2014年05月27日

血糖降下薬の臨床評価方法(第III相試験)

今週は血糖降下薬の臨床評価方法に関するガイドライン(改訂案)を見ます。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495140050&Mode=0


まだ、正式版ではありませんが、速報、といことで。

今週もガイドラインの中で、私が気になる部分だけコピペしているだけですので、ご自分で読む!という方はスキップしてください。

*なお、「モニターへの道」をちょびっと更新しました。
      ↓
http://monitorhenomichi.web.fc2.com/index.html

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(20頁目)

3-3 第III相試験

第III相試験においては通常、薬物動態学的に類似していると思われる既承認製剤を対照薬とした比較試験により被験薬の有効性及び安全性を検討する。

インスリン製剤は一般に長期間投与されるため、新有効成分含有医薬品の場合は、ICH E1ガイドラインを参考に、少なくとも6ヶ月以上投与された症例が300例以上、1年以上投与された症例が100例以上の長期投与が求められる。

インスリン製剤を使用中の患者を対象とした試験においては、既存製剤からの切り替え初期における用量、有効性・安全性についても確認が必要である。



いずれのインスリン製剤においても、開発する薬剤の主な対象集団と想定される患者層に対して、推奨する用法での検討を行う。

その際は、開発する薬剤の特性に応じた投与間隔(Basalインスリン等)や食事とのタイミング(Bolusインスリン等)を考慮することが必要である。

なお、インスリンアナログの場合は抗体の測定法を開発し、抗体産生と有効性及び安全性の検討を行う。必要に応じ第III相試験以外においても検討する。



3-3-1 1型糖尿病患者対象比較試験

(1)目的

1型糖尿病患者を対象に治験薬の有用性をより客観的に検証することを目的とする。

このため、適切な対照薬を選び並行群間比較試験を行う。



(2)試験担当者

インスリン製剤の臨床薬理に精通し、かつ臨床応用と評価に十分な知識と経験を有する医師が適当である。



(3)対象

1型糖尿病患者

(4)評価項目

1) 有効性:主要評価項目(24週後のHbA1cを基本とするが、薬剤の特徴に応じた評価項目設定が追加で必要な場合もある)、副次評価項目(24週後の空腹時血糖値、食後血糖値、SMBGによる1日血糖プロファイル(少なくとも毎食前後と就寝前を含む7時点)、インスリン投与量等)

2) 安全性:低血糖及び重症低血糖(糖質やグルカゴン等の投与等の他者の介助が必要な低血糖)、その他の有害事象(注射部位反応、アレルギー反応、悪性腫瘍、心血管リスク等)、身体所見、バイタルサイン、眼底検査、心電図、安全性に関する臨床検査項目、体重、抗体価(交叉抗体を含む)

(5)試験期間

投与期間は治験薬の有効性、安全性を評価するに足る十分な期間が必要であり、原則として24週以上とする。また、適切な観察期間も設定する。

(6)試験方法

1) 用法・用量

推奨される用法で、開始用量は第III相試験以前に検討された切替え時の投与量設定等に基づき、その後のインスリン投与量については、目標とされた血糖値に達成するように予めインスリン投与量の調整基準を設定し、その基準に基づき用量調節する(Treat-to-target試験)。

2) 対照薬

試験計画(実施)時点において、本邦で臨床的評価が確立していると考えられ、かつ、薬物動態が類似していると考えられる既承認製剤の中から適切な薬剤を選択する。

3) 試験症例数

既存の治療薬に対する非劣性又は優越性試験のいずれの場合であっても、統計学的な観点から、仮説を検証するために適切と考えられる症例数を設定することが必要である。

また、治験薬の安全性についても評価しうる症例数が必要である。

4) 観察項目

主なものは第I相試験に準じる。

5) 観察間隔

原則2週間間隔で被験者の状態を把握することが望ましい。

なお、インスリン投与量が安定した場合は適宜調整してもよい。

6) 評価法

HbA1cのベースラインからの変化量、低血糖及び重症低血糖の発現率、夜間に発現した低血糖及び重症低血糖の発現率。

なお、開発薬剤の種類や特性に応じて、空腹時血糖値や食後血糖2時間値等も設定される。
ラベル:血糖降下薬
posted by ホーライ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 臨床評価ガイドライン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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