2014年02月11日

睡眠薬の有効性評価方法について

今週はを下記の2つのガイドラインを見ています。

●「睡眠薬の臨床評価方法に関するガイドライン」
    ↓
http://www.pmda.go.jp/kijunsakusei/file/guideline/new_drug/suiminyaku-guideline.pdf

  

●「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」
    ↓
http://www.jssr.jp/data/pdf/suiminyaku-guideline.pdf




「睡眠薬の臨床評価方法に関するガイドライン」より
  ↓
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2. 対象集団

(1) 選択基準及び除外基準の設定

臨床試験においては、有効性及び安全性評価に適した均質な集団を選択できるように、国際的に普及した診断基準を用いて選択基準を明確に定義することが必要である。

現時点で推奨される診断基準は、DSM-IV-TR(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fourth Edition, Text Revision)である。

また、ICD-10(International Statistical Classification of Disease and Related Health Problems, Tenth Revision)、又はICSD-II(International Classification of Sleep Disorders, Second Edition)が用いられる場合もある。

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上記の『DSM-IV-TR』は「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」でも使われています。

興味のある方は検索してみてください。






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5. 有効性評価

不眠症では、不眠症状(入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、睡眠後の非回復感)及び翌日の心身機能の障害が認められる。

睡眠薬の開発では、これらの不眠症状及び翌日の心身機能の障害に対する治験薬の有効性プロファイルの評価が可能となるように、少なくとも以下の項目について評価することが必要である。


●入眠潜時(入眠困難に関する評価指標)

●中途覚醒時間及び中途覚醒回数(睡眠持続性の障害に関する評価指標)

●総睡眠時間

●睡眠の質及び睡眠後の回復感

●翌日の心身機能


臨床試験においては、治験薬の特性やその時点ですでに得られている臨床試験成績等から、入眠潜時、中途覚醒時間又は中途覚醒回数、もしくは総睡眠時間等の評価変数のいずれかを主要評価項目として合理的に設定することが必要である。


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僕が「へ〜〜!」と思ったのは上記の「翌日の心身機能」です。

確かに、翌日に睡眠作用が残ってしまったら、仕事に差し支えるし、機械や車の運転では事故も予想されますものね。

あと、「爽快感」とかも見るのかな? このあたりは実際に「睡眠薬」の開発をやったことがないので分かりません。






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入眠潜時、中途覚醒時間、中途覚醒回数及び総睡眠時間等の評価方法には、ポリソムノグラフィによる客観的評価方法及び睡眠調査票等による主観的評価方法がある。

これらの評価方法の留意点として、客観的評価方法は人工的な睡眠環境下での評価であり、必ずしも日常環境での状態ではないこと、主観的評価方法は睡眠段階や睡眠構造の評価が行えないこと、そして客観的評価方法及び主観的評価方法の結果は必ずしも相関しないこと等があげられる。

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上記の中に「客観的評価方法及び主観的評価方法の結果は必ずしも相関しない」という点はポイントですね。

客観的に「あなたは十分に眠っている」と言われても、自分が納得しないといけないですから。

でも、治験等で「主観的評価」を設定するのって、難しいですよね。

このあたりの難しさは僕も「更年期障害」の治療薬の開発を担当していたので、実感として分かります。


ラベル:ガイドライン
posted by ホーライ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 睡眠薬の治験 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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