2014年07月02日

ヒト初回投与試験の安全性を確保:用量漸増の計画法

今週は『医薬品開発におけるヒト初回投与試験の安全性を確保するためのガイダンス 』だぞ!


●「医薬品開発におけるヒト初回投与試験の安全性を確保するためのガイダンス 」

薬食審査発0402第1号 平成24年4月2日 厚生労働省医薬食品局審査管理課長
   ↓
http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/guideline/new_drug_non-clinical/T120406I0010.pdf


●「医薬品開発におけるヒト初回投与試験の安全性を確保するためのガイダンスに関する質疑応答集(Q&A)」について

事務連絡 平成24年4月2日 厚生労働省医薬食品局審査管理課
   ↓
http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/guideline/new_drug_non-clinical/T120409I0010.pdf


今週も僕が興味を持ったところだけコピペ(完コピ)しているだけなの、ご興味の無い方は今週はスキップしてくださいね。

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


●3.4.2.f 用量漸増の計画法

用量漸増は,薬物用量−反応曲線,曝露−反応曲線及び用量−毒性曲線等の傾きの度合いなどから非臨床試験により同定されたリスク要因を慎重に考慮し進めるべきである.

用量漸増幅は,非臨床試験で認められた用量−毒性曲線と用量−作用曲線のうち,より傾きが急なものを根拠として採用すべきである.

すなわち,曲線の傾きが急であればあるほど,用量の増加はより低くすべきである.

次の用量レベルを選択するには,主作用発現及び副作用発現を何らかの方法で評価することが求められる.



すでにマイクロドーズ試験等でヒトでの被験薬の濃度,薬理作用及び安全性についての情報がある場合には,それらを参照すべきである.

通常,初回投与量は非常に低用量であるため,何ら薬理反応を示さないことが予想される.

何ら臨床症状・所見が観察されない場合の次の用量に対する事前注意事項は前のステップの場合と同じである.

ヒトにおける情報がない場合での用量漸増幅の設定は不確実性を含んでおり,前のコホートから得られた薬物動態(PK)/薬力学(PD)及び安全性の情報をもとに,投与量,用量漸増手法を見直すこともありうる.

このような場合のために,治験実施計画書に投与量変更の可能性とその手順を記載しておくべきである.





●3.4.2.g 中止する場合の基準ルール及び投与継続に関する決定

治験実施計画書には,各コホートへの移行及び試験の中断・中止についてのルールを定めておくべきである.

また,被験者への投与,用量漸増及びコホートや臨床試験の中断・中止の決定についての手順,体制及び責任の所在について規定すべきである.

多施設共同試験の場合,施設間の緊急連絡の手順体制及び責任の所在を定めることも重要である.




●3.4.2.h 有害事象/副作用の観察とモニタリング

試験デザインは,有害事象/副作用を十分に観察できるものとすべきである.

また,起こりうる副作用を特定するために,被験薬の作用機序,非臨床安全性試験による知見及び予想される反応の全てを利用すべきである.

治験に関わる医療従事者は,これら予想される反応,あるいは当該反応以外の重篤な有害事象/副作用を見出すためのトレーニングを受ける必要がある.

ヒトにおいて予想される有害事象/副作用がある場合には,治験実施計画書にそれらに対する処置を予め記すべきである.

また,それらに対応可能な治療薬,対応可能な医療従事者及び医療機関についても明確にしておく必要がある.

抗悪性腫瘍薬の場合には、利用可能な支持療法、対処療法についても明確にしておく必要がある。



観察期間の長さ及び観察事項については,薬物動態(PK),薬力学(PD)及び安全性試験に基づいてその正当性を示さなければならない.

長期間にわたる生理学的変化や回復性の悪い毒性が見込まれる場合は,特に注意して設定する必要がある.



●3.4.3 臨床試験の実施施設及び人員

ヒト初回投与試験は,適切な医療施設において,必要な教育と訓練を受け,初期段階の臨床試験(つまり第I相,第U相)を実施するために十分な専門知識と経験を持つ治験担当医師と適切なレベルの訓練を受け経験を持つ医療従事者によって実施されるべきである.

これらの医師や医療従事者は,試験デザインや被験薬,その標的,作用機序及び予想される有害作用について理解していなければならず,臨床薬理学に造詣の深い者を含めるべきである.


臨床試験に従事する医療施設は,緊急事態(心肺停止状態, アナフィラキシー, サイトカイン放出症候群, 意識消失,けいれん, ショック等)に対応可能な設備や医師等を備え,また被験者の移動や治療に関する責任と業務遂行についての手順を定めた救命救急施設(外部を含む)を利用できるようにしておくべきである.

ヒト初回投与試験は,一部の抗悪性腫瘍薬等を除き、単一の治験実施計画書として同一施設で実施するのが原則である.

いくつかの施設が関与する場合には,適切な計画により全ての被験者の安全性を確保するための十分な情報伝達システムが必要である.

予期せぬ重大な被験薬の安全性情報は,このシステムにより迅速に参加施設に伝達すべきである.



posted by ホーライ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ヒト初回投与試験の安全性 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック