2013年07月06日

リスクに基づくモニタリングに関する基本的考え方について

今週は下記の「事務連絡」等を見ていきます。
   ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/

●リスクに基づくモニタリングに関する基本的考え方について(平成25年7月1日事務連絡)

●治験における臨床検査等の精度管理に関する基本的考え方について(平成25年7月1日事務連絡)

●治験関連文書における電磁的記録の活用に関する基本的考え方について(平成25年7月1日事務連絡)


今日は「リスクに基づくモニタリングに関する基本的考え方について」です。

1ページ目に次のようにあります。
   ↓
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平成24 年度厚生労働科学研究費補助金医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究事業「医師主導治験等の運用に関する研究」において、リスクに基づくSDV手法等の適用による治験のモニタリング業務の効率化を図るための方策・考え方についての検討がなされ、研究報告書がとりまとめられました。

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上記にある「医師主導治験等の運用に関する研究」とはこのブログで以前にも見ましたが下記の資料です。(厚生労働省の「治験ホームページ」にあります。)
   ↓
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/dl/130410-1.pdf


さて、事務連絡に戻ります。

2ページ目にアメリカと欧州における「リスクに基づくモニタリング又は品質管理に関するガイダンス案」が紹介されています。

と言っても、ただ、ガイダンス案が出されているというだけですが。

とは言え、「いずれのガイダンス案においても、臨床試験の品質管理の重要性を指摘しつつ、リスクに基づくモニタリング手法を適切に適用し、モニタリング業務の効率化を図ることを推奨している。」ことは言及しています。


さらに、「実地のモニタリング(SDV)以外の方法」について、下記のように事務連絡では述べています。   
   ↓
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医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令(以下「GCP省令」という。)においても、被験者の安全性の確保及び治験の科学的な信頼性を確保できるのであれば、モニタリングを実地でのSDVを主体とする手法以外で実施することは可能とされており、GCP省令第21条第2項及び第26条の7第3項に係るガイダンス(平成24年12月28日付薬食審査発1228第7号厚生労働省医薬食品局審査管理課長通知)に中央モニタリングが定義されている。


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上記の「中央モニタリング」は最近のGCPで言われ始めたものではなく、ICH-GCP⇒答申GCP⇒「新GCP」の頃から規定されていた概念です。

で、「中央モニタリングとは」何かと言えば、GCPでは次のように記載されています。(GCP第21条のガイダンス)
   ↓
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「他の方法により十分にモニタリングを実施することができる場合」とは、例えば、治験の方法(評価項目等を含む。)が簡単であり、参加実施医療機関の数及び地域的分布が大規模であるなどのために実施医療機関等への訪問によるモニタリングが困難である治験において、治験責任医師等又は治験協力者等の会合及びそれらの人々に対する訓練や詳細な手順書の提供、統計学的にコントロールされた方法でのデータの抽出と検証、治験責任医師等との電話、ファックス等による交信等の手段を併用することにより、治験の実施状況を調査し、把握することが可能かつ妥当である場合である。

このモニタリングの方法は「中央モニタリング」と呼ばれる。


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最近はEDCが普及してきましたよね。

このEDCが「中央モニタリング」に該当するという考えもあるわけです。



●リスクに基づくSDV手法とは・・・・・
   ↓
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リスクに基づくSDV手法とは治験の目的に照らしたデータの重要性や被験者の安全確保の観点から、当該治験の品質に及ぼす影響を考慮し、あらかじめ定められた方法に従って抽出したデータ(データ項目に限らず、症例、医師、実施医療機関及び来院時期等も含む。)を対象としてSDVを行う方法をいう。


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さて、では、事務連絡で新たに述べられていることは?
   ↓
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リスクに基づくモニタリング及びSDV手法の適用に際しての基本的考え方

以上のような状況を踏まえ、治験の実施に当たってリスクに基づくモニタリング及びSDV手法を適用する際の現時点における基本的考え方を以下に示す。


・モニタリング手法の多様化に伴い、医療機関はSDVによらないモニタリングが実施されることを考慮し、速やかにデータを提出するよう努める必要がある。


・リスクに基づくモニタリング及びSDV手法を適用する際には、治験の品質確保のため、治験責任医師、分担医師、臨床研究コーディネーター等の関係者が、本手法の目的及び手続きについて十分に理解していることが必要である。

その上で、医療機関において正確な症例報告書の作成等の責務が自らにあることを、関係者が自覚して行動することが求められる。


・治験実施医療機関においては、治験のプロセス管理に重点を置いて、正確な症例報告書が作成されるための適切な方策が実施されていることが必要である。

例えば、治験に関連して医療機関で収集されるデータを適切に管理するために、通常でも診療録に記録が残される事項(情報)と治験のために特別に記録を残すべき事項が明確に区別され、双方を適切に記録に残すためのルールと体制が確立していること等が考えられる。


・治験依頼者(又は自ら治験を実施する者)においては、当該治験目的を達成するために必要な事項に絞ってデータ収集を行う等、試験のデザイン(治験実施計画書や症例報告書の様式など)を簡潔明瞭なものにすることが重要である。


・リスクに基づくモニタリング及びSDVの具体的な手法を検討する際には、治験の目的、試験デザイン、エンドポイント、試験対象集団並びに治験責任医師及び医療機関等の経験や治験の実施体制等が考慮されるべきである。

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うむ。

「医療機関において正確な症例報告書の作成等の責務が自らにあることを、関係者が自覚して行動することが求められる。」ですよね。

モニターがCRFを鉛筆で下書きする時代は急速に去りつつあるというわけです。



明日へ続く



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2013年06月13日

リスクに基づくモニタリング

●リスクに基づくモニタリング

今週は4月以降に製薬協等から発表された各種報告書を見ていきます。

今日は製薬協の「モニタリングの効率化に関する提言−治験手続の電子化、リモートSDV、Risk based monitoring−」です。
     ↓
http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/allotment/monitoring_02.html


では、早速、見ていきましょう。
     ↓
モニタリングの効率化に関する提言
     ↓
http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/allotment/pdf/monitoring_02_01.pdf



今日は「Risk based monitoring」です。(78ページ)

「リスクに基づくモニタリング」ですね。

ちなみに上記の78ページに「Electronic Patient-Reported Outcomes(e-PRO)」という言葉もあります。

このe-PROとは、被験者がiPad等を渡されて、そこに自分の症状(喘息発作の回数等)を記録して、ネット回線を通じて治験責任医師等が確認でき、それらのデータをそのままCRFに取り込めるというようなものです。



さて、「リスクに基づくモニタリング(Risk based monitoring)」です。

このガイドライン案が既にFDAから出ています。

Guidance for Industry Oversight of Clinical Investigations-A Risk Based Approach to Monitoring(以下、FDAガイダンス)(2011年8月24日)
  ↓
http://www.fda.gov/downloads/scienceResearch/SpecialTopics/criticalPathInitiative/UCM277529.pdf
  ↓
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●治験環境の複雑化・多様化が進む中でモニタリングを実施するために、より重要な評価項目に注目し、起こりうるあらゆるリスクの評価と、それらのリスクに応じた対策をとるRisk based approachという概念をモニタリングに取り入れる

●モニタリングは、被験者の保護、試験データの品質と完全性、適用される規制要件の遵守のために必要と考えられるプロセスに重点をおくべきであり、想定されるリスクに基づいて最も重要と考えられるデータに焦点をあてるモニタリング方法は、定期的に訪問し100%のデータを照合する方法よりも、より効果的に各実施医療機関(以下、実施医療機関)の治験実施状況を確認することができる。

●治験依頼者(データマネジメント担当者、統計解析担当者、又はモニター等)が、試験データを中央で一括に管理し、実施医療機関に対しリモートでのモニタリングを行うCentralized monitoringを導入することで、時間・費用・リソースの面での効率化に加え,訪問による確認では発見ができないデータの異常(データ間のばらつき)も速やかに発見できることが示唆されていることから、適切な場合にCentralized monitoringを取り入れることを推奨している。

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なお、上記のFDAのガイドラン案の日本語訳が次に雑誌に載っています。
   ↓
●「業界へのガイダンス:臨床試験の監視---リスクに基づくモニタリング手法(医薬品医療機器レギュラトリーサイエンス Vol.44 No.6 (2013))


上記の雑誌は今月届いたばかりなので、会社にないか、あなたも確認してみよう!(来月号はEMAのガイダンス案の日本語訳を載せるらしい。)

なお、お問い合わせや定期的なお申込み等はこちらから。
   ↓
http://www.pmrj.jp/publications/pub01_01.html




うむ。中央モニタリング(Centralized monitoring)の話でも出てきていますね。


●中央モニタリングの定義
  ↓
GCP省令第21条ガイダンス第2項2:「他の方法により十分にモニタリングを実施することができる場合」とは、例えば、治験の方法(評価項目等を含む。)が簡単であり、参加実施医療機関の数及び地域的分布が大規模であるなどのために実施医療機関等への訪問によるモニタリングが困難である治験において、治験責任医師等又は治験協力者等の会合及びそれらの人々に対する訓練や詳細な手順書の提供、統計学的にコントロールされた方法でのデータの抽出と検証、治験責任医師等との電話、ファックス等による交信等の手段を併用することにより、治験の実施状況を調査し、把握することが可能かつ妥当である場合である。このモニタリングの方法は「中央モニタリング」と呼ばれる。



EUからもガイダンスが出ています。
  ↓
http://tinyurl.com/mravqln
  ↓
http://www.ema.europa.eu/docs/en_GB/document_library/Scientific_guideline/2011/08/WC500110059.pdf
  ↓
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●現状の品質管理システムそのものを見直す時期がきており、より体系的かつ優先順位を設定したリスクに基づく品質管理システムの構築、モニタリングプランの作成が推奨されている。


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ちなみに「医師主導治験等の運用に関する研究」総括研究報告書についても、この「リスクに基づくSDV」について言及しています。(10ページ)
     ↓
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/dl/130410-1.pdf


で、この「リスクに基づくSDV」とは何?ということですが、大雑把に言って、「中央モニタリング」と「サンプリングSDV」を組み合わせて実施することです。(本当に大雑把ですが、でも、とりあえず、そう考えておくと分かりやすいです。)



さて、具体的な「Risk based monitoring」の手法ですが、製薬協の提言の80ページをご覧ください。(2 Risk based approach に関するFDAガイダンスの要約、EMA及びICHにおける品質管理プロセスについて)

●試験の重要な評価項目に注目し、想定されるリスクに基づいて、最も効果的なモニタリング方法を組み合わせる

●モニタリングの方法には、統計解析担当者、データマネジメント担当者又はモニター等がCentralized monitoringを活用して、ハイリスクの実施医療機関を抽出し集中的に訪問する方法がある。


うむ。「ハイリスクの施設」? という感じですが、「この施設に対しては100%のSDVが実施」というような施設ですね。

その一方で「ローリスクの施設」というのもあるわけで、「この施設は院内にデータマネジメント部門もあり、データの品質管理をしっかりやっているので、ここはCRFを抽出して(あるいはデータを抽出)して、サンプリングSDVでいきましょう」というわけですね。

これが「リスクに基づくモニタリング(Risk based monitoring)」というわけです。




ところで、注目すべきは「当局」そのものの考え方が変わってきたというところですね。

製薬協の提言に下記のようあります。(81ページ)
   ↓
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FDAは、これまでにFDAが発表したガイダンスを踏まえ、試験のデザイン及び複雑さにかかわらず、頻繁なOn-site monitoringによって100%のデータ照合を行うことをFDAが治験依頼者に期待していると多くの治験依頼者が考えているであろうことを懸念している。

この背景には、被験者の保護及び試験全体の品質を保証する方法として、最も重要なデータに焦点をあてる等のリスク評価に基づくモニタリング方法が、定期的に全実施医療機関を訪問して100%のデータ照合を行うよりも、より効果的に実施医療機関の状況を確認する有効な方法であると合意され始めたことがある。

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100%SDVよりもサンプリングSDV(リスクに基づくSDV)のほうがデータの捏造を発見しやすい、という記述もありますね。




さらに次のような具体的な話も書いてあります。(82〜83ページ)
   ↓
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・Centralized monitoringによってリスクが高いと考えられる実施医療機関(データの異常や他の実施医療機関と比べて高頻度のエラーを認める、プロトコール逸脱又は被験者の脱落の頻度が高い実施医療機関等)を特定し、その特定した実施医療機関に対して集中的にOn-site monitoringを行う

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また、「モニタリングプランの作成」についても言及されています。(83ページ)

この「モニタリングプランの作成」が、実は「キモ」だと思います。

どのデータを重点的にSDVするか、ということを事前に決めておく、ということですね。

モニタリングプランの作成の詳細は製薬協の提言の96ページをご覧ください。




さてさて、サンプリングSDVを実施するための前提条件として施設で発生するデータに対する「品質管理」があります。

それも、個々のデータをチェックするということだけでなく、「データの発生から記録までのプロセス」を管理するという手法が必要。

あるいは、こうも言えます。まずは「品質管理プロセス」を構築することが大事。(提言の85ページ)


このあたり、「システム監査」と通じるものがあります。

「システム監査」について知りたい方は、是非、社内の監査の人に尋ねてみましょう!


●リスク評価の応用について(101ページ)
   ↓
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●治験計画時:モニタリングプラン作成時のリスク特定と評価

・プロトコール毎に治験薬の特性や治験の目的、治験の相、デザイン等から重要な因子と考慮すべきリスクを特定し、リスクに応じて適切なモニタリング方法及び頻度等を検討する。


●治験開始前:実施医療機関、治験責任医師選定時の当該医療機関のリスク特定と評価

・医療機関や治験責任医師の治験経験及び治験実施環境に合わせて複数のモニタリング方法を実施医療機関毎に使い分ける


●治験実施中:治験実施中のハイリスク医療機関の特定と評価

・収集される情報に実施医療機関間の格差がある場合(例えば、一実施医療機関のみ報告される逸脱の数が多い、特定の実施医療機関にて報告される有害事象に極端な傾向がある等)、当該医療機関において治験が適切に実施されているかどうかのモニタリングを強化する必要がある


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詳細は下記、参照。
  ↓
モニタリングの効率化に関する提言(製薬協)
  ↓
http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/allotment/pdf/monitoring_02_01.pdf

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2013年02月09日

サンプリングSDVの方法について

■今週は「GCP改正、その後」です。


●サンプリングSDVの方法について

サンプリングSDVの手法、サンプリングSDVの方法、サンプリング方法(抽出方法)です。



まずは下記の文章を読んでみましょう。

ガイダンスのPDFで言うと54頁目(紙に表示されている頁で言うと48頁目)にはこう記載されています。
  ↓
■■■■■■■■■■■■■■

5.

臨床研究中核病院等が当該実施医療機関及びその他の施設において治験の実施(データの信頼性保証を含む。)を適切に管理することができる場合においては、必ずしもすべての治験データ等について原資料との照合等の実施を求めるものではないこと。


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この文章が何を言っているのかよく分からないという質問を受けたことがあります。

まずしょっぱなの「臨床研究中核病院」とは?
   ↓
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国際水準の質の高い臨床研究や難病等の医師主導治験を推進し、日本発の革新的な医薬品・医療機器を創出するためには、複数病院からなる大規模なネットワークの中核となり、臨床研究の拠点となる機関が必要です。
厚生労働省ではこのたび、この課題に対応するため、臨床研究中核病院整備事業の対象として、次の5機関を選定しましたので公表いたします。

・ 北海道大学病院
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/dl/120806_1.pdf


・ 千葉大学医学部附属病院
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/dl/120806_2.pdf


・ 名古屋大学医学部附属病院
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/dl/120806_3.pdf


・ 京都大学医学部附属病院
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/dl/120806_4.pdf


・ 九州大学病院
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/dl/120806_5.pdf


1 事業概要

○ 日本発の革新的な医薬品・医療機器の創出等を目的に、国際水準の臨床研究、難病等の医師主導治験及び市販後臨床研究等(以下「国際水準の臨床研究等」)の中心的役割を担う「臨床研究中核病院」を整備する事業。

○ 選定された機関は、以下の基盤構築を行う。

・ 自ら国際水準の臨床研究等を企画・立案し実施するとともに、他の医療機関が実施する臨床研究を支援できる体制

・ 倫理性、科学性、安全性、信頼性の観点から適切かつ透明性の高い倫理審査ができる体制

・ 関係者への教育、国民・患者への普及啓発、広報体制  等

○ 各機関から提出される整備計画に基づき、1機関当たり5億円程度を上限として基盤整備に必要な事業費を補助する。

○ 整備事業と連動して、国際水準の臨床研究等を行うための研究費を補助する。

○ 補助期間は平成24年度からの5年間を予定。


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ちなみに、今、臨床研究中核病院をさらに募集中です。
   ↓
臨床研究中核病院整備事業の公募に係るお知らせについて
   ↓ 
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002th21.html


ということで、上記の病院の下のURLをクリックして出てくる資料をご覧になると分かるのですが、各病院とも「データセンター」とか「品質保証部」等が組織にあります。

そこにはローカルデータマネジャーがいたりします。

そういう病院等で「治験の実施(データの信頼性保証を含む。)を適切に管理することができる場合」は、「必ずしもすべての治験データ等について原資料との照合等の実施を求めるものではないこと」なのですね。

ここで「すべての治験データ等について原資料との照合等の実施」というのは従来、普通に行われてきた全ての(100%の)データ・資料をSDVをする、といことですね。

それを「求めるものではない」ということですから、100%のデータ・資料をSDVしなくてよい、と。

ということは「サンプリングSDV」でもよい、ということです。


では、「臨床研究中核病院」ではない病院ではだめかというと、そんなことはなく、「治験の実施(データの信頼性保証を含む。)を適切に管理することができる場合」ならクリニックレベルでもいいはずです。

たとえば、クリニックレベルでもCRCの方がデータマネジャー的(ローカルデータマネジャー的)業務を行い、クリニック内でデータの品質保証を行っていれば、サンプリングSDVも可能です。

もちろん、ローカルデータマネジャーがいないけれど、治験責任医師が緻密な人で、きっちりとしたデータをCRFに記入・入力していることが分かれば、それでもOKでしょう。



さて、では、サンプリングSDVの手法、サンプリングSDVの方法、サンプリング方法です。


私が過去に外資系で「サンプリングSDV」のSOPを作ったり(ただし10年以上前)、監査を行ってきた経験(同左)等から考えてみました。



■■■■■■■■(1)√N または √N+1 を抽出する方法(ルートN または ルートN+1)

一般的にサンプリングでデータを抽出する場合上記の式を使う場合が多いですね。(これに固執する必要はありません。)

(何故 √N(ルートN) または √N+1(ルートN+1) なのかは、自分で調べてみましょう!)



たとえば、全国で100症例を集める治験だった場合、√100ですから10症例あるいは√N+1ですから11症例を抽出(サンプリング)して、そのCRFをSDVすることでよしとする考えです。

じゃ、その10症例はどれを抽出するか?ということですが、1つの病院から10症例を抽出(サンプリング)するのは偏りが大きいですよね。

ですから、北海道から沖縄の全国から平均して10症例を選ぶ、という考え方もあります。

また、SDVの質はモニターの質にも左右されるので、各モニターから10症例を選ぶという方法もあります。

たとえば100症例は下記の内訳だったとしましょう。

A君担当分・・・10症例

B君担当分・・・20症例

C君担当分・・・50症例

D君担当分・・・5症例

E君担当分・・・15症例

この場合、下記のようにサンプリングするという方法ですね。

A君担当分から1症例を選ぶ

B君担当分から2症例を選ぶ

C君担当分から5症例を選ぶ

D君担当分から1症例を選ぶ

E君担当分から1症例を選ぶ

これで10症例分になります。


上記の方法はどちらかというと監査(QA)が採用する方法です。


今度は√N(ルートN) または √N+1(ルートN+1)を各施設ごとにあてはめる、という方法です。

たとえばA君が担当している3施設は次の症例があったとします。

イ病院・・・10症例

ロ病院・・・8症例

ハ病院・・・4症例

上記に√N(ルートN) または √N+1(ルートN+1)の式をあてはめて、各病院から次の症例だけサンプリングしてSDVをします。


イ病院からは√10なので3症例を抜き取ってSDVをする

ロ病院からは√8なので3症例を抜き取ってSDVをする(√8は2.8なので四捨五入して3症例)

ハ病院からは√4なので2症例を抜き取ってSDVをする




■■■■■■■■(2)最初の数例は100%SDVを実施し、問題ないなら、次の症例からはサンプリングSDVとする方法

どこの病院でも最初の3症例は100%のデータ・資料をSDVで確認します。その結果、ミスがないと分かったら(つまり「治験の実施(データの信頼性保証を含む。)を適切に管理していると判断できる」ので)あとは3症例につき1症例を抜き取る、というサンプリングSDV方法です。

たとえば、A病院で20症例が登録されたとします。

そのA病院の最初の3症例分は100%のSDVをします。

その結果、問題無いと判断したら、次は6症例目の患者、9症例目の患者、12症例目の患者、15症例目の患者、18症例目の患者のCRFだけを抜き取り、それらのCRFは100%SDVをします。

ということは20症例から8症例をサンプリングSDVしたことになります。(√20よりは多くなりますが。)

また、上記の方法でやったとしても6症例目で致命的なミスが見つかったら、やっぱりこの施設は全て(全症例の全データ)をSDVする方法に戻す、というやり方もあります。




■■■■■■■■(3)特定のデータだけを抜き取るサンプリングSDV方法

有効性に係わる、つまりプライマリーエンドポイント(主要評価項目)に係わるデータと安全性に係わるデータ(有害事象)だけは全てのCRFにつきSDVを実施し、その他はSDVをしない、というサンプリングSDV方法です。

たとえば、抗がん剤の治験でA病院で10症例が登録されたら、10症例全ての被験者の腫瘍縮小率(有効性)のデータと発生した有害事象のデータについてはSDVできっちりと確認します。

それ以外のたとえば「生年月日などの患者背景」とか「血圧」等はSDVしない、という方法です。

この場合CRFとしては100%ですが、SDVするデータだけは抜き取る(サンプリングSDV方法)という方法です。



監査の場合、全くデータを見ない施設もある、ということもありえますが、モニターが行うSDVの場合、全くSDVを実施しない施設がある、というのは、今は、まだ、ちょっと怖いですね。


その他にも、たとえばA病院のB医師についてはフェーズ2で100%SDVして問題が無かったので、フェーズ3は抜き取るでやる、という方法も考えられます。

もちろん、逆にC病院のD医師はフェーズ2では「ちょっと問題あり」という結果だったら、フェーズ3では他の病院、他の医師はサンプリングSDVをするが、D医師だけは100%SDVにする、というやり方もありえます。


上記のようにサンプリングSDVの方法は様々なので、各治験依頼者が工夫して考えるといいと思います。

その場合、監査部門に相談するという手もありますね。


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