この「治験薬概要書」には、その治験に使う治験薬の全てが記載されている。
開発・発見の経緯から、化学構造式、物性、動物を使った毒性実験、薬理試験などなどの結果や、もし既にヒトを使った治験が海外などで行われている場合は、その結果も書く。
さらに、もし間違って過剰使用した場合の処置方法も書かれている。
上に書いたとおり、幅広い領域のことが書かれているため、それぞれの専門部署の人たちが、自分の担当する個所を作成し、使っているデータや記述に問題ないことを承認し、それらを一冊にまとめる。
当然、それぞれの作った部署が責任をもって内容をチェックしているはずなのに、動物実験のデータとヒトでのデータのグラフが間違えていることが社内IRBで見つかってしまった!!
しかも社外からの委員の先生に。
これから2日間不眠不休で改訂と再チェックをして、なんとか来週の月曜日に治験届を当局に出したい。
ぐったりして、社内IRB会議室を出てくるデーモン山田、ヘンリー川崎、かずさ2号、さら。。。
これからすぐに作業分担を決め、再度内容をチェックし、他にもミスがないかをまず探す。
その後、訂正個所をワードとエクセルで作り直し、再度、チェックをかける。
土曜日も出てくれば、なんとか月曜日には治験届を予定通り、提出できそうだ。
体力勝負の入力はヘンリーとかずさ2号が担当し、さらとみっちーKがミスが無いかをチェックし、最後にデーモン部長がチェックする。
さ〜〜〜〜フリスクでも買いにゆくか?
夜はまだまだこれからだ・・・・
*****************
不眠不休の2日間で、ようやく「治験薬概要書」を改訂し、その改訂項目を社内IRBの持ち回り審査で承認をもらった。
これで「治験届」を提出できる。
しかし、何故、ヒトと動物の実験データグラフが間違えていたんだ?
どうして、誰も気づかないで社内IRBまで来てしまったんだろう?
腑に落ちないヘンリー川崎は、キャサリン立川とみっちーKに調査を頼んだ。
すると、とんでもないことが分かった。
ホーライ製薬では「治験薬概要書」の案ができたら、それぞれの部署のQC担当者が、その内容をチェックすることになっていた。
ところが、ある部署のQCチェック記録をみっちーKが確認したところ、「データとグラフの整合性」というチェック項目には、しっかり「NG」(No Good)にチェックが入っていた。
おいおい!なんで「NG」にチェックが入っているのに、その対応がなされていないんだ?
みっちーKがQC担当者にその理由を聞いたところ「私は、ただチェックをしてくれと言われたので、チェックをしただけです。その先のことは知りません。」という返事。
目の前がクラクラするみっちーK。
前途多難な「ホーライ製薬」だと、ため息をつく彼女に明日はあるか?
■■■ 医薬品ができるまで(治験に関する話題) ■■■
↓
医薬品ができるまで(治験に関する話題)
■■■ モニターへの道(一人前のモニターになる方法、モニターの教育方法) ■■■
↓
●「臨床開発モニター、治験モニターへの道」(優秀なモニターになる方法、モニターの教育方法)
■■■最新の医療ニュース、最近の医療ニュース、最新の製薬業界のニュース、最新の治験の情報、医療ニュースのまとめ(1)■■■
↓
●「最新の医療ニュース、最近の医療ニュース、最新の製薬業界のニュース、最新の治験の情報、医療ニュースのまとめ」のサイト(1)。
●●●●週刊メルマガの登録はこちら●●●●
↓
「モニターとCRCのためのGCPメルマガ」
↓
●週刊「モニターとCRCのためのGCPメルマガ」
●●●●日刊メルマガの登録はこちら●●●●
↓
「日刊モニターとCRCのためのGCPメルマガ」
↓
●日刊「モニターとCRCのためのGCPメルマガ」
■■■仕事の基本、仕事の成功方法 自己啓発の方法 才能を伸ばす方法 ■■■
↓
●「仕事の基本、仕事の成功方法 自己啓発の方法 才能を伸ばす方法」の紹介サイト。
■ハードボイルド・ワンダーランド日記(半径5mから150億光年の出来事)
↓
ハードボイルド・ワンダーランド日記