2014年01月16日

治験を実施する医療機関における留意点

今週は総合機構が10月24日(東京)と10月28日(大阪)に開催した「GCP研修」の資料を見ていきます。


●平成25年度GCP研修会資料
    ↓
http://www.pmda.go.jp/operations/shonin/outline/shinrai/kenshushiryo.html#gcp




●治験を実施する医療機関における留意点
    ↓
http://www.pmda.go.jp/operations/shonin/outline/shinrai/file/h25gcp/chiken_ryuiten.pdf



「実施医療機関に対するGCP実地調査件数の推移」が5頁目にあります。

ここ5年間は「改善すべき事項を通知した医療機関数」の割合が減少傾向にありますね。

それでも30%程度の施設に対して改善すべき事項が通知されています。

では、一体、どのようなことが施設に対して改善するよう通知されているのでしょうか。

7頁目を見ると、「治験実施計画書」が多くて、「IRB」関連は飛躍的に減少しています。


医療機関に対する改善通知は「体制」よりは「個別症例」が多いようです。(8頁目)



「治験薬関係」がまとめて記載されています。(12頁目)
     ↓
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●誤った薬剤が被験者に交付/投与されていた。

・盲検期に非盲検期の薬剤を投与。

・指示された薬剤番号と異なる番号の治験薬を投与。

・治験薬は医療機関に交付されていたにもかかわらず、同一成分の市販薬を投与。

・他の治験用の治験薬を投与。

・温度規定を逸脱して管理された治験薬を治験依頼者への確認等を行わず投与。

・回収した使用済みの治験薬(バイアル)を再度投与。

・被験薬を交付すべきところ対照薬を交付。



●割り付けられた割付番号の治験薬が被験者に投与されたことを示す記録を作成していなかった。

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信じられないようなミスが起こりうるということですね。

私も実際、昔の話ですが、「二重盲検試験」と「長期投与試験(こちらはオープン)」を同時に実施していた施設で、間違って「二重盲検試験」の患者さんに「長期投与」用の治験薬が投与されたことがあります。

こんなことがあってから、「二重盲検試験用の治験薬」と「長期投与試験用の治験薬」の箱の色を変えました(片方をピンク、もう片方をブルーにし、さらに大きく「二重盲検試験用」とか「長期投与用」と箱に表示をしました。)。

工夫しましょう!







治験薬の管理に関する留意事項が13頁目にあります。
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●治験薬管理者は、治験依頼者が作成した手順書に従って、治験薬の受領、返却、被験者毎の使用状況等の記録を作成すること。

・治験実施計画書に規定された量の治験薬が被験者に投与されたことを示す記録(※)を作成すること。


※ 治験実施計画書により求められる記録は異なります。

(例)

・薬剤の割り付けが行われる場合

・体重によって異なる用量の治験薬を用いる場合

・時期によって異なる治験薬を用いる場合(非盲検期、第1期、・・・)

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モニターは施設の調査・選定の際に治験薬管理者を訪問し、治験薬管理票を確認しましょう。

もし、その管理票が当該治験に対して不十分なところがあったら、適切な治験薬管理票の見本(治験依頼者が作成したもの)を治験薬管理者に提示するといいですよね。



『業務の委託に関する事例』が14、15頁目にあります。
     ↓
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●治験施設支援機関(SMO)との業務委受託契約書にGCP第39条の2第2号から第6号に係る事項の記載がなかった。

●治験の実施に係る業務の一部(○○検査)を他の医療機関に委託していたが、適切な業務委受託契約が結ばれていなかった。

●実施医療機関は、委託した業務が適切かつ円滑に行われているかどうかを確認。

●受託者もGCP基準に従って受託業務を行うことが求められています。

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施設とSMOとの契約等は施設の問題ですが、モニターもきちんと把握しておくことをお薦めします。

せっかくの症例登録がフイになる可能性もありますからね。





『治験審査委員会(IRB)に関する事例』が15〜18頁目にあります。
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●治験期間が1年を超える場合の治験継続の適否の審査(年1回以上)について、IRBは審査していなかった、あるいは迅速審査により審査していた。

●治験実施計画書の変更や安全性情報に関する情報を受けて説明文書が改訂されたが、これについてIRBは迅速審査により審査していた。

●治験依頼者から通知された安全性情報について、IRBは治験を継続して行うことの適否について審査していなかった、あるいは迅速審査で審査していた。

●治験協力者がIRB委員として審議・採決に参加しており、当該委員を除くと出席員数がIRBの成立要件を満たしていなかった。

●IRBの会議の記録が審議結果のみの記載であり、議事要旨が記載されていなかった。

●治験の継続について審査していたが、当該医療機関の長に対し、当該審査に係る意見を文書により述べていなかった。

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今更ですが「迅速審査」を実施してよいのは「軽微」な変更の場合だけですね。

以下の項目は「迅速審査」では「不可」です。(18頁目)

●治験を行うことの適否

●説明文書の改訂

●安全性情報報告(治験依頼者からの報告、自施設で発現した重篤な有害事象)による治験継続の適否


「迅速審査」の名前にだまされず(副作用の審議なんかは迅速のほうがいいと、つい思ってしまいますからね)に、しっかりと審議してもらいましょう。


posted by ホーライ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 当局の実地調査 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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