2014年11月21日

コンパニオン診断薬の用語解説

今週は下記のガイドラインを見ていきます。

『コンパニオン診断薬及び関連する医薬品に関する技術的ガイダンス等について』
    ↓
http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/companion/companion20131226.pdf


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4. 用語解説

・バイオマーカー(Biomarker)

正常な生物学的過程、発病過程、及び/又は治療的介入等への反応を示す指標として測定可能な特性。



・臨床的有用性(Clinical utility)

本ガイダンスでは、コンパニオン診断薬を用いたバイオマーカーの測定がもたらす、医薬品の有効性又は安全性の向上のこと。

すなわち、医薬品のベネフィット・リスクバランスを向上させる、コンパニオン診断薬の価値のこと。



・バイオマーカーの適格性(Biomarker qualification)

本ガイダンスでは、当該バイオマーカーが医薬品投与後の反応等を適切に反映し得ると判断され、医薬品投与に際して、その使用が支持されるというバイオマーカーの性質のこと。

ICH E16 ガイドラインを参照すること。



・分析法バリデーション(Analytical test validation)

ある分析法において、適切な精度管理等が行われ、分析対象物を的確に測定し、期待される結果が高い再現性で得られることを検証することで、使用目的に適った信頼できる分析法であることを立証すること。



・臨床的バリデーション(Clinical test validation)

感度(疾患又は表現型があるときの陽性率)、特異度(疾患又は表現型がないときの陰性率)等の情報に基づいて、疾患又は表現型の有無等を正確に予測できる分析法であることを立証すること。



・臨床的カットオフ値(Clinical cut-off)

本ガイダンスでは、医薬品の投与に際して、医薬品のベネフィット・リスクバランスを考慮してバイオマーカー陽性又は陰性と判定する範囲を区切る値。

この臨床的カットオフ値により分けられた集団に対して、投与の判断がされることになる。



・同等性の評価に関する試験 (同等性試験)(Concordance study)

体外診断薬の検出(測定)精度を担保するために、適切な対照体外診断薬(基準的測定法又は臨床試験で用いられた測定法等)と当該体外診断薬の判定一致率又は測定結果の同等性を評価する試験。




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「コンパニオン診断薬及び関連する医薬品の開発に関する技術的ガイダンス」に関するQ&A


Q1: 「バイオマーカー陽性」が患者選択の対象として記載されているが、品目によっては陰性例を選択する可能性もある(例えば抗EGFR 抗体におけるKRAS 遺伝子変異等)。

本ガイダンスでは、あるバイオマーカーの測定結果に基づき、陽性例を対象患者とすることを前提として記載しているが、陰性例を対象とする場合は逆に読み替えることでよいか。

A1: その理解でよい。






Q2: 検証的臨床試験とは、第V相無作為化比較試験のことを指すのか。

A2: 本ガイダンスでは、検証的臨床試験とは、原則として第V相無作為化比較試験のことを指すが、第V相無作為化比較試験の実施が困難等の理由により、例えば、第U相試験が承認申請データパッケージにおける最も重要な試験となった場合には、当該第U相試験のことを指す場合がある。





Q3: 「可能な限りすべての登録被験者」とは、陽性・陰性を問わず、診断を行ったすべての者という意味でよいか。

また、登録被験者からのデータとは、陽性・陰性両者のデータという理解でよいか。

A3: その理解でよい。陽性・陰性両者のデータが必要である。






Q4: 医薬品の臨床試験を実施する際に、使用するコンパニオン診断薬の分析法バリデーションは具体的にどこまで確認されていればよいか。


A4: 医薬品の臨床試験の実施に際し、当該臨床試験本来の目的を達成するために必要な分析法バリデーションの項目(真度、精度、測定範囲、分析的カットオフ値等)が適切であることが確認されていればよいと考える。

また、反応特異性、検体に関する情報、アッセイ条件等は、医薬品の臨床試験実施前に、ある程度の範囲で検討されていることが必要と考える。

なお、個別の事例について判断に迷う場合は独立行政法人医薬品医療機器総合機構(以下「PMDA」という。)に相談することが望ましい。






Q5: 医薬品とコンパニオン診断薬の同時開発の際に用いる臨床検体の取扱い及び既存試験で採取された検体をレトロスペクティブに再使用する場合の注意すべき点を示していただきたい。


A5: 既存試験の実施計画書中に臨床検体採取の旨が記載され、治験審査委員会又は倫理審査委員会の審査で承認を受けた上で、被験者の同意が適切に取得されていれば、原則として再測定時の再同意は不要であり、連結可能性を保持している場合、被験者の求めに応じて成績開示可能とすることが望ましい。

なお、同等性試験を行う場合、陽性一致率及び陰性一致率の両方の評価が重要となるため、陽性検体、陰性検体の両方を適切に保管しておくことが必要である。

また、同等性試験の倫理性及び信頼性は十分に担保されている必要があるため、同等性試験で使用する検体の入手法、保存方法及び試験への適用に関し、特に下記の項目について、その詳細及び妥当性について検討すべきと考える。


@ 同等性試験の実施に際し、当該試験で使用する検体の入手法、治験審査委員会又は倫理審査委員会の審査の承認、被験者の同意が得られていることが明確になっていること。

A 臨床検体が使用されていることが明確になっていること。

また、当該検体を採取した被験者に係る臨床情報、検体調製方法、保存方法等の検体の背景が明確になっていること。

B 検体を入手した施設、研究責任者、試験実施期間等の試験の実施背景が明確になっていること。

また、ヒト検体を用いた試験での検証が現在の倫理指針等を遵守して実施されたものであることが明確になっていること。





Q6: 「臨床試験に組み入れられた被験者」について、必ずしも日本人でなくともよいか。

A6: 検体採取時期並びに病変の質、固定状態及び保存状態等の観点から検体が適切に管理されていることを前提に、外国人の被験者の検体を用いることも可能である。

なお、日本人に特有の遺伝子変異・発現等を示すバイオマーカーや、外的環境因子が大きく影響を及ぼすバイオマーカー等については、その限りではないので、留意されたい。




Q7: 臨床試験以外の検体を用いて、同等性試験を実施しなくてはいけない場合の具体的な事例とは、どのような場合のことか。

A7: 例えば、検体採取して速やかに検査すべき性質の体外診断薬の場合、すなわち保存検体で検査するのが困難な場合が該当すると考える。

具体的には、末梢血等の細胞を用いたFACS 解析に用いるキット等がある。





Q8: コンパニオン診断薬の場合、「陽性一致率及び陰性一致率とも良好な成績を示す」とされているが、具体的にどのようなものが想定されるのか。

また、評価時の留意点は何か。


A8: 一般的な体外診断薬は、当該診断薬による診断結果のみではなく、他の関連する検査結果や臨床症状等に基づいて総合的に診断及び治療法が判断される位置付けとして使用される。

一方で、コンパニオン診断薬による診断結果は、医薬品の投与可否の判断との関連性が極めて高く、当該診断薬による診断結果のみに基づき投与可否が判断される場合も考えられる。

したがって、コンパニオン診断薬の同等性試験については、医薬品の有効性及び安全性を担保する位置付け、医薬品の投与可否の判断を決定付ける位置付けで使用されることを考慮し、一般的な体外診断薬の同等性試験を行う場合よりも、より良好な一致率を評価基準とすることが望ましい。

なお、同等性試験の良好な一致率の評価基準については、医薬品の特徴(重篤な副作用があるか等)、体外診断薬の測定原理等を鑑み個別に判断されるため、具体的な一致率の目安が示されるものではなく、上記の点を考慮し適切な一致率の評価基準を検討すべきと考える。

また、体外診断薬の同等性評価において、不一致例については、その理由を科学的な解析で検討し、当該診断薬の性能の限界を明らかにした上で、判定精度を担保するために必要な点があれば添付文書上に注意喚起する必要がある。






Q9: 分析法バリデーションに関する評価として使用されている用語について、体外診断薬の製造販売承認申請における取扱いを示した「体外診断用医薬品の製造販売承認申請に際し留意すべき事項について」(平成17 年2 月16 日付け薬食機発第0216005 号。以下「留意事項通知」という。)に照らして、解説頂きたい。

Aは略(実際の通知をご覧ください。)




Q10: 本ガイダンスは「開発に関する技術的ガイダンス」とされているが、「コンパニオン診断薬等及び関連する医薬品の承認申請に係る留意事項」(平成25 年7 月1 日付け薬食審査発0701 第10 号)等の関連通知との位置づけを示していただきたい。

A10: 本ガイダンスは、コンパニオン診断薬と医薬品の同時開発について、現時点での規制や事例を踏まえてPMDA のコンセプト(概念)を示した文書であり、必ずしも本ガイダンスに示す方法の固守を求めるものではない。

また、本ガイダンスに記載した内容に該当しない事例については、PMDA と適切に相談することを推奨するとともに、新たな事例を踏まえて本ガイダンスの見直しを適切に行う。






Q11: 医薬品とコンパニオン診断薬が同時期に申請された場合、医療現場での同時利用を目指した、審査タイムラインを提示していただきたい。

A11: 同時承認を目指した審査タイムラインについては、通常、医薬品は初回面談から専門協議までの期間に提示する。

コンパニオン診断薬については、総審査期間が規定されていないため医薬品と同様に提示することは困難であるが、コンパニオン診断薬の申請企業が医薬品の審査タイムラインに合わせて照会の回答等を行う等医薬品の審査期間に準じた対応を行うことを約する場合には、医薬品の審査タイムラインに合わせて対応していくこととしている。

医薬品及び体外診断薬の申請者双方は、十分な連携の下で申請業務を行っていただきたい。




以上


posted by ホーライ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | コンパニオン診断薬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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