今週は「ヘルシンキ宣言」(2013年版:フォルタレザ総会(ブラジル)で修正)を見ていきます。
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http://dl.med.or.jp/dl-med/wma/helsinki2013j.pdf
2013年改訂版の焦点は、以下のとおり。
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http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20131030_21.pdf
●研究に関与した弱者集団の保護を一層高めること
●研究に参加した結果とて、損害を受けた被験者が適切な補償と治療を受けられるようにすること
●バイオバンクなどにおける研究試料の再利用に関するインフォームド・コンセントについての言及
●被験者に対する研究結果の通知、試験中に有益であると証明された医学的措置へのアクセスを保証する条項を事前に策定するよう、研究後の取り決めの拡大
●研究倫理委員会の権限強化(監視情報、有害事象報告、研究資金・研究結果の概要のレポート提出等)
なお、「フォルタレザ総会でのヘルシンキ宣言の見直しについて(パブリックコメントのための改訂草案)」は以下のところにあります。
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http://www.mhlw.go.jp/file.jsp?id=145967&name=2r98520000032v61_1.pdf
ちなみに1つ前の「ソウル版」は下記のページの下のほうに保存してあります。
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https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/herushinki
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今週はほとんど、ヘルシンキ宣言のコピペだけですので、自分で読む!という方は今週はスキップしてくださいね。
今日は「序文」と「一般原則」を見ます。
なお、条文の数字のあとに「旧1項」とあるのはソウル版の時のヘルシンキ宣言の項目番号を示しています。
ヘルシンキ宣言のソウル版とどこが違うのかが分かると思います。
ヘルシンキ宣言(ソウル版)と比較ができます。
旧項目番号の次にヘルシンキ宣言の改訂箇所も簡単に記載しています。
■■■ 序文 ■■■
1. (旧1項:修正なし)
世界医師会(WMA)は、特定できる人間由来の試料およびデータの研究を含む、人間を対象とする医学研究の倫理的原則の文書としてヘルシンキ宣言を改訂してきた。
本宣言は全体として解釈されることを意図したものであり、各項目は他のすべての関連項目を考慮に入れて適用されるべきである。
2. (旧2項:本宣言が主として医師に対して表明されたものである理由を明確に説明)
WMA の使命の一環として、本宣言は主に医師に対して表明されたものである。
WMA は人間を対象とする医学研究に関与する医師以外の人々に対してもこれらの諸原則の採用を推奨する。
■■■ 一般原則 ■■■
3. (旧4項:修正なし)
WMA ジュネーブ宣言は、「私の患者の健康を私の第一の関心事とする」ことを医師に義務づけ、また医の国際倫理綱領は、「医師は、医療の提供に際して、患者の最善の利益のために行動すべきである」と宣言している。
4. (旧3項:医師の責務を拡大)
医学研究の対象とされる人々を含め、患者の健康、福利、権利を向上させ守ることは医師の責務である。
医師の知識と良心はこの責務達成のために捧げられる。
5. (旧5項は2つに分割。新5項は旧5項の最初の文であり、第2文は新13項となる。)
医学の進歩は人間を対象とする諸試験を要する研究に根本的に基づくものである。
6. (旧7項)
人間を対象とする医学研究の第一の目的は、疾病の原因、発症および影響を理解し、予防、診断ならびに治療(手法、手順、処置)を改善することである。
最善と証明された治療であっても、安全性、有効性、効率性、利用可能性および質に関する研究を通じて継続的に評価されなければならない。
7. (旧9項は2つに分割され、新7項は旧9項の最初の1文であり、第2文は新19項となる。)
医学研究はすべての被験者に対する配慮を推進かつ保証し、その健康と権利を擁護するための倫理基準に従わなければならない。
8. (旧6項)
医学研究の主な目的は新しい知識を得ることであるが、この目標は個々の被験者の権利および利益に優先することがあってはならない。
9. (旧11項の最初の1文。新9項の最後の1文は、旧16項の最後の1文から移動。旧16項の最初の1文は新12項となる。)
被験者の生命、健康、尊厳、全体性、自己決定権、プライバシーおよび個人情報の秘密を守ることは医学研究に関与する医師の責務である。被験者の保護責任は常に医師またはその他の医療専門職にあり、被験者が同意を与えた場合でも、決してその被験者に移ることはない。
10. (旧10項:文言を強化)
医師は、適用される国際的規範および基準はもとより人間を対象とする研究に関する自国の倫理、法律、規制上の規範ならびに基準を考慮しなければならない。国内的または国際的倫理、法律、規制上の要請がこの宣言に示されている被験者の保護を減じあるいは排除してはならない。
11. (旧13項:修正なし)
医学研究は、環境に害を及ぼす可能性を最小限にするよう実施されなければならない。
12. (旧第16項の第1文に「教育」を追加。旧16項の第2文は新9項へ移動。)
人間を対象とする医学研究は、適切な倫理的および科学的な教育と訓練を受けた有資格者によってのみ行われなければならない。
患者あるいは健康なボランティアを対象とする研究は、能力と十分な資格を有する医師またはその他の医療専門職の監督を必要とする。
13. (旧5項の第2文から移動。修正なし。旧5項の第1文は、新5項となる。)
医学研究から除外されたグループには研究参加への機会が適切に提供されるべきである。
14. (旧31項:修正なし。)
臨床研究を行う医師は、研究が予防、診断または治療する価値があるとして正当化できる範囲内にあり、かつその研究への参加が被験者としての患者の健康に悪影響を及ぼさないことを確信する十分な理由がある場合に限り、その患者を研究に参加させるべきである。
15. (新規項目。被害を受けた被験者が、補償と治療を確実に受けとれるようにする取り決めを反映している。)
研究参加の結果として損害を受けた被験者に対する適切な補償と治療が保証されなければならない。
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今回のヘルシンキ宣言では、小見出しを多くつけてくれたので、見やすくなりましたね。
で、上記の中で大事なことは以下のとおりです。
二重かっこ(『』)で囲ったところが、特に重要です。
●4. 医学研究の対象とされる人々を含め、患者の『健康、福利、権利』を向上させ守ることは医師の責務である。
●5. 医学の進歩は『人間を対象とする諸試験』を要する研究に根本的に基づくものである。
●6. 最善と証明された治療であっても、安全性、有効性、効率性、利用可能性および質に関する研究を通じて『継続的に』評価されなければならない。
●8. 医学研究の主な目的は新しい知識を得ることであるが、この目標は『個々の被験者の権利および利益に優先することがあってはならない』。
●12. 人間を対象とする医学研究は、適切な倫理的および科学的な『教育と訓練』を受けた有資格者によってのみ行われなければならない。
●15. 研究参加の結果として損害を受けた被験者に対する適切な『補償と治療』が保証されなければならない。
2014年04月19日
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