2014年04月24日

ヘルシンキ宣言を読む。「研究結果の倫理的責務にスポンサーも追加」

今週は「ヘルシンキ宣言」(2013年版:フォルタレザ総会(ブラジル)で修正)を見ていきます。
   ↓
http://dl.med.or.jp/dl-med/wma/helsinki2013j.pdf


2013年改訂版の焦点は、以下とおり。
   ↓
http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20131030_21.pdf

なお、「フォルタレザ総会でのヘルシンキ宣言の見直しについて(パブリックコメントのための改訂草案)」は以下のところにあります。
   ↓
http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=145967&name=2r98520000032v61_1.pdf


ちなみに1つ前の「ソウル版」は下記のページの下のほうに保存してあります。
   ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/herushinki


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


今日は「プラセボの使用」、「研究終了後条項」、「研究登録と結果の刊行および普及」、「臨床診療における未実証の治療」を見ます。

なお、条文の数字のあとに「旧1項」等とあるのはソウル版の時のヘルシンキ宣言の項目番号を示しています。

ヘルシンキ宣言のソウル版とどこが違うのかが分かると思います。

ヘルシンキ宣言(ソウル版)と比較ができます。

旧項目番号の次にヘルシンキ宣言の改訂箇所も簡単に記載しています。



■■■ プラセボの使用 ■■■

33. (旧32項。下記の文章中の「」で括ったところが改訂箇所)

新しい治療の利益、リスク、負担および有効性は、以下の場合を除き、最善と証明されている治療と比較考量されなければならない:

証明された治療が存在しない場合、プラセボの使用または無治療が認められる;

あるいは、説得力があり科学的に健全な方法論的理由に基づき、「最善と証明されたものより効果が劣る治療」、プラセボの使用または「無治療」が、その治療の有効性あるいは安全性を決定するために必要な場合、そして、「最善と証明されたものより効果が劣る治療」、プラセボの使用または無治療の患者が、「最善と証明された治療を受けなかった結果として」重篤または回復不能な損害の「付加的リスク」を被ることがないと予想される場合。

この選択肢の乱用を避けるため徹底した配慮がなされなければならない。




■■■ 研究終了後条項 ■■■

34. (旧33項。試験後のアクセス問題の明記と補強。)

臨床試験の前に、スポンサー、研究者および主催国政府は、試験の中で有益であると証明された治療を未だ必要とするあらゆる研究参加者のために試験終了後のアクセスに関する条項を策定すべきである。

また、この情報はインフォームド・コンセントの手続きの間に研究参加者に開示されなければならない。




■■■ 研究登録と結果の刊行および普及 ■■■

35. (旧19項。修正なし。)

人間を対象とするすべての研究は、最初の被験者を募集する前に一般的にアクセス可能なデータベースに登録されなければならない。


36. (旧30項。倫理的責務を負う人に「研究者」と「スポンサー」を追加。)

すべての研究者、著者、スポンサー、編集者および発行者は、研究結果の刊行と普及に倫理的責務を負っている。

研究者は、人間を対象とする研究の結果を一般的に公表する義務を有し報告書の完全性と正確性に説明責任を負う。

すべての当事者は、倫理的報告に関する容認されたガイドラインを遵守すべきである。

否定的結果および結論に達しない結果も肯定的結果と同様に、刊行または他の方法で公表されなければならない。

資金源、組織との関わりおよび利益相反が、刊行物の中には明示されなければならない。

この宣言の原則に反する研究報告は、刊行のために受理されるべきではない。





■■■ 臨床診療における未実証の治療 ■■■


37. (旧35項。医学的措置を今後の研究対象とするための条件を強化。)

個々の患者の処置において証明された治療が存在しないかまたはその他の既知の治療が有効でなかった場合、患者または法的代理人からのインフォームド・コンセントがあり、専門家の助言を求めたうえ、医師の判断において、その治療で生命を救う、健康を回復するまたは苦痛を緩和する望みがあるのであれば、証明されていない治療を実施することができる。

この治療は、引き続き安全性と有効性を評価するために計画された研究の対象とされるべきである。

すべての事例において新しい情報は記録され、適切な場合には公表されなければならない。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


上記の中で大事なことは以下のとおりです。

二重かっこ(『』)で囲ったところが、特に重要です。


●33. プラセボの使用または無治療が、その治療の有効性あるいは安全性を決定するために必要な場合にはプラセボの使用が認められる

●34. 『試験終了後』のアクセスに関する条項を策定すべきである。

●36. すべての『研究者』、著者、『スポンサー』、編集者および発行者は、研究結果の刊行と普及に倫理的責務を負っている。←最近のデータ偽装疑惑を考えさせられますね。

●37. この治療は、『引き続き』安全性と有効性を評価するために計画された研究の対象とされるべきである。


posted by ホーライ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ヘルシンキ宣言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。