安定性試験ガイドラインの改定について
医薬審発第0603001号
平成15年6月3日
厚生労働省医薬局審査管理課長
http://www.pmda.go.jp/ich/q/q1ar2_03_6_3.pdf
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2.2.10. 取扱い上の注意/表示
貯蔵方法は、関連する国内/地域の基準に従った表示をするために、製剤の安定性評価に基づいて決めなければならない。
必要に応じ、個別の指示が付される。
凍結してはならない製剤については特に注意を要する。
「成り行き温度」、「室温」等の用語の使用は避ける。
製剤の貯蔵方法の表示は、試験で示された製剤の安定性を直接反映させる。
有効期限は容器ラベルに適切に表示する。
3.用語集(訳注:以下の定義は本ガイドラインのために示したものである。)
以下の定義はガイドラインの理解を容易にするためのものである(英文のアルファベット順に記載)。
●加速試験 (Accelerated testing)
正式な安定性試験の一部として、原薬又は製剤の化学的変化又は物理的変化を促進する保存条件を用いて行う試験である。
加速試験の成績は、長期保存試験成績とともに、申請する貯蔵方法で長期間保存した場合の化学的影響を評価するのに利用できる。
同時に、輸送中に起こり得る貯蔵方法からの短期的な逸脱の影響の評価にも利用できる。
なお、加速試験の結果が物理的変化の予測に適用できるとは限らない。
●ブラケッティング法 (Bracketing)
全数試験において設定する全測定時点において、含量や容器サイズ等の試験要因の両極端のものを検体とする安定性試験の手法である。
この手法は、中間的な水準にある検体の安定性は、両極端の検体の安定性により示されるとの仮定に基づいている。
一連の異なる含量の製剤が試験される場合、製剤の成分が同一であるか類似しているならば、ブラケッティング法が適用できる(例:同様の組成の原料顆粒を使用して製造した含量違いの錠剤、異なるサイズのカプセルに異なる量の同一組成の成形粉末を充填して製造したカプセル剤)。.
ブラケッティング法は同じ包装仕様で異なるサイズの容器もしくは容れ目違いにおいても適用できる。
●気候区域(Climatic zones )
平均的な年間の気候条件により区分した世界の4 つの区域。これはW.Grimm によって記述された考え方に基づいている( Drugs Made in Germany , 28:196-202,1985 ,29:39-47,1986)。
●コミットメントロット (Commitment batches)
原薬又は製剤の実生産スケールにより製造されるロットであって、承認申請時におけるコミットメント(担保)に基づき、承認後に安定性試験を開始又は終了するもの。
●容器施栓系(Container closure system)
製剤を収容し保護する包装の構成要素の全体。直接包装を指すが、二次包装によってさらに製剤を保護する場合は、二次包装も含まれる。