2014年07月31日

公正な研究を行う仕組み及び倫理・法令・指針遵守のための環境の整備

今週は当初の予定から急きょ、変更して国が考えている下記の2つを見ます。


●医療分野研究開発推進計画(案)
    ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/suisin/suisin_dai2/siryou2.pdf


●健康・医療戦略について(閣議決定)
    ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/suisin/ketteisiryou/dai2/siryou1.pdf


所謂「日本版NIH」の続きです。(所々、割愛していますので、是非、ご自分でも一読ください。)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


今日はまず「医療分野研究開発推進計画(案)」を見ていきます。
    ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/suisin/suisin_dai2/siryou2.pdf


(7)人材の育成

医療分野の研究開発ポテンシャルの向上には、関係するあらゆる分野における人材の育成、確保が重要である。

人材育成に関しては、臨床研究及び治験の観点からも大学の果たすべき役割が鍵である。

特に、卒前教育に臨床研究及び治験に係る方法論、臨床疫学、生物統計学を組み込み、学生にも臨床研究及び治験に関する教育を実施することが期待される。

また、医学系及び生命科学系の若手研究者を持続的に支援することで、基礎研究から臨床研究及び治験まで精通し、かつ、世界をリードする学術的な実績があり、強力な指導力を発揮できる人材を育成することが重要である。

さらに、研究者等の人材の流動性向上のための取組も推進する。

加えて、専門家のみならず国民全体の健康や病気に関する理解力(リテラシー)の底上げも重要な課題となっている。

また、リーダーとなる研究者の育成のみならず、必要な専門人材、具体的には、生物統計家、CRC(臨床研究コーディネーター)、データマネージャー、知的財産、有効性・安全性の評価、規制、倫理、広報等の専門人材及びレギュラトリーサイエンスの専門家を育成・確保、適正な評価をするとともに、キャリアトラックを確立する必要がある。

こうして育成された人材を橋渡し研究支援拠点や臨床研究中核病院、早期・探索的臨床試験拠点に複数配置するよう配慮する必要がある。

さらに、革新的な医薬品、医療機器等及び医療技術をより早く医療現場に届けるため分野横断的な研究を推進し、イノベーションの創出を行いうる人材の育成が重要である。




(8)公正な研究を行う仕組み及び倫理・法令・指針遵守のための環境の整備

公正な研究を行う仕組みを整備するには、効率的な臨床研究及び治験を実施するためのデータベースの構築や、臨床研究の監査やモニタリングの確立を図る必要がある。

具体的には、研究計画書(プロトコール)の策定、研究の進捗状況の把握、研究データの管理(データ入力・集計・解析)、研究成果や知的財産の管理等の研究開発マネジメントを効率的に実施することが求められる。

また、現在検討されている「臨床研究に関する倫理指針」の見直しを着実に進めるとともに、倫理審査委員会の認定制度を導入することで倫理委員会の質の向上を図る必要がある。

また、倫理指針の見直しと並行して、我が国の臨床研究の信頼回復に向け、2014年秋を目途に法制度を含めた臨床研究に係る制度の在り方について検討を進める。

その際、臨床研究の質の確保と被験者保護と研究機関及び製薬企業の利益相反管理等を目的として、倫理教育の強化、不正事案の公開、不正を抑止する環境の整備、組織としての責任体制の確立、不正事案に関する管理責任の追及、国の監視機能の強化と充実、国による組織の不正防止の取組の推進を行う。

基礎研究及び臨床研究における不正防止の取組を推進するため、機構は、業務を通じた医療分野の研究開発に関する研究不正の防止に関するノウハウの蓄積及び専門的な人材の育成に努める。





●研究に関する不正への対応

・研究不正に対して、研究現場の実態を十分に踏まえつつ、個別事案を超えた大きな観点から検討を行い、これらを研究者、組織(予防)及び組織(事後)として対応すべき事項について取りまとめるとともに関係府省に周知し、取組を促す。


・研究機関の不正行為及び研究機関における公的研究費の管理・監査に関するガイドラインの見直し内容等に関する周知徹底や着実な履行を求めること等の取組を推進する。


・我が国の臨床研究の信頼回復に向け、「高血圧症治療薬の臨床研究事案に関する検討委員会」の報告書等を踏まえ、「臨床研究に関する倫理指針」の見直しを進めるとともに、2014年秋を目途に法制度を含めた臨床研究に係る制度の在り方について検討を進める。



●倫理審査委員会の認定制度の導入

・臨床研究を国際水準で行う必要性が高まるとともに、その高度化かつ複雑化する状況を鑑みると、倫理性・科学性を適切に判断する倫理審査委員会の役割の重要性が一層高まってきている。

現在、全国に設置されている約1300の倫理審査委員会のうち、国が定めた基準を満たしている倫理審査委員会を認定する制度を2014年度から導入し、当該倫理審査委員会における審査の質を確保するとともに全体的な質の向上を図る。




(9)研究基盤の整備

創薬、医療機器開発につながる基盤技術については、継続的かつ確実に支援することが重要であるとともに、様々な専門分野を融合し、イノベーションを起こすことが必要である。

このため、革新的医療技術創出拠点プロジェクトにおいて推進している拠点を一体化することによりアカデミア等における画期的な基礎研究成果を一貫して実用化につなぐ体制の構築が必要である。


さらに、知識の共有は研究開発推進の源であり、ライフサイエンスに関するデータベース、全国規模の難病データベース、ビッグデータベースシステムをはじめとした良質な情報・試料は可能な限り広く収集・保存し共有されることを目指す必要がある。

各省等が個々に推進してきたデータベースについてもその連携を進めることが必須である。

また、地道な疾患研究や疫学的な調査研究がおろそかにならないよう適切な目標を設定し、長期支援が必要な研究開発の安定的継続に対しては配慮が必要である。

さらに、研究基盤(患者由来の試料、モデル動物等のバイオリソース、先進的解析技術・機器等)の開発推進及び研究者が円滑に利活用可能な最新の基盤(ライブ・分子イメージング、次世代シークエンサー等)の整備を行い、既存の大規模先端研究基盤(放射光施設、スーパーコンピュータ等)や先端的な計測分析機器等を備えた小規模施設と連携を取りつつ、科学技術共通の基盤施設をより使いやすくし、医療分野の研究開発の更なる促進に活用することが重要である。

また、創薬支援業務等に関する独立行政法人医薬基盤研究所から機構への業務移管、特に創薬支援ネットワークの本部機能の円滑な移行に向け万全を期す。

さらに、医療機器の開発を進めるため、大学、研究開発法人、その他の研究機関及び企業等から成るネットワークを構築する。



2.新たな医療分野の研究開発体制が担うべき役割

本年5月、健康・医療戦略推進法及び独立行政法人日本医療研究開発機構法が成立し、機構の設立をはじめ、我が国の医療分野の研究開発体制が新たに構築された。

具体的には、医療分野の研究開発の司令塔本部として、内閣に内閣総理大臣を本部長とし、全ての閣僚が本部員となる健康・医療戦略推進本部が設置され、政治のリーダーシップにより、@政府が総合的かつ長期的に講ずべき健康・医療に関する先端的研究開発及び新産業創出に関する施策の大綱等である健康・医療戦略及び当該戦略に即した医療分野研究開発推進計画を定め、A同戦略及び同計画の実施のために必要な、各省に計上されている医療分野の研究開発関連予算を集約することにより、司令塔機能の発揮に必要な予算を確保し、戦略的・重点的な予算配分を行い、B機構においては、基礎研究、臨床研究及び治験、創薬開発等の豊富な経験を有するプログラム・ディレクター(以下「PD」という。)、プログラム・オフィサー(以下「PO」という。)等の適切な配置を行い、実用化のための研究を基礎段階から一貫して一体的な管理を行うこととなっている。


このような新たな医療分野の研究開発体制において、具体的に以下の取組を行う。

(1)機構に期待される機能

@ 医療に関する研究開発のマネジメント

各省連携プロジェクトなど、機構において実施される研究開発の成否は、プロジェクトマネジメントにかかっている。

このため、患者や医療現場、産業界等からのニーズの把握や技術的可能性を評価し、現実的なビジョンの下に計画を常に見直すことのできるマネジメントを実現する。

そのためには、優れたシーズを見出す目利き機能、臨床研究及び治験への橋渡しや産業界への導出に向けての企画力、規制対応等の周到な準備と研究者を支援・指導する牽引力が求められる。


具体的には、患者や医療現場、研究者、産業界等からのニーズの把握等のためのアドバイザリーボードを理事長の下に置くとともに、国内外の動向を把握、評価し、テーマを抽出するための専門家によるシンクタンク機能を備える。

また、個別研究課題の選定にピア・レビュー方式を導入する。

PD、PO等がこれを活用して専門調査会報告書を踏まえた研究の実施、研究動向の把握・調査、シーズの探査・育成研究の強化(スクリーニングや最適化研究)や優れた基礎研究成果を臨床研究及び治験、産業化へつなげる一貫したマネジメント(研究の進捗管理・助言、規制対応等)及び適切な研究実施のための監視・管理機能など、研究開発の開始、推進、監視・管理、さらには、方針の転換に至るまで一元的かつ一貫したプロジェクトマネジメント機能を果たすことが必要である。


基礎研究及び臨床研究における不正防止の取組を推進するため、機構は、業務を通じた医療分野の研究開発に関する研究不正の防止に関するノウハウの蓄積及び専門的な人材の育成に努めることが必要である。




A 臨床研究及び治験データマネジメント

機構が推進する研究については、臨床研究及び治験に係る計画書(プロトコール)の策定、研究の進捗状況の把握、研究データの管理(データ入力、集計、解析)、研究成果や知的財産の管理等の研究マネジメントを効率的に実施する方策を検討し、できる限り早期にその実行に向けた取組を行うことが必要である。



B 実用化へ向けた支援

機構には、知的財産管理・相談窓口、知的財産取得戦略の立案支援等の知的財産取得に向けた研究機関への支援機能や、PMDAと連携した有望シーズの出口戦略の策定・助言や企業への情報提供・マッチング及びワンストップサービスの提供等といった実用化に向けた企業連携を支援する機能の具備が必要である。

また、医療機器開発に関して、関係機関が連携して支援できるようなネットワークを構築し、その中核的役割を果たす医工連携並びに産学連携のハブとして機能を整備することが必要である。

医薬品の実用化支援については、創薬支援コーディネーターチームの目利き評価により大学等で生み出された研究成果から有望シーズを選抜し、創薬支援ネットワークが保有する創薬支援資源を集中的に投下することにより、応用ステージ(スクリーニング、最適化研究、非臨床試験)を中心に、革新的新薬の創出を目指したオールジャパンでの強力な支援を行うことが必要である。




C 研究開発の基盤整備に対する支援

新たなバイオマーカーを探索・解明することで実現する革新的な診断技術・機器、既知のマーカーを取り扱いやすく、非侵襲、低侵襲で、正確かつ低コストで測定できる診断技術や機器をシームレスに開発するための体制整備、革新的医療技術創出拠点の強化・体制整備やエビデンスに基づいた予防医療・サービス手法を開発するためのバイオバンク等の強化及びモデル動物等のバイオリソースの整備等を行うことが必要である。



D 国際戦略の推進

国際的な研究開発動向を踏まえ、我が国にとって真に価値のある国際共同研究を推進するとともに、我が国の医療に係る研究能力を活用して国際的にも貢献することが必要である。





●オールジャパンでの医薬品創出

・創薬支援ネットワークの構築により、大学や産業界と連携しながら、新薬創出に向けた研究開発を支援するとともに、創薬支援のための基盤強化を図る。

また、創薬ターゲットの同定に係る研究、創薬の基盤となる技術開発、医療技術の実用化に係る研究を推進し、革新的医薬品及び希少疾患治療薬等の開発を支援する。






(4)臨床研究中核病院の医療法上の位置付け

日本発の革新的な医薬品、医療機器の開発等に必要となる質の高い臨床研究や治験を推進するため、医療法上に位置付けられた国際水準の臨床研究や医師主導治験の中心的役割を担う臨床研究中核病院の要件について、以下の観点等から速やかに検討を進め、その実現を図る。

@当該臨床研究中核病院に必要な機能を病院管理者等の下、病院全体で確保できること

A出口戦略を見据えた適切な研究計画を企画・立案し、ICH−GCPに準拠して臨床研究を実施できること

※医療機器については、ISO14155:2010に準拠する。以下同じ。


B倫理性、科学性、安全性、信頼性の観点から適切かつ透明性の高い倫理審査ができること

CICH−GCPに準拠したデータの信頼性保証を行うことができること

Dシーズに関して知的財産の管理や技術移転ができること

E質の高い多施設共同での臨床研究や治験を企画・立案し、他の医療機関と共同で実施できること。

また、中核病院として、他の医療機関が実施する臨床研究及び治験を支援できること

F関係者の教育、国民・患者への普及、啓発、広報を行えること




●臨床研究中核病院の医療法上の位置付けの検討状況

・2014年6月18日に医療介護総合確保推進法案が国会で可決・成立し、新たに医療法上に臨床研究中核病院が位置付けられることとなった。

現在、革新的医療技術創出拠点プロジェクトにおいて整備を進めている早期・探索的臨床試験拠点、臨床研究中核病院をはじめとする病院のうち、一定の要件に該当するものは、厚生労働大臣の承認を得て、医療法に基づく臨床研究中核病院と称することができる。


・この医療法に基づく臨床研究中核病院は、質の高い臨床研究や治験を自ら実施するとともに、他施設で実施する臨床研究及び治験の計画立案や実施について支援するARO機能をもつことを想定していることから、これを活用し、橋渡し研究支援拠点のシーズや医療上の必要性が高いものの企業による開発が進まない研究を実施して、エビデンスを構築することで、革新的な医薬品、医療機器等及び医療技術の創出を推進する。

更に、未承認薬等を用いた臨床研究及び治験の実施に際し生じる有害事象等に十分対応できる体制の確保を目指す。


posted by ホーライ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本版NIH | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。