2013年03月08日

データモニタリング委員会とその他の委員会の関係

今週は「データモニタリング委員会に関するガイドライン(案)」(平成24年12月3日:厚生労働省医薬食品局審査管理課)についてです。
  ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/detamonitaringu-wei-yuan-huini-guansurugaidorain-an



さて、ここから、少し複雑になりますが、「データモニタリング委員会」を設置した場合の各組織の役割です。
   ↓
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・ 治験依頼者

治験依頼者は臨床試験を計画し、その全てに責任を持つ立場にある。

治験依頼者はDMCの設置、運営、及びDMCの助言・勧告を受けて試験の中止、計画の変更を決定する責任がある。



・ 治験審査委員会(IRB:Institutional Review Board)

IRBは主に、臨床試験の各実施施設において、当該施設の被験者の安全性の担保の適切性、及び臨床試験実施に関する科学的妥当性を審査する。

臨床試験の計画や実施体制のモニタリングの一環として、IRBはDMCが設置されているか、設定されている場合はその適用範囲及び構成について確認する。

また、IRBは、DMCから治験依頼者への勧告を踏まえて、臨床試験の実施の適切性について検討することがある。



・ 治験運営委員会(Steering CommitteeまたはClinical Trial Steering Committee)

治験運営委員会は、治験依頼者の代表者、治験責任医師、実施する臨床試験には関与しない専門家等から構成される。

治験運営委員会が設置される場合、治験依頼者とDMCは直接連絡を取るのではなく、治験運営委員会を通じて連絡を取るようにすることが可能となる。


・ イベント評価(判定)委員会

イベント評価委員会(または、イベント評価委員)は、治験責任医師から報告される重要なイベントが治験実施計画書の基準を満たしているかについて通常、盲検下で評価し、臨床試験の科学的妥当性を担保する。

イベント評価委員会は、主観的な判定に基づくイベントが評価変数として採用された試験、イベントの定義が複雑である試験などにおいて、イベントの判定の妥当性を検討するために設置されることがあるが、臨床試験のデータのモニタリング業務をDMCと分担することはない。

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まず「治験依頼者」の役割ですが、もちろん「データモニタリング委員会」を設置し、その運営を担います。

次に各施設のIRBですが、IRBはDMCの役割の適切性等を治験実施計画書等で確認し、審議します。


それと、ここからが混乱しそうなのですが、「治験運営委員会」という委員会もあります。

「幹事会」と呼んでいる治験依頼者もいると思います。

この「治験運営委員会」は治験全般の運営について調整します。(治験調整委員会とは役割が微妙に違いますが、ほとんど同じ役割を持たせている治験依頼者もいます。それが適切かどうかは私には判断できませが。)

で、この「治験運営委員会」を通じて(かたち上は)治験依頼者とDMCは直接連絡を取るのではなく、治験運営委員会を通じて連絡を取ることもできます。


次に「イベント評価(判定)委員会」というのがありますね。

「イベント」と言っても、もちろん「祭り」をやるわけではありません^^;

たとえば「重篤な副作用」が連続して発生したというような「イベント」が発生した場合に、それらを「評価し、臨床試験の科学的妥当性を担保する」わけです。

もちろん副作用等のイベントだけではなく有効性(生存率の向上とか腫瘍が消失したとか)等も評価します。

そして、「イベントの判定の妥当性を検討するために設置されることがあるが、臨床試験のデータのモニタリング業務をDMCと分担することはない。」というわけです。

ん? と思いますよね。

「イベント評価(判定)委員会」と「データモニタリング委員会」と何が違うの?って。


たとえば「重篤な有害事象」が発生し、それが治験薬と因果関係があるかどうかを評価するのが「イベント評価(判定)委員会」で、その検討結果を踏まえて、治験を継続するかどうかを検討するのが「データモニタリング委員会」というわけですね。

ただ、このあたりは今後「Q&A」が出て、もっと詳しい説明が加えられるかもしれません。




さて、DMCの構成の構成要件です。
   ↓
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DMCは多くの場合、当該疾患領域及び被験治療に関して想定される安全性上の特徴を踏まえて適切な専門性を持つ臨床医、及び臨床試験のデータ及び統計解析に精通している尐なくとも1名の統計家等、3名以上から構成される。

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「3名以上」で構成すること、臨床医がいて、統計解析家がいることですね。



では、「国際共同治験」の場合の「データモニタリング委員会」の要件はどうでしょう?
   ↓
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大規模な国際共同治験においてDMCを設置する場合は、可能な限り、参加する各地域又は一部地域から代表となる委員を選択することが適切である。

このような国際共同治験に日本人被験者が参加する際に、本邦における医療環境及び既存の安全性情報を踏まえて、本邦の専門家がDMC委員として参加することが望ましい場合がある。

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・・・・・ということで「英語」でディスカッションできる日本人医師が必要ですが、まぁ、専門の通訳がいれば何とかなります。^^;




また、「データモニタリング委員会」の事務局も必要になりますよね。(治験依頼者にとっては、これが一番、重労働!!)
   ↓
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DMC運営における実務上の観点から、運営をサポートするための事務局の設置、中間解析作業を実際に担う統計家(プログラマー等も含む)の指名も必要となる。

事務局の設置や統計解析の実施等の業務については、第三者機関として開発業務受託機関(CRO:Contract Research Organization)を利用することもある。

この場合、治験依頼者は、DMC委員の選定と併せて適切なCROを選定する必要がある。

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「データモニタリング委員会」を開催するにあたって、そこの時点までのCRFの回収、SDVの実施、データの固定はもちろんのこと、「データモニタリング委員会」が検討しやすい資料を作ることなど、もうやることはうんざりするほどたくさんあります。

委員会開催の当日の緊張感も筆舌に絶します。(ちょっとオーバーか。)


以上、ざっくりと「データモニタリング委員会に関するガイドライン(案)」を見てきましたが、今週、記載したこと以外にも「盲検下」における「中間解析の方法」等、重要なことも記載されていますので、じっくりと読んでください。



今週の1日目にも記載しましたが、このガイドラインが出たからと言って「データモニタリング委員会」を「効率よく、上手くマネジメント」できるわけではありません。

ガイドラインには最低限のことしか記載されていません。

あとは、数をこなして、実際に運営を通じてノウハウを蓄積することが重要です。

そして、可能ならそれらをSOPやマニュアルにしていきましょう!


みなさんの健闘を祈ります!!^^v




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2013年03月07日

データモニタリング委員会の役割

今週は「データモニタリング委員会に関するガイドライン(案)」(平成24年12月3日:厚生労働省医薬食品局審査管理課)についてです。

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「データモニタリング委員会」の役割ですが次のようなこともあります。
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有害事象のリスクを軽減するために、組み入れ基準の変更、追加のスクリーニング手法の導入等、治験実施計画書の変更を伴う継続を勧告することもある。

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例えばある種の抗がん剤の治験で20症例集まったところで解析したら、治験薬投与1週間目にグレードの高い副作用(好中球減少等)がかなり高い確率で発現することが分かったら、治験実施計画書を変更し、「治験薬投与後3日目に好中球の検査をし、グレード2になったら予防薬としてGCSFを投与すること」と追記したりします。



そうそう、言い忘れましたが、この「データモニタリング委員会」の委員の先生方は、いわゆる普通の「モニタリング」(モニターがルーチンでやっているような)をするわけではありません。

モニターが集めてきたデータ(CRFに記載されたものなどを含めて)を会議室等で評価するのがこの「データモニタリング委員会」の仕事です。



さらに治験の「中間解析」等にも、この「データモニタリング委員会」が関わってきます。
   ↓
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●中間解析に基づく評価

DMCは、安全性モニタリングに加えて、被験者における情報が一定数集積された時点での有効性の中間解析の結果、被験治療の有効性に基づく早期中止、被験治療の無益性による早期中止の勧告をすることができる。

なお、中間解析の実施は、試験計画において事前に規定されるべきである。

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ちなみに「中間解析」で治験が中止となる場合はどんな時かと言うと、まず思い浮かぶのが「副作用」が出過ぎて安全性に問題があるような場合ですね。

その次に思いつくのが「効果が無い」という場合です。

そして、「効果があるので、これ以上、治験を実施することはかえって倫理的に問題があるので、速やかに製造販売承認申請をするべきだ」というような場合も、その時点で治験が中止されます。






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2013年03月06日

データモニタリング委員の要件

今週は「データモニタリング委員会に関するガイドライン(案)」(平成24年12月3日:厚生労働省医薬食品局審査管理課)についてです。
  ↓
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さて、どのような人ならこの「データモニタリング委員会」の委員として適切なのだろうか?
   ↓
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DMCの委員は、臨床試験の方法論及びDMCの役割に関する知識と、その責務を負うに十分な能力を有していなければならない。

また、治験依頼者との間に重大な利益相反がない等、DMCに求められる中立的な意見を述べられる立場でなければならない。

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上記にあるようにまずは「臨床試験の方法論」に精通していないといけない。

だから、抗がん剤などの治験では、その分野のいわゆる「高名」な医師を全国から選んでくる。(ただし、治験責任医師ではいけない。)

そして「重大な利益相反がない」ですね。

ただ、「データモニタリング委員会」を開催するとそれなりに「旅費」なども医師や委員に必要なので、その程度は提供します。



さらに次のように続きます。
   ↓
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DMCは異なる専門性を持つ複数のDMC委員から構成される。

DMCにおいては、各DMC委員が根拠に基づく意見を述べ、互いの専門性及び意見を尊重し、その役割と責務を踏まえて議論を行う必要がある。

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「異なる専門性」ですから、たとえば抗がん剤の化学療法の専門家のほかに「統計解析」の専門家等も必要になってきます。

中間解析の結果をどう評価するか等は「生物統計家」の意見も重要です。







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2013年03月05日

データモニタリング委員会とは?

今週は「データモニタリング委員会に関するガイドライン(案)」(平成24年12月3日:厚生労働省医薬食品局審査管理課)についてです。
  ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/detamonitaringu-wei-yuan-huini-guansurugaidorain-an



このガイドラインは次のように記載されている。
   ↓
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本ガイドラインは、治験依頼者(自ら治験を実施する者も含む。)により実施される医薬品及び医療機器(以下「医薬品等」という。)の治験における、データモニタリング委員会(DMC:Data Monitoring Committee)の必要性とその役割、設置と運営に関して、現時点での一般的な指針を与えることを目的としている。

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では、「データモニタリング委員会(DMC:Data Monitoring Committee)」とは何か?
   ↓
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DMCは臨床試験の評価に必要とされる専門性を有する委員から構成され、試験実施中の中間データについて定期的に中立的な評価を行う組織である。

通常は治験依頼者及び治験責任医師等からは独立した組織であり、治験依頼者に対し、被験者の安全性の担保並びに治験実施の倫理的及び科学的妥当性の確保のために適切な助言・勧告を行う。

DMCは効果安全性評価委員会(DSMB:Data and Safety Monitoring Board)としても知られている

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上記にあるとおり、キーワードは「治験依頼者及び治験責任医師等からは独立した組織」ですね。

そういう組織の委員になる医師を探すのが一苦労なのだ!!





さて、この「データモニタリング委員会(DMC:Data Monitoring Committee)」の役割は何か?
   ↓
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臨床試験の実施中、試験の中止や継続、試験デザインの変更に関する判断が必要となる場合がある。

臨床試験の実施中に安全性上の重大な問題が認められた場合、被験者の安全性担保の目的で試験の早期中止や試験デザインの変更を行う必要性が生じる。

また、臨床試験の実施中に既に当該試験の目的を達成したという強力な証拠が得られた場合、又はそれ以降臨床試験を継続したとしても当該試験の目的を達成することが不可能であることが高い確度で予測された場合には、倫理的な観点から、臨床試験を早期中止する必要性が生じる場合がある。


その他に、臨床試験の目的の達成又は適切な実施のために、試験実施中に試験デザインに修正を加える必要性が生じる場合もある。

しかしながら、臨床試験を早期に中止した場合には、長期の安全性に関するデータが不足する可能性や、同時期に実施されている類似の治療に関する臨床試験に影響を与える可能性がある。

したがって、被験者の安全性を担保し、臨床試験の完全性を可能な限り保証して、上述のような試験中止や試験デザインの変更の判断を行う際には、DMCが中立的な立場からデータを評価することが必要不可欠である。

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・・・・・と言うことで、治験の途中で、治験の中間結果を適切に評価し、中止を勧告したり、継続を提案したりすることにあるわけです。



では、どんな時に、この「データモニタリング委員会」が必要なのか?
   ↓
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一般的に、DMCの設置の要否は、臨床試験の目的、デザイン、評価変数、試験期間、対象患者集団等を考慮した上で検討される。

例えば、死亡又は重篤な転帰を評価変数とした比較対照試験、大規模かつ長期にわたる臨床試験、安全性に関する事前情報の比較的尐ない開発初期の臨床試験、医薬品等及び被験者の特徴からリスクが高いと想定される試験等において、試験期間中の有効性及び安全性データの中立的な立場からのモニタリングが必要とされる場合に、治験依頼者によりDMCが設置される。

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昨日も書きましたが「死亡又は重篤な転帰を評価変数とした」治験では必要になってくるわけですね。

抗がん剤の治験のような場合です。






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2013年03月02日

データモニタリング委員会に関するガイドライン(案)について

今週は「データモニタリング委員会に関するガイドライン(案)」(平成24年12月3日:厚生労働省医薬食品局審査管理課)についてです。
  ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/detamonitaringu-wei-yuan-huini-guansurugaidorain-an


僕が現役のモニターをやっていた頃、卵巣がんに対する抗ガン剤の治験を担当していたので、「効果安全性評価委員会」にさんざんつき合わされた。

この「効果安全性評価委員会」を開催するために治験依頼者である僕たちは膨大な資料を用意し、ホテルを予約し、委員会の進行をやり、「腫瘍」の大きさを「ノギス」で計り・・・・・と、ものすご〜〜〜〜く苦労した!

直接、担当していなかったが、同じ社内でALS(筋萎縮性側索硬化症)の治験を担当していたチームも「効果安全性評価委員会」を設置していて、その直前は徹夜で頑張っていた。




GCP省令第19条に次のようにある。
   ↓
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(効果安全性評価委員会の設置)

第19条 治験依頼者は、治験の継続の適否又は治験実施計画書の変更について審議させるために効果安全性評価委員会を設置することができる。

2 治験依頼者は、前項の効果安全性評価委員会の審議に関する手順書を作成し、これに従って審議を行わせなければならない。

3 治験依頼者は、前項の審議を行ったときは、その審議の記録を作成し、これを保存しなければならない。

〈第1項〉

1 「効果安全性評価委員会」は、治験の進行、安全性データ及び重要な有効性エンドポイントを適当な間隔で評価し、治験依頼者に治験の継続、変更又は中止を提言することを目的として、治験依頼者が設置することができる治験依頼者、治験責任医師及び治験調整医師から独立した委員会であり、「独立データモニタリング委員会」とも呼ばれる。

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〈第2項〉

1 治験依頼者は、効果安全性評価委員会と協議の上、審議に関する手順書を作成すること。

2 審議に関する手順書は、治験の進行、安全性データ及び重要な有効性エンドポイントを適切な間隔で適切に評価できるよう手順を定め、治験依頼者に治験の継続、変更、及び中止又は中断等の提言が適切に行われることを確保するためのものである。

--------------------------------------------------------------------------------

〈第3項〉

1 治験依頼者は、効果安全性評価委員会の了承のもとに、すべての審議及び会合の記録を作成し、その記録を保存すること。


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上記の「効果安全性評価委員会」は「独立データモニタリング委員会」とも呼ばれている。

何から「独立」かというと「治験依頼者」と「治験責任医師等」から独立している、という意味だ。

だから治験責任医師の中から「効果安全性評価委員会(独立データモニタリング委員会)」の委員を選べない。

ここが「治験調整委員会」大きく違う点だ。

治験依頼者は、その分野の専門家であり、かつ治験責任医師でも治験分担医師でもない医師を集める必要がある。

ところで、「抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン」というのがある。
   ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/lin-chuang-ping-si-fang-fani-guansurugaidorain



この「抗悪性腫瘍薬の臨床評価方法に関するガイドライン」の中に次のようにある。
   ↓
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X. 第U相試験

(前略)

8. 効果判定規準

RECIST(Response Evaluation Criteria In Solid Tumors)による効果判定規準等を標準とし、科学の進歩に応じて、その治験薬により適切な規準を使用する。個々の症例の効果判定は、原則として判定委員会のような当該施設以外の組織の確認を受けることが望ましい。


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上記に「判定委員会のような当該施設以外の組織の確認を受けることが望ましい」とある。

なので、僕が担当していた卵巣がんの抗がん剤の治験でも「当該施設以外の組織」として「効果安全性評価委員会」を設置していたというわけだ。


では、どのような治験の場合、この「効果安全性評価委員会」を設置しなければいけないのか?

従来、言われていたのは「抗がん剤」のような「致死率の高い疾患」等の治験では設置することが望ましいとされていた。

だから、どこの製薬会社でもこの「効果安全性評価委員会」を設置していたわけではない。

すると、ある日、急に致死性の高い領域の治験をやることが会社で決まったら、この「効果安全性評価委員会」を設置することになり、「え〜〜!「効果安全性評価委員会」って何? どうすればいいの?」となる。

ところが、今回の「データモニタリング委員会に関するガイドライン(案)」が出ることで、どこの製薬会社でも(ある程度)「効果安全性評価委員会」をマネジメントできるようになる。




話は飛ぶが、このようにある種のノウハウが、「ガイドライン」になると、ライバル会社との差が少なくなる。(無くなることはない。)

「アルツハイマー」の新薬の効果をどのように評価したらいいか、というのは、その分野で最初に治験を行う会社が(医学専門家等のアドバイスを得ながら)試行錯誤して考えることになる。

下手な評価方法を作ってしまうと、せっかく、その治験薬に効果があるのに、それを引き出すことができなくて、治験が「ポシャル」ことになりかねない。

だから、新薬の評価方法は重要な「ノウハウ」であり、ある意味、「企業秘密」だったのだが、このような評価方法がどんどん「ガイドライン」として出てくる。
   ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/lin-chuang-ping-si-fang-fani-guansurugaidorain


でも、ガイドラインが出たぐらいで、「上手く」治験が進むわけではない。

たとえば、所謂、「治験の総括報告書のガイドライン」(治験の総括報告書の構成と内容に関するガイドライン)は出ている。
   ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/ichgaidorain-you-xiao-xing


しかし、このようなガイドラインが出ているからと言って「素晴らしい」総括報告書を誰でも作れるわけではない。(もちろん)

そこには会社の、あるいは個人のノウハウやセンスが必須だ。


だから、今度の「効果安全性評価委員会」のガイドラインが出たからと言って、データモニタリング委員会を「上手くマネジメント」できるわけではない。

(とりあえずはできるけれど。)

せめて最低限は知っておかないといけないのがガイドラインだ。




・・・・・ということで、今週は「データモニタリング委員会に関するガイドライン(案)」を見ていきます。





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