安定性試験ガイドラインの改定について
医薬審発第0603001号
平成15年6月3日
厚生労働省医薬局審査管理課長
http://www.pmda.go.jp/ich/q/q1ar2_03_6_3.pdf
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水分の損失率を求める方法の例
ある容器施栓系、容器サイズ及び容れ目の製剤ついて、参照相対湿度における水分の損失率を算出する適正な方法は、同一温度の任意の相対湿度において測定された水分損失率に下表に示す水分損失の比率を乗じることである。
ここで、任意の相対湿度における水分の損失率が保存期間を通じて直線的に増加することを示す必要がある。
例えば、40℃相対湿度25%以下で保存した後の水分損失率は、40℃相対湿度75%で保存した後の水分損失率に、対応する水分損失の比率3.0 を乗じることにより計算できる。
2.2.7.4. 冷蔵庫での保存の製剤
長期保存試験 5℃±3℃ 12 カ月
加速試験 25℃±2℃/60%RH±5% RH 6 カ月
半透過性容器に包装された製剤の場合、水分損失の程度を評価できる適切な情報を提出する。
冷蔵庫での保存の場合の試験成績は、以下に該当する場合以外は、本ガイドラインの「評価」の項に従って評価する。
加速試験において、測定開始後3 カ月から6 カ月の間に「明確な品質の変化」が認められた場合、有効期間は長期保存試験から得られる試験成績(リアルタイムのデータ)に基づいて申請する。
加速試験において、測定開始後3カ月以内に「明確な品質の変化」が認められた場合、輸送中や取り扱い中等における貯蔵方法からの短期的な逸脱の影響に関する試験成績を用意する。
この場合、適切ならば、1 ロットの製剤につき3 カ月より短期間に、通常より多い測定時点で追加試験を行うことにより説明してもよい。
測定開始後3カ月以内に「明確な品質の変化」が認められた場合、あえて6 カ月まで試験を継続する必要はない。
2.2.7.5. 冷凍庫での保存の製剤
長期保存試験 -20℃±5℃ 12 カ月
冷凍庫での保存の場合の有効期間は、長期保存試験で得られる試験成績(リアルタイムのデータ)に基づいて申請する。
冷凍庫での保存の場合は、加速試験がないため、貯蔵方法からの短期的な逸脱の影響を説明するため、上昇させた温度(例えば、5℃±3℃又は25℃±2℃)で適切な期間にわたる試験を1 ロットについて実施する。
2.2.7.6. -20℃以下での保存の場合
-20℃以下で保存される製剤は、個別に妥当な保存条件の下で試験を実施する。
2.2.8. 安定性試験の確認のための試験の実施(コミットメント)
製剤の承認の時点で、基準ロットの長期保存試験成績が、有効期間を保証する期間まで得られてない場合には、申請された有効期間を確認するために、承認後、長期保存試験を継続する。
実生産スケールで製造された3 ロットを用いて実施され、有効期間を通して実施された長期保存試験成績に基づいて申請される場合には、承認後に長期保存試験を実施する(コミットメント)必要はない。
その他の場合にあっては、以下に掲げるもののうち、一つの試験を実施する。
1.添付資料として実生産スケールで製造された3 ロット以上のロットの安定性試験の成績に基づき申請される場合には、有効期間中試験を継続し、安定性を確認する(コミットメント)必要がある。
2.添付資料として実生産スケールで製造された3 ロット未満のロットを用いた安定性試験の成績に基づき申請される場合には、当該試験を有効期間中継続する(コミットメント)必要がある。
また、実生産スケールで製造されたロット数の合計が3 以上になるよう、実生産スケールで製造されたロットを追加し、有効期間を通じて長期保存試験を、また6 カ月間を通じて加速試験を実施し、安定性を確認する(コミットメント)必要がある。
3.添付資料として実生産スケールで製造されたロットを用いた安定性試験の成績が提出されない場合は、実生産スケールで製造される最初の3 ロットについて、有効期間を通じて長期保存試験及び6 カ月間を通じて加速試験を実施し、安定性を確認する(コミットメント)必要がある。
コミットメントとして、安定性の確認のために実施される長期保存試験は、科学的に妥当性がない限り、承認申請時(基準ロット)と同一の安定性試験プロトコールを使用して実施する。
「明確な品質の変化」が基準ロットの加速試験で認められた場合には、コミットメントロットでの試験は、加速試験の保存条件か中間的試験の保存条件のいずれかで実施する。
しかし、コミットメントロットの加速試験で「明確な品質の変化」が認められた場合には、中間的試験を実施する。
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