2014年03月18日

リスク要因を考慮しリスク低減策を検討

今週は「ヒト初回投与試験の安全性を確保する方法」を見ます。
 
「医薬品開発におけるヒト初回投与試験の安全性を確保するためのガイダンス」について
   ↓
http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/guideline/new_drug_non-clinical/T120406I0010.pdf

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このガイダンスが対象としている治験薬はどんなものでしょう?


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2. 対象とする範囲

本ガイダンスは,新規の化学薬品及び生物薬品(バイオテクノロジー応用医薬品/生物起源由来医薬品)に適用する.

ただし,遺伝子治療用医薬品及び細胞・組織利用医薬品は除く.

主として,ヒト初回投与試験前に実施される被験薬の品質確保,非臨床試験やそれに引き続くヒト初回投与試験を対象とするものである.

なお,我が国の指針及びICH M3(R2)等に記載されているマイクロドーズ臨床試験を含む早期探索的臨床試験については,該当するガイドラインを参照されたい.

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「遺伝子治療用医薬品及び細胞・組織利用医薬品は除く」なんですね。

そりゃそうだ。これらは特殊ですからね。

マイクロドーズ試験は別のガイドラインがあるので、そちらを参照してください。

ちなみに、マイクロドーズ臨床試験とは、ヒトにおいて薬理作用を発現すると推定される投与量(以下「薬効発現量」という。)の1/100 を超えない用量又は100μg のいずれか少ない用量の被験物質を、健康な被験者に単回投与することにより行われる臨床試験をいう

「マイクロドーズ臨床試験の実施に関するガイダンス」
   ↓
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/dl/080705.pdf



さて、初回投与です。

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3. ガイダンス主文

新規被験薬は非臨床試験によりヒト初回投与前にリスクを予測するための安全性データが収集されるが,非臨床試験ではヒトにおける重篤な有害作用を十分に予測できないことがある.

従って, 非臨床試験を吟味しヒト初回投与試験のデザインを慎重に検討することが必要とされる.

ヒト初回投与試験を計画する際,治験依頼者及び実施者は,リスク要因を考慮しリスク低減策を検討しなければならない.

3.1 リスク要因

被験薬の重篤な有害作用発現の可能性を予測するには,リスク要因を特定する必要がある.

1)作用機序,2)標的分子(作用部位)の特性,3)モデル動物の妥当性について十分な情報が欠如している場合, あるいはヒトへの安全性予測が困難な場合には, ヒト初回投与時におけるリスクが増大する.

従って, 治験依頼者はヒト初回投与試験に関する以下の各項目について,被験薬ごとに検討しなければならない.

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大事なことはリスク要因を検討し、リスクを低減する方法を考えることですね。

その際に次のことが重要です。
   ↓
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3.1.1 被験薬の作用機序

被験薬の主薬理作用及び副次的薬理作用を理解するためには,想定される作用機序に関する知見を検討することが重要である.

in vitro及びin vivo試験系で観察された薬理作用(持続時間及び用量−反応関係)と想定される作用機序の関係を,可能な範囲で,被験薬への特異的な標的分子の特性,被験薬の受容体/標的への結合親和性と占有率から理解することが必要である.

また,これらは薬理作用の種差,遺伝的(遺伝子)多型の影響,及び薬物相互作用等の予測にも役立つ.

加えて,被験薬が複数の活性部位と結合する場合は,それぞれ単独の活性部位では認められない作用が発現する可能性も考慮すべきである.

作用機序に関連するリスク要因を検討する際には,以下について配慮することが必要である.

@ 関連する作用機序を持つ化合物を過去にヒトへ曝露した際の安全性

A 動物モデル(トランスジェニック又はノックアウト動物を含む)における,主あるいは副次的薬理作用による重篤な毒性リスクの有無

B 有効成分の分子構造に関する新規性

非臨床試験結果から予期できない有害作用が発現し得るリスクを考慮して,初回投与量の設定において推定最小薬理作用量(MABEL: Minimal Anticipated Biological Effect Level)を用いることがある.

有害反応が予期できない場合とは,同定された標的分子に作用する既存薬の情報がない場合や,標的分子が複数のシグナル伝達経路を活性化/遮断する場合(例えば,標的分子が多様な生物学的活性を惹起する場合),もしくは免疫系のように生体内で広範に発現している場合,又は生体の対応能を超えた薬理作用が発現する可能性がある場合(例えば,CD3又はCD28に対するスーパーアゴニストによるサイトカイン放出)等を指す.

なおMABELの設定の根拠とされる薬力学(PD)試験は,必ずしもGLPに準じて行わなくても良いが,信頼性の高いものであるべきである.

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治験薬の「作用機序」をしっかりと把握することが求められています。

そこから予想されるリスクを特定しておきます。



さらに、治験薬の標的分子の検討と動物実験におけるモデルの妥当性を検討します。

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3.1.2 標的分子の特性

治験依頼者は,以下の標的分子の特性を踏まえ,利用可能な知見に基づき,ヒト初回投与のリスクを検討すべきである.

@ 標的分子の構造,組織分布(ヒトの免疫系細胞における発現を含む),細胞特異性,疾患特異性,生体内での制御機構,発現量,反応カスケードの下流への影響等,これらの要因の健康人と患者間の差異

A 標的分子の遺伝的(遺伝子)多型の有無


3.1.3 非臨床試験における動物モデルの妥当性

治験依頼者は必要に応じて,標的分子の相同性,組織分布,シグナル伝達経路及び生物学的活性について非臨床試験に用いる動物モデルとヒトとの間で比較し予想すべきである


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posted by ホーライ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ヒトに初めて投与する治験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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