2014年02月13日

睡眠薬の治験の「探索試験」と「検証的試験」について

今週はを下記の2つのガイドラインを見ています。

●「睡眠薬の臨床評価方法に関するガイドライン」
    ↓
http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/guideline/new_drug/suiminyaku-guideline.pdf

  

●「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」
    ↓
http://www.jssr.jp/data/pdf/suiminyaku-guideline.pdf


今日も「睡眠薬の臨床評価方法に関するガイドライン」を見ます。

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1. 臨床薬理試験

(1) 目的

非臨床試験で得られた情報を元に、治験薬を初めてヒトに投与する臨床薬理試験が実施される。

臨床薬理試験は、治験薬をヒトに投与する際の安全な投与量を決定することを主な目的とする。

また、治験薬の薬物動態学的プロファイルの検討とともに、ポリソムノグラフィを用いた薬理学的検討も行うことが望ましい。

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上記に「ポリソムノグラフィ」という言葉がありますね。

Wikipediaによると「ポリソムノグラフィ」とは・・・・・・


睡眠時における脳波、呼吸、脚の運動、あごの運動、眼球運動(レム睡眠とノンレム睡眠)、心電図、酸素飽和度、胸壁の運動、腹壁の運動などを記録するもの、だそうです

睡眠時無呼吸症候群の診断等にも使われているようです。






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2. 探索的試験

試験計画に関する留意点

探索的試験により用量反応関係を検討する場合、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施することが通常であるが、クロスオーバー試験により実施される場合もある。

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クロスオーバー試験とは「2群の各被験者に被検薬と対象薬を時期を互いにずらして投与し、 それぞれの結果(反応)を集計し評価する試験方法」ですね。

「交差試験」とも呼ばれます。

A群とB群を設定し、第1クールではA群に試験薬、B群に対照薬を投与する。

次の第2クールではA群に対照薬、B群に試験薬を投与する。

このように順次入れ替えていく試験デザイン。

比較的症状の安定している慢性の疾患で、傾向変動が見られず、薬剤の効果が速やかに現れ、かつ治療中止後に患者が基準の状態にすぐに戻り、薬剤の治療効果が可逆的な場合に適していま。

必要な症例数が少なくなる利点があります。





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探索的試験における主要な有効性評価は、ポリソムノグラフィを用いた客観的評価方法により評価し、副次的に睡眠調査票等を用いた主観的評価方法を用いた評価を行うことが一般的である

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睡眠薬の探索試験では『客観的評価方法』がとられるのですね。

では、検証的試験ではどうでしょう?



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検証的試験は、通常は固定用量群を設定し、プラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施することが必要である。

検証的試験における主要な有効性評価は、通常は、睡眠調査票等を用いた主観的評価方法を用いて実施する。

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う〜〜む。検証的試験では『主観的評価法方法』がとられるのですね。

なるほどね。

2つの関門を潜り抜けないとダメなんだ。



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治験薬の臨床的位置付けを明確にするために、対照薬としてプラセボのほかに、現在の臨床で標準治療薬と位置付けられる睡眠薬を設定することが有用な場合もある。

この場合でも、治験薬の有効性について、プラセボに対する優越性を検証することが必要である。

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やっぱり「プラセボ効果」が大きいので、必ずプラセボに対する優越性を検証する必要があるとされていますね。




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不眠症治療において、睡眠薬は原則として必要な期間に限定して投与されることが望まれるため、睡眠薬の投与が必要な期間や有効性の持続性を検討するためには、短期(投与期間が2〜4週間)のプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を行うことが適切であるが、その他に、投与期間が4週間を超えるプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験もしくは無作為化治療中止試験を実施することにより有益な情報が得られる場合がある。

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上記に「無作為化治療中止試験」という言葉がありますね。

これは、「ランダム化治療中止試験」とも呼ばれ、一定期間被検薬を使用したのちに、ランダムに今度は被験薬群とプラセボ群に分けて、その症状を見る、というようなものです。

詳しくは「ランダム化治療中止試験」で検索してみてください。


ラベル:ガイドライン
posted by ホーライ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 睡眠薬の治験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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