2014年08月16日

今日は「ICH-GCPの改訂」です。

今週は「ICH-GCPの改訂」と「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」(案)を見ます。


今日は「ICH-GCPの改訂」です。


●ICH−GCPの改訂ってどんなになりそう?(第30回ICH即時報告会)
     ↓
http://www.jpma.or.jp/information/ich/sokuji/ich140710.html



GCP(医薬品の臨床試験の実施の基準) ミネアポリス会合報告

経緯

・2013年11月
ー大阪会合にて,FDAより,新規トピックの提案あり: Assessment of Clinical Trial Quality


・2014年3月〜4月
ー「Clinical Trial Quality に関する Addendum または Q&A を ICH E6(R1) (現行の ICH GCP)に付録として追加する」旨の draft Concept Paper等が用意され,Steering Committee (SC) にて了承

・2014年6月2日〜5日(4日間)

ーミネアポリスにて ICH E6(R2) として第1回EWG会合開催



Concept Paper (1)

●Type of Harmonization Action Proposed

・現在のICH-GCPに付録がつく。

・ICH-GCPを補強するため。



●Statement of the Perceived Problem

・ICH-GCPを現状に適合させるため。(今のICH-GCPが作成された頃にはEDCなんて想定されていませんでしたからね。)

・革新的なアプローチによる治験のデザイン、マネジメント、監督し、処理し、文書化のための改訂を可能にするため

・これらはいずれも被験者の安全とデータの品質の向上を目指す。



●現存する課題

・治験における「quality risk management」を考慮する

・「quality-by-design processes」を重視する

・プロトコルの個々のデザインにおけるリスク監視を強化する。

・さらに、治験の革新化を促進させるトピックスを検討する

・たとえば、risk-based monitoring等の治験の重要な要素に注力する

・治験の実施、管理、報告を強化するIT化についても対応する




●解決すべき課題

・FDA, EMA, and MHLW/PMDAは治験の質について下記の項目の検討を開始した

・治験薬の薬学的品質システムへのアプローチについて

・「quality risk management」について

・これらはグローバル化を促進させる

・優先度を考慮して、治験に対して「quality management」的なアプローチを促進させる

・これらは品質を向上させ、被験者の保護に繋がる。


●SC Presentation slides より

新たなアプローチとして,以下の 5点に関する内容を記載した文章を作成していく:

・Quality management

・Risk management

・Risk-based monitoring

・Electronic records*

・Trial master file*

* 実際に導入するかどうかは今後検討


●追加する文章は 3極で発出されている既存のガイダンス等から引用する形で作成し始めた。(現状,本文に挿入する形で検討中)

1.U.S. FDA, Guidance for Industry Oversight of Clinical Investigations ? A Risk-Based Approach to Monitoring, August 2013.

2.EMA, Reflection paper on risk based quality management in clinical trials, November 2013.

3.厚生労働省医薬食品局審査管理課,事務連絡 「リスクに基づくモニタリングに関する基本的考え方について」,平成25年7月1日.



以下のElectronic records, Trial Master File(必須文書等をまとめたファイル)に関する資料も参照している。

4.U.S. FDA, Guidance for Industry on Computerized Systems Used in Clinical Investigations, 2007.

5.U.S. FDA, Guidance for Industry on Electronic Source Data in Clinical Investigations, 2013.

6.EMA, Reflection paper on expectations for electronic source data and data transcribed to electronic data collection tools in clinical trials, 2010.

7.EMA, Reflection paper on GCP compliance in relation to trial master files (paper and/or electronic) for management, audit and inspection of clinical trials, 2013.

8.EMA, One question and answer on electronic trial master file and one on source documents located at: http://www.ema.europa.eu/ema/index.jsp?curl=pages/regulation/q_and_a/q_and_a_detail_000016.jsp&mid=WC0b01ac05800296c5 (accessed June 6, 2014)


関連する背景情報

5.ICH Q9, Quality Risk Management, 9 November 2005. (「品質リスクマネジメントに関するガイドライン」)


6.Clinical Trials Transformation Initiative workshops on quality by design and quality risk management

http://www.ctti-clinicaltrials.org/what-we-do/investigational-plan/qbd-qrm


7.TransCelerate Biopharma, Inc. risk-based monitoring resources

http://www.transceleratebiopharmainc.com/rbm-resources/


8.Sensible Guidelines for the Conduct of Clinic





・2015年 6 月: Step 2 ガイドライン(ガイドライン案が運営委員会で承認されます。この時点でガイドライン案はステップ2となります。)

・2016年11月: Step 4 ガイドライン(ガイドライン案が運営委員会の規制当局代表者によって最終的に採択され、日本・米国・EUの3者により合意(調和)された新しいICHガイドラインが完成します。この時点で、ガイドラインはステップ4となります。)


2年後には新しいICH-GCPの改訂版が公表されるみたいですね。



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【【●注意!!以下は僕、ホーライの覚書です。正式な解釈ではありません。あくまでも僕のための覚書です。】】


現在、改訂作業が進んでいるICH-GCPのポイント

●quality risk management(クオリティ リスク マネジメント:品質リスクマネジメント:品質リスク管理)という概念の導入

・体系的なプロセス思考を用いるて品質を保証する

・治験のデザインから治験の実施、治験の結果の報告までのシステム全体をマネジメントすることでリスクを避ける(管理する)

・プロセスの理解とリスクマネジメントに基づく品質管理

・プロセスコントロールによる継続的な品質の検証

・リスクをゼロにすることは事実上不可能であることを認識しておく

・品質とは顧客の要求を満たすこと

・リスクとは危害発生の確率とその危害の重大性の組み合わせ

・リスクマネジメントは品質マネジメントシステムの不可欠な一部


*品質リスクマネジメントに関するガイドライン(ICH Q9)

http://www.pmda.go.jp/ich/q/q9_06_9_1.pdf



●quality-by-design processes(デザインによる品質プロセス)を強化させる

●risk-based monitoring (リスクに基づくモニタリング)について言及する

●治験のIT化の促進と課題



以上


posted by ホーライ at 13:40| Comment(0) | TrackBack(0) | ICH-GCP | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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