2013年07月19日

「開発着手ラグ」だけです

今週は製薬協の「国内治験環境の分析並びに改善点の検討」を見てきました。
   ↓
http://www.jpma.or.jp/information/evaluation/allotment/pdf/tf4.pdf


●治験のスピードは改善されつつあります。

●依頼〜IRB の期間を中央値でみると、2週間でほぼ一定

●契約からFPI まで1ヶ月以上を要している

●EDCの利用率は増加傾向にあります。

●データ固定までの期間は「紙のCRF」と「EDC」で差がない。

●国際共同治験ではほとんどが「EDC」。

●治験の費用は10年前から、ほとんど変化がありません。(増加傾向にあるかと思いきや・・・・・)

●セントラルIRBを利用している施設数は増加傾向にあります。

●実施率及び治験の質(有効性解析対象採用率)は特に継時的変化はない

●国際共同治験は2009年をピークに、その後、減っています。

●全体の平均は1症例あたり126万円

●モニター1人あたりの担当施設数は3、4施設

●実施率及び治験の質(有効性解析対象採用率)は特に継時的変化はない

●治験を実施している医療機関は10年前に比べると圧倒的に「診療所」が増えている



今回の製薬協の報告書の特徴は何と言っても10年前から蓄積していたアンケートデータを利用できたことでした。

僕の感覚では治験のスピードは10年前から変化が無いように感じていたのですが、こうしてデータを見せられると、納得します。


ところで、治験のスピードは速くなっているし、PMDAの審査業務も速くなっていると、「ドラッグ・ラグ」はどこで発生しているのでしょうか?

そうです!

「開発着手ラグ」だけですね。


国内の内資系製薬会社が自社で開発した治験薬のフェーズ1をアメリカでやるぐらいですから。



以上

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2013年07月18日

プロトコール疾患領域別治験数

今週は製薬協の「国内治験環境の分析並びに改善点の検討」を見ていきます。
   ↓
http://www.jpma.or.jp/information/evaluation/allotment/pdf/tf4.pdf


「まとめ」が73ページ目にあります。

今の課題としてはFPIまでに時間がかかりすぎている(全体で言うと1ヶ月)ので、ここが改善点ということです。

10年分のデータを見ることができたというのが、一番良かった点ですね。

特に治験のスピードは飛躍的に改善されていました。


ところで、話は全然、治験とは関係ないですが、今、「ビックデータ」の活用がいろんなところでやられていますよね。

ビックデータとは尋常じゃないぐらいのデータ量のことで、たとえば、3.11の震災直後のツイッターで発信された情報の分析とか、震災発生時の人間の動きとか。

最近では「参議院選」とか。


治験についても、そんなビッグデータの活用が考えられんじゃないでしょうか?


さて、上記の報告書の82ページ目に治験を実施した経営体別医療機関数があります。

10年前に比べると圧倒的に「診療所」が増えているのが分かりますね。

まぁ、「国公立大学」などは、数が決まっているので、飛躍的に増加するということはあり得ませんが、診療所クラスについては、まだまだ、増加することも考えられます。

診療所クラスもネットワークに入れば、十分、治験が実施できますからね。

さらにSMOの力も当然、助けになります。

CROとSMOも10年前に誕生した組織です。

今や、実はモニターの人数は製薬会社所属よりもCRO所属のほうが多いとのこと。


新しいビジネスモデルが治験の姿を変えつつあります。




●プロトコール疾患領域別治験数・・・87ページ目

癌領域のプロトコル数は2007年をピークに減少していますね。

循環器領域のプロトコル数は増加傾向にあります。


●経営母体別の1症例の単価・・・113ページ目

診療所クラスで178万円、私立大で242万円。

このあたりも欧米と比較してほしいですね。

いずれにしても、10症例で1千万円を超えるわけで、まぁ、この業界で働いていると、それが当然の金額だと思いますが、一般市民の感覚で考えると「ドヒャー!!」というぐらい高いですよね。

しょうがないんでしょうけれど。



●プロトコール領域別症例単価・・・114ページ目

やっぱり、癌領域が単価が高いですね。



●プロトコール疾患領域別モニター担当症例数・・・118ページ目

だいたいモニター1人あたり、30症例〜40症例を担当しているようですね。

これまた、やっぱりという感じですが、癌領域は担当している症例数は少ない。

癌の治験は特殊ですからね。

そのデータ量も他の領域に比べて多いですし、副作用は必発ですし、SAEもざらですからね。


●プロトコール疾患領域別実施症例数・・・128ページ目

やっぱり、癌領域は症例数が少ないですね。


CROに勤めている僕としては抗がん剤の治験ができるモニターを育成しないといけないということが分かります。


明日へ続く

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2013年07月17日

データ固定までの期間は「紙のCRF」と「EDC」で差がない

今週は製薬協の「国内治験環境の分析並びに改善点の検討」を見ていきます。
   ↓
http://www.jpma.or.jp/information/evaluation/allotment/pdf/tf4.pdf


製薬協の「考察」が66ページ目からあります。


●依頼〜IRB の期間を中央値でみると、2週間でほぼ一定となっているようです。(67ページ目)

IRB委員の方たちが資料を読む期間も考えると、ほぼ、目一杯、短縮されているということでしょうね。



●契約からFPI まで1ヶ月以上を要しているので、今後も改善が必要ですかね。(68ページ目)



●データ固定までの期間は「紙のCRF」と「EDC」で差がない。(69ページ目)

なるほど、EDCのほうがデータ固定までの期間が短くなるかと予想されましたが、そんなに差がないようですね。

何故でしょう?



●実施率及び治験の質(有効性解析対象採用率)は特に継時的変化はないようです。(69ページ目)

今は治験の契約書に「目標症例数」は必須でなくなりましたので、今後は「実施率」な調査できなくなりますね。



●0症例施設へ支払った費用が紹介されています。(70ページ目)

今後も「出来高払い」が期待されます。



●モニター1人あたりの担当施設数は3、4施設というあたりです。(70ページ目)

このあたり、欧米との比較が見たいですね。




●国際共同治験ではほとんどが「EDC」。(71ページ目)



●「新たな治験活性化5カ年計画」の効果も見ています。(55〜59及び72ページ目)

治験のスピードの点から見ると「新たな治験活性化5カ年計画」の効果があったと製薬協では考えているようです。

ただ「中核病院等には希少疾患等の実施が困難な治験を円滑に実施することが期待され、一方、症例組入れのしやすい治験は一般病院で実施されるケースが増えている」点もいろんなことに影響しているので、一概には言えないというのも注意点です。(72ページ目)




●Central IRBの利用数は増えています。(72ページ目)

Central IRBは私立病院と診療所が多いようですね。

その場合、SMOが関与しています。

今後もCentral IRBの利用が増えることが予想されます。

Central IRBのメリットを考えた改善が望まれます。

でもなぁ、昔の「必ず1病院に1つのIRBが必要」という時代から考えると、随分と進みましたよね。



明日へ続く

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2013年07月13日

治験手続きのスピードは速くなっています

今週は製薬協の「国内治験環境の分析並びに改善点の検討」を見ていきます。
   ↓
http://www.jpma.or.jp/information/evaluation/allotment/pdf/tf4.pdf

この報告書は2012年に製薬協の会員に対してアンケートの実施と、10年間の継時的変化を見ているものです。

10年前か・・・・・・・

2003年だね。

あなたは何をしていました?

僕は某国内製薬会社で教育を担当していました。

さて、そんなことはどうでもいい。


まず、驚くのは年間に動いている治験実施医療機関の数です。

上記の報告書の6ページにグラフがありますが、たとえば、2008年には2744施での治験が動いています!!

しかも、この数値は製薬協加盟会社が実施している治験の数ですから、実際にはもっと多い・・・・・。


どひゃ〜〜!です。


さて、その経営形態ですが、たとえば、2010年では、「診療所」が一番多く、次に私立病院です。(9ページ目)

派遣CRCの関与を見ると、診療所ではかなり浸透しています。(11ページ目)

大学病院クラスではほとんどが院内CRCだけですね。


●EDCの利用率は増加傾向にあります。ただ、最近では増加傾向に歯止めがかかってきましたね。(16ページ目)


●国際共同治験は2009年をピークに、その後、減っています。(17ページ目)


●治験手続きのスピードは速くなっています。(18、19ページ目)


●被験者の組み入れまでの期間も短くなっています。(23ページ目)

ちなみにFPIとはFirst Patient In の略で、施設で最初の被験者の同意取得日を指しています。

会社によっては、FPIはそのプロトコル全体で最初の被験者の登録日(例えば同意取得日)を指したりします。

LPOとはLast Patient Outの略で、施設で最後の被験者の最終観察終了日。です


●LPOからデータの固定日も速くなっていますね。(27ページ目)


う〜〜ん、日本の治験は遅いとよく言われますが、この10年を見ると、治験のスピードは飛躍的に速くなっているんですね。


●ゼロ症例の施設数も調べています。(34ページ目)・・・・・面白い項目を調査してるなぁ。


●1症例の単価も調べています。(36ページ目)

費用的にはどうなんだろう?

多少は、下がっているのかな。

2011年度で言うと、全体の平均は1症例あたり126万円です。(n=100)


●プロトコール疾患領域別モニター担当医療機関数。(38ページ目)

同じ領域で言うと、そんなに継時的変化がないね。


●国際共同治験におけるプロトコール領域別治験数の割合。(51ページ目)

国際共同治験をやっている領域を見ると、・癌領域  ・内分泌・代謝領域  ・精神神経系疾患領域   ・循環器領域   ・呼吸器領域 が多いですね。

症例の単価で言うと、国際共同治験のほうが若干、高いですね。(54ページ目)



●セントラルIRBを利用している施設数は増加傾向にありますね。(60ページ目)

セントラルIRBを利用しているのは診療所タイプが多いですね。(61ページ目)


いかがです?

10年の継時的変化をご覧になっての感想は?


僕の感想は、国際的に見ると、色々と問題が山積みですが、国内だけで考えると、かなり改善されていると思います。

特に治験のスピードの面で、ですね。


明日へ続く

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