2013年07月11日

治験関連文書における電磁的記録の活用(2)

今週は下記の「事務連絡」等を見ていきます。
   ↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/

●リスクに基づくモニタリングに関する基本的考え方について(平成25年7月1日事務連絡)

●治験における臨床検査等の精度管理に関する基本的考え方について(平成25年7月1日事務連絡)

●治験関連文書における電磁的記録の活用に関する基本的考え方について(平成25年7月1日事務連絡)


今日は「治験関連文書における電磁的記録の活用に関する基本的考え方について」を見ます。(その2)

「ER/ES指針について」も外せない規制です。
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https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/er-esgaidorain
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「医薬品等の承認又は許可等に係る申請等における電磁的記録及び電子署名の利用について」(平成17年4月1日付け薬食発第0401022号厚生労働省医薬食品局長通知)の別添(以下「ER/ES指針」という。)は、医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の承認又は許可等並びに適合性認証機関の登録等に係る申請、届出又は報告等に関する資料及び当該資料の根拠となる資料について、電磁的記録として提出又は保存する場合の留意事項をまとめたものである。

治験関連文書を電磁的記録として保存等する場合にもER/ES指針を遵守する必要がある。

しかし、ER/ES指針の適用範囲は広く、GCP省令で規定される文書に限っても、様々な位置づけの文書(例えば、原資料、関係者間で授受される文書、治験依頼者等のみで保存される文書。)が対象となっている。

また、電磁的記録及び電子署名利用のための一般的な要件等は示されているが、当該文書の作成者等が信頼性の確保を十分に考慮し妥当性や正当性を判断した上で対応することを基本としているため、具体的な要件は示されていない。

(中略)

結果的に電磁的記録の活用が進んでいないのが現状である。


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色々と難しいことが書いてありますが、要は下記のことに集約されます。(5頁目)
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治験関連文書を交付する場合の必要十分な要件は、紙記録であっても電磁的記録であっても、「必要な情報が適切な相手に迅速に届けられ、評価されていること」、「事実経過が検証できるよう記録されていること」、「事実経過の記録と交付された文書が交付側及び受領側で適切に保存されていること」である。

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キーは「事実経過が検証できるよう記録されていること」です。(後述)

あとで検証できるようなプロセスを予め、SOPで規定しておくといいですね。



さらに大事なことは次のことです。
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・ 受領側から電磁的記録の交付について承諾を得ること。

また、受領側から承諾が得られない場合には利用できない。(そりゃそうだ・・・・・・)

なお、交付側及び受領側で承諾書や確認書の作成を求めるものではない。


・ 受領側が電磁的記録の出力による書面を作成できること。


・ 交付側及び受領側が授受された治験関連文書を保存していること。


・ 交付側及び受領側が授受された事実経過を検証できるように記録し、その記録(以下「事実経過を検証するための記録」という。)を保存していること。


・ GCP省令、薬事法、その他関連法規及び関連通知(以下「GCP省令等」という。)で署名又は記名押印(以下「署名等」という。)が求められている場合、当該治験関連文書に署名等がされていること。

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なんだか「ややこしい」ね。

でも、実際に行動に移すと、実はそんなに無理難題が要求されていないことが分かります。

まずは、どこからか手を付けてみましょう。

すると、この事務連絡の意図が具体的に分かってきます。


基本ですね、「交付側及び受領側が授受された治験関連文書を保存していること。」がキーです。

これがあれば(両者に当該文書が保存されていれば)、捺印なんかも不要でいいわけですね。

そもそも「捺印」というのは、「これが最終版で、これを提出したものです」という印なわけですが、この捺印がなくても、交付側と受領側で「同じもの」が保存されていれば、「あぁ、それを提供したわけね」と分かりますから。



さて、「事実経過を検証するための記録」です。
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GCP省令では、事実経過を検証するための記録について具体例が示されていないため、個々の事例において適切な方法を検討されたい。例として以下に示したようなものが考えられる。


@)メールによる交付の場合

【交付側】

・送信メール及び受領返信メールを保存する。

・送信簿を作成し、送信者、送信日時、送信内容を記録する。

・電話等で、受領されていることを確認しモニタリング報告書等に記録する。


【受領側】

・受信メール及び受領返信メールを保存する。

・受信簿を作成し、受信者、受信日時、受信内容を記録する。

・代理受信を行う場合、本来の受領者へ交付されていることを検証できるように記録する。




A)DVD−R等による交付の場合

【交付側】

・交付資料に添付する鑑の複写及び送付した記録(送付伝票等)を保存する。

・受領票等に受領者の署名等を受ける。又は、受領されていることを確認しモニタリング報告書等に記録する。

・送付簿を作成し、送付者、送付日時、送付内容を記録する。


【受領側】

・DVD−R等に添付された鑑に受領印を押し保存する。

・受領簿を作成し、受領者、受領日時、受領内容を記録する。


B)クラウド等システムによる交付の場合

・クラウド等システムにログを残す。

・受領後速やかに保存し、その保存ログで受領されたことを記録させる。

・受領簿を作成し、受領者、受領日時、受領内容を記録する。

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・・・・・・・というような記録が残るようにSOPで手順を決めておきましょう。





最近は「クラウド」技術を使うことが多くなってきたと思いますが、その際の最大の留意点は以下のとおりです。
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交付側がクラウド等システムにアップロードするだけでは法令上の交付が成立していないことに留意する必要がある。

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そりゃそうだよね。

こっちがアップロードしても、受領側がきちんと確認していないと「交付が成立していない」。当たり前と言えば当たり前。


明日へ続く

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