2013年05月16日

治験薬概要書の改訂

今週も引き続き、治験の進め方のポイント、モニタリングの基礎です。(第6週目)



●治験薬概要書の改訂

・モニターは新たな情報が得られた場合等には、治験薬概要書の改訂に先立って、治験責任医師、医療機関の長、規制当局にこれらの情報を報告する(GCP省令8条ガイダンス)。

依頼者は、開発段階に応じて、また、被験薬に関連する新たな情報が国内外から得られた場合等には、SOPに従って少なくとも年に1回治験薬概要書を見直し、必要に応じて改訂すること。

(見直した結果、改訂の必要が無かった場合は、その旨の記録を残しておく。これはちょっとしたコツ。こうすることで、監査や当局の人に「治験薬概要書は見直していますか?」という質問に「はい。このとおり、見直しましたが、改訂の必要が無かった、という記録があります」と答えられる。)


治験薬概要書の改訂箇所を責任医師に説明するとともに、IRB審議資料として、書類を治験事務局に提出する。


IRBにて改訂が承認された後、治験関係者(分担医師、CRC、治験薬管理者)への情報提供を行う。

また、安全性情報による改訂の場合、同意・説明文書の改訂が必要な場合もある




●治験薬概要書の改訂版の作成に代えて、該当部分だけを記載した追補版の作成で対応しても特に問題ないでしょうか?     

    ↓

新たな重要な情報が得られた場合、当該情報としてまとめて責任医師等に提供することに、特に問題はありません。

ただし、追補版の情報を見落とさないようにするために本体とセットで取り扱われる工夫(例えば、バインダー綴じによる保存)が必要です。

そして、少なくとも年1回の治験薬概要書見直しの際に、原則として追補版の情報を本体に組み入れて改訂すべきです。
           
【GCP関連 Q&A網羅集 平成14年4月版より抜粋】




●IRB審査対象文書の追加・更新・改訂

・治験依頼者は治験期間を通して、IRB審査の対象となる文書のうち、依頼者が提出すべき文書が追加、更新または改訂された場合、その全てを速やかに医療機関の長に提出する。



・IRB審査の対象となる文書のうち、依頼者が医療機関の長に提出すべき文書は以下のものがある。(GCP省令第10条第1項ガイダンス)

1)プロトコル(分冊を作成しており、当該分冊に記載された当該医療機関以外の実施医療機関に特有の情報を改訂する場合は不要)

2)治験薬概要書 

3)CRFの見本(記載内容がプロトコルに記載されている場合は不要)

4)同意・説明文書

5)責任医師の履歴書およびその他の文書、分担医師の氏名リスト(求められた場合は履歴書)

6)予定される治験費用に関する資料(被験者への支払い(支払いがある場合)に関する資料)

7)被験者の健康被害に対する補償に関する資料

8)その他の必要な資料


これら審査対象文書に連動して、変更の可能性のある文書(例えば、契約書等)が発生する場合があるので注意が必要。




●「その他の必要な資料」とはどのようなものがあるでしょうか?

    ↓

分担者・協力者リスト、IRBに提出する契約書(案)、会社を説明するもの(パンフレット等、必要に応じて)、被験者募集のポスター(募集する場合)、モニターの履歴書(必要に応じて)、モニター指名書(必要に応じて)、企業との連携がある場合、利益相反に関する資料等があります。




明日へ続く。


●医薬品ができるまで」は下記
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