2014年07月30日

医薬品、医療機器開発の新たな仕組みの構築

今週は当初の予定から急きょ、変更して国が考えている下記の2つを見ます。


●医療分野研究開発推進計画(案)
    ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/suisin/suisin_dai2/siryou2.pdf


●健康・医療戦略について(閣議決定)
    ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/suisin/ketteisiryou/dai2/siryou1.pdf


所謂「日本版NIH」の続きです。(所々、割愛していますので、是非、ご自分でも一読ください。)


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今日はまず「医療分野研究開発推進計画(案)」を見ていきます。
    ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/suisin/suisin_dai2/siryou2.pdf



(2)医薬品、医療機器開発の新たな仕組みの構築

国内に埋もれている有望なシーズをくみ上げるシステムを構築し、それを実用化に結び付けるため、最終的なビジネスとしての発展も視野に入れつつ、基礎から臨床研究及び治験、実用化までの一貫した研究開発の推進、さらに、臨床現場における検証と新たな課題を抽出できる体制の整備が必要である。


その際には、研究開発の出口を見据えた知的財産戦略と、基礎研究の成果の中から実用化に向けた可能性の高いニーズを見極め、臨床研究及び治験に係るデータの集積・活用を図り、しっかりと基礎研究から応用研究、臨床研究及び治験、実用化へと橋渡しがなされることが重要である。

また、日本発の革新的医薬品、医療機器の実用化促進に向け、幅広い分野につき高度の知識・技術を有する人材の育成、医薬品、医療機器開発の基盤整備による効率化、迅速化、レギュラトリーサイエンスを推進する必要がある。

さらに、日常の臨床症例を登録するレジストリー研究のためのデータベース構築、ビッグデータ分析等のICT(Information and Communication Technology)の活用による研究開発の迅速化とコストダウンを図る必要がある。



新薬開発のためのFirst in Human 試験(医薬品の第I相試験において人に初めて投与すること)をはじめ、あらゆる臨床研究及び治験の迅速な実施に向け、短期間で効率的な臨床研究及び治験を行うため、革新的医療技術創出拠点及びナショナルセンターのネットワークを強化し、世界に通用する臨床研究及び治験を遂行するため、症例を集積しやすい環境を整備する必要がある。


医薬品、医療機器の開発においては、大学発ベンチャーなどのベンチャー企業も重要な役割を果たすことが重要である。

なお、実用化へ向けた支援として、薬事戦略相談等に関するPMDAの体制強化と、PMDAと連携した有望シーズの出口戦略の策定・助言、企業への情報提供・マッチング等、企業連携・連携支援機能の強化が必要である。

こうした認識の下、医薬品分野及び医療機器分野それぞれにおいて、以下の取組を行う。



@ 医薬品分野

我が国発の革新的医薬品開発を加速するためには、患者ニーズの把握等に努め戦略的なテーマを設定する必要がある。

また、対象となる技術として、従来からの創薬資源である低分子化合物や天然物に加え、核酸、抗体、ワクチン、幹細胞といった新しい創薬資源に着目する必要がある。

さらに、たんぱく質を中心にした生体高分子の分子機能を、その分子構造からの理解を目指すことを目的とした構造生物学の発展により、薬剤の分子設計が大きく進歩していることも念頭に置く必要がある。

創薬に向けては、アカデミアの研究成果からシーズを探索し、様々な分野の研究者が創薬関連研究支援基盤を活用しやすい環境を整備する必要がある。

そのためには、創薬支援ネットワーク等を活用し、シーズの探索、知的財産管理、そして実用化に必要な応用研究等の支援を進める。

また、既存の薬剤や開発途上で中断した新規な薬理作用を示す化合物について、網羅的薬効プロファイリングや新たな標的分子の同定を行うことにより、新しい適応症を探索し、新たな効果を持つ医薬品として開発するドラッグ・リポジショニングに向けた研究体制の構築等も視野に入れる必要がある。

さらに、体内の薬物分布を量的・空間的・時間的に制御し、コントロールする薬物伝達システム(ドラッグ・デリバリー・システム:DDS)についても、ナノテクノロジーとの融合も視野に入れた取組が必要である。

また、当初からGLP(Good Laboratory Practice)及びGMP等の国際基準並びに品質、有効性、安全性を確保するレギュラトリーサイエンスを念頭に置いた研究の推進が必要である。

さらに、分子標的薬等の効果あるいは副作用を予測するコンパニオン診断薬等の同時開発及び臨床研究及び治験のデザインの最適化を推進することも必要である。





●ドラッグ・リポジショニングによる希少疾病用医薬品の開発を推進

・既存薬の新たな治療効果のエビデンス構築(ドラッグ・リポジショニング)に係る研究を推進することにより、難病・希少疾病等の克服に資する日本発の医薬品の創出を推進し、2020年までに企業への導出を目指す。



●薬物伝達システム等とナノテクノロジーとの融合

・ナノテクノロジーの活用も視野に入れた、組織特異的な薬物伝達システム等に係る革新的な技術開発を実施する。



●個別化医療等におけるコンパニオン診断薬等の同時開発並びに臨床研究及び治験のデザインの最適化

・医薬品審査と連携したコンパニオン診断薬の評価手法に関する研究を推進する。

特に新薬については、原則として、コンパニオン診断薬との同時審査の体制を整える。

これらの取組にて、2020年までに企業への導出を目指す。



●官民共同による医薬品開発促進プログラムの推進

・日本の医薬品開発のボトルネックを解消するための課題を抽出し、その課題ごとに、アカデミア、製薬企業、ナショナルセンター等の関係者が参画する「技術研究組合」を形成し、集中的に研究を推進する体制構築をし、5年以内に成果を上げることを目指す。

・製薬企業と国立医薬品食品衛生研究所等が共同で革新的な抗体医薬品の開発を加速させるための品質リスク評価・製造品質管理に関する研究や、副作用の早期診断・事前診断に利用可能なバイオマーカー開発に関する研究を推進し、5年以内に成果を上げることを目指す。





(5)世界最先端の医療の実現に向けた取組

再生医療やゲノム医療の実現といった世界最先端の医療の実現に向けた研究開発も、科学技術先進国である我が国が重点的に取り組むべき重要な課題である。

このような最先端医療の開発に当たっても、基礎研究の果たす役割は重要である。

我が国の基礎研究力はいまだ国際的にも競争力を保っているものの、革新的かつ医療ニーズに応える上で優れたシーズを将来にわたって創出し続けるためには、基礎研究への投資を怠ることなく、分野横断的な研究を推進することが必要である。

加えて、基礎から臨床への流れだけではなく、両者間の緊密なフィードバックが不可欠であり、両者に対する同時支援が必要である。

また、アカデミア創薬からの医薬品実用化においては、化合物ライブラリーなどのリソースや技術を有する製薬企業との協働・協力が不可欠であり、産学連携への継続的な支援が必要である。

また、このような取組に当たっては、研究開発の着実な推進に加え、最先端が故に生じる課題やリスクに対し、その解決のための検討や社会の受け入れ態勢をも同時に整備する必要がある。

さらに、基礎研究の成果を出口につなげていく際には、その研究の当初から、患者をはじめとする国民のニーズに基づき出口戦略を明確にした工程表等に基づいた知的財産権を含む計画的、戦略的な取組や、研究の進捗に伴う客観的な評価を行いつつ推進することが求められる。



@ 再生医療の実現

国民への再生医療の迅速かつ安全な提供等を図るため、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(昭和35年法律第145号)において、医薬品、医療機器とは異なる再生医療等製品の特性を踏まえた承認制度が設けられるとともに、医療として提供される再生医療等についても、細胞の採取等の実施の手続き、再生医療等を提供する医療機関の基準、細胞を培養・加工する施設の基準等を規定し、安全性を確保する「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」(平成25年法律第85号)が成立した。

このような中、iPS細胞等を含む幹細胞を用いた再生医療や創薬研究において、我が国の優位性を維持するためには、疾患の病態解明に加え、iPS細胞等の基礎研究から応用研究、臨床研究及び治験、実用化について引き続き重点的に推進するとともに、我が国が得意とする技術を生かし、世界に先駆けて自動大量培養装置や周辺装置等を開発するための産学連携が必要である。


また、基礎研究から次のフェーズへ進めるためにも、再生医療に用いる材料の大量かつ安定的な国内生産及び供給体制が不可欠であり、国際的に整合性がとれた基準での製造・品質管理体制を構築する事業を産学連携の下で推進する必要がある。

また、iPS細胞等のバンク化及び他家細胞移植治療の推進のため、他家細胞移植治療の基礎研究から応用研究、臨床研究及び治験、実用化を加速させる必要がある。


再生医療等製品は、非臨床試験から製造販売承認まで長期間を要することに加えて、製造プロセスも多く、衛生管理も極めて高度であり、かつ試験検査にも多額の費用を要するため、PMDAの薬事戦略相談による助言の積極的活用も含め、切れ目ない長期支援と一貫したサポート体制が必要である。

このため、各省一体となり、基礎研究、応用研究、臨床研究及び治験、実用化へとそれぞれの成果をつなぎながらの一貫性のある支援が必要である。

一方、信頼性や国際競争力を維持するためには、製品の生産及び供給体制に応じた規制も必要であり、高い品質を確保するための試験検査実施体制を構築することが必要である。

また、開発費用・開発に費やした時間が無駄にならないよう、ストック用iPS細胞等の再生医療等製品の原料等の基準、iPS細胞由来分化細胞を用いた医薬品評価法並びに臨床研究及び治験の基準を策定することが必要である。

日本発のiPS細胞・分化細胞を海外にも普及させるため、医薬品評価法の国際標準化につき、国際的な調整・交渉を行うとともに、整合化を図る必要がある。


ヒトiPS細胞の臨床応用には、倫理的、法的及び社会的課題があるため、研究者のみならず、社会全体で議論を行い、丁寧に合意を形成することが必要である。

また、iPS細胞については、再生医療のみならず、それを活用した創薬研究を強化することが重要である。

難病をはじめとした疾患特異的iPS細胞の樹立とストック、解析方法などの技術開発及びそれを用いた疾患研究および創薬研究を、産学官が連携し、基礎研究から応用研究、臨床研究及び治験、実用化へと、一貫性を持って推進することが必要である。




●新たな画期的シーズの育成

・革新的な医薬品、医療機器等及び医療技術を創出することを目的に、客観的根拠に基づき定めた研究開発目標の下、画期的シーズの創出・育成に向けた先端研究開発を推進するとともに、有望な成果について研究を加速・深化する。

・理化学研究所などの研究開発法人においてこれまでの多用な研究で培われたポテンシャルを生かし、革新的シーズの創出等に貢献する基礎・基盤研究を実施する。




●将来の市場規模の拡大が期待されるバイオ医薬品への取組の推進

・我が国のバイオ医薬品の国際競争力強化に向け、我が国の強みであるケミカルバイオロジーや計算化学等を融合し、細胞内標的をターゲットとする技術、核酸医薬の機能向上等の世界初の次世代バイオ医薬品創出基盤技術開発を実施し、5年以内に企業等へ移転することを目指す。

・我が国発の革新的なバイオ医薬品の創出に向けて、人材育成を含めた基盤・環境整備への支援の検討を2015年から行う。

・次世代治療・診断の実現のため、患者に負担をかけずに早期診断を行うための生体指標の探索技術、次世代創薬に必要なIT技術、天然化合物ライブラリの整備技術、高品質なバイオ医薬品製造技術の開発等を実施し、5年以内に実用化を目指す。

posted by ホーライ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本版NIH | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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