2014年03月19日

治験薬の不純物等の管理

今週は「ヒト初回投与試験の安全性を確保する方法」を見ます。
 
「医薬品開発におけるヒト初回投与試験の安全性を確保するためのガイダンス」について
   ↓
http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/guideline/new_drug_non-clinical/T120406I0010.pdf

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■




世界で初めてヒトに治験薬を投与する場合、その治験薬の化学的な純度が大事です。

最初の頃はまだ化合物の精製方法が確立されていませんからね。

しつこいぐらい、治験薬に含まれる「不純物」についてガイダンスは言及しています。
   ↓
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

3.2.2 不純物等の管理

被験薬の製造工程,保存中の安定性を勘案し,安全性への影響が懸念される不純物の混入が否定できない場合には,健康被害を生じないと考えられる基準を明確にしておく.

低分子化合物のように化学合成により製造される被験薬に一定レベル以上含有される不純物に関しては,ICH Q3A,Q3B及びQ6Aガイドライン等を参考に,必要に応じて文献情報や非臨床試験結果に基づき,安全性に問題がないことを示すべきである.


生物薬品を有効成分とする被験薬には,目的物質由来不純物として凝集体や分解物,製造工程由来不純物として宿主由来タンパク質,感染性物質としてウイルスやマイコプラズマ等が混入する可能性がある.

意図しない凝集体や宿主細胞由来タンパク質は,直接・間接的に免疫原性を高めることにより有害作用を引き起こす可能性があるので可能な限り除去する.


ヒトや動物由来の細胞株を生産基材とする場合は,細胞株適格試験,及び製造工程の適切な段階で感染性ウイルス否定試験を実施することにより,ウイルス汚染等に関する被験薬の安全性を確保する必要がある(ICH Q5A及びQ5D参照).


製造工程においてヒトその他の生物(植物を除く)に由来する原料又は材料を使用している場合は,「生物由来原料基準」(平成15年5月20日厚生労働省告示第210号)を遵守する.

ウシ血清等で生物由来原料基準に適合しない原材料をやむを得ず使用している場合は,その旨を被験者に情報提供する.

剤形に応じて,無菌試験,不溶性異物検査,不溶性微粒子試験,エンドトキシン試験等を実施し,ヒトに投与する薬物として適切な品質を確保することが必要である.

試験方法として日本薬局方一般試験法が参考となる.

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


「ウシ血清」を使う場合は、「BSE(Bovine Spongiform Encephalopathy)」(牛海綿状脳症)があるので、特に注意が必要です。

また、HIVやC型肝炎の例もあるとおり、「感染性ウイルス否定試験を実施する」必要があります。


posted by ホーライ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ヒトに初めて投与する治験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック