平成26年7月8日 事務連絡 厚生労働省医薬食品局審査管理課 について見ていきます。
↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/sogosayo
いつものようにコピペしているだけ(さらに途中、割愛しているところもあります)ですので、自分で全部読む!という方はスキップしてください。
これまた、いつものように、途中でチャチャは入れています。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
3. 組織移行及び体内分布における薬物相互作用
薬物の多くは血漿中で血漿蛋白質と結合して存在し,また,組織内では蛋白質やある種の組織成分と結合している.
血漿と組織の間の薬物の移行は非結合形(型)によることから,蛋白結合の置換による非結合率の変動が薬物相互作用の原因となることがある.
また,薬物によってはその組織分布にトランスポーターが関与する.
3.1 血漿蛋白結合
薬物が血漿中において結合する蛋白質は主にアルブミンであるが,一部の薬物はα1−酸性糖蛋白質,リポ蛋白質,あるいはその他の蛋白質に結合する.
In vitroで血漿蛋白質との結合率が高い被験薬については,結合蛋白質の種類と結合の程度を明らかにしておくことが薬物相互作用の検討に必要である.
薬物相互作用により分布が変化する最も一般的な原因は,血漿蛋白質と結合した薬物の置換によるものである.
血漿蛋白質と強く結合する併用薬により,被験薬が結合蛋白質から遊離し,血漿中非結合形濃度が上昇する.
しかしほとんどの場合,置換は臨床上の重要な変化をもたらさない.
但し,被験薬の血漿蛋白結合率が約90%以上で,治療域が狭く,かつ,以下の条件のいずれかを満たす場合には,血漿蛋白質と強く結合することが知られる薬物との併用により重要な相互作用を受ける可能性があることを考慮する必要がある.
1) 分布容積が小さい薬物.この場合は薬物のクリアランスの大きさ及び被験薬の投与経路の違いは問わない.
2) 主に肝における除去により体内から消失し,しかもその肝クリアランスが大きい被験薬を静脈内に投与する場合.
3) 主に腎からの除去により体内から消失し,しかもその腎クリアランスが大きい被験薬の場合.この場合は投与経路を問わない.
一方で,血漿蛋白結合の置換を介して併用薬の体内動態に影響を及ぼす薬物は,結合対象の蛋白質濃度と少なくとも同程度の血漿中濃度を示す薬物に限られることにも注意が必要である.
なお,臨床上問題となる副作用の発現や薬効の変化は非結合形の濃度に依存するので,血漿蛋白結合率の変動が予想される臨床薬物相互作用試験では,非結合形濃度の測定も考慮すべきである.
実際にヒトでの分布容積が大きく,かつ肝クリアランスが小さい被験薬においては,併用薬による血漿蛋白結合の置換は血漿中の被験薬の総濃度を低下させるが,非結合形濃度にはほとんど影響を与えないので,臨床上の重要な結果をもたらさない.
この事例として,定常状態にあるフェニトインは,バルプロ酸を併用投与したとき血漿中総濃度は低下するが,非結合形濃度には変化が認められないことが報告されている.
3.2 組織移行及び体内分布
組織中の特定の成分との結合の変動による薬物相互作用に加えて,各組織に発現する取り込み・排出トランスポーターの阻害や誘導が生じることにより被験薬の組織分布が変化する可能性にも留意すべきである.
3.2.1 特定の組織成分との結合
薬物によっては,組織の受容体,蛋白質,脂質などと特異的に結合し,結合における競合により組織内の非結合形の薬物濃度が変化し薬物相互作用が生じることがある.
3.2.2 組織への取り込み及び排出におけるトランスポーターの関与
肝臓,腎臓,脳,胎盤や網膜などに存在する血液と組織を隔てる関門組織にはトランスポーターが発現しており,各組織への薬物の分布(取り込み及び排出)に関与する.
トランスポーターを介した能動輸送過程において薬物相互作用が生じる場合には,当該組織中の非結合形薬物濃度に影響を与え(取り込みの阻害により減少,排出の阻害により増加する),その組織での作用や副作用発現に影響を与える可能性がある.
組織分布における薬物相互作用は,必ずしも血漿中の薬物濃度の変化に反映されるとは限らない.
特に,全身の分布容積に比して分布容積が小さい組織のみにおいて能動輸送過程に相互作用が生じる場合は,当該組織中の薬物濃度が変動しても,血漿中の薬物濃度の変動に反映されないため注意が必要である.
一方で,肝臓,腎臓などの主要な分布,排泄臓器において薬物相互作用の生じる場合には,薬物の分布容積,全身クリアランスにも影響し,血漿中の薬物濃度が変動することもある(5.1項, 5.2項参照).
(次週へ続く)