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http://www.jpma.or.jp/information/evaluation/tiken119/
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質問番号:2013-40 治験参加カードと他の医療機関への情報提供(371頁)
「治験参加カ−ド」に関する質問です。
被験者は、同意され現在治験参加中の方です。
治験参加カ−ドをCRCより、説明後お渡ししたところ次のようにおっしゃられました。
「併用禁止薬名を他の医療機関に見せるのは良いが、私が参加している治験の課題名や内容は、受診をする他の医療機関の誰かから情報が漏れることもあり得る。
プライバシ−の保護を同意書の中で述べてあるが矛盾するのではないか。」と、治験参加カ−ド提示を拒絶するようなご発言でした。
他の医療機関に治験参加カ−ドを提示することで、ご自分の疾患名、治療の内容、治験に参加していることが公表されることは、プライバシ−の保護になっていないのでないかとのことです。
仮に他の医療機関受診の際に治験参加カ−ドを提示しなければ、併用禁止薬を使用すること、健康被害が生じることも予想されます。
この場合の被験者さんへの対応方法と治験参加カ−ドを提示しなかった時の対応方法をご教示いただきたく存じます。
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【製薬協の見解】
未承認の医薬品を用いて実施する治験においては、被験者の安全性を確保できる十分な体制で実施することが大原則になります。
その点で、治験責任医師等は、GCP省令第45条第2項「被験者の同意の下に、被験者が治験に参加する旨を当該他の医師に通知しなければならない。」に基づき、治験薬との相互作用等による被験者の健康被害を防ぐために、併用禁止薬等の情報を伝える必要があります。
この情報開示の意義について被験者に十分説明し理解を得ることが重要ですが、被験者の同意を得られないのであれば、被験者の安全性確保とGCP遵守の観点で治験参加の取り止めも致し方ないと思われます。
上記を踏まえ、最終的には治験依頼者と協議のうえで対応方法をお決めいただく必要があると思われます。
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【上記を要約すると&その他の背景】
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●治験に参加していることを他院の医師に連絡することを被験者が拒否する場合は、安全性に問題があるので、その被験者には治験参加をやめてもらう。
●そもそも、治験参加を他院・他の医師に連絡することの目的は「治験薬と別の薬との思わぬ相互作用で副作用がでる可能性」を防ぐため。
●その昔、「ソリブジン」という帯状疱疹の薬と抗がん剤を併用したところ、抗がん剤が代謝されず、体内に残り、その毒性で患者が死亡した。
この時の経験を踏まえて、「治験参加を被験者の同意のもと、他の主治医に連絡する」ことになった。