2014年10月15日

本指針は、プラセボの使用を制限するものではありません

今週も先々週に続き、下記のパブリックコメントのQ&Aを見ていきます。


●「臨床研究に関する倫理指針」の改正案に関する意見募集の結果について

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495080030&Mode=2


いつものとおり気になる点だけピックアップしています。

是非、全文を読まれることをお勧めします。

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再審査、再評価を目的としない医薬品の承認範囲内でのエビデンス集積を目的とした並行群間比較試験は、臨床研究の扱いと考えられるが、この場合、試験の質を考慮するとDBTデザインの利用と、それに必要なプラセボが必要になる。

海外ではDBTでの臨床研究は一般的に行われているが、日本ではUMIN-CTRを確認してもまだわずかである。

一方で、従来プラセボの扱いはあいまいなままになっており、「未承認、無許可医薬品」として解釈してしまうと、治験以外での利用は困難と考えざるをえない。

本倫理指針を遵守することを前提に、プラセボを使用したDBTデザインの臨床研究が実施可能となるようプラセボの利用を明記いただきたい。







本指針は、プラセボの使用を制限するものではありません。

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これからは一定の要件を満たしたデータセンターやデータモニタリングといったインフラを完備したグループでないと、本倫理指針に沿った臨床試験はなかなか困難になるように感じました。

小臨床試験グループでの介入試験実施はますます難しくなることから、観察研究に終始しなければならないのでしょうか。







研究のインフラの整備に関しても一層努めてまいります。

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看護研究・リハビリ研究・精神療法研究のように、いわゆる「治験」のように十分なお金がなくても行える臨床試験が存在するのも事実。

こうした「非治験」の臨床研究を推進するためには、公的資金による研究支援の充実が不可欠である。

指針の改定に伴い、競争的研究費制度の弾力的な運用を進める必要がある。







公的研究資金の運用の弾力化を推進します。

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「・・・研究者等が加入できる補償保険が望まれる」とありますが、これが十分に準備された環境が整った後に、指針内のことを適用するようにしていただけるとよいと思いました。

「保険料を研究費から支払うことを研究費の取り扱いにおいて認める」と記されていますが、公的研究費などがカバーする短い期間(3年前後)で「非治験」の臨床研究が終了することは困難だと思います。

研究費から支払うのも一つの方法ですが、介入研究の申請書が採択された機関には、介入が終わるまで研究費と別枠で助成金を出していただくか、研究費の期間を長くしていただければよいと思いました。







保険が提供可能な時期を踏まえた施行期日を検討します。

公的研究資金を臨床研究の性格に合わせて運用できるよう努力します。

今後の課題とさせていただきます。

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臨床研究により、未来の患者さんを診(み)、療(なお)し、癒すための思いを、いかにして「臨床研究」という科学にするか、そしてそれをエビデンスとして未来に伝えていくか、それが肝要であるが、医学研究者、特に直に患者さんと向き合っている医師は不得手としがちである。

また、透明性の担保という観点から、医師が「当然」と考えても多くの国民には「自明でない」ことも多いかもしれず、いわば「通訳」が必要である。

そのため、臨床研究に入るまでの間に、多くの相で相談業務を行なっていただければ、臨床研究の速やかな推進により将来にわたって国民福祉に資するものと信じるものである。







相談事業を支援できるよう検討しているところです。

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臨床研究に関する補償保険が、実効性あるものとでいるようお願いしたい。

実効性あるものとするために、補償のための保険への研究費(科学研究費補助金あるいは委託費等)から支出可能となるようにすべきと考えており、これが直接経費において支出可能とすべく研究費取り扱い規定を改定していただくか、あるいは間接経費において支出されるべきであるなら、そのように規定は改定されるべきである。

1つ提案がある。臨床研究が開始される場合に備えて、別立てで保険料を予算立てし、追加交付という形がとれないだろうか。

厚生労働省科学研究費補助金事業等において、臨床研究が開始される直前に保険料が算出されると考えられ、当初予算でそれを予測することは難しい。

また、臨床研究を開始する予定でありながら、不可となった際に、保険料とされるべきものが研究の消耗品等に利用されることは、国民に対する欺罔といわれてもいたしかたない。

そこで、厚生労働科学研究費補助金などで臨床研究が開始される場合に備えて、別立てで保険料を予算立てし、追加交付という形がとれればと考えたところである。







間接経費からの支出等につきましては関係省にも働きかけてまいります。

保険料の支出については研究開始時にご相談をお願いします。


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介入型臨床試験の品質保証や品質管理を行うには、研究者自らが単独で今回の改正事項のすべてを行うには無理があると考えています。

臨床試験の事務局の強化や臨床試験コーディネーター(CRC)の関与が必要と考えられますが、今回改正の倫理指針概要には何も記載されておりません。

臨床試験コーディネーターの関与の有用性を盛り込むべきではないでしょうか。







臨床研究に対するコーディネーター確保は重要な課題です。

「関係者への要請」として、行政通知等により、試験の実施を支援するコーディネーターの確保について言及することとします。



posted by ホーライ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 臨床研究 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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