ICHのガイドラインで「 小児集団における医薬品の臨床試験に関するガイダンス 」というのが下記にあります。
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http://www.pmda.go.jp/ich/efficacy.htm
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http://www.pmda.go.jp/ich/e/e11_00_12_15.pdf
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現在,医薬品の小児患者のために適切に評価され小児患者に対する適応を持つ医薬品は限られている。
小児への使用が想定される医薬品については,小児集団における使用経験の情報の集積を図ることが急務であり,成人適応の開発と並行して小児適応の開発を行うことが重要である。
また,成人適応の承認申請中又は既承認の品目について,引き続き小児の用量設定等のための適切な臨床試験(治験,市販後臨床試験)の実施が望まれる。
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以下、ICHのガイドラインから重要な個所を抜粋します。
1.3 ガイダンスの適用範囲
小児の臨床試験で特に問題となる点は以下のとおりである。
●小児用医薬品の開発プログラムを開始する際に考慮すべき事項
●医薬品の開発過程で小児用医薬品開発を開始する時期
●試験の種類(薬物動態,薬物動態/薬力学(PK/PD),有効性,安全性)
●年齢区分
●小児臨床試験での倫理性
1.4 一般原則
小児患者には,小児のために適切に評価された医薬品が用いられるべきである。
小児患者における安全かつ有効な薬物療法には,各年齢層において医薬品を適正に使用するための時期を得た情報,またしばしば当該医薬品の小児用製剤の時期を得た開発が必要である。
製剤学や小児試験デザインの研究の進歩は,小児用医薬品の開発を促進するのに役立つであろう。
成人の疾患や病態に対する医薬品の開発が行なわれている段階において,当該医薬品が小児集団で使用されると推定される場合には,通常,小児集団を医薬品の開発計画に組み入れるべきである。
小児患者における医薬品の効果についての知見を得ることは,重要な目標となる。
しかしながら臨床試験に参加する小児患者の全人性(well-being)を害することなく,この目標を達成すべきである。
この責任は企業,規制当局,医療関係者及び社会全体が分かち合うものである。
2.1 小児用医薬品の開発計画開始時の問題点
小児患者での使用が明らかに不適切である特定の医薬品の場合を除き,小児集団における医薬品の適正な使用に関するデータが集積されるべきである。
成人において実施される臨床試験に関連した小児での臨床試験の開始時期については2.3で述べるが,これは各国の公衆衛生や医療上の必要性に左右されるであろう。
小児での開発計画の時期と手法については,その正当性を開発過程における初期段階及びその後定期的に規制当局との間で明確にしておく必要がある。
この小児用医薬品の開発計画により成人における臨床試験の完了や成人用医薬品の臨床使用が遅れることがあってはならない。
小児用医薬品の開発計画の実施の決定と計画内容については,以下のような多くの要因に対する考慮が必要となる。
・小児集団における治療対象となる病態の発生頻度
・治療対象となる病態の重篤度
・小児集団での症状に対する代替治療の利用可能性と適切性;
当該治療における有効性や(小児特有の安全性の問題を含む)有害事象の特徴を含む。
・当該医薬品が新規のものか,特性の知られている既存薬の類薬に入るものか
・当該医薬品の適応が小児に特有なものかどうか
・小児特有のエンドポイント設定の必要性
・当該医薬品が投与されるであろう患者の年齢層
・非臨床での安全性を含めた(発達に関連した)小児特有の安全上の懸念
・小児用製剤開発の潜在的必要性
これらの因子の中で最も重要なものは,医薬品の開発により治療上重要な進歩をもたらす可能性があるような重篤あるいは生命を脅かす疾患が存在する場合である。
このような場合,小児の臨床試験は,比較的緊急を要するか早期の開始が薦められる。
小児臨床試験計画を支持する非臨床安全性試験の情報については,ICH M3の11で述べられている。
小児臨床試験における最も適切な安全性情報は,通常,成人での曝露(臨床試験)から得られることに注目すべきである。
一般的には,反復投与毒性試験,生殖毒性試験及び遺伝毒性試験が有用であろう。
幼若動物における安全性試験の必要性はその医薬品毎に考慮すべきであり,また発達毒性学上の懸念に基づき判断されるべきである。