2013年08月13日

「わかりやすさ」=「正しい論理」という大きな勘違い

今週は夏休み特集!

・・・・・・ということで「プレゼンテーションのコツ」です。



プレゼンでもメールや文章でも、ありとあらゆるコミュニケーションで一番大事なのは「伝える」ということです。

「自分の提案・考え・報告内容」を、相手が分かるように「伝える」ということです。

つまり、相手が分かるように「分かりやすく」伝える必要があるわけです。



ところで「分かりやすさ」とは何でしょう?

よくある勘違いは「正しい事実を正しく論理的に積み重ねていけば、その話の内容が容易に相手に伝わるはずだ」というものです。

特に理系の人は、長年、研究報告をしてきた積み重ねもあり、「正しい事実+正しい論理=分かりやすい話の展開」という方程式を信じている人も多いかもしれません。

しかし、この方程式は正しいけれど間違っているのです。(少なくとも僕はそう信じています。)



必ずしも「あなたの話に興味があるわけではない人たち」「あなたの話を初めて聞くような人たち」に「限られた時間」の中で、あなたの提案や報告内容を分かりやすく伝えようとする場合には、残念ながら「正しい事実+正しい論理=分かりやすい話の展開」とはなりません。

むしろ、それは「分かりにくくて難しい話という印象」を与えてしまうことすらあるのです。

考えてみれば、それは当然です。

相手は論理学に精通した天才学者でもなければ、ミステリー小説の名探偵というわけではありません。

あなたが話す内容については、むしろ、あなたより苦手な人であることも多いはずです。

ということは、「論理的に事実を積み重ねれば分かるだろう」という考えはあまりに楽観的な勘違いだ、ということになります。

では、いったい何が必要なのでしょうか?



●「分かりやすい」と感じさせるのは自然な因果関係と必然性

みなさんは、どんな時に「分かりやすい」と感じますか?

人が分かりやすいと感じるのは、日常生活で自然に感じたり、考えたりすることが多い「原因と結果」という「因果関係」です。

しかも、決して複雑な因果関係ではなくて、単純明快なつながり(原因と結果)なのです。

たとえば、「新幹線は雪に弱いから(原因)、雪が降ると不通になることが多い(結果)」というようなものです。

因果関係がなければ、人は物事のつながりや関係性を納得することがなかなかできません。

逆に言えば、因果関係さえ語られてしまえば、その因果関係が本当であろうと嘘であろうと、その話を納得してしまうことも多いのです。

たとえば「物語」という現実ではない空想のストーリーの場合を考えてみれば、物語の中で自然な因果関係が感じられるからこそ、その物語に人は感情移入し、納得できるわけですから。


ですから、あなたの話に対し「相手に苦労させずに、楽に自然に話を納得してもらいたい」と思ったら、「分かりやすい因果関係」や「必然性」を作ったり、考えたり、見つけだしたりすることがとても大切です。

そいういった自然な因果関係や必然性により生み出されるつながりを、聞き手に伝えながら話を進めていけば、聞き手にとって「あなたのプレゼンストーリー」は分かりやすく必然性をもった話に響き、そしてあなたの話に納得してくれるのです。





●「なんだかおもしろい!」と聞き手に感じさせよう

あなたのプレゼン(あなたの提案)に入れなければならないもの、必要なものは3つあります。

1つ目は「聞き手にとってのあなたの提案のメリット」

2つ目は「聞き手にとっての分かりやすさ」

3つ目は「聞き手にとっておもしろい」

これは(「聞き手にとっておもしろい」は)「興味を感じること」と言い換えてもいいでしょう。

分かりやすく、おもしろい(興味をもたれる)プレゼンにすれば、あなたのプレゼンは「8割増し」になります。

聞き手の気持ちが「この話はおもしろい」というふうに変わると、その場の空気・印象・期待感などで、本当にあなたの提案に対して、よい方向に変化するのです。

その「おもしろさ」の作り方に王道はありません。

たとえば・・・・

▼話が得意なら、プレゼンのつながりに使う例をおもしろく話す。

▼とてもまじめな人なら、まじめな「おもしろさ」を感じさせる。

など、聞き手が「おもしろさ」「楽しさ」「興味」を感じるような自分の個性にあった表現テクニックを見つけだしてください。



■■■■■ ここまでのまとめ  ■■■■■■


▼「伝えたい」ことをあなた自身がきちんと理解する

▼「伝えたい相手」を理解し、その相手の立場・視点に沿って眺める

▼あなたの提案の「相手にとってのメリット」を伝える

▼話の展開をガチガチの論理でつながない

▼自然に納得できる程度のつながり、因果関係で話をうまくつなぐ

▼個性を生かしたおもしろさで「なんだかおもしろい」というふうに感じさせる

▼聞き手から見た「利益」「わかりやすさ」「おもしろさ」があるプレゼンにする



明日へ続く




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