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http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shinkou/dl/vision_2013a.pdf
2.医薬品産業の課題(PDFの17ページ目)
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(2)ドラッグ・ラグ
・ ドラッグ・ラグについては、アメリカとの比較における新有効成分含有医薬品に係るドラッグ・ラグが、2009 年度は40 か月(医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議における開発要請品目を除いた場合、37 か月)だったところ、2011 年度には19 か月(同、6か月)にまで改善が図られている。
ドラッグ・ラグは、審査ラグと開発ラグに分けられるが、特に審査ラグについては、PMDAの審査員の増員などの様々な取組が進められた結果、ほぼ解消したと言える。
一方、開発ラグについては、解消されつつあるものの、まだ改善の余地がある。
海外企業は海外での開発を先行し、日本の企業は欧米での同時開発・申請の可能性の高さや市場の大きさなどから、欧米で開発を急ぐ傾向があるという背景があるものの、産業基盤として、治験環境の整備が途上であることと承認取得の予見性が低いことに要因があると考えられる。
前者については、臨床研究中核病院等の整備や国際共同治験の推進など、治験におけるスピードやコストを改善する施策を進めている。
また、後者については、審査ガイドラインの作成や、PMDAによる薬事戦略相談を実施するなどして、企業側の予見可能性を高めることにより、開発ラグの積極的な解消を図っている。
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問題は「開発ラグ」なんですよね。
先週、見てきた製薬協のアンケートを見ても、治験そのもののスピードは10年前から比べたら飛躍的に速くなっています。
要は製薬会社が新薬の開発に「着手」するかどうかです。
言うならば「着手ラグ」です。
●(3)大手製薬企業の動向
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・ 新薬メーカーは、おおよそ世界売上高トップ20 ランキングに入るグローバルメガファーマを中心として熾烈な競争が繰り広げられている。
製薬企業が世界で競争するにあたっては、市場動向(Customer)、競合動向(Competitor)、企業動向(Company)、流通動向(Channel)のいわゆる4Cについて、過去、現在、将来予測を念頭に戦略を練っている。
各国マーケットのこれらの状況を過去、現在どのようになっているか状況把握し、その流れが将来どのようになっていくか予測を立てることが海外展開にあたって重要である。
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ちなみに上記に出てくる4C(Customer、Competitor、Company、Channel)というのはマーケティング戦略を練る時の「定石」です。
所謂、MECEにロジカルシンキングする際の1つの定石として4Cを検討する、というのがあります。
分からない人は「MECE 4C」で検索して勉強しておきましょう! きっと役立ちます。
でも、何というか「勝ちパターン」が見えないので各社がいろんな方向を模索しているということは「業界」としては朗報です。
全ての製薬会社が1つの方向に進んで、それが失敗の道だったら、目もあてられませんからね。
どこか1社だけでも成功して、世界のトップに出てくれれば、学生にとってはそれでいいというわけです。(経営を失敗した会社の社員にとっては辛い結果ですが。)
「柳の下にどじょうは最低でも3匹」というのが製薬業界の常識です。(と、たった今、僕は思いついた^^;)
(4)国際競争力
@ 国内製薬企業の国際競争力(PDFの19頁目)
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世界の成分別売上高上位30 品目には、日本企業が開発した医薬品4成分4銘柄が入っている(資料16)。
世界売上高上位100 品目のオリジンについて、企業国籍別にみた場合(オリジン企業が買収された場合は買収企業をオリジン企業として集計)、アメリカ、スイスに次いで日本企業は世界第3位を維持している(資料36)。
また、世界における大型製品(売上高7億ドル以上)の中で、日本オリジンの大型製品の品目数シェアは一度低下したものの、その後持ち直して過去同水準を維持している。(資料38)。
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う〜〜〜ん、ビミョウ。
この数値だけに惑わされずに「兜の尾を締めて」いかないと。
●(5)バイオベンチャーの現状(PDFの22頁目)
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我が国のアカデミアの基礎研究の水準は高く、創薬シーズやバイオベンチャーが出てくる素地はあると言われるが、欧米各国と比較して、バイオベンチャーが育っていないのが現状である(資料49)。
そもそも、バイオベンチャーのみならず、日本でベンチャー市場が活性化しない理由としては、@いわゆる日本人の国民性(リスクを回避し、確実性を重視する傾向)、Aマネジメント人材の不足(企業の人材の流動性の低さなどで、ライフサイエンスとビジネスの両方に関するスキルと経験を持った人材がほとんどいない)、Bリスクマネーの不足(日本のベンチャーキャピタルにおける、投資回収傾向や医療に関する経験者不足、個人の大口投資家不足等により、バイオベンチャーにはリスクマネーが供給されにくい)、Cアカデミア側のインキュベーション(企業支援)体制の不備(アカデミア側の創薬に係るビジネスマインドの不足)、といった、産学官における複合的な要因が考えられる。
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うむ。
『国民性』って、結構、根深い問題の原因のひとつだね。
2000年以上に渡って培ってきた国民性をこの30年間で変えろと言っても土台、無理な話で。
ということは、「日本人離れ」した人の登場が期待されているとも言えます。
こんな「寂しい」ことも報告されている。(PDFの24ページ目)
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昨今、革新的な医薬品の創出を進めるにあたり、国内の優れた研究成果を医薬品として充分に実用化・製品化できていないことも課題の一つであり、外国の製薬企業が先駆けて国内シーズを開発するケースが見られる。
自治医科大学・間野博行教授が発見したEML4-ALK に関して、最終的にファイザー社が他社に先駆けて臨床研究を開始した例は、日本の製薬企業と外国の製薬企業の研究開発の差を如実に現したものと言える。
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芸術や音楽、数学の世界等でも、日本国内で評価されず、海外でまず評価され、その後、やっと日本で遅まきながら「文化勲章」を授与するなんていう話はザラなわけで。。。。。。。
日本の「出る杭は打たれる」文化をまずなんとかしないといけない、という「国民性」の話に逆戻りするので、ここはやっぱり「打たれる以上に飛び出る杭」を探したほうがいいわけです。
●(7)バイオ医薬品、再生医療への対応(PDFの25ページ目)
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・ 世界の成分別売上高上位30 品目には、日本オリジンの医薬品は4成分4銘柄が入っている(資料16)ものの、バイオ医薬品はなく、海外からの輸入医薬品も抗体医薬品を中心とするバイオ医薬品の割合が拡大している(資料52)。
こうしたことから、日本では、特にバイオ医薬品に係る基盤整備の遅れが指摘されている。
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その昔、日本は「発酵技術」が進んでいるので「バイオ」は強いという幻想があった。
「現実」を直視しない体質が出ている。
「いいことだけを言う」建前と本音を使い分ける体質が、真のバイオの発展を阻害してきたとも言える。
もちろん、僕は日本はバイオはダメだと理由も無く「卑下」することを奨励しているわけではない。
「何ができるのか」「何が世界をリードしているのか」という冷静な判断が必要なのだ。
流行語に流されずに。(たとえば「異次元」とかのように。)
●(8)技術移転・産学官連携の状況(PDF25ページ目)
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・ 激しい国際競争を勝ち抜けるよう、アカデミアの独創的で優れた研究成果からイノベーションを生み出して行くためにも、産学官連携の重要性がますます高まっている。
特に創薬分野では、基礎医学、臨床医学にとどまらず、多方面の学問領域の融合が求められているが、国内の優れた研究成果を充分に実用化・製品化できていないことが指摘されている。
・ このような問題意識は、アカデミア側においても徐々に共有されてきており、大学等技術移転促進法(TLO法)に基づく承認又は認定を受けているTLO(Technology Licensing Organization:技術移転機関)が関与した特許出願件数等は増加している。(資料53)。
・ 厚生労働省としても、早期・探索的臨床試験拠点事業によって、国内の基礎研究成果による薬物について、世界に先駆けてヒトに初めて投与・使用する体制を整えるなど臨床試験の実施体制の整備を進めている。
・ また、産学連携についても取組が活性化している。例えば、2007 年、文部科学省の「先端融合領域イノベーション創出拠点の形成」のプログラムとして採択され、京都大学とアステラス製薬が共同で進めている、いわゆる「AKプロジェクト」(次世代免疫制御を目指す創薬医学融合拠点)等が挙げられる。
・ 国においても、国内の有望な研究成果の情報収集・評価や、応用研究から非臨床試験等の支援を行い、企業による実用化につなげるため、(独)医薬基盤研究所(以下、「基盤研」という。)内に設置した創薬支援戦略室が本部機能を担い、(独)理科学研究所や(独)産業技術総合研究所、大学等の創薬研究機能をもつ関係機関で構成する創薬支援ネットワークの構築・強化を図ることとしている。
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これだけ見ると、随分と進んだことが行われているようですが、新薬の開発という性質から、まだ「これは!」というものが出てきていないのが残念です。
5年後に期待しましょう。
(9)治験環境(PDFの26ページ目)
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2012 年3月30 日に厚生労働省は文部科学省とともに「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」を策定し、臨床研究中核病院等の整備、国際共同治験の推進など、当該計画に基づいた取組に着実に取り組んでいるところである。
・ その結果、質の高い治験を求めて、コストが多少高くても日本で治験を行う企業が増加するなど、治験の日本回帰の兆候も見られる。
しかし、先述の間野教授のEML4-ALK について、ファイザー社が韓国等で臨床試験を開始した事例のように、日本で行われた発見に基づく臨床研究が海外で先に行われるケースも散見される。
・ こうしたケースは、我が国の治験について、さらなる環境改善が必要であることを示しており、特に人件費と治験参加の面での課題が残されている。
日本初のシーズによるイノベーションの進展、実用化につなげるため、今後も臨床研究・治験の実施体制や環境の一層の整備が求められる。
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「第4章 医薬品産業政策の方向性」がPDFの54頁目以降に書かれています。
たとえばこんなことが書かれています。
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●研究開発段階では、司令塔機能を創設することが重要である。このため、「日本版NIH」を創設し、重点研究分野・目標を定めた総合戦略を策定し、医療分野の研究開発の予算の一元化を図るとともに、研究を臨床に繋げるため、国際水準の高い臨床研究・治験が確実に実施される仕組みを構築する。
また、「日本版NIH」の創設に先立ち、基盤研の創薬支援戦略室が本部機能を担う、創薬支援ネットワークを構築し、新薬創出に向けた研究開発を支援する。
● 臨床研究・治験段階では、「日本版NIH」の創設に向けた検討とも整合した形で、臨床研究中核病院及び早期・探索的臨床試験拠点において、企業の要求水準を満たすような国際水準の質の高い臨床研究・治験が確実に実施されるよう、所要の措置を講じる。
さらに、国立高度専門医療研究センター(ナショナルセンター。以下、「NC」という。)においても、共同研究や治験等を推進し、企業や大学等研究機関との連携を進める。
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「日本版NIH」・・・期待したいです。
「基盤研の創薬支援戦略室が本部機能を担う、創薬支援ネットワーク」はこちら
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http://www.nibio.go.jp/iD3/
さらに「(2)治験・臨床研究の推進」がPDFの63頁目以降にあります。
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(独)国立病院機構では、中央治験審査委員会(NHO−CRB)の設置、CRCの増員や医師主導治験の体制整備を行うなど、臨床研究・治験の活性化に取り組んでおり、特に、過去3年間に承認された医薬品352品目のうち176 品目(50.0%)の治験に参画するなど、ドラッグ・ラグ解消に向けた治験の推進に取り組んでいる。
革新的な医薬品の創出に貢献するため、(独)国立病院機構は、その全国的なネットワークを活かした臨床研究・治験実施体制をさらに充実・強化するとともに、製薬企業が治験を行いやすい環境の整備に引き続き取り組む。
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国立病院機構はクリニックレベルと違い、難病等の難しい疾患に対する治験の依頼が多いため、「治験の実施率」という点は低いかもしれませんが、その役割は大きく、今後も重要な一にあり続けるでしょうね。
その他にも次のことが記載されていますので、是非、お読みください。(PDFの64頁目以降)
A 臨床研究中核病院等の整備
B 日本主導型グローバル臨床研究拠点等の整備
C 医療機関の治験・臨床研究の実施環境の充実等
特にPDFの66頁目には以下のように記載されています。
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・ 今後は、「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」等に基づき、以下の治験の効率化に関する取組を行う。
@ 治験手続をGCP省令等の要求に沿った必要最小限の手順等で実施する。
A IRB審査資料の統一化と電子化を行う。
B GCPに係る統一書式の使用を徹底する。
C EDC(Electronic Data Capturing)の利用の促進やリモートSDV(通信回線等を通じた治験データの原資料の閲覧、調査及び検証)の実施に向けた調査・研究やSS-MIX(Standardized Structured MedicalInformation Exchange)標準化ストレージやCDISC(Clinical Data Interchange Standards Consortium)標準を導入することの検討等によりICT技術の更なる活用を推進する。
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さらにPDFの68頁目以降には次の項目があります。
E 国際共同治験の推進
F アジア諸国との連携
G 臨床研究倫理指針の見直し
H 先端医療開発特区における開発段階からの相談
(3)承認審査の迅速化と質の向上等
A 治験相談体制の充実
B 新たなガイドライン等の作成
C アクセス制度の活用
D 国際共同治験に対応した承認審査(PDFの72頁目)
E 医薬品の臨床試験の実施に関する省令(GCP省令)の改正事項の周知
明日へ続く
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