●「抗心不全薬の臨床評価方法に関するガイドライン」
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http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/guideline/new_drug/kou-shinfuzenyaku-rinjyu-hyouka-guideline.pdf
●「抗心不全薬の臨床評価方法に関するガイドライン」に関する質疑応答集(Q&A)
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http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/guideline/new_drug/kou-shinfuzenyaku-qa.pdf
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プライベートな話ですが、私の母が「慢性心不全」を患っているので、興味深いです。
さて、そもそも「心不全」とはどんな病気でしょうか?
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●心不全とは?
心不全(しんふぜん、heart failure)は、心臓の血液拍出が不十分であり、全身が必要とするだけの循環量を保てない病態を指す。
そのような病態となるに至った原因は問わず、端的に述べると「心臓の収縮力が低下」した状態である。
心不全の症状は、主に鬱血によるものである(鬱血性心不全)。
左心と右心のどちらに異常があるかによって、体循環系と肺循環系のどちらにうっ血が出現するかが変わり、これによって症状も変化する。
このことから、右心不全と左心不全の区別は重要であるが、進行すると両心不全となることも多い。
また、治療内容の決定に当たっては、急性と慢性の区別も重要である。
急性心不全に当てはまるのは例えば心筋梗塞に伴う心不全であり、慢性心不全に当てはまるのは例えば心筋症や弁膜症に伴う心不全である。
念のため付け加えると、急性心不全が終末期状態としての心不全を指しているわけではない(急性心不全は治療により完全に回復する可能性がある)。
最近では、心臓の収縮機能は正常であるが拡張期機能が低下した心不全(HF−PEF:ヘフペフ)が、高齢女性に多いことがわかって来ており病態や治療方法の確立が急がれている。
●現代医学による治療
原則として、静脈うっ滞を改善するには利尿薬が、心臓の拍出量改善のためには強心薬が使われる。
その他血管拡張薬を併用することもある。
遺伝子組み換えヒト心房性ナトリウム利尿ペプチド(hANP)も用いられる。
ただし、心不全は様々な原因によって起こるので、原疾患によって治療法も大きく異なる。
心不全の予後を改善する目的として、交感神経β受容体遮断薬やアンジオテンシン変換酵素、また利尿薬の一つであるスピロノラクトンなどの抗アルドステロン薬の併用による治療が推奨されている。
死因としては「心不全=心臓が止まった」としての意味でしかないため、死亡診断書の死因としては認められない。(病理学上の正式な死因が記載される)。
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なるほど、「心不全」は死亡診断書の死因としては認められないんですね。
意外ですね〜。(そうでもないか。当たり前と言えば当たり前か。)
1. 本ガイドライン改定の主旨について
「治療の目的も、昭和63 年当時の「心機能の改善」から、現在の「患者の生活の質と生存率の向上」に変移しているという点が興味深いですね。
最近では抗心不全薬の臨床試験に関していくつか議論になっている項目がある。
例えば評価項目に関して、欧米では、生存率の向上以外に有意な効果を期待していないという現状がある。
我が国では、心不全による死亡は欧米に比べて少なく、我が国で実施する臨床試験について、生存率を評価項目に設定するか、また、QOL(Quality of life 生活の質)の向上をどう位置づけるか等の検討の必要性が生じている。
これらについて生物統計学的見地も踏まえ検討を行い、本ガイドラインの内容に盛り込む。
ふ〜〜む。
心不全に対して欧米では「生存率の向上」を目指していますが、以前の日本では違うんですね。
へ〜〜!です。
U 非臨床試験
非臨床試験として、「想定される当該薬物の臨床的位置付けを踏まえた有効性プロファイルを適切に評価できる薬効薬理試験(適切な心不全モデル動物における循環動態の検討等を含む)を実施する必要」があるということで、これはまぁ、当たり前ですが。
さて、「急性心不全」の治験です。
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3)急性心不全の治療目標と臨床試験のあり方
急性心不全における治療目標は、自覚症状・他覚所見の改善、血行動態の改善、短期的生命予後の改善、QOLの改善にある。
急性心不全を対象とした臨床試験では、上記の治療目標の達成度を評価する必要があり、第V相試験の主要評価項目としては、救命の可否、総死亡率、心血管系罹患率、自覚症状が適切と考えられ、血行動態の改善、QOLの良否等は有効性の評価に際して補助的な役割を果たすと考えられる。
被験薬の急性効果判定に用いる指標としては、種々の自覚症状や他覚所見、血行動態指標、短期的生命予後が有用である。
また、観察時期は、入院時、ICU退室時、退院時、退院後などそれぞれの被験薬の特性に合わせて設定し、投与前(例:2時間〜直前)、投与後急性期(例:0〜48時間〜2週間)、投与後長期(例:2〜4週間後相当)に分けて適切な観察項目を設定すべきである。
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第V相試験の主要評価項目としては「総死亡率」等であり、「QOLの良否」等は「補助的な役割」ですね。
急性心不全のように致死率の高い治験の場合、プラセボはありでしょうか?
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有効性を検討する臨床試験においてはプラセボを対照薬とすることが原則である。
しかし、試験の安全性や倫理的観点から止むを得ない場合には、既存の標準的急性心不全の基礎治療を維持しながら行う、プラセボを対照薬とする比較試験、あるいは既存の抗心不全薬を対照とした比較試験等が考えられる。
但し、第V相試験でプラセボを対照薬として採用しない場合、第V相試験を実施する以前のいずれかの段階で、当該被験薬がプラセボよりも有用であることを示さなければならない。
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心不全の治験でも、やはり、治験のどこかのフェーズでプラセボよりも有用であることを示さなければならない、です。
「急性心不全」が発生した時の患者の様子を想像すると、「危篤」に近いでしょうね。
そのため、ゆっくり、本人からインフォームド・コンセントを得るのが難しそうです。
そのためのことがガイドラインに記載されています。
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臨床試験の実施に際しては、被験者(必要な場合は代諾者)に臨床試験の意義、当該試験の安全性と有効性、試験に参加しなくともいかなる不利益も当該患者に発生しないことなどについて十分な説明を行い、理解と文書による同意を得た後に実施しなければならない。
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「代諾者」も当然、あり、ですよね。