2014年11月19日

前向きな検証的臨床試験実施に際しての留意点

今週は下記のガイドラインを見ていきます。

『コンパニオン診断薬及び関連する医薬品に関する技術的ガイダンス等について』
    ↓
http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/companion/companion20131226.pdf


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2.1.3. 前向きな検証的臨床試験実施に際しての留意点

2.1.1.に示したように、検証的臨床試験の実施前にバイオマーカー陰性例を対象に含めた検討が行われていることを前提に、バイオマーカー陽性例を対象とした無作為化比較試験を計画することが考えられるが、試験計画時点までに得られている非臨床及び臨床データ等を踏まえた上で、適切な試験デザインを選択する必要がある。


例えば、バイオマーカー陰性例を対象に含めた事前の探索的な検討により、バイオマーカー陰性例に対しても有用性が期待され、バイオマーカー陽性例とは別集団としてバイオマーカー陰性例を引き続き開発対象と考える場合等、バイオマーカー陽性例及び陰性例の双方を対象とする試験を実施することも考えられる。

その場合、試験全体集団、バイオマーカー陽性例及び陰性例のそれぞれの集団において解析結果が得られるため、無作為化及び盲検化の方法等の試験計画、並びに結果解釈を踏まえた適切な解析計画(仮説設定、症例数設計、多重性の調整等)を事前に治験実施計画書に規定しておく必要がある。





2.2. 医薬品開発とコンパニオン診断薬のバリデーション実施時期

バリデーションが不十分なコンパニオン診断薬を用いて臨床試験を実施した場合には、投与対象患者を適切に特定できない等、試験本来の目的が達せられない可能性がある。

検証的試験の実施に当たっては、一定の分析法バリデーション及び患者の特定に利用するバイオマーカーの臨床的カットオフ値等の臨床的バリデーションが行われたものであって、原則として承認申請を目的としたコンパニオン診断薬を使用すべきである。


ただし、症例数が極めて限られる等の理由により、探索的試験の結果に基づいて事前に臨床的カットオフ値を設定することが困難な場合には、検証的試験実施前にその試験デザイン等についてPMDA と相談することが望ましい。


また、臨床的カットオフ値の妥当性等の臨床的バリデーションについては主に医薬品の承認審査において、また分析法バリデーションについては主にコンパニオン診断薬の承認審査において、それぞれ評価するが、医薬品の承認審査に際しては、コンパニオン診断薬の臨床的カットオフ値の妥当性等について、その根拠を示して説明することが求められる。


医薬品の申請者及びコンパニオン診断薬の申請者は、それぞれの承認申請に際して互いに連携・協力する必要がある。

なお、分析法バリデーションに関する留意点については、「3.3. コンパニオン診断薬の分析法バリデーション」を参照のこと。





3. コンパニオン診断薬の評価

バイオマーカーを利用して医薬品の投与対象患者を特定する場合、当該医薬品の有効性及び安全性については、コンパニオン診断薬の性能に直接的な影響を受ける。

本項においては、コンパニオン診断薬の開発時の主な留意事項として、コンパニオン診断薬の臨床的意義、同等性の評価に関する試験、及び分析法バリデーションについて述べる。




3.1. コンパニオン診断薬の臨床的意義

コンパニオン診断薬の臨床的意義及び臨床的カットオフ値の評価については、原則として、当該コンパニオン診断薬に基づき特定された患者を対象とした医薬品の臨床試験成績を用いて行われるため、コンパニオン診断薬を開発する企業は、これらの情報を当該医薬品企業等からあらかじめ入手するなど、お互いに連携・協力する必要がある。

なお、承認申請の際、コンパニオン診断薬の臨床的意義、臨床的カットオフ値については、当該臨床試験に用いた治験薬の名称、試験名、試験方法及び試験結果の概要等に関する情報を含めた、当該医薬品の臨床試験成績の概要を用いて説明することで差し支えない。





3.2. コンパニオン診断薬の同等性評価に関する試験(同等性試験)

3.2.1. 同等性試験の必要性に関する基本的考え方

検証的臨床試験において承認申請予定のコンパニオン診断薬が用いられたケース以外の場合には、臨床試験で使用した測定法と、申請予定のコンパニオン診断薬との同等性を評価する必要がある。

また、比較対照として設定できる標準的な方法(公的機関 注1、標準化機関注2が採用している基準的な方法等)がある場合は、コンパニオン診断薬による判定又は測定結果の妥当性について評価することを目的に、原則として、当該方法とコンパニオン診断薬の間での同等性試験を実施する必要がある。

この場合、公的機関、標準化機関、関連学会等で規定されている操作、判定方法及び性能の規格等を踏まえ、科学的に妥当な対照法を選択する必要がある。



3.2.2. 同等性試験を行う際の留意事項

コンパニオン診断薬の同等性試験に際しては、関連する医薬品の臨床試験に組み入れられた被験者から採取された検体を使用することが基本と考える。

しかしながら、何らかの理由により臨床試験に組み入れられた被験者の検体を使用することが困難な場合、検体採取時期並びに病変の質、固定状態及び保存状態等の観点から検体が適切に管理されていることを前提に、当該臨床試験と同等の選択基準で採取・保存された被験者検体を用いて同等性試験を別途実施することも考えられる。

このような場合には事前にPMDA に相談することが望ましい。

同等性試験では検出域及び測定可能域を把握する必要があり、特にカットオフ値3近辺や測定下限値付近における判定結果の一致率及び測定値の同等性評価が重要である。

医薬品の臨床試験で採取された検体のみでこれらを評価することが難しい場合には、当該臨床試験とは別途、同等性試験を実施する必要がある。

また、コンパニオン診断薬の場合は、その性能が関連する医薬品の有効性及び安全性に直接的な影響を与えることから、原則、陽性一致率及び陰性一致率とも良好な成績を示すこと、及び不一致例に対する十分な科学的考察が求められる。


一方で、品目の特徴によっては、陽性一致率又は陰性一致率が良好でないが受け入れ可能な場合も考えられるため、同等性試験成績の臨床的評価が難しい場合については、PMDA に相談することが望ましい。

コンパニオン診断薬として適切と判断するために必要な陽性一致率又は陰性一致率については、対象疾患の性質や対象患者数(現実的に検証可能な症例数)、信頼区間等を踏まえて検討する必要があり、その妥当性については、PMDA に相談することが望ましい。
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1 : 世界保健機関(WHO)等

2 : 国際合同トレーサビリティー委員会(JCTLM)、臨床・検査標準委員会(CLSI)、日本臨床検査標準協議会(JCCLS)等

3 :この場合は分析的カットオフ値 または/および 臨床的カットオフ値のことを指す。



posted by ホーライ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | コンパニオン診断薬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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