2013年09月05日

キャプテンの仕事として部下(後輩)を育てる(2)

●キャプテンの仕事として部下(後輩)を育てる(2)


★★★ 自信がないゆえに『言い訳をする』部下(後輩) ★★★

「言い訳をする」部下(後輩)も多くいます。

彼らの口癖は「でも・・・」と「それは・・・」です。

プライドが高いため、何かに責任転嫁することで、無意識に心のバランスを保とうとしているのです。

たとえば、スケジュールが遅れ気味なことを指摘すると「でも、まだまだ時間はありますよ」「それは、Aさんがお願いした資料を送ってこないからです」など、問題はほかにあることをほのめかし、自分の能力に原因があったことを悟られまいとします。

こうした若手に対して効果的なのは、言い訳を始めたタイミングでの言葉かけです。

先の例の場合、「きみの能力を問題にしているわけではないんだよ。あくまで早めに手をうつために、現状を把握したいだけだから」と、まずは安心させてあげましょう。

言い訳をするタイプの部下(後輩)は、本心では事の重大性を認識しています。

だからこそ、言い訳をするわけです。

そのため、上司の目的が個人攻撃ではなく、仕事の達成にあることを理解すれば、思いのほか素直に従います。

こうした繰り返しが心を開き、部下(後輩)も何で困っているかを言い出しやすくなります。





●●● 【事例問題 1】 ●●●

業務内容や責任の範囲があいまいなまま、勢いでプロジェクトを進めてしまった部下(後輩)。

社内の協力が上手に得られていない様子なので状況を尋ねたところ、「僕だけが悪いわけじゃありません」と言い訳を始めました。

どうしますか?

(A)「言い訳するなんて何様のつもりだ!」と叱りつける

(B)「確かにそうだね。じゃぁ、きみはどうすればよかったと思う?」と尋ねる

(C)「きみが悪いとは思ってないよ。ただ、解決するためには現状を知らなくてはいけないだろう?」

(D)その他





■□■2.厳しい局面でこそ、プレッシャーから解放する ■□■

★★★ 事態を整理し、できることを示す ★★★

まだ経験を積んでいない若手にとっての「厳しい局面」とは、どんな場面でしょうか。

「施設・上司・クライアントから無理難題を押し付けられる」「治験責任医師から予期せぬクレームが入る」など、いろいろあるかと思います。

こうした不測の事態が起き、しかも、それが自分の手に余る時、若手がとる行動も様々です。

よく見かけるのが、上司に「どうだ?」と問われて、「とにかくやるしかないんで頑張ってみます」と、一見やる気のありそうな言葉を口にする部下(後輩)です。

これは連戦連敗しているにもかかわらず、「とにかく次は勝つしかありません」と、むやみに同じ失敗を繰り返すスポーツ選手と同じです。

若手の頭の中には具体的な解決策が、一切浮かんでいないこともありえます。

不測の事態に遭遇した若手は、経験が少ないこともあって、大きなプレッシャーを受けています。

そのため、一見平静を装っていても、思考停止状態に陥り、「やるしかない」と、まったく根拠のないセリフを言います。

もし、ここで部下(後輩)を放置してしまえば、悪い結果を生むのは目に見えています。

上司は、まず部下(後輩)から「何が起きたのか」を聞き取り、一緒に現状を整理してあげるようにします。

現状が把握できれば、若手は「どうすれば解決するのか」が見えてきて、すべきことがわかり,冷静さを取り戻します。



●●● 【事例問題 2】 ●●●

治験の立ち上げまで、あと2日というときにチーム内で作成していたモニタリングチェックシステム(パソコン利用)に問題発生。

担当しているA君は、「とにかくやるしかないので・・・・・」と言っています。

焦る部下(後輩)に、あなたなら何と言いますか?

(A)「具体的にどうするつもり?」と解決策を問う。

(B)「今、状況はどうなっているの?」と現状を尋ねる。

(C)「そうだな。それじゃ、頼むよ」と一任する。

(D)その他




明日へ続く


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