2013年07月13日

治験手続きのスピードは速くなっています

今週は製薬協の「国内治験環境の分析並びに改善点の検討」を見ていきます。
   ↓
http://www.jpma.or.jp/information/evaluation/allotment/pdf/tf4.pdf

この報告書は2012年に製薬協の会員に対してアンケートの実施と、10年間の継時的変化を見ているものです。

10年前か・・・・・・・

2003年だね。

あなたは何をしていました?

僕は某国内製薬会社で教育を担当していました。

さて、そんなことはどうでもいい。


まず、驚くのは年間に動いている治験実施医療機関の数です。

上記の報告書の6ページにグラフがありますが、たとえば、2008年には2744施での治験が動いています!!

しかも、この数値は製薬協加盟会社が実施している治験の数ですから、実際にはもっと多い・・・・・。


どひゃ〜〜!です。


さて、その経営形態ですが、たとえば、2010年では、「診療所」が一番多く、次に私立病院です。(9ページ目)

派遣CRCの関与を見ると、診療所ではかなり浸透しています。(11ページ目)

大学病院クラスではほとんどが院内CRCだけですね。


●EDCの利用率は増加傾向にあります。ただ、最近では増加傾向に歯止めがかかってきましたね。(16ページ目)


●国際共同治験は2009年をピークに、その後、減っています。(17ページ目)


●治験手続きのスピードは速くなっています。(18、19ページ目)


●被験者の組み入れまでの期間も短くなっています。(23ページ目)

ちなみにFPIとはFirst Patient In の略で、施設で最初の被験者の同意取得日を指しています。

会社によっては、FPIはそのプロトコル全体で最初の被験者の登録日(例えば同意取得日)を指したりします。

LPOとはLast Patient Outの略で、施設で最後の被験者の最終観察終了日。です


●LPOからデータの固定日も速くなっていますね。(27ページ目)


う〜〜ん、日本の治験は遅いとよく言われますが、この10年を見ると、治験のスピードは飛躍的に速くなっているんですね。


●ゼロ症例の施設数も調べています。(34ページ目)・・・・・面白い項目を調査してるなぁ。


●1症例の単価も調べています。(36ページ目)

費用的にはどうなんだろう?

多少は、下がっているのかな。

2011年度で言うと、全体の平均は1症例あたり126万円です。(n=100)


●プロトコール疾患領域別モニター担当医療機関数。(38ページ目)

同じ領域で言うと、そんなに継時的変化がないね。


●国際共同治験におけるプロトコール領域別治験数の割合。(51ページ目)

国際共同治験をやっている領域を見ると、・癌領域  ・内分泌・代謝領域  ・精神神経系疾患領域   ・循環器領域   ・呼吸器領域 が多いですね。

症例の単価で言うと、国際共同治験のほうが若干、高いですね。(54ページ目)



●セントラルIRBを利用している施設数は増加傾向にありますね。(60ページ目)

セントラルIRBを利用しているのは診療所タイプが多いですね。(61ページ目)


いかがです?

10年の継時的変化をご覧になっての感想は?


僕の感想は、国際的に見ると、色々と問題が山積みですが、国内だけで考えると、かなり改善されていると思います。

特に治験のスピードの面で、ですね。


明日へ続く

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posted by ホーライ at 09:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験の環境 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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