発に関する総合戦略(案)平成25年12月16日
      ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai5/siryou2.pdf


「たたき台」と「案」で内容は変わりがありません。


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2013年12月26日

創薬支援ネットワークを活用

今週は『日本版NIH(その3)』です。

詳細は下記のサイトをご覧ください。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/

「平成25年12月5日第5回 健康・医療戦略参与会合 が開催されました。」を見ます。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/sanyokaigou/dai5/gijisidai.html


医療分野の研究開発に関する総合戦略(たたき台)
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/sanyokaigou/dai5/siryou4.pdf
   ↓
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2.医薬品・医療機器開発の新たな仕組みの構築

シーズを見出し、それを実用化に結び付けるため、最終的なビジネスとしての発展も視野に入れつつ、基礎から臨床研究、実用化までの一気通貫の研究開発の推進、さらに臨床現場における検証と新たな課題を抽出できる体制の整備が必要である。

その際には、研究開発の出口を見据えた知財戦略と、基礎研究の成果の中から実用化に向けた可能性の高いニーズを見極めるスクリーニングや、臨床研究データの集積・活用を図り、しっかりと基礎から応用、臨床、実用化へと橋渡しがなされることが重要である。

また、日本発の革新的医薬品・医療機器の実用化を促進に向け、幅広い分野につき高度の知識・技術を有する人材の育成、医薬品・医療機器開発の効率化、迅速化、有効性・安全性の評価、開発・審査に関するガイドラインの整備等に関する研究(レギュラトリーサイエンス)、知財に関する法制度の整備を同時に推進する必要がある。

さらに、レジストリー研究のためのデータベース構築、ビッグデータ分析等のICTの活用による研究開発プロセスのスピードアップとコストダウンを図る必要がある。

新薬開発のためのFirst in Human 試験をはじめ、あらゆる治験の迅速な実施に向け、短期間で効率的な治験を行うため、ナショナルセンター、臨床中核病院等のネットワークを強化し、症例を集積しやすい環境を整備する必要がある。

なお、実用化へ向けた支援として、薬事戦略相談等に関するPMDAの体制強化と、PMDAと連携した有望シーズの出口戦略の策定・助言、企業への情報提供・マッチング等、企業連携・連携支援機能の強化が必要である。

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「出口戦略」ですね。

研究のための研究、自己満足の研究の時代は終焉します。



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(1)医薬品分野

我が国発の医薬品開発を実現するにあたっては、患者ニーズの把握等に努め戦略的なテーマを設定する必要がある。

アカデミアの優れたシーズからの創薬を加速させるため、平成25年5月に開始された創薬支援ネットワークを活用し、橋渡しを行うなど、アカデミア創薬が企業へとその成果が速やかに移転され、成長するように育成する必要がある。

そのためには目利き人材の確保・育成、既存シーズのライブラリー、知財及び適応外使用ライブラリーの整備を図ることにより、創薬に関わる全ての研究者等があらゆる創薬関連情報を利用しやすい環境の整備に向け、創薬支援ネットワーク等を活用し、関係機関が協力・連携して取組む。

具体的には、ドラッグ・リポジショニング(注:既存の薬剤の作用メカニズムを解明し、その薬の新たな効果を探し出し、別の疾患の治療薬として活用すること、育薬ともいう)に向けた新たな体制の構築等についても検討する必要がある。また品質、有効性、安全性を確保するレギュラトリーサイエンスの強化も重要である。

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『創薬支援ネットワーク』
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http://www.nibio.go.jp/iD3/



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2013年12月25日

臨床研究現場の抱える課題

今週は『日本版NIH(その3)』です。

詳細は下記のサイトをご覧ください。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/

「平成25年12月5日第5回 健康・医療戦略参与会合 が開催されました。」を見ます。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/sanyokaigou/dai5/gijisidai.html


医療分野の研究開発に関する総合戦略(たたき台)
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/sanyokaigou/dai5/siryou4.pdf
   ↓

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(2)臨床研究現場の抱える課題

我が国の臨床研究現場は国際的にみていまだに課題が多く、製薬企業においても治験を海外機関で実施する傾向のあることは否めない。

これは、治験や臨床研究における倫理規定、データマネジメント、安全性、品質保証などに関する国際基準がより厳格化されるなかで、我が国の対応が遅れたことと関係がある。

治験や臨床研究においては厳密なデータ管理や各種規制への対応を行わなければならないこと、さらに医薬品や医療機器の有効性が生命予後や心臓発作、脳卒中などの低い頻度ながらも重大な事象を指標とされるようになったことは、臨床研究の大規模化と長期化に拍車をかけた。

その結果、多くの研究費と強力な研究支援体制なしに治験や臨床研究を行うことがきわめて困難となってしまった。

大学病院では疾患の病態研究については多くの国際的実績を挙げてきたが、研究体制の不備や人材不足により、臨床研究や臨床試験等は十分に行われてこなかった。

ナショナルセンターにおいては、特定の疾患群の治療を対象とした病院と治療技術の実用化に軸足をおいた研究所を併設しているという特長を活かして治験・臨床研究を実施し、一定の成果を挙げてきたが、企業との連携による創薬において貢献してきたとは必ずしもいえない。

平成24年3月に取りまとめられた「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」は、症例集積性の向上、治験・臨床研究手続きの効率化、研究者・専門家の育成・人材確保、治験・臨床研究の情報公開、治験にかかるコスト・スピード・質の適正化に関して、より一層の強化が求められると指摘している。

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抜本的な、それこそドラスティックな改革が「治験」には求められます。

ただ、「手法」だけが変わっても、そもそも「治験」をすべき「新薬のタネ」がないと無意味ですが。




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1.画期的な基礎研究成果を実用化に繋ぐ体制の構築

画期的な基礎研究成果を実用化に展開するためは、臨床研究・治験実施環境の抜本的な向上、及び我が国発の医薬品・医療機器の創出に向けたイノベーションの実現が鍵となる。

(1)臨床研究・治験実施環境の抜本的向上の必要性

諸外国においては、臨床研究のために数千床規模の一か所集中型の臨床研究拠点を創設する例も見られる。

一方、我が国においては、複数拠点のネットワークの構築を推進してきたところであり、ナショナルセンターや大学病院を中心とした橋渡し研究拠点、臨床研究中核病院及び早期・探索型臨床試験拠点等の分散型の拠点を活用し、それらを中心としたARO(Academic Research Organization)機能の構築による臨床研究が推進されている。

臨床研究及び治験において各施設で症例の集約化を図るとともに、今後も、これらの資源を有効に活用しつつ、以下のような更なる機能の向上を図り、国際水準の質の高い臨床研究・治験実施が確実に実施される仕組みの構築が求められる。

なお、ナショナルセンターの運営のあり方の検討をさらに深めてゆくべきである。


@ 症例集積性の向上と治験に係るコスト・スピードの向上、質の適正化

症例集積性の向上とコスト・スピードの向上、ICH−GCP(Good Clinical Practice)基準を満たす臨床試験の質の適正化を図ることが必要である。

このためには、研究計画書(プロトコール)の策定、研究の進捗状況の把握、ARO機能の強化、中央倫理・治験審査委員会の活用、研究データの管理(データ入力・集計・解析)、研究成果や知的財産の管理等の研究開発マネジメントを効率的に実施する等、個別臨床研究に共通したマネジメントが有効である。

これにより、治験や臨床研究の手続きの効率化も期待される。

また、PMDA(注:Pharmaceutical and Medical Devices Agency:独立行政法人医薬品医療機器総合機構)との連携を強化し、薬事戦略相談制度の拡充や優先的な治験相談制度の運用を改善する。


A 研究者・専門家の育成・人材確保

我が国の医療研究開発分野においては基礎研究論文が比較的高く評価される傾向があり、そのため基礎研究論文における我が国の国際的プレゼンスは高い。

一方、臨床研究論文に関する我が国の国際的プレゼンスは低く、かつ低下傾向にある。

出口志向の臨床研究、臨床試験、治験を重要なメディカルサイエンスと位置付け、臨床研究の質と量を向上させることが必要である。

そのためには、まず臨床研究に従事する人材の魅力的なキャリアパスを確立する必要がある。

とくに、医学部、薬学部生に対し、早期より臨床研究について教育を行うとともに、臨床研究や治験のためのポストの整備など、若手研究者の育成が求められる。

また、オミックス解析、生物統計、バイオインフォマティクス、ビッグデータ解析等にかかる生物医学系の情報科学分野の人材育成や確保は、今後の遺伝子情報や医療情報等を活用した臨床研究の推進にとっても必須である。

さらに、疫学専門家、生命倫理、研究倫理等の専門家の果たす役割がきわめて多大である。

現在これらの人材が不足しているため、早急な人材の育成・確保が重要である。

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繰り返しますが「人材不足」→「早急な人材育成」(それも国際的ビジョンを持っている人)

そのためには「裸のボス」(お山の大将)は不要、封建制度は撤廃、縦社会を無くす、官僚主義、保守的な体制・思考方法を払い捨てること。

手続きばかり気にする社会、縄張り争いは御免こうむりたい。

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