2014年01月09日

説得の基本は「理路整然とした説明」


●●● 今週は「問題を解決リーダーとは」を見ていきます。

2.説得力

説得の基本は「理路整然とした説明」
 

問題解決型リーダーシップの第二の経営スキルは、「説得スキル」である。

「説得」とは、互いに異なる意見を持っている当事者(たとえばXとY)の間で、その一方(X)が他方(Y)に対して、対話によって相互の共通点を認識させ、その共通点を基礎に新しい協力関係が創られるプロセスを言う。
 
「説得」は、まず理解、ついで納得、そして協力へという過程を踏む。

つまりXとYの両者が対立する関係よりも、互いに協力関係に進んだほうが両者にとってプラスになることを納得させるのである。


XとYの両者が非協力(no/no)の状況では無論のこと、一方が協力(yes)、他方が非協力(no)でも成果は生まれない。

両者がある成果を得ようとするならば、両者がともに協力関係(yes/yes)に到達する以外には他に方法がないことを理解させ、協力関係を実現させる。

その一連のプロセスが「説得」なのである。




説得を可能にするには、まず情報を「理路整然」と説明することから始まる。

つまり、伝えたい内容を相手が理解できるように整理し、それを相手の考え方に合わせて説明するのである。

それが問題解決型の説得スキルであり、具体的には、次の四つの段階を踏んで行われる。

@ まず、解決すべき問題点を明確にする。

A 次にその問題点を解決する代替案を可能な限り用意する。

B そして、その代替案について、短所と長所を分けて説明する。

C 最後に結論として、代替案の中から問題を解決するために最良の案を選び、その理由を説明する。



このような四つの段階を経て行われる説明方法は、異なる意見や価値観を持っている相手を説得する方法として最も効果的である。

欧米ではこの方法が一般的であり、ビジネススクールの実習では、こうしたプロセスを習得するために徹底的訓練が行われる。
 


問題解決型の説得では、異なる意見を持っている相手に対して上の四つの段階を踏んで説明する。

そして、その説明の過程で、当事者双方が基本的には同じ考えであるのに、実は「代替案の長所と短所の見方」の相違が原因で反対していたということが判明する場合がよく起こる。

そうして、妥協点を見出すのが難しいと思われた問題が解決するケースが多いのである。




3.客観的要因分析

問題を属人的要因と峻別すべし

問題解決型リーダーシップの第三のスキルは、問題・課題の客観的要因を分析する技術である。

日常のビジネスの問題をウイン・ウイン型で解決するためには、その基礎として、問題や課題の客観的要因と担当者の個人的属性の問題とを明確に峻別して考えることが必要である。

その過程は次の四つにまとめられる。

●第一に、リーダーはある問題の客観的要因と担当者の属人的条件を分けて分析し、おのおのの解を区別して問題を考える。

●第二に、その客観的条件を基礎にして、ある特定問題の関係者(仮に二人とする)の双方が満足するウイン・ウイン型の問題解決を行う。

つまり当事者相互の利益が得られるような補完条件(BATNA)を創造する。
 
●第三に、異なる利害や価値観を持つ関係者が相互に満足できる解決が行われることによって、関係者間に信頼関係が生まれる。
 

●そして第四に、それを基礎にして新たな人間関係が発展する。

すなわち、リーダーの「人間関係力」がより深まる。


明日へ続く
posted by ホーライ at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | リーダーの役割 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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