2013年05月17日

プロトコル逸脱:緊急の危険回避以外の逸脱または不遵守

今週も引き続き、治験の進め方のポイント、モニタリングの基礎です。(第6週目)



●プロトコル逸脱:緊急の危険回避以外の逸脱または不遵守

【事前準備】

緊急の危険回避以外の逸脱でも、その逸脱内容はすべてカルテなどから確認できればよく、当該事項の記録を目的とした特別な文書(「逸脱報告書」のような)を別途作成することはGCP上求められていない。

従って、緊急の危険回避以外の逸脱の場合の対処については、施設SOPや事務局、あるいは自分の会社のSOP、先輩、上司に予め確認しておくこと。


●プロトコルからの逸脱またはGCP不遵守等の情報を入手(モニタリングによる発見および、責任医師もしくは分担医師からの申し出等による)した場合は、その内容がカルテなどの原資料から確認できるか検討し、確認できない場合は該当者に対処を依頼する。
  ↓
再発防止・遵守確保の措置を講じる(これが大事!!)。


モニタリング報告書に遵守を確保するための措置に関する記録を残す。

内容は以下の通り(省令第22条) 

・逸脱の内容 

・経緯(逸脱の原因)
     
・治験責任医師に告げた事項

・講じられるべき措置(再発防止策!)

・措置に関するモニターの所見


*逸脱が重大であること、又は逸脱が継続し改善されない場合、当該責任医師、当該実施医療機関との契約を解除することもある。

この際、依頼者はこの事実を規制当局に通知する。(省令第24条)


プロトコル逸脱が起こらないよう、予め治験責任医師、治験分担医師、CRCに注意すべき点等(特に検査項目、検査日等)を十分に説明し、理解していただく必要がある。

また、検査予定日の2、3日前にFAXや電話、e-メールで知らせる等の措置を取ることで、逸脱を防ぐことが出来る。(「予防」が大事!!)



・タイムリーなSDVを実施し、正確な情報を入手することにより早期に逸脱を発見し、再発防止を講じなければならない。

・逸脱事項を治験責任医師および必要に応じて医療機関の長に伝えるとともに、そのような逸脱の再発を防止するための適切な措置を講ずること(省令第22条解説)。

・緊急の危険回避以外の逸脱内容がIRB審議にかけられるとは限らないが、継続審査時や終了報告書に添付されて審議される可能性もあるので、施設SOPや事務局で予め確認すること。

・逸脱に対するデータ上の取り扱いは、「症例および症例データの取り扱い基準書」に従う。 




●再発防止・遵守確保の措置とは具体的にどのようなことでしょうか?

    ↓

医師やCRCにプロトコルを再度説明を行い、二度と逸脱が起こらないよう注意を促す。

また、モニター間で逸脱の情報を共有し、各担当施設にその内容を伝えることが大切です(未然防止策につながるため)。
   
さらに、注意書きを記載したマウスパットを提供すること等により、常に見ていただける状況にしておく等の工夫があります。



●プロトコルからの逸脱をモニターが直接閲覧で発見した場合、既にプロトコルに沿った治験実施の機会を失っているもの(検査日が過ぎてしまっている等)では実施しない方がいいのでしょうか?

あるいは実施時期が遅れていても実施する方がいいのでしょうか?

     ↓

個々のケースごとに治験責任医師と依頼者が判断することになります。

一般論としては、プロトコルからの逸脱が被験者の安全確保の観点から問題となり得るかの判断が必要です。

この点で問題が無ければ、次に継続するか否かは有効性を評価し得るか否かによります。

これは依頼者とも協議のうえ、最終的に治験責任医師が判断することになります。
              
【GCP関連 Q&A網羅集 平成14年4月版より抜粋】




●緊急の危険回避以外の逸脱とはどのようなものがあげらるでしょうか?

     ↓

検査日のずれ、検査未実施、除外基準に抵触・選択基準に合致しない症例の組み入れ、治験薬と市販薬の取り違え、治験薬の過量投与・・・など等があげられます。

プロトコルによっては、逸脱の傾向が決まってくることもあるので、チーム内で逸脱情報を共有して、逸脱防止策、再発防止策を検討しましょう!





次回へ続く(いつのことやら・・・・・・)




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2013年05月15日

治験実施計画書・症例報告書の改訂

今週も引き続き、治験の進め方のポイント、モニタリングの基礎です。(第6週目)



●治験実施計画書・症例報告書の改訂

・モニターは治験責任医師とプロトコルおよびCRFの改訂(レイアウトのみの変更の場合は手続き不要)について合意する場合、事前に治験責任医師に改訂プロトコル(案)、改訂CRF(案)および最新の治験薬概要書、その他必要な資料・情報を提供すること。

・モニターは、有害事象等によりプロトコルおよび治験薬概要書の変更が行われる場合、治験事務局を通じて医療機関の長およびIRB事務局へ文書で報告し、医療機関の長及びIRBより承認を得る(通常はIRBで承認され、医療機関の長の許可が来る)。



治験実施計画書やCRF等の改訂を行った際、改訂前と改訂後の対照表及び改訂版(最新版)を治験関係者全てに提供する。

また、改訂後は、分担医師、CRCへの情報提供を行う。


・新たに得られた情報により、検査の頻度の変更、試験方法の変更等が必要な場合、必要に応じプロトコルに記載されている医学専門家に相談する(依頼者が行うことが多い)。


・治験の依頼をしようとする者は、治験責任医師となるべき者に対して、提供された治験実施計画書案等の資料・情報を十分検討し、治験の依頼をしようとする者と協議するために必要な時間を与えること。治験実施計画書及び症例報告書の見本を改訂する場合も同様とすること。(GCP省令7条ガイダンス)。

・施設SOPに改訂に関する変更手続文書が規定されている場合は、治験責任医師の署名または記名・捺印が必要なものもあるので、プロトコル、CRFの改訂に関する合意のときに併せて入手する。

その後、この文書を治験事務局へ提出する。



●治験責任医師に異動があった場合、その都度プロトコルを改訂する必要があるでしょうか? この場合、当該医療機関内の対応だけでいいでしょうか?

      ↓

治験責任医師が異動等により変更される場合、その都度プロトコルを改訂する必要があります。

さらに、新しい治験責任医師にプロトコルの内容を確認し、遵守して行うことについて合意いただいた上で、当該医療機関の長およびIRB事務局へ文書で報告し、医療機関の長より承認を得る必要があります(契約書の変更も発生します)。

しかし、これらの情報は通常は治験実施計画書の別冊に掲載されるため、当該医療機関以外の医療機関については治験責任医師との合意、医療機関の長への改定案の事前提出、IRBの審議は不要です。

なお、治験責任医師の変更については、事前に治験計画変更届を規制当局へ提出しなければなりません(注意!!)。



明日へ続く。



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2013年05月14日

同意文書及びその他の説明文書の改訂

今週も引き続き、治験の進め方のポイント、モニタリングの基礎です。(第6週目)



●同意文書及びその他の説明文書の改訂

・被験者の同意に影響を与える新たな治験薬概要書や治験実施計画書改訂を含む情報が得られた場合、同意文書及びその他の説明文書の改訂が必要であるか否かを治験責任医師と協議する。

必要であれば、モニターは治験責任医師が行う同意文書及びその他の説明文書の改訂に協力する(同意・説明文書(案)を提供する)。

治験責任医師が作成した同意・説明文書の改定案を検討の結果、改訂内容が適切な場合は、その改訂案を医療機関の長に提出しIRBの承認を得るよう依頼する。


・治験責任医師によって改訂された同意・説明文書は、IRBの承認を得る必要がある。承認後、治験依頼者が入手します(忘れないように!)。



●治験への参加の継続について被験者又は代諾者の意思に影響を与える可能性のある情報が得られた場合には、治験責任医師又は治験分担医師は、当該情報を速やかに被験者又は代諾者に伝え、被験者の治験への参加の継続について、被験者又は代諾者の意思を確認すること。

この場合にあっては、当該情報を被験者又は代諾者に伝えたことを文書に記録しておくこと(カルテでよい)。


●既知の副作用により被験者に健康被害が発生しつつあるとき、「被験者の継続の意思」に影響を及ぼすので、継続するかどうかを被験者に確認する場合もある。

ただし、この場合は、同意説明の改訂の必要はない(既に同意説明文書に記載されているはずなので。もちろん、記載が無い場合は改訂を検討する)。


明日へ続く。


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2013年05月11日

品質・安全性・有効性の情報、新たな重要な情報を入手したら?

今週も引き続き、治験の進め方のポイント、モニタリングの基礎です。(第6週目)

う〜〜ん、長くなったなぁ・・・・・・。


●治験薬の品質・安全性・有効性等の情報及び新たな重要な情報の報告です。

治験をやっていると、いろんな思わぬ、想定外の情報が飛び込んできますからねぇ。


●品質・安全性・有効性の情報、新たな重要な情報を治験依頼者から入手。
 
   ↓

●全ての治験責任医師、医療機関の長に速やかに被験者の安全に悪影響を及ぼす情報に関する治験依頼者の通知書を面談若しくは、郵便、電話、e-メール、FAX等で連絡した後に訪問し、詳細を報告する。

郵便やメールで連絡した場合も最終的には治験責任医師等に面談して、その情報が確実に当人に届いたことを確認しましょう。

(これは治験に限らず、社内での重要な情報の伝達も一緒。メールを送ったからと言って安心してはいけない。)


治験依頼者は被験者の安全に悪影響を及ぼし、治験の実施に影響を与え、または治験継続に関するIRBの承認を変更する可能性のある情報を、治験に関与する全ての治験責任医師、医療機関の長に速やかに通知すること。


品質・安全性・有効性の情報、新たな重要な情報を治験依頼者から入手した際、同意・説明文書等を改訂する可能性があるので変更の要否を治験責任医師に確認する。

なお、CRCからの確認だけではなく、CRCから確認した場合は改めて治験責任医師からその旨を確認すること。


●被験薬の有効性、安全性に関する情報は、治験責任医師、医療機関の長(事務局)、分担医師、CRCに速やかに正確に通知すること。

●重篤な副作用等は発現症例一覧として初回の治験届から起算して1年に1回、その期間の満了後3月以内に治験責任医師及び医療機関の長に通知する。


必要に応じて下記の書類を残しておく。

1)被験者の安全に悪影響を及ぼす情報に関する治験依頼者の通知書

2)重篤で予測できない副作用等の報告

3)治験薬概要書の改訂前に報告する安全性情報




●品質・安全性・有効性の情報とはどのような情報でしょうか?
 
    ↓

「品質の情報」とは、治験薬の保存条件等に関すること。

「安全性の情報」とは、有害事象や副作用などに関すること。

「有効性の情報」とは、同じ薬の治験が海外で行われた場合や先行して海外で治験が進んでいる、既に市販されているときに入手される情報のことです。



●「新たな重要な情報」とはどのような情報でしょうか?

    ↓

被験者の安全に悪影響を及ぼし、治験の実施に影響を与えたり、験の継続に関するIRBの承認を変更する可能性のある情報です。

上記の品質・安全性・有効性の情報等が該当します。




新たな重要な情報が得られ、かつ同意・説明文書の改訂が必要と判断された場合、治験責任医師は治験中の被験者への情報提供と同意・説明文書の改訂のどちらを優先させればいいでしょうか?

新たな情報が得られた場合には、治験中の被験者への情報の提供を優先すべきです。

具体的には@改訂内容を当該被験者に口頭説明し、治験継続の意思を確認 A当該確認につきカルテに記載 BIRBで承認された同意・説明文書を用いて再同意を得る、とういうことですね。


明日へ続く。


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2013年05月10日

欠陥品、使用期限切れの治験薬の回収および追加交付

今週も引き続き、治験の進め方のポイント、モニタリングの基礎です。(第5週目)



●欠陥品、使用期限切れの治験薬の回収および追加交付

・治験実施中に使用期限切れの治験薬が生じる前(内服薬の場合期限の2〜3ヶ月前)に、また、欠陥品があった場合適宜回収し、必要に応じて使用可能な治験薬を追加交付する。

・追加交付の際には、初回交付と同様に治験薬を交付し、治験薬納品書を提出する。また、治験薬受領書を入手する。

・回収の際には、治験薬および治験薬返却書を入手し、治験薬受領書を提出する。


品質等に関する事項で治験薬を回収する必要が生じた場合には、責任医師および治験薬管理者に治験薬の投与を中止して頂く等の指示を速やかに行う。


治験薬を追加交付するとき、モニタリング報告書にはどのようなことを記載するのか?

⇒初回交付時と同様の内容、追加理由(症例追加等)、並びに追加数、組番を記載。



治験薬の欠陥品を医療スタッフが発見した時に、モニターはどのように対応するのか?

また、モニターが連絡を受けた後に、医療機関や依頼者へどのような対応をするか?

⇒欠陥品を発見した時点で、すぐに連絡するように前もって説明しておきます。

医療機関からの連絡があり次第、依頼者に内容を報告して対策を練ります。



僕が実際に体験したのは治験薬が本来なら分包の中に3錠入っているはずなのに、2錠しか入っていないと治験薬管理者から連絡があったというもの。

その時は、社内の人間を総動員して、「全ての」治験薬を「全ての」医療機関から回収して(患者に渡された治験薬も含めて)、もう一度、治験薬の分包状態を目視検査した。

その上で、治験薬を再交付。

大変だった・・・・・。




●症例登録終了の通知

・症例登録数が治験実施計画書の予定症例数に到達した時点で依頼者は責任医師、分担医師および協力者に対し登録完了の通知を文書により行う。

・予定症例数は除外・脱落例を加味した解析対象例とする。

・医療機関への連絡は、文書の郵送により一斉に行うことが一般的であるが、電話・面談等により再確認することが必要である。


次回へ続く(いつのことやら・・・・・・)




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