●プロトコル逸脱:緊急の危険回避以外の逸脱または不遵守
【事前準備】
緊急の危険回避以外の逸脱でも、その逸脱内容はすべてカルテなどから確認できればよく、当該事項の記録を目的とした特別な文書(「逸脱報告書」のような)を別途作成することはGCP上求められていない。
従って、緊急の危険回避以外の逸脱の場合の対処については、施設SOPや事務局、あるいは自分の会社のSOP、先輩、上司に予め確認しておくこと。
●プロトコルからの逸脱またはGCP不遵守等の情報を入手(モニタリングによる発見および、責任医師もしくは分担医師からの申し出等による)した場合は、その内容がカルテなどの原資料から確認できるか検討し、確認できない場合は該当者に対処を依頼する。
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再発防止・遵守確保の措置を講じる(これが大事!!)。
モニタリング報告書に遵守を確保するための措置に関する記録を残す。
内容は以下の通り(省令第22条)
・逸脱の内容
・経緯(逸脱の原因)
・治験責任医師に告げた事項
・講じられるべき措置(再発防止策!)
・措置に関するモニターの所見
*逸脱が重大であること、又は逸脱が継続し改善されない場合、当該責任医師、当該実施医療機関との契約を解除することもある。
この際、依頼者はこの事実を規制当局に通知する。(省令第24条)
プロトコル逸脱が起こらないよう、予め治験責任医師、治験分担医師、CRCに注意すべき点等(特に検査項目、検査日等)を十分に説明し、理解していただく必要がある。
また、検査予定日の2、3日前にFAXや電話、e-メールで知らせる等の措置を取ることで、逸脱を防ぐことが出来る。(「予防」が大事!!)
・タイムリーなSDVを実施し、正確な情報を入手することにより早期に逸脱を発見し、再発防止を講じなければならない。
・逸脱事項を治験責任医師および必要に応じて医療機関の長に伝えるとともに、そのような逸脱の再発を防止するための適切な措置を講ずること(省令第22条解説)。
・緊急の危険回避以外の逸脱内容がIRB審議にかけられるとは限らないが、継続審査時や終了報告書に添付されて審議される可能性もあるので、施設SOPや事務局で予め確認すること。
・逸脱に対するデータ上の取り扱いは、「症例および症例データの取り扱い基準書」に従う。
●再発防止・遵守確保の措置とは具体的にどのようなことでしょうか?
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医師やCRCにプロトコルを再度説明を行い、二度と逸脱が起こらないよう注意を促す。
また、モニター間で逸脱の情報を共有し、各担当施設にその内容を伝えることが大切です(未然防止策につながるため)。
さらに、注意書きを記載したマウスパットを提供すること等により、常に見ていただける状況にしておく等の工夫があります。
●プロトコルからの逸脱をモニターが直接閲覧で発見した場合、既にプロトコルに沿った治験実施の機会を失っているもの(検査日が過ぎてしまっている等)では実施しない方がいいのでしょうか?
あるいは実施時期が遅れていても実施する方がいいのでしょうか?
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個々のケースごとに治験責任医師と依頼者が判断することになります。
一般論としては、プロトコルからの逸脱が被験者の安全確保の観点から問題となり得るかの判断が必要です。
この点で問題が無ければ、次に継続するか否かは有効性を評価し得るか否かによります。
これは依頼者とも協議のうえ、最終的に治験責任医師が判断することになります。
【GCP関連 Q&A網羅集 平成14年4月版より抜粋】
●緊急の危険回避以外の逸脱とはどのようなものがあげらるでしょうか?
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検査日のずれ、検査未実施、除外基準に抵触・選択基準に合致しない症例の組み入れ、治験薬と市販薬の取り違え、治験薬の過量投与・・・など等があげられます。
プロトコルによっては、逸脱の傾向が決まってくることもあるので、チーム内で逸脱情報を共有して、逸脱防止策、再発防止策を検討しましょう!
次回へ続く(いつのことやら・・・・・・)
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