2014年06月17日

用量―反応関係の検討「並行群間比較する無作為化用量―反応試験」

今週も『新医薬品の承認に必要な用量―反応関係の検討のための指針』だぞ!

今週も引き続き下記の指針を読みます。


「新医薬品の承認に必要な用量―反応関係の検討のための指針」について

薬審第494号 平成6年7月25日 厚生省薬務局審査課長
   ↓
http://www.pmda.go.jp/ich/e/e4_94_7_25.htm


今週も僕が興味を持ったところだけコピペ(完コピ)しているだけなの、ご興味の無い方は今週はスキップしてくださいね。

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4)広く使われ,成功を収め,かつ一般に受け入れられているデザインは,3用量あるいはそれ以上の用量を並行群間比較する無作為化用量―反応試験である。

そのうちの1つは用量ゼロ(プラセボ)である場合もある。しかし,このような試験が母集団の平均的用量―反応データを得るための唯一の試験デザインというわけではない。

もし,用量が適切に選択されていれば,このような試験から医薬品の用量または血中薬物濃度と,臨床的に有益な効果または望ましくない効果との間の関係を明らかにすることができる。
 

用量は数用量必要であり,プラセボに加えて少なくとも2用量は必要である。

しかし,一般に2用量よりも多くの用量を用いた試験が望ましい。

試験薬の単一の用量とプラセボとの比較では,試験薬とプラセボの間に差がないという帰無仮説の検定が可能であるが,用量―反応関係を明らかにすることはできない。

同様に,実薬の2用量(プラセボなし)に対する反応から直線関係を導いたとしても,通常はこのような近似からは十分な情報は得られない。

通常は,試験デザインは用量―反応の関数関係の解明を強調すべきであり,個々の対比較を強調すべきではない。

もしも,ある特定の低い用量が有用かどうかというような曲線上の特定の一点が問題であるならば,それについては別途試験すべきである。
 


5)有益な効果および望ましくない効果の双方に関する用量―反応データに含まれる情報によって,適切なベネフィットとリスクの比を考慮した上での用量範囲の承認が可能になる。

十分な比較対照をおいた用量―反応試験は,有効性の主要な証拠の提示にも役立つことになる。
 


6)各国の規制当局および医薬品の開発に従事する者は,用量―反応データの研究において,既存のあるいは将来のデータベースに対する合理的かつ文書で十分に証明された探索的データ解析のような新しい方法および概念を受け入れるべきである。

各国の当局は,ベイズ法,ポピュレーション法,モデルを用いた方法,および薬物動態―薬力学的方法のような多様な統計学的および計量薬物学的手法の使用を受け入れるべきである。

しかしながら,このような方法があるとしても,前向きの無作為化した複数の用量水準を用いた臨床試験から用量―反応データを得る必要性が無にされるものではない。

他の目的に適合するように作られたデータベースから用量―反応情報を探索して事後的な探索的データ解析を行うと,しばしば新しい仮説が生まれるであろう。

しかし,用量―反応関係について決定的な評価ができることはごくまれである。


 
回顧的なポピュレーション型の分析の利用が増加しているが,それを含む多様なデータ分析手法,および新しいデザイン(例えば逐次デザイン)は,用量―反応関係を明らかにするために役立つと思われる。

例えば用量を体重あたりの用量に計算し直したり,腎機能,除脂肪体重などによって用量を補正したりすると,固定用量デザインを連続した用量水準として再分析することができる。

同様に,用量―反応試験中に血中濃度を測定していれば,血中濃度―反応関係の推定が可能になるであろう。

服薬規定の遵守に関する信頼できる情報に基づいて,医薬品の投与量が補正されることもある。

これらの場合のいずれにおいても,交絡が存在すること,すなわち再計算した用量および反応の双方を変化させる因子,あるいは血中濃度および反応,服薬規定の遵守および反応などの双方を変化させる因子が存在することは常に意識しておくべきである。
 


7)用量―反応データに,年齢,性別,または人種のような人口統計学的な特性に基づいた部分集合による差異があるかどうかを探索すべきである。

そのためには,これらの群の間に薬物動態学的差異,例えば,代謝の違いに起因する差異,体型または体質の差異などが存在するかどうかを知ることが重要である。



8)承認の可否は医薬品についての情報全体の考察に基づいてなされる。

用量―反応情報は利用可能であるべきだが,示された有効性の種類や程度によっては承認後に引き続き試験を実施するとの条件のもとにデータベースの不備が容認されることもある。

例えば特殊な母集団における反応の情報,長期使用における情報,薬剤間あるいは薬物―疾患相互作用の可能性に関する情報のような有益な情報を与える用量―反応データが期待される。

しかし,非常に優れた治療上の有益性がある場合,緊急に必要な場合,あるいは観察された副作用が極めて低レベルである場合には,それらを考慮して用量―反応データの要求は後に満たされればよいこともありうる。


posted by ホーライ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 用量―反応試験ガイドライン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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