2013年02月08日

治験と私とあなたと世界とイノベーション(患者のために)

今週は「最近の治験や臨床試験の話題」です。

今日は「治験と私とあなたと世界とイノベーション(患者のために)」です。

今週、見てきたことは次のことです。


●治験業務世界の変革(GCP省令の改正を機に)

●臨床試験ネットワーク、治験ネットワークの飛躍的な拡大

●難病対策はまだまだ不十分

●永遠に続く感染症との戦い



世界は常に変わり続けています。

法律も技術も(ついでに政治と政策も)。

私たちはどうでしょう?

多分、「いい線」いっていると思います。

でも、患者にしてみれば「いい線」では困るのです。

今、まさに「イノベーション」が必要。


●●●【イノベーションに関する最近のニュース】●●●

●イノベーション拠点立地推進事業「先端技術実証・評価設備整備費等補助金」の採択事業者を決定しました
http://www.meti.go.jp/press/2012/02/20130206003/20130206003.html

●イノベーション100選について
http://koueki.jiii.or.jp/innovation100/index.html

●第1回STI政策シンポジウム 概要 - 科学技術イノベーション政策教育研究 ...
http://www.sti.kyushu-u.ac.jp/regist/1st_sti.php

●組織の中でのイノベーション創出
https://www.recruit-ms.co.jp/research/report/130123_03.html

●イノベーションはどのようにして始まるのか
http://news.nifty.com/cs/magazine/detail/po-20130126-8294/1.htm

●地域主導の街づくり推進とイノベーションの創出
http://www.keidanren.or.jp/journal/monthly/2013/02_01kantougen.html

●科学技術イノベーションを通じた日本経済再生のための経済対策について
http://seiji.collection-japan.com/?p=112

◆科学技術イノベーション政策推進専門調査会が取り組むフォローアップについて(案)
http://www8.cao.go.jp/cstp/stsonota/kondankai/4kai/siryo1-3.pdf

●なにが競争力を高め、どのようなイノベーションが求められているかはもっと議論したほうがいい
http://agora-web.jp/archives/1515716.html

●オープンイノベーションによる技術革新 オープンイノベーションの活用事例とニーズ説明会 開催のご案内
https://www.mydome.jp/open-inv/topics/detail/27

●第 1 回 STI 政策シンポジウム「科学技術イノベーション政策
http://www.kyushu-u.ac.jp/pressrelease/2013/2013_01_25_2.pdf

●イノベーションはどのようにして始まるのか
http://president.jp/articles/-/8294

●「作ってみた」の思想がイノベーションを導く
http://business.nikkeibp.co.jp/article/book/20121225/241518/?rt=nocnt

●日本企業のイノベーション実態調査
http://www.tohmatsu.com/assets/Dcom-Japan/Local%20Assets/Documents/Press/Release/jp_p_press20130116_dtc_2_160113.pdf

●科学技術イノベーション政策の推進体制の抜本的強化を求める
http://www.keidanren.or.jp/policy/2013/008_gaiyo.pdf

  ↓
  ↓
  ↓
  ↓
「イノベーション」が必要なのは僕の「頭と心」です。



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●●●>>>治験と臨床試験のニュース<<<●●●
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2013年02月07日

感染症について

今週は「最近の治験や臨床試験の話題」です。

今日は「感染症について」です。


ここのところインフルエンザが流行しています。

ノロウイルスも。

さらにはつい最近は「ダニ」による感染症による死亡例も。
  ↓
●厚労省は情報提供を呼びかける課長通知を発出 新規のダニ媒介性感染症「SFTS」で国内初の死亡例
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/201301/528833.html


感染症と人類の戦いについて。
  ↓
●【感染症と人の戦い】
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130124/bdy13012403270000-n1.htm

●文部科学省 感染症研究国際ネットワーク推進プログラム
http://e-toroku.jp/ka-sympo/


世界を震撼させたエイズは1981年にアメリカのロサンゼルスに住む同性愛男性に初めて発見され症例報告されました。

その後、世界中の科学者が競ってエイズの治療薬の開発に心血を注いだわけです。

その結果、今では多剤併用療法(Highly Active Anti-Retroviral Therapy:HAART療法)にて治療は行われています。

ただ完治・治癒に至ることは現在でも困難であるため、抗ウイルス薬治療は開始すれば一生継続する必要がありますけれどね。

それでも現在では、HIV感染と診断されても、適切な治療を受ければ通常の寿命を全うすることが十分可能となっているというところまできました。



感染症に対する治療は原因により抗ウイルス剤、抗細菌剤、抗真菌剤があります。

僕は小学2年生の時に「リウマチ熱」に罹患し、小学6年生になるまでペニシリンを飲んでいました。(おかげで心臓弁膜症にならずに済みました。)



また感染症の予防として「ワクチン」がある。


そうそう、ワクチンと言えば下記のニュースがありました。
  ↓
●阪大微生物研が撤退 新型インフルワクチンの供給
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2204B_S2A121C1CR8000/

この事態に対して武田薬品・化血研が追加応募されたそうです。

色々(政治的に)と難しそうですね。



ところでC型肝炎に対する治療と言えば代表的なものが「インターフェロン」ですが、最近では抗ウイルス剤の開発も進んでいます。


●インターフェロンを用いないC型肝炎治療が間近に(2012.1.30掲載) ・・・ブリストル・マイヤーズスクイブ社
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&view=article&id=3522:c2012130&catid=20&Itemid=98

●リバビリン:ペガシス併用のC型肝炎治療が可能に・・・中外製薬(ロッシュ社)
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/200703/502572.html

●ラミブジン・・・B型肝炎及びHIV-1感染症治療薬としての日本で認可されている。C型に対しても治験が進んでいる可能性がる。・・・・グラクソ・スミスクライン社

●C型肝炎においてインターフェロンフリーの治療レジメンを検討する主要なフェーズ3臨床試験プログラムに最初の患者を登録・・・ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社
http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000120.000002981.html


ギリアド社 アボット社、ブリストール・マイヤー社、ロッシュ社、グラクソ・スミスクライン社、ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社・・・など等。

世界でC型肝炎に対する抗ウイルス剤の開発が進んでいます。



世界はボーダレスになり、世界のどこかで発生した新しい感染症が、瞬く間に世界中に広がる可能性があります(鳥インフルエンザも含めて)。

感染症と人類の戦いは長い、長い、マラソンです。

その戦いが終わることは決してないでしょう。


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2013年02月06日

難病対策について

今週は「最近の治験や臨床試験の話題」です。

今日は「難病対策について」です。

数年前から製薬業界では「アンメットメディカルニーズ」が流行しています。

アンメットメディカルニーズとは「まだ満たされていない医療上の必要性、未充足の医療ニーズ」等と訳されて(使われて)います。

  ↓

●アンメット・メディカル・ニーズに対する現状の対応 - 厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/06/dl/s0603-8d_0006.pdf

● アンメット・メディカル・ニーズに対する 医薬品の開発・承認状況
http://www.jpma-newsletter.net/PDF/2010_140_11.pdf

●アンメット・メディカル・ニーズ に 応えるために - 田辺三菱製薬
http://www.mt-pharma.co.jp/csr/report/2011/pdf/p10_15.pdf

●アンメットメディカルニーズへの挑戦 大塚製薬
http://www.otsuka.co.jp/environment/report/pdf/2012/06.pdf

●アンメット・メディカル・ニーズへの挑戦 エーザイ
http://www.eisai.co.jp/company/atm/approach/02-2.html

●タケダは、患者さんのアンメットメディカルニーズに応えるために
http://www.takeda.co.jp/investor-information/results/pdf/2011/qr2011_full_p03_jp.pdf


・・・・・など等。


では、その「アンメットメディカルニーズ」と言えば具体的には何が対象でしょう?

代表例はいわゆる「難病」ですよね。

ところで「難病」とは何でしょう?

「難病」とは具体的にには?

  ↓

「難病情報センター」
http://www.nanbyou.or.jp/

上記のサイトによると次のように記載されています。

  ↓
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

昭和47年の難病対策要綱において、難病は、(1)原因不明、治療方針未確定であり、かつ、後遺症を残す恐れが少なくない疾病、(2)経過が 慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病」と定義されています。

●難病対策要綱
  ↓
http://www.nanbyou.or.jp/pdf/nan_youkou.pdf

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■




ところで、最近の「難病」に対する話題として下記があります。

●難病治療薬 臨床試験で病院が連携
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130201/k10015232111000.html

●小児がん拠点病院 全国で15か所
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130201/k10015212601000.html

●難病対策の改革について(提言)
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002udfj.html

●難病:対象疾患を大幅拡大へ 厚労省対策委
http://mainichi.jp/select/news/20130118k0000m040094000c.html

●ALS進行リスクを評価できる血液検査法を発見
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtnews/2013/M46040033/

●<難病新法>救済漏れ対策課題
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130117-00000118-mai-soci

●難病対策 患者を支える体制が必要だ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20130127-OYT1T00830.htm

●【厚労省】新難病対策で提言を了承‐法案提出に着手へ
http://www.yakuji.co.jp/entry29831.html

●【厚労省検討会】「準拠点病院」設置案示す‐癌医療の均てん化で方向性
http://www.yakuji.co.jp/entry29854.html

●難病カルテ:患者たちのいま/67 後縦靱帯骨化症 /佐賀
http://mainichi.jp/area/saga/news/20130113ddlk41040202000c.html




高血圧や糖尿病、肥満、高脂血症の新薬もいいですけれど、本気になって臨まなければならないのは「難病」に対する新薬です。

まだ「難病」に対しては「対症療法」しかない分野もあるのです。と言うか、ほとんどがそうです。だから「難病」なのです。


「難病」に対する治療策として今後は「iPS細胞」もあるでしょう。



「iPS細胞」や「最新医療」に対する話題としては下記があります。

●iPS再生医療の法規制検討 安全性確保で厚労省
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130130/bdy13013019280001-n1.htm

●再生医療、リスク別に規制 iPSや細胞移植、法案検討
http://www.at-s.com/news/detail/474562029.html

●iPS再生医療、承認制に 厚労省案、罰則付きで法規制
http://news.infoseek.co.jp/article/asahi_TKY201301280494

●幹細胞治療、第三者委で審査=iPS、ES細胞は大臣承認−厚労省方針
http://jp.wsj.com/article/JJ10319122505981424709416662328500414057879.html

●移植治療での使用前提の備蓄iPS細胞作製、2月開始と表明(読売新聞)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=71872

●ES細胞、3月宇宙に打ち上げ=「きぼう」で冷凍保存、回収計画―放射線の影響解析
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130130-00000150-jij-sctch

●再生医療、リスク別に規制 厚労省、法案提出目指す
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201301290129.html

●細胞性医薬品の課題や技術紹介 理研が先端社会シンポ
http://www.sankeibiz.jp/business/news/130131/bsc1301310505013-n1.htm

●北海道大学、ES 細胞やiPS 細胞における複合糖質糖鎖の発現プロファイルの全貌を俯瞰し,新規なバイオマーカー候補を発見
https://bio.nikkeibp.co.jp/article/pressrelease/20130128/165754/?ST=academic

●【文科省】13年度予算案決まる‐再生医療の拠点整備拡充
http://www.yakuji.co.jp/entry29899.html

●【経産省】13年度予算案決まる‐個別化医療で創薬基盤構築
http://www.yakuji.co.jp/entry29898.html

●【厚労省医薬食品局】13年度予算案、7%減に‐抗癌剤アクセス向上へ新事業
http://www.yakuji.co.jp/entry29896.html

●【来年度予算】医政局分は1443億円−医療イノベーション推進など
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130129-00000014-cbn-soci

●高度先進医療支援センターニュース 日本臨床試験研究会第4回学術集会 ...
http://trctca.huhp.hokudai.ac.jp/cms/wp-cont

●科学技術イノベーション政策推進専門調査会が取り組むフォローアップについて(案)
http://www8.cao.go.jp/cstp/stsonota/kondankai/4kai/siryo1-3.pdf



今、対症療法しかない「難病」の人たちに必要なのは、まずは「治療薬ができるかもしれないという希望」です。

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2013年02月05日

臨床試験ネットワーク、治験ネットワークについて

今週は「最近の治験や臨床試験の話題」です。

今日は「臨床試験ネットワーク、治験ネットワークについて」です。

先のGCP省令の改正で「臨床研究中核病院等が他の実施医療機関とネットワークを形成した場合、共同で事務局を設置し、治験の契約を行うことができる」がありましたね。

最近の話題にも下記があります。


●「臨床研究推進会議」が発足‐国立大45病院で基盤形成へ
http://www.yakuji.co.jp/entry29764.html

●北陸6大学が臨床研究推進に向け合意
http://www.ishikawa-tv.com/news/main.php?id=20295

●臨床研究中核病院募集、17億円を5施設に−補正予算事業、応募期限「成立後5日」
http://news.livedoor.com/article/detail/7345954/

●文部科学省 橋渡し研究加速ネットワークプログラム 平成24年度成果報告会開催のお知らせ
http://www.tri-kobe.org/news/2012/index.html/events/trp

●筋ジス治療法開発へネットワーク 27病院、治験で連携
http://www.47news.jp/CN/201302/CN2013020101002304.html

●平成25年度「再生医療実現拠点ネットワークプログラム」の募集概要
http://www.jst.go.jp/pr/info/info932/besshi.html

●文部科学省 感染症研究国際ネットワーク推進プログラム
http://e-toroku.jp/ka-sympo/

●患者情報、サイトで共有…岡山県病院協会
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=72041

●治験ネットワークに期待すること
http://www.crieto.hosp.tohoku.ac.jp/ttn/files/ttn20130122.pdf

●産学官シンポ 治験活性化で議論、大阪は共同IRB構想を具体化
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/rinsho/article/1226571634343.html

●進む、研究開発体制のグローバル化。
http://www.yakuji.co.jp/entry29721.html

●性差医療情報ネットワーク(NAHW)市民公開講座
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=71629

●全国初!「お薬手帳」がスマートフォンで利用可能に〜全国どこでも使えるシステムを箕面市からスタート
http://japan.zdnet.com/release/30035196/

◆タブレット端末 ネット利用医師の3割保有 患者説明にも 社会情報サービス調べ
http://www.mixonline.jp/tabid/55/artid/43727/Defalut.aspx?ex130128e

◆【政府】補正予算が閣議決定‐臨床研究中核病院を追加
http://www.yakuji.co.jp/entry29707.html

●【文科省】スパコン「京」の研究成果‐事後評価委が初会合
http://www.yakuji.co.jp/entry29732.html


どうです?

治験や臨床試験、臨床研究、難病対策等において、つまり医療全てにおいてネットワーク化が進んでいるのが分かりますね。



将来は、たとえば、こんなことも可能かも。
  ↓
治験に参加している施設を全てインターネットでつなぎます。
  ↓
そこでは被験者のカルテがどこの施設からも見ることができます。
  ↓
ある病院で「治験薬投与後2週間経ったら好中球が減少したのでG-CSFを投与」という事象が発生。
  ↓
また別の病院でも同様に「治験薬投与後2週間経ったら好中球が減少したのでG-CSFを投与」が発生。
  ↓
これらを治験に参加している全ての施設の治験責任医師がインターネット経由でリアルタイムに確認できる。治験依頼者も同様。
  ↓
すぐに治験実施計画書を「治験薬投与後1週間目にG-CSFを予防投与する」と変更する。
  ↓
変更された治験実施計画書も全てインターネット上のIRBで審議・承認され、印刷された治験実施計画書ではなく、電子上で全ての治験責任医師に配布。

・・・・・・というような。

きっと、もうすぐそこでしょうね。




グーグルで「治験 ネットワーク」を検索してみてください。

「1,160,000 件」ヒットします。(2013/02/02現在)

10年前だったら、何件ヒットしたと思います?


僕たちの「思考・発想・常識」は「技術」に後れをとっているのかもしれません。


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2013年02月02日

治験業務の委受託について

●今週は「最近の治験や臨床試験の話題」です。

今日は「治験業務の委受託について」です。

最近、次のニュースが流れました。

  ↓

●日本CRO協会 GCP改正で第三者委託GL作成へ
  ↓
http://nk.jiho.jp/servlet/nk/gyosei/article/1226571808284.html?pageKind=outline


GCP省令が改正され、製薬会社とCRPとの間の治験の委受託が「一部」から「全部又は一部」になりました。



「全部」とはどれぐらいを指しているのでしょうか?

どこまでが治験業務の委託の「全部」なのでしょうか?

「全部」なのだから「全部」なのだ! ですかね^^;


ところで、製薬協作成の「治験119」に次のQ&Aがありました。
   ↓
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

質問番号:2012-27 CROによる受託業務の再委託の範囲(初回公開年月:2012年10月)

【質問】

GCP第12条の「業務の委託」に関して教えて下さい。

治験中に実施医療機関へ定期的に提供する安全性情報を、外部の印刷業者を利用して一括発送する業務について、CROである弊社内で見解が分かれています。

そこで、今後治験依頼者と交渉するにあたり、CROがどこまでをベンダーへ業務委託可能であるのか確認させて下さい。

弊社CRO側は、安全性情報一括発送業務の以下の2点について、治験依頼者との合意の上、外部の印刷業者へ委託する事は、GCP第12条に抵触しないと判断しております(弊社、法務部、QA部門の意見)。

・様式第2、ラインリスト等の印刷

・資料の封入及び発送

一方、治験依頼者側は、上記業務全てが「業務の再委託」と判断されるため、GCP第12条に抵触するとのコメントです。

弊社のようなCROは、印刷業者や配送業者ではありませんので、「印刷」と「発送」の業務はベンダーへの依頼は可能かと考えております。

「印刷」業務が「業務の再委託」に抵触するとなると、今後治験実施計画書等も印刷発注出来ない状況となり、このスポンサーの治験実施が非常に困難となります。

ちなみに、治験実施計画書、同意説明文書等の印刷は、治験依頼者からの指示により実施しております。





【質問】

GCPでは、再委託を禁止した規定はありませんので、治験依頼者から受託した者(以下、受託者A)が当該受託業務の一部を他の者(以下、受託者B)に委託することは可能ですが、当該受託業務に関する治験依頼者に対する責任は、治験依頼者から直接業務を受託した者(つまり、受託者A)にあります。

再委託できる業務の範囲については、治験依頼者との合意に依るところではありますが、一般的には、治験の依頼又は管理に係る業務を遂行するための単純な(GCPを理解していなくても適正に行うことができる)作業を再委託することは問題ないと思われます。

ご質問のケースにおきましては、受託者Bを利用することによっても、受託者Aの本来の受託業務である「安全性情報を全ての実施医療機関に期限内に提供すること」を適正かつ円滑に実施できるかどうかの観点より、治験依頼者と協議することをお勧めします。

なお、受託者Aが再委託を行うことができる範囲、責任の所在等につきましては、治験依頼者と受託者Aとの契約書に記載することが望ましいものと思われます。

また、再委託の種類又は範囲によりましては、受託者Aと受託者Bとの間でGCP第12条第1項に準じた内容の契約書を締結することが望ましいものと思われます。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■




上記にあるとおり、以前のGCP省令でも、今の改正されたGCP省令でも治験業務の第三者への「再委託」に関して禁止はされていません。

ただし、私の記憶では、昔、「治験のQ&A集」なるものが、いろんな所からいくつか出版されていて(つまり、いろんな立場の人が自分たちの理解のもとで作ったQ&A集)、その中で「CROからさらに別の第三者への再委託はできない」という表現がありました。
  ↓
ご参考までに。
  ↓
「治験 Q&A」に関する本




話は戻りますが、GCP省令の改正で「治験業務の全部又は一部」を製薬会社はCROに業務委託できるようになりました。(ちなみに、「治験届」と「副作用情報」の当局への報告はCROに委託できません。)


その中には「治験の総括報告書」の「英訳」(日本語版はすでに製薬会社内で作成済みのもの)とか、医療機関に副作用情報を郵送するための「包装作業」とか、既に製薬会社がオリジナルは作ってある治験実施計画書の「印刷・製本」などもありえます。



あるいは「モニターの教育だけをやるCRO」とか「治験薬の保管だけやるCRO」とか「治験薬の病院までの運搬だけやるCRO」もできるかもしれません。

実は既に一部あります。

「アルフレッサホールディングスが昨年7月から治験薬およびスペシャリティ・ファーマに対応した高度温度管理物流事業を開始」
   ↓
http://cargo-news.co.jp/contents/code/130108_3?



これらもCROへ委託できる「治験業務」になるかもしれません。

事実、日本CRO協会のサイトに下記の会社があります。
   ↓
「日本CRO協会・会員企業一覧の中の賛助法人」
   ↓
「TNTエクスプレス株式会社」
   ↓
http://www.tnt.com/express/ja_jp/site/home.html

ご覧のように「TNTエクスプレス株式会社」は「運送会社」です。


また同様に「日本オラクル株式会社」も賛助法人にあります。

こちらは「ITソリューション」の会社です。


現状はCROからさらに再委託する方法や内容は各CROに任されています。

それを今後はある程度、規制していこうということで「第三者委託ガイドライン」を作ろう、ということでしょうか。

いずれにしても、ここにビジネスチャンスがあるかもしれませんね。


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