2013年11月21日

今週は『日本版NIH(その2)』です(4)

今週は『日本版NIH(その2)』です。

詳細は下記のサイトをご覧ください。
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/


「第1・2回調査会において外部有識者からこれまでに寄せられた御意見」
     ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai3/siryou03-2.pdf


重要だと思う点と僕が個人的に興味を持ったところ以下、コピペしていきます。
   ↓

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創薬

・ 創薬におけるアカデミアの役割は、疾患メカニズム解明や動物レベルでのPOC獲得等、企業ではできないこと、特に、基礎研究に大きな期待。

・ 創薬支援ネットワークを活用した橋渡しの実施。

・ アカデミアと産業界がコンソーシアム等を組むなどしたiPS技術の応用開発の加速・促進の必要性。

・ レギュラトリーサイエンス研究分野に更なる注力し、人材を育成するとともに、アジアにおける主導的役割を果たすことが期待される。

・ アカデミアの体力をつけ、企業との連携でサイエンスを創薬に生かすことが必要。

・ シーズの正当な評価と知財の確保が必要である。

・ シーズを製薬企業にマッチングするシステムの提供が重要である。

・ 創薬を体系的な学問として位置付け、産官学が一体となった体系化と産官学の創薬開発に携わる研究者が自ら学ぶ環境の整備が必要である。

・ 医薬(分子標的薬)開発においてコンパニオン診断薬の同時開発が重要である。

・ 治療関連費用のアカデミアプライスの設定を考慮すべき。

・ 産官学でPOC取得後のpivotal試験のあり方或いは希少医薬品の場合はPOC試験自体でaccelerated approvalを与えた後に市販後臨床試験を義務付けるFDAに類したシステム導入に向けた体制の整備を考慮すべきである。

・ 医薬品と医療機器は開発アプローチ、リスク管理の考えが異なるため、別の枠組みで審査や認証が行われるべき。

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【創薬】

上記には、頻繁に「POC」という言葉が出ていますね。

これは言うまでもなくPOCとはProof of Concept の略。

POCの意味は新薬等の有効性が実証(確定ではないが認められる)されること。

通常は「早期第II相試験」あたりのことを指します。

その治療方法が有効である可能性の証拠を得る事とも言える。

「pivotal試験」という言葉も出ていますね。

これは通常第III相試験を指します。

pivotalとは直訳すると「中枢の,枢要な,きわめて重要な」です。



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人材

・ 臨床開発に関る医療関係者に臨床治験および臨床試験の方法論および論文作成の方法論を教育するシステムの構築も喫緊の課題である。

・ シーズ育成に関する専門人材が大幅に不足。

・ 生物統計家、CRC、データマネージャーなどシーズ育成に必要な専門人材を増強。

・ 基礎研究から迅速にTRを果たし、臨床研究・治験を十分に行えるような基礎・臨床研究の一体化した体制整備と双方に精通した人材育成を図るべき。

・ 大学における医学教育・薬学教育等のカリキュラムの見直しの必要性。

・ レギュラトリーサイエンス研究分野に更なる注力し、人材を育成するとともに、アジアにおける主導的役割を果たすことが期待される。

・ 大学に医療機器イノベーション講座を開設。

・ 若手研究者の育成・研究支援を含めた持続的・発展的研究体制の構築。

・ 研究開発に向け、研究基盤(モデル動物、先進的解析技術・機器)開発推進及びがん関連研究者が円滑に利活用可能な最新の基盤(ライブ・分子イメージング、次世代シークエンサー等)の整備、研究成果に対する透明性の高い評価制度の確立・維持及びその成果における国民への積極的な公開、国際的ながん研究の情報収集と国際共同研究や情報交換等による国際競争力を見据えた研究の戦略的推進、学会やがん拠点病院との協調及びがん研究に従事する人材育成への取り組みが重要。

・ 分野別専門家、課題解決型専門家に加えて、システム思考、グローバル思考のできる人材の育成と活用、イノベーションには多様な人材が必要。

・ 国内外のエキスパートによるパネルを行い、ニーズや将来展望を検討すべき。

・ 個別化ゲノム医療のためのデータ解析技術、情報システムの研究開発やデータベース整理、ビッグデータ解析及び人材育成に取り組むとともに、ナショナルメディカルクラウドを構築する。

・ 米国にないユニークなイノベーション人材の育成の司令塔を設置してほしい。

・ 米国のプロジェクでは、単一の予算枠内で研究費、研究所工事、人件費等のプロジェクト進行に必要な全ての経費をカバーしており、人材育成も積極的に推進しており、ある程度の規模の予算を投下するプロジェクトであれば、同様な考慮が必要。

・ 精神疾患克服に向けた研究推進体制としては、人材育成が必須であり、他大学からも大学院生を受け入れての教育や、拠点間ネットワークで有機的なデータ共有、研究、教育を展開し、各拠点は、基礎・臨床を統合させた研究を展開することが期待される。

・ コホートや人材育成は5年で成果がでるものではなく、長期的予算的措置が必要。

・ 治験を実際に遂行する医療従事者の絶対数が少ない。


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【人材】


●「・治験を実際に遂行する医療従事者の絶対数が少ない。」
   ↑
そのとおりで。


その他、1、2か所に「ELSI」という言葉が出ていますね。

このことかな?
   ↓
ELSI(エルシー). Ethical, Legal and Social Issuesの略。

研究の進行に伴って生じる生命・身体の取扱いについての倫理的、法的、社会的議論を検討する活動。

多分、そうでしょうね。

この言葉がノーベル生理・医学賞の山中博士の資料にもあります。(下記のPDFの2ページ目)
   ↓
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/tyousakai/dai3/siryou07-1.pdf
   ↓
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4)倫理的・法的・社会的課題(ELSI; Ethical, Legal and Social Issues)

・ヒトiPS細胞の臨床応用には、倫理的・法的・社会的課題(例えば、倫理面では動物体内でのヒト臓器の作成やヒト生殖細胞の産生、法制面では細胞提供者の権利が及ぶ範囲の曖昧さ、社会的には保険診療への接続など)があるので、研究者だけではなく、社会全体で議論を行って丁寧な合意形成を経て決めていくことが必要

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●「・限られた予算をいかに有効に医療・医療産業に応用するかを考慮して、戦略的テーマを設定すべき。」
 ↑
まさに! 目利きですよ、目利きね。


●「・医学・医療における研究開発はその原始部においては、画期的なアイデアや天啓のようなひらめきが重要であるが、その先のTranslational phaseでは地味で膨大な探索と確認の繰り返しが必要で、そこに膨大な時間的並びに経済的コストが消費される。そのコストに投資が均衡しない時にDeath Valleyに落ちる。」
 ↑
まさに!

偉大な発明(特に医薬の分野)ほど、地道で膨大な検証が必要ですからね。



明日へ続く



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