昨日は「データモニタリング委員会」のお話をしました。
ガイドラインにつきましては下記をご覧ください。
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●データモニタリング委員会に関するガイドライン
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https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/detamonitoring
では、本日のテーマです。
●モニタリングの効率化に関する提言(1)
今週は4月以降に製薬協等から発表された各種報告書を見ていきます。
今日は製薬協の「モニタリングの効率化に関する提言−治験手続の電子化、リモートSDV、Risk based monitoring−」です。
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http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/allotment/monitoring_02.html
では、早速、見ていきましょう。
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モニタリングの効率化に関する提言
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http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/allotment/pdf/monitoring_02_01.pdf
●規制当局によるこれまでの治験プロセスの効率化に向けた取り組み
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★「全国治験活性化3カ年計画(平成15年4月)」
★「新たな治験活性化5カ年計画(平成19年3月)」
★「治験等の効率化に関する報告書(平成23年5月)」
★「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」
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上記の通知・報告書は下記に一括して保存してあります。
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https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/kassei
上記の報告書等において、次の提言がなされました。
● GCP省令の要求に沿った必要最小限の手順等の取りまとめ
● 治験プロセスにおける効率化に向けた提言
- IRB審査資料の統一化と電子化
- 医療機関における治験実施体制の整備と役割分担の適正化
- 事前ヒアリング等の必要性とあり方
- モニタリング業務(直接閲覧を含む)の効率化
また、「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」等では次のことが提言されました。
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<課題>
1.9年間の活性化計画を踏まえた更なる飛躍と自立
(1)症例集積性の向上
(2)治験手続の効率化
(3)医師等の人材育成及び確保
(4)国民・患者への普及啓発
(5)コストの適正化
(6)IT技術の更なる活用等
2.日本発の革新的な医薬品、医療機器等創出に向けた取組(イノベーション)
(1)臨床研究・治験の実施体制の整備
(2)臨床研究等における倫理性及び質の向上
(3)開発が進みにくい分野への取組の強化等
(4)大規模災害が発生した際の迅速な対応
<目標>
1.日本の国民に医療上必要な医薬品・医療機器を迅速に届ける
2.日本発のシーズによるイノベーションの進展、実用化につなげる
3.市販後の医薬品・医療機器の組み合わせにより、最適な治療法等を見出すためのエビデンスの構築を進める
また、製薬協でも下記の提言をしています。
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@「SDVの効率化検討」(2009年4月 臨床評価部会 部会資料)
http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/allotment/sdv.html
A「治験の効率的実施を目指した医療機関での品質管理−治験依頼者の視点から−」(2011年6月 臨床評価部会 部会資料)
http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/allotment/chiken_hinshitsu.html
B「治験プロセスの効率化に関する検討(治験資料のカスタマイズに関して)」
http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/allotment/tf_4.html
C「事前ヒアリングおよび治験審査委員会の実態調査およびその検討」(2009年6月 臨床評価部会 寄稿)
「事前ヒアリングに関する治験依頼者の考え」(2010年4月 臨床評価部会 寄稿)
D「医療機関からの治験体制等の情報発信に関する検討」(2010年4月 臨床評価部会 寄稿)
http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/allotment/sending.html
E「国際共同治験における役割分担−治験依頼者へのアンケートをもとに−」(2011年5月 臨床評価部会 部会資料)
http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/allotment/chiken_buntan.html
F「治験の効率的実施に向けた品質管理プロセスに関する提言〔医療機関における治験データの記録から症例報告書作成まで〕」(2012年4月 臨床評価部会 部会資料)
http://www.jpma.or.jp/about/board/evaluation/allotment/chiken_process.html
G「治験効率化を目的とする治験資料の電磁的授受の具体化に関する検討−IRB審査資料の電磁的授受の方策に関する提言−」(2012年4月 臨床評価部会 寄稿)
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う〜〜〜〜ん、製薬協も頑張っていますね!!
話は「モニタリングの効率化に関する提言」に戻ります。
●治験手続の電子化
「治験手続を電子化することによるメリット・デメリット」が提言の12ページにあります。
メリットの中でも特に大きいのは「作業の迅速化や移動時間の削減による作業効率の向上と、それに伴う作業人件費の削減が可能となる」だと思います。
デメリットとしては、「電子化により発生するリスク(不正アクセス、情報漏洩等)への対応が必要となる」ですかね・・・・・。
これはもう避けられないので、とにかく考えられる対応を全てうっておくと。
ちなみに、このIT化に関する問題・対応方法・考え方として下記の資料も参考になります。
↓
「医師主導治験等の運用に関する研究」総括研究報告書について
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http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/chiken/dl/130410-1.pdf
■■■ 治験手続の電子化に関連する規制・通知等 ■■■
●電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)・・・電子署名法
●民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成16年法律第149号)・・・e-文書法
●厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令(平成17年厚生労働省令第44号)
●医薬品等の承認又は許可等に係る申請等に関する電磁的記録・電子署名の利用について(平成17年厚生労働省医薬食品局長通知)・・・ER/ES通知
●医薬品等の承認又は許可等に係る申請等に関する電磁的記録・電子署名利用のための指針・・・ER/ES指針
●治験手続を電子化するための手段と留意点
ここでは報告書によると「治験に係る文書の「作成」、「授受」及び「保存」に区分して考える」という手法をとっています。(14ページ)
ここで問題となるのは改ざん防止(不正アクセスよるものを含む)、事故による電子書類・電子データの消失、変更履歴(監査証跡)などなど。
これらの対応方法まで上記の報告書に書かれていますので、読んでおきましょう。
「第12回 CRCと臨床試験のあり方を考える会議」でも、IRB審査資料の電子化の現状について報告されているようですね。
たとえば下記のよう。(16ページ)
【メリット】
・安価に導入でき、簡単に利用できる。
・デジタル署名導入によって、真正性を保つことができるようになる。
【デメリット】
・ファイル容量制限、送信ミス、保存性に懸念がある。
・・・・など等。
これらは今後、ますますIT技術が発展して、将来は問題とならない、ということもあり得ますね。
(何しろ、僕が人生で初めて購入したPCはマッキントッシュでしたが、その時の内臓ハードディスクの容量は800メガぐらいでしたからね・・・・・。今では考えられない。)
電子書類に関しては、その他に「電子署名」のありかたなどもまだまだ問題があるので、それらについての考察も報告書にあります。。
ついでに、電子資料のキーワードとして「真正性」、「見読性」、「保存性」があります。覚えておきましょう!
この3つの言葉は詳細は下記をご覧ください。
↓
●医療情報システムの安全管理に関するガイドライン
↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/er-esgaidorain
●上記のガイドラインによると真正性とは、正当な権限において作成された記録に対し、虚偽入力、書き換え、消去及び混同が防止されており、かつ、第三者から見て作成の責任の所在が明確であることである。
●見読性とは電子化文書等の内容が必要に応じ電子計算機その他の機器を用いて直ちに表示又は書面に出力できるよう措置されること。可視性と言う場合もある。
●保存性とは記録された情報が法令等で定められた期間に渡って真正性を保ち、見読可能にできる状態で保存されることをいう。
今後、特に具体的に問題となるのは実は「ファイル名のつけ方」。
製薬協の報告書にも次のように記載されています。(34ページ)
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各治験関係者では固有のルールに基づき電磁的記録にファイル名が付与され、固有のファイル構造に従って管理されることが予想される。
治験には複数の治験関係者が関与するため、各々が異なったルールで電磁的記録を管理した場合、電磁的記録の授受や保存において混乱が生じ、その管理業務に本来不要な負荷が生じる可能性がある。
このような問題を回避するために、電磁的記録にフォルダ構造及びファイル名を付与する際のルールを統一し、全ての治験関係者で電磁的記録を管理するフォルダ構造及びファイル名を共有することが望ましいと考える。
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このことって、社内でも問題になることがありますよね。
ちなみに、僕がリアルで働いている会社ではメールのタイトルのつけ方も統一ルールがあります。
「統一書式の二課長通知に対する医薬品評価委員会の見解」(製薬協)もあるので、是非、ご一読を!
↓
「統一書式」に関する通知類は下記にまとめてあります。
↓
https://sites.google.com/site/zhiyanniguansurutongzhiji/tong-yi-shu-shinitsuite
明日へ続く。
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↓
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