2013年06月04日

治験において「補償」の対象となる場合、ならない場合

本日の話題の前に皆様へのご連絡です。

『第13回CRCと臨床試験のあり方を考える会議 2013 in 舞浜』で私(ホーライ)がセミナーを行わせて頂くことになりました。

私(ホーライ)の出番は「2013年9月16日 12:00〜12:40」の「お昼どきセミナー(お弁当購入者優先)」です。

(ちなみに、私は二日間とも舞浜の会場をうろうろして勉強をしている予定。ただし、「かぶり物」はつけていません^^;)

お話する内容は「仕事を楽しくこなして『スーパービジネスパーソン』になるコツ」です。

皆さん、「仕事」を楽しんでいますか?

『スーパービジネスパーソン』に成るにはまずは「仕事」を好きになり「仕事」を楽しむことが大事。

「仕事」を楽しくこなしながら自分も「成長させる」にはどうしたらいいのでしょうか?

そのヒントになれば、と思います。

詳細は下記をご参照ください。
     ↓
●「お昼どきセミナー*(お弁当購入者優先)*を掲載いたしました。」
     ↓
http://www.crc2013.com/programs.html#prg00


さらに、ご連絡(その2)です。

上記の「あり方会議 2013」で下記の演者を募集しています。

皆様、是非、ご検討のほどを。(詳細は下記のページへ)

●シンポジウム9の演者募集締切を6月10日(月)に延長しました。
     ↓
http://www.crc2013.com/registration.html

「臨床研究・治験活性化5か年計画2012の実現に向けて 〜アクションプランを実行するのは私たちです!〜」

募集していますよ〜〜!



今週はこの文章を毎日、のっけていますので、一度お読みになられた方は、明日からスキップしてください。

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●治験において「補償」の対象となる場合、ならない場合



今週は治験における補償について学びます。

さて、日本では、特に内資系製薬会社の場合、治験の補償のSOPはたいてい、下記の医法研(いほうけん)のガイドラインが基本となっている。
    ↓
●医法研 被験者の健康被害補償に関するガイドライン
    ↓
http://www.ihoken.or.jp/guideline/2_revisionguidline.pdf


●ちなみに「医法研(医薬品企業法務研究会)」とは?
 ↓
http://www.ihoken.or.jp/


上記の「医法研 被験者の健康被害補償に関するガイドライン」は絶対ではなく、あくまでも参考です。

ですので、各会社の補償に対するポリシーやSOPは異なりますので、必ず、自分の会社の「補償に対するSOP」を確認しましょう!!

実際、上記のガイドラインにも次のように記載されている。(7ページ)


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治験依頼者は本ガイドラインを参考にして自社の補償制度を文書で定めておくことが重要である。

ただし、必ず本ガイドラインの内容で補償しなければならないということではないことに留意されたい。

補償の内容は、被験者の承諾を得られる水準で治験依頼者が自ら設定すればよいし、全ての治験で同じ水準の補償の内容を設定するよりも、治験によって異なるはずの、治験自体のベネフィット(アンメット・メディカル・ニーズが高いか否かなど)とリスク(副作用の発現頻度や重篤度など)や、被験者のリスク(軽症か重症かなど)などを考慮して、治験実施計画書ごとに補償の内容や範囲を設定することがより望ましい。

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上記を踏まえて「医法研 被験者の健康被害補償に関するガイドライン」を参考に治験に係わる補償を見ていきましょう。


補償の原則(ガイドライン1−1の解説)

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治験に起因して被験者に健康被害が生じ、だれにも法的責任(賠償責任)を問うことができない場合(賠償責任が明らかでない場合を含む。)には、治験と被験者の健康被害との間に因果関係があれば(否定できないものを含む。)、治験依頼者が自ら定めた補償制度に従って被験者を救済する

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繰り返しますが、治験で「被験者の健康被害との間に因果関係があれば(否定できないものを含む。)」補償の対象となる。

ただし、治験薬の副作用はそうだけど、じゃ、同意後に治験のための「検査」で健康被害が発生(たとえばバリウムでアレルギーが発生した場合等)は、それぞれの会社のSOPで確認してください。

「補償」に対しては「同意後」からを補償の対象期間としている会社もありますし、あくまでも治験薬の副作用としている場合もあります(詳細は金曜日に)。


ちなみに、治験に参加した方でなんらかの副作用で治療をしたけれど、どの医師も治験薬との因果関係が分からないと言っている場合は、とりあえず治験の治験依頼者である製薬会社に連絡してみましょう。



さて、治験において「補償の対象とならない場合」です。(ガイドライン2:10ページ)

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2−1 機会原因(治験中でなくとも起きたであろう偶発的な事故原因)に起因するものは、補償の対象とならない。


【解説】

機会原因とは、治験中で無くとも起きたであろう偶発的な事故原因をいう。

例えば、治験のための通院中に暴走車にはねられたといった交通事故に遭った場合の被害原因や、入院中に出された病院給食により食中毒に罹患した場合の被害原因が相当する。

これらにあっては、原因者(前者の場合は運行管理責任者、後者の場合は給食業者)の賠償責任の問題である。


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上記の例としては1日目にも記載しましたが、たとえば「毒キノコ」を食べた場合などがあります。




誰かに過失がある場合、誰かの故意で被験者に健康上の被害があった場合はどうなるのでしょうか?

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2−2 治験依頼者及び実施医療機関の責に帰すべき場合は、補償の対象とならない。

【解説】

被験者に生じた健康被害が、治験依頼者や実施医療機関(治験責任医師をはじめとする治験スタッフを含む。)の責に帰すべき場合、すなわち、これらの者のいずれかに故意もしくは過失、又は債務不履行がありこれにより発生した場合には、当該原因者の賠償責任の問題となり、治験依頼者の補償問題とはならない。

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当然と言えば、当然ですが、治験責任医師の不注意で被験者に健康被害が発生した場合は治験責任医師の賠償となります。

CROのモニターのせいで健康被害が発生した場合(例えば、プロトコルを間違えてCRCに説明してしまい、それが原因で被験者に健康被害が発生した場合等)はCROの賠償となります。



では、被験者の健康被害が治験薬との因果関係が否定できた場合は? そうです。補償はしません。

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2−4 治験と健康被害との因果関係が否定される場合は、補償の対象とならない。

因果関係の否定は、治験依頼者の責務とする。立証の程度は、合理的に否定できればよい
(証拠の優越で足る:preponderance of evidence でよい)。

【解説】

補償責任は絶対責任ではないので、治験と健康被害との間に因果関係がなければ補償しない。

治験の補償においては、「損害が発生していること」と「治験と損害の発生に因果関係があること」を明らかにする必要がある(治験依頼者に過失がないことが前提である。

もしあれば補償ではなく賠償の問題になる。)が、このうち「因果関係の証明等について被験者に負担を課すことがないようにすること」をGCP は求めている。

このため有害事象が発現して補償の問題が発生した場合は、治験依頼者側が治験責任医師らの意見を参考にして治験との因果関係の有無を判断することになるが、治験依頼者が因果関係を認める場合はともかく、因果関係を認めない、すなわち「補償をしない」と決定する場合は、治験依頼者が因果関係のないことを立証しなければならない。

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『「補償をしない」と決定する場合は、治験依頼者が因果関係のないことを立証しなければならない。』とありますね。

では、どうやって立証するのでしょうか?

上記のガイドラインには次のように記載されています。

●因果関係がないと考えられる事例

@ 他の因果関係が明確に説明できる事例

A 治験薬投与と有害事象との間の時間的関連性に無理がある場合

B その他非合理的な場合


逆に因果関係が否定できない場合を考えると簡単ですね。

因果関係は次を参考に治験責任医師・治験分担医師に検討してもらいましょう。(GCP省令第2条ガイダンス:7ページ)


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因果関係の判定を行う際には・・・

●投与中止後の消失

●投与再開後の再発

●既に当該被験薬又は類薬において因果関係が確立

●交絡するリスク因子がない

●曝露量・曝露期間との整合性がある

●正確な既往歴の裏付けにより被験薬の関与がほぼ間違いなく説明可能

●併用治療が原因である合理的な可能性がみられない

・・・等を参考にすることができる。

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明日へ続く。



●医薬品ができるまで」は下記
http://chiken-imod.seesaa.net/

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http://archive.mag2.com/0000102664/index.html

posted by ホーライ at 01:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 治験における補償について | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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