2013年08月02日

新薬開発スタイルの多様化

今週は製薬協がアンケートで実施した「医薬品開発の期間と費用」を見てきました。
   ↓
http://www.jpma.or.jp/opir/research/paper_59.pdf

こういうアンケートに答えるのって、結構、大変なんですよね。

だいたい、そんなことを全て把握している部署が社内にありませんからね、普通は。(もちろん、そういう社内の全てのプロジェクトを把握している部署を抱える会社もある。凄いなぁ〜〜!)


さて、新薬の開発は多様化してきました。いろんな意味で。

共同開発、導入品(クロスライセンシング含む)、海外先行開発(それも新興国で安く速く)、国際共同開発、海外データの利用。

CROの利用。国内治験管理人の活用。

大学発のベンチャー企業。

日本における「ファーストインヒューマン」試験の実施が可能。

治験のネットワーク化。

はなからの「公知申請」狙い。

抗がん剤狙い、ウルトラオーファン狙い、生活習慣病狙い、「アンメッドメディカルニーズ」狙い。

遺伝子治療、染色体治療、生物学的製剤、バイオシミラー狙い。


もう、何でもあり、というぐらいまで多様化してきました。

製薬企業と言っても、民間企業であり、慈善事業ではないので、利益を出して行かなければなりません。

でないと存続できません。

存続できないと、製薬会社の使命の「患者の命を救う」ことができなくなります。

そのためには新興国に進出し、手っ取り早く、開発コストを回収し、その利益を、本来の目的の画期的新薬の研究費に回す、というのも立派な戦略です。


ただ、言えるのは患者のニーズの絞り込みに失敗したら、もう目がない、とういこと。

これは経営者の責任になります。

国の政策のせいにはできません。

企業をリードする経営者の「勘」と「科学的分析」と「大胆さと繊細さ」。

あなたなら、どんな経営を目指しますか?

あなたらな、どんな経営者に自分の人生を賭けますか?

悩ましいところですね^^;。


以上



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2013年08月01日

新薬開発で被験者1人に500万円

今週は製薬協がアンケートで実施した「医薬品開発の期間と費用」を見ましょう。
   ↓
http://www.jpma.or.jp/opir/research/paper_59.pdf

さて、「国内における医薬品の開発期間」を見てみましょう。(PDF26ページ目)

「前臨床試験から承認までの各ステージに要した期間(中央値)の合計は、自社品目で110.0 ヶ月(9.2 年)」です。

う〜〜〜ん、長い!!!

そのうち臨床開発(フェーズ1〜3)が5年弱。

この臨床開発が3年弱ぐらいになると理想的です。

どうしたらなるでしょう?


●「国内における医薬品の開発コスト及び被験者数」がPDFの28ページ目からあります。

新薬開発コストは圧倒的に「臨床試験」が高い!

フェーズ1からフェーズ3までで、大体、50億円程度ですね。


●「被験者数」がPDFの29頁目にあります。

フェーズ1からフェーズ3までで大体1000人程度ですね。

ということは、フェーズ1からフェーズ3までで、大体、開発費用が50億円程度ですから被験者1人あたり500万円かかっていることになります。(計算、あってる?)

う〜〜〜〜ん。なるほどね、としか言いようがありませんが。(なんだかんだを含めてですが、やっぱり高いなぁ。)

でも、今、ラジオを聞きながらこの文章を書いているのですが、アルフィーの坂崎幸之助が「ギター1本1千万をくだらないのもある」と言っています。

何にお金をかけるかは個人の自由ですし、いくらなら高いと感じるかも個人の考え方ですね。

患者の命を救う新薬開発で被験者1人に500万円なら(命がかかっているのですから)安いという考え方もあります。




●「国内における新薬を上市するために必要な開発コスト」がPDFの31頁目にあります。

●「海外開発の現状と国内開発との比較」がPDFの34頁目にあります。

●「海外における医薬品の開発期間」がPDFの37頁目にあります。

前にも書きましたが、海外で開発するほうが開発期間が長いんですよね。意外だなぁ。

これはアメリカ等では試験規模の拡大と安全性データの必要性が高まり被験者数が増加したからのようです。(だから開発費用も当然、高くなる。)

今後、これは日本でも同じようになることでしょう。(遅くともあと5年以内に日本国内でもこうなるでしょうね。)


●「海外における医薬品の開発コスト及び被験者数」がPDFの38頁めにあります。



明日へ続く



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2013年07月31日

申請時の海外データ添付の有無別にみた成功確率

今週は製薬協がアンケートで実施した「医薬品開発の期間と費用」を見ましょう。
   ↓
http://www.jpma.or.jp/opir/research/paper_59.pdf

「国内における医薬品開発の成功確率」がPDFの22ページからあります。



導入品の成功確率が自社オリジンに比べて相対的に高くなるのは、導入品はある程度、開発が進んでから(例えばフェーズ2からとかフェーズ3から)導入するからでしょうね。

でも、まぁ、それにしても10年以上前から言われていますが、相変わらず、新薬開発が成功するかどうかは「宝くじ」を買うよりはいいか、という程度ですね。

先発品は「効くかどうか」「安全性で問題ないか」に成功の成否がかかっていますが、後発品では標準薬(先発品)に負けてしまう、ということも多いでしょうね。

そういう意味でも先発品はリスクが高いとも言えるし、成功する確率は後発品よりも高いと言えるのかもしれません。

だから、抗がん剤あたりが狙い目になるんでしょうね。(先発品が少ないから。)



そう言えば、最近、八王子市内で無許可で自分が開発したとされた抗がん剤を患者に投与していた人がいましたね。
   ↓
「<医師法違反>無免許で未承認薬投与 警視庁が家宅捜索」
   ↓
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130725-00000017-mai-soci


これからも抗がん剤の開発が進むと個人的に嬉しいです。(僕の家系は「がん」の家系ですからね。)


さて、製薬協のレポートの中には「申請時の海外データ添付の有無別にみた成功確率」なんていう興味深いのもありますよ。

是非、読んでみてください。(PDFの25ページ目)

面白いなぁ〜〜!



明日へ続く




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2013年07月30日

頑張れ!大学発の新薬開発

今週は製薬協がアンケートで実施した「医薬品開発の期間と費用」を見ましょう。
   ↓
http://www.jpma.or.jp/opir/research/paper_59.pdf


そもそも今回のアンケートは2000年から2008年に行われた新薬開発の状況を2009年にアンケートしているようです。(PDFの9頁目)

「対象プロジェクト」の内訳がPDFの17頁目にあります。

う〜〜ん。所謂「生物製剤」ではなく「低分子化合物」が多いのですね。そして、抗がん剤の開発が多い。

意外というか、そう言えばそうか、という感じなのが、「精神神経系疾患」を対象としたものです。


最近は、「新型うつ病」というのも出始めましたね。
   ↓
http://www.fuanclinic.com/byouki/imidas.htm


会社にいる時は元気がなくて、自分の好きなことをやっている時は元気が出るという(あたり前と言えばあたり前のような)「症状」がでるうつ病です。

本人は苦しいというのが病気なので、これはやっぱり治療する必要がある。

病気は時代とともに変化しつつも決して無くならない。(そこに僕らの存在価値がある。そこに僕らの仕事の意義がある。)



それと報告書を見ると、オーファンドラッグの開発が少ない。

まぁ、オーファンというぐらいですから多くなるとは思いませんが、それにしても僕が予想していた以上に少なかったなぁ。(PDFの17頁目)


抗がん剤がは患者ニーズが高いのはもちろんですが、競争相手も少ないですから、狙い目。

先日、NHKを見ていたら歌舞伎役者の市川海老蔵さんが出ていて、彼のお父さんの市川団十郎さんは、8年前に「急性(慢性?)骨髄性白血病」罹患して、海老蔵さんが「その時、たまたま、特効薬が出て、父は8年間、生きながらえた」と言っていました。

グリペックのことかな? 正しくは分かりませんが、この分野はかなり治療薬が出てきましたよね。



さて、その報告書に「導入品目の導入元の内訳」があります。(PDFの19頁目)

それを見ると、国内の研究機関・大学やベンチャーからの新薬開発導入の割合は5%にも満たないんですね。

このあたり、これから活発になるといいのですが。



明日へ続く



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2013年07月27日

「医薬品開発の期間と費用」を読もう!

今週は製薬協がアンケートで実施した「医薬品開発の期間と費用」を見ましょう。
   ↓
http://www.jpma.or.jp/opir/research/index.html

このトップページにもありますが、新薬の開発コストは高騰する一方。

新薬を開発するための費用はどれくらいかかるのか?


1新薬を上市するために必要な臨床開発(コストは500億円前後。

iPS細胞の利用で基礎研究(特にスクリーニング)ではコストを下げられる可能性が今後、出てきましたが、臨床試験の分野では今のところ、そういったコストを下げてくれそうな手段は見られません。


ただ、期待したいのは、治験実施施設のネットワーク化とEDC等のIT化が進み、モニターのコストは下がりそうだということ。

でも、1症例あたりの所謂「研究費」の上昇には歯止めがかかるでしょうか?

この熾烈な新薬開発競争においては開発費用の「予算の多さ」で勝負するか、「選択と集中」に一か八かの賭けを賭けるか。

このあたりに製薬会社の存亡が左右されそうです。(ベンチャー企業は、予算の多さでは勝負できず、初めから「選択と集中」という姿になっている。)


新薬開発の成功確率は500分の1ぐらいですね。(プロジェクト数で成功確率を計算しているようですが。)


PDFの3頁目。
 ↓
http://www.jpma.or.jp/opir/research/paper_59.pdf


前臨床試験から新薬承認までの期間は9年超。(PDFの4頁目)


新聞等で「がんの特効薬の可能性あり。」等と大学等の研究結果が発表されることありますね。

ただし、この時点ではマウス等の研究結果がほとんど。

そこから本当に臨床で使われるようになるには(運が良くて)5年は最低でもかかりそうです。



意外なのが、国内開発の場合と海外開発の場合の期間。(PDFの5頁目。)

なんと!海外開発の場合のほうが新薬開発期間が長くなる傾向があるんですね。(ただし、治験の段階の開発期間は短縮傾向にある。)

新薬開発費用も海外開発のほうが高い。

被験者の数も海外開発のほうが多い。(これが新薬開発費用を上昇させているようです。)

じぇじぇじぇ〜〜!です。


とりあえず、PDFの7頁目まで、みなさん、お時間のある時に(今でしょう!)、お読みください。

こういう製薬協が報告するレポートの良さは自分ひとりでは絶対にできないことが分かることですね。

「でも、それが分かって、なんなの?」と言われるとお終いなのですが。(これを言うと、科学の全てが「だからなんなの?」になる。)

自分が働いている業界がどんな世界なのか知っておくのは悪くないですよ。



でもって、この世界(新薬開発の世界)は研究費の多寡で「勝ち組」が決まるのか?

そうとも言えるし、そんなことない、とも言えます。(誰も正解を知らない。正解を知っていたら、その人が即、社長になれる。)

ただ、世界の製薬会社と戦うという視点で考えると研究費の多寡ではないと考えないといけないですね。

(研究の多寡で決まるとなったら、もう、戦いは終わっているので。)

抗がん剤の分野でいくのか、免疫系でいくのか、生活習慣病でいくのか、オーファンを狙うのか。

国内開発を優先するのか、海外開発を優先させるのか、はたまた国際共同治験でいくのか。

社内のシーズを優先させるのか、患者のニーズを優先させるのか。


あなたが社長なら、どんな選択を?


明日へ続く



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