2014年05月31日

「治験の総括報告書の構成と内容に関するガイドライン」に関する質疑応答集(Q&A)

今週は下記のQ&Aを読みます。

なお、ガイドラインそのものについては、既にお話済みです。
  ↓
http://horaiseiyaku.seesaa.net/category/12608675-1.html


「治験の総括報告書の構成と内容に関するガイドライン」に関する質疑応答集(Q&A)について

平成24年10月18日 厚生労働省医薬食品局審査管理課 事務連絡
   ↓
http://www.pmda.go.jp/ich/e/E3qanda_12_10_18.pdf


このQ&Aが古いものですし、既に読まれている方も多いと思います。

また、内容はとっても「マニアック」なので、ご興味の無い方は今週はスキップしてくださいね。

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質問1

ICH-E3ガイドライン「治験の総括報告書の構成と内容に関するガイドライン」(平成8年5月1日付薬審第335号)を規制要件,つまり遵守すべきテンプレートと解釈し,懸念を示す製薬企業がある。

Common Technical Document(CTD)に関するM4ガイドラインが,E3ガイドラインで述べられた総括報告書の特定の構成要素(セクション見出しなど)に言及していることが,このように解釈される一因と考えられる。

E3ガイドラインが柔軟性のないテンプレートと解釈されると,総括報告書における情報が重複して提示並びに不十分な提示になる可能性がある。

このようなことは,E3ガイドラインで前提にされていなかった試験(薬物動態試験,医療経済学的指標やQoLアウトカムを含んだ試験など)にE3ガイドラインを適用する際に特に問題となる。

E3ガイドラインは指針であって遵守すべきテンプレートではないと考えることは可能か。

また,当初にE3ガイドラインにおいて前提にしていなかった試験の総括報告書作成についても適用することは可能か。

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回答1

可能である。

E3ガイドラインは指針であって遵守すべき規制要件あるいはテンプレートではなく,当初から適用にあたっての柔軟性を認めている。

E3ガイドラインの序文(1ページ目)にも「本ガイドラインは,内容が完備していて,不明瞭な点がなく,きちんと整理され,かつ審査が容易な報告書の作成のために,治験依頼者を支援することを目的としている。」 と記載されている。

総括報告書作成において,情報を効果的に提示,伝達するために,E3ガイドラインに提示された構成を改変することは可能である。


E3ガイドラインの序文(2ページ目)には,E3ガイドラインは規制要件ではなく指針と解釈すべき旨が以下のように明記されている。

「どの報告書においても,ここに記載されたすべての事項を(明らかに無関係でない限り)考慮すること。ある特定の治験において,別の提示方法がより論理的な場合には,事項の個々の順序や章分けを変えてもよい。」



E3ガイドラインの柔軟な適用例として,人口統計学的特性に関する情報の提示方法について考えてみる。

E3ガイドラインはこの情報を有効性評価のセクションで提示することを勧めているが,様々な提示方法が考えられる。

例えば,有効性と安全性の解析対象集団が大きく異なっている場合は,人口統計学的特性に関する情報を有効性評価,安全性評価の解析対象集団についてそれぞれのセクションに提示する,あるいは有効性評価及び安全性評価のセクションの前に新たなセクションを作成し,そこに提示することが適切と考えられる。




ある特定の情報や論点がE3ガイドラインで取り上げられていない場合や,提示場所が示されていない場合には,もっとも関連するセクションに提示すべきである。

例えば,薬物動態やQoLの結果は,有効性あるいは安全性評価のセクションの中で,適切に定義されたサブセクションに提示することも可能であり,適切に定義された新たな評価のセクションを作成し,そこに提示することも可能である。

もし,E3ガイドラインで述べられている構成要素で,試験に関連するものを総括報告書に含めない場合,例えば,有効性評価が目的の試験で有効性評価を提示しない場合は,提示しない旨を明確に示し,そのように判断した根拠を説明するべきである。

E3ガイドラインに示されているセクションについて順序又は名称を変更する場合,削除する場合(いずれも試験デザインから考えて適切と判断されることが前提となる),あるいは新しいセクションを追加する場合には,根拠の説明は必ずしも必要ではない。



E3ガイドラインは,適切に管理された有効性評価試験の結果を申請時に提出することを目的として作成されたことに留意すべきである。

E3ガイドラインに示された基本原則は,臨床薬物動態試験,非盲検の安全性試験など,有効性の評価以外を目的とする試験にも適用できるが,この場合,必ずしもすべてのセクション又はデータの提示が適切,あるいは必要とは判断されない。

治験依頼者は,必要に応じてE3ガイドラインに示された指針を適応させることが奨励される(例えば,関連のないセクションの削除,E3ガイドラインに示されていないが必要と考えられるセクションを追加など)。


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質問2

E3ガイドラインは,シノプシス(概要)について限られた指針しか示していない。

M4Eガイドラインには,総括報告書のシノプシスについて,独立した文書として扱うことや記載の長さ等の指針が追加されている。

E3ガイドラインでは,シノプシスは通常3ページ以内としているが,M4Eガイドラインでは,複雑かつ重要な試験の場合は,ページの制限を,例示ではあるが10ページまで拡大している。

これらのガイドラインをどのように解釈すべきか。

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回答2

E3ガイドラインに示された指針は,M4Eガイドラインより前に作成されたものであるため,M4Eガイドラインで示された指針と合わせて考えるべきである。

シノプシスはCTDにおいて独立した文書として利用されるため,総括報告書の他のセクションがなくても,それだけで理解でき,解釈できるように記述されるべきである。

シノプシスでは,試験デザインや重要な方法論に関する情報について簡潔に説明することに加えて,有効性,安全性の結果,並びに対象母集団,被験者の内訳,重要な治験実施計画書からの逸脱及び治療方法の遵守を含むその他重要な情報についても説明すべきである。

総括報告書の他のセクションへの相互参照は避けるべきである。

M4Eガイドラインで説明されているように,複雑な試験や,大規模で重要な試験では3ページ以上のシノプシスが必要となる場合がある。

M4Eガイドラインで示された10ページは絶対的な要件又は制限ではないが,大幅に超過する必要はないはずである。

表形式の使用も必須ではない。

posted by ホーライ at 09:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の総括報告書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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