2014年04月22日

ヘルシンキ宣言を読む。「社会的弱者グループおよび個人」に対する補強。

今週は「ヘルシンキ宣言」(2013年版:フォルタレザ総会(ブラジル)で修正)を見ていきます。
   ↓
http://dl.med.or.jp/dl-med/wma/helsinki2013j.pdf


2013年改訂版の焦点は、以下とおり。
   ↓
http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20131030_21.pdf

なお、「フォルタレザ総会でのヘルシンキ宣言の見直しについて(パブリックコメントのための改訂草案)」は以下のところにあります。
   ↓
http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=145967&name=2r98520000032v61_1.pdf


ちなみに1つ前の「ソウル版」は下記のページの下のほうに保存してあります。
   ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/herushinki


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今日は「リスク、負担、利益」、「社会的弱者グループおよび個人」、「科学的要件と研究計画書」を見ます。

なお、条文の数字のあとに「旧1項」等とあるのはソウル版の時のヘルシンキ宣言の項目番号を示しています。

ヘルシンキ宣言のソウル版とどこが違うのかが分かると思います。

ヘルシンキ宣言(ソウル版)と比較ができます。

旧項目番号の次にヘルシンキ宣言の改訂箇所も簡単に記載しています。



■■■ リスク、負担、利益 ■■■

16. (旧8項と21項を組み合わせている。修正なし。)

医療および医学研究においてはほとんどの治療にリスクと負担が伴う。

人間を対象とする医学研究は、その目的の重要性が被験者のリスクおよび負担を上まわる場合に限り行うことができる。


17. (旧18項:修正なし。)

人間を対象とするすべての医学研究は、研究の対象となる個人とグループに対する予想し得るリスクおよび負担と被験者およびその研究によって影響を受けるその他の個人またはグループに対する予見可能な利益とを比較して、慎重な評価を先行させなければならない。

リスクを最小化させるための措置が講じられなければならない。

リスクは研究者によって継続的に監視、評価、文書化されるべきである。



18. (旧20項:修正なし。)

リスクが適切に評価されかつそのリスクを十分に管理できるとの確信を持てない限り、医師は人間を対象とする研究に関与してはならない。

潜在的な利益よりもリスクが高いと判断される場合または明確な成果の確証が得られた場合、医師は研究を継続、変更あるいは直ちに中止すべきかを判断しなければならない。





■■■ 社会的弱者グループおよび個人 ■■■

19. (旧9項の第2文。旧9項の第1文は新7項となる。)

あるグループおよび個人は特に社会的な弱者であり不適切な扱いを受けたり副次的な被害を受けやすい。

すべての社会的弱者グループおよび個人は個別の状況を考慮したうえで保護を受けるべきである。


20. (旧17項。わずかな利益と合理的な利益に対する取り組みが組み合わせられている。社会的弱者については様々な重要原則を取り込んでいる。)

研究がそのグループの健康上の必要性または優先事項に応えるものであり、かつその研究が社会的弱者でないグループを対象として実施できない場合に限り、社会的弱者グループを対象とする医学研究は正当化される。

さらに、そのグループは研究から得られた知識、実践または治療からの恩恵を受けるべきである。





■■■ 科学的要件と研究計画書 ■■■

21. (旧12項。修正なし。)

人間を対象とする医学研究は、科学的文献の十分な知識、その他関連する情報源および適切な研究室での実験ならびに必要に応じた動物実験に基づき、一般に認知された科学的諸原則に従わなければならない。

研究に使用される動物の福祉は尊重されなければならない。



22. (旧14項。研究計画書の中に、この情報を含むよう義務付けることを明確化。)

人間を対象とする各研究の計画と実施内容は、研究計画書に明示され正当化されていなければならない。

研究計画書には関連する倫理的配慮について明記され、また本宣言の原則がどのように取り入れられてきたかを示すべきである。

計画書は、資金提供、スポンサー、研究組織との関わり、起こり得る利益相反、被験者に対する報奨ならびに研究参加の結果として損害を受けた被験者の治療および/または補償の条項に関する情報を含むべきである。

臨床試験の場合、この計画書には研究終了後条項についての必要な取り決めも記載されなければならない。

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上記の中で大事なことは以下のとおりです。

二重かっこ(『』)で囲ったところが、特に重要です。


●17. リスクは研究者によって『継続的に』監視、評価、文書化されるべきである。

●20. 研究がそのグループの健康上の必要性または優先事項に応えるものであり、かつその研究が『社会的弱者でないグループを対象として実施できない場合に限り』、社会的弱者グループを対象とする医学研究は正当化される。

●22. 研究計画書には関連する『倫理的配慮』について明記され、また本宣言の原則がどのように取り入れられてきたかを示すべきである。



posted by ホーライ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ヘルシンキ宣言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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